ドラッグストアにおける薬剤師の業務は人工知能(以下AI)で代替不可能であると考えます。また、今回考えるAIは情報や条件から一つの結論を推論することと、集積した知識から法則性を見出し学習する能力を使用できると想定します。これらを踏まえ、ドラッグストアの薬剤師の業務であるOCT販売を三段階のフローに分けて考えました。1.顧客とコミュニケーションをとり体質・体調や症状を聞き取る、2.1で得た情報を元に薬を選ぶ、3.選んだ薬の説明を行う、の三つです。この上で代替不可能と考える理由は二つです。第一に、1と3の段階で顧客の説明の曖昧さが挙げられます。体調などの説明は定性的になりやすく表現の度合いも個人に依存します。また、顧客がどこまで薬の説明を求めているのかも個人により異なります。基準が統一されていない情報を使用することを余儀なくされるので、機械学習が困難である可能性が高いと考えます。第二に、1と2の業務フローは連続していて独立して行える業務ではないことです。1がAIで行えなければ2も行えません。以上の理由から、ドラッグストアの薬剤師の業務は代替不可能であると考えます。この上でさらに代替されにくくするために今後の症状に対する予防策やケアのアドバイスを行うべきだと考えます。このような業務は長期的な視点で行われるためAIの学習と推論の機能では実現が難しく、より薬剤師の価値を高めてくれると考えます。
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