私が学生時代に特に力を入れたことは、和太鼓グループのコアメンバーとして、グループの運営とメンバーの演奏スキルの向上を図ったことです。
私は大学2年の頃より、社会人と学生からなる和太鼓グループに参加しており、定期的に演奏を披露しています。参加のきっかけは友人の誘いですが、「日本の伝統は素晴らしい」と言うだけでなく、自らが体験し伝統芸能の本質を感じたいという思いもありました。
最初は経験も知識も全くなく、先輩からただ教わるだけでしたが、稽古を重ねるうちにだんだんと中心的な役割を担うようになりました。
ある時、発表前の最終練習の際に顧問に見てもらったところ、「個々人が自分の太鼓を叩くのに必死で、全体としてまとまり切れていない」との厳しい講評を頂きました。心当たりはあり、私が曲のベースとなる締め太鼓に初めて挑戦したこと、メンバーの都合が合わず練習の回数が足らなかったことです。
良い演奏には、曲そのものの技巧も必要ですが、練習量に裏打ちされた演奏スキル、そして奏者全員が同じ目標に向かって心を一つにし、つながることが大切だと考えます。それは、伝統芸能である和太鼓の持つ、指揮者がいないという特徴からです。わずかなタイミングのずれが起きやすく、目立ちます。
この問題を解決するため、私は限られた時間の中で演奏の後や稽古の合間にメンバーと話しあう時間を持つようにし、まずモチベーションを共有するようにしました。さらに、練習中の演奏を撮影しグループで共有、自分自身や他人の演奏をあとから指摘し合えるようにしました。
結果、すぐの改善は難しかったですが、その次の発表において「最近の中で一番よかった」との評価をいただきました。
この経験から、和太鼓の活動を通して、仲間とともに信頼を築き、やりっぱなしではなく記録に残したうえでしっかりレビューすることの大切さを学びました。
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