18卒 本選考ES
生産技術職
18卒 | 神戸大学大学院 | 男性
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Q.
研究要旨を、研究の位置づけを含めてわかりやすく記入してください
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A.
抗体は、体内に侵入してきた細菌やウイルスと特異的に結合し、無毒化または体外へ除去する働きを持ちます。抗体を用いた医薬品は少ない副作用で高い効果が期待でき、がんやリウマチなどの治療薬として需要が増加している一方、その膨大な製造コストが招く高額な医療費が問題となっています。抗体医薬は遺伝子組み換え動物細胞の培養で生産されるため、大量に含まれる夾雑物と目的の抗体を分別することが必須であり、そこでは抗体の定常部位に強い親和性を持つ吸着剤が用いられます。この吸着剤の性能が抗体医薬の収量や純度、ひいては製造コストを大きく左右することから、多くの化学メーカーが高性能吸着剤の開発に取り組んでいます。 吸着剤の高性能化を実現するには、吸着剤粒子内部の拡散・吸着特性を把握することが重要ですが、吸着剤を充填したカラムで測定する従来法では吸着量の評価は行えるものの、こうした粒子内特性は評価できませんでした。 私は、抗体が粒子内を拡散しつつ吸着する様子を細胞の蛍光断面観察に用いられる共焦点レーザー走査顕微鏡を利用して追跡し、これを数値シミュレーションすることにより、吸着剤粒子内における抗体の拡散・吸着特性を定量的に評価しています。研究結果を基に、当研究室ではより高性能な吸着剤の新規開発を試みています。抗体医薬の製造コストを減らし、より多くの方に抗体治療を届けることが私の研究の最終目標です。 続きを読む
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Q.
研究の中で、独創性・オリジナリティーをどのように発揮したのか教えてください。※学部生の方は、今後どのような研究をしたいかを記入してください。
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A.
本研究テーマの新規性は、共焦点レーザー走査顕微鏡による蛍光断面観察を抗体医薬精製用吸着剤に適用し、抗体が吸着する様子をシミュレーションすることにより、吸着剤粒子内の拡散・吸着特性を定量的に評価している点にあります。 私個人の独創性・オリジナリティーを発揮した経験について、研究を進める中で、従来の概念とは異なる吸着挙動を確認しました。これを説明することに私は勿論、教授も頭を悩ませていました。解決策を模索するにあたり、私は固定概念や定説に囚われない考察を意識しました。これまで当然だと認識していた「吸着速度定数は一様である」ことを疑い、速度の遅い二次的な吸着を提議しました。教授も始めは懐疑的な意見でしたが、検証した結果、そうした吸着挙動を確かめることができました。それが吸着性向上のための具体的な改善箇所の提示にも繋がり、自らのアイデアが実証される「研究の醍醐味」を体感することが出来ました。 続きを読む
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Q.
三井化学でどのような仕事に携わりたいですか。
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A.
自らの工学的な知識を生かし、貴社の高機能材料を高品質かつ低コストに量産化する仕事がしたいです。高機能で革新的な製品も、高価であることが原因で広く用いられなければ、実際に世の中には普及しない恐れがあります。またグローバルな視点においても、材料の製造コストを減らすことは、貧しい国なども含めた世界中に貴社の高機能材料を応用した製品が普及することに繋がると思います。貴社の説明会や工場見学を通じて、若くから責任ある仕事を任される点・社員の皆様の人柄に惹かれ、この会社の一員として働きたいと強く感じました。入社後は、問題解決に向けた正しい判断・行動ができる技術者になります。予測不可能なトラブルも的確に対処し、「あいつがいれば安心だ」と思ってもらえる人材になることで、ミスが許されない責任ある役割を担いたいです。将来的には海外拠点への生産移管などに携わり、大きなプロジェクトを成功に導きたいです。 続きを読む
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Q.
あなたの研究以外の自己PRを、具体的なエピソードと共に教えてください。
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A.
私は観察力に自信があります。これを身につけるきっかけになったのが部活動での経験です。競技未経験であった私は個人の力で劣っており、なんとか力をつけ、レギュラーになりたい一心で日々練習に励みましたが、他の部員仲間との実力差は思うように縮まりませんでした。 しかしあることを徹底して意識するようになってから、状況が変わってきました。それは「観察すること」です。ハンドボールは連携力がチームの強さを大きく左右し、そのためチーム内での意思疎通が非常に重要です。私は仲間を注意深く観察し、また自分を客観視し、「彼らが何を考えながらプレーしているのか」「私にどういうことを求めているのか」を把握することに努めました。以来、周りとの連携はスムーズになっていき、活躍の機会が格段に増えました。 また私は部員を練習の外でも観察し、チームの輪が常に良好な状態を保つことが出来るよう、「潤滑油」としての役割も担いました。ハードな練習から部員の一部が休みがちになったときは、彼らと対話し、部員誰一人欠けてはいけないことを力説しました。結果として、我が校史上初となる近畿大会での勝利を成し遂げ、この快挙達成に自らが貢献できたことを誇りに思っています。 この「観察力」を生かし、入社後はがむしゃらに働きながら一つ一つの操作や周囲の状況、働く先輩方をしっかりと観察し、1日に1つでも多くのことを学んでいきたいと思います。 続きを読む