志望動機は主に2つあった。1つは、グローバル環境の中でコンサルタントとして働くことにやりがいを見い出せるためだ。もう1つは、コンサルタントの価値貢献のあり方に惹かれたことである。この2つが大切であると考えたのは、職業選択をする上で私のモチベーションとスキルに合致していると考えたためだ。 前者に関して言えば、グローバル化の促進の結果、企業ではクロスボーダー案件が増えている。そしてそれは、それまでは企業内の中枢機能として解決されてきた諸機能(企業内でのネットワークの管理・調節やサービスや資金の調達や提供)が複雑化したために外部委託される契機となった。グローバルな環境で働くといえど、様々なフェーズが存在すると考える。その中でも、コンサルタントとして働くことは様々なクライアントの中枢機能をグローバルな環境の中で支援することである。委託される仕事は、市場の不安定性が高い。また、取引における速度も早くなっているため困難である。しかし私にとっては、そうした環境こそグローバルな環境の中でも最もやりがいのあるものに見えた。 後者に関して言えば、私はコンサルタントが価値を生み出す瞬間を次のように捉えた。それは、最終的な提案に対してクライアントから納得をしてもらい、案件を前に進めて結果を出した瞬間である。よくコンサルタントは、論理的思考力が必要であるとか、革新的提案をすることが大切であるという。しかしそれらは必要条件であり、一番大切なことはコンサルタントとしてクライアント満足してもらうことであると考える。 こうした考えを経て私は、自身にあった論理武装だけをしてビジネスをしているというコンサルタントのイメージを覆した。いわば、最後は人と人のやり取りであるという一種の泥臭さが、私には魅力的に映ったのである。
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