大学1年の春休みに1か月間バルセロナへ語学研修に行った際、多様なバックグラウンドを持つ人々と知り合うことが出来、日本のことや、日本人としての自分を客観的に見つめ直すことも出来ました。研修に行った時点で私のスペイン語学習歴はたった10か月、そして旅行以外で海外に滞在することは初めての経験でした。それにも関わらず私がホームステイすることになった家では、スペイン人夫婦、アメリカ人留学生2人、フランス人留学生2人の7人で1か月過ごすことになりました。ステイ先の家では部屋の掃除や洗濯は週に1度しかしないこと、朝食の内容が毎日同じこと、夕飯時は毎回デザートがあることに驚かされ、また外に出ると街中には移民や乞食が多数存在していたり、至る所に世界遺産の建築物があったり、日本とは全く違う景色や生活が待ち構えていました。同時に不快に感じたこともあります。それは道を歩いていたりレストランに入ったりする度に、十中八九“Hola, China.(こんにちは、中国人)”と話しかけられたことです。しかしそれは日本人が欧米諸国の人びとの国籍が判断できないのと同様、欧米では「日本人、韓国人、中国人は同じ」であり「アジア=中国」だと思っている人もたくさんいるからであるということを学びました。ステイ先では唯一のアジア人でしたが食事や掃除・洗濯など生活習慣には容易く順応することが出来、一方留学生やホストファミリーも日本人の私に配慮して、夕食後は浴槽のある浴室を使わせてくれ、また自由に外出できるように家の鍵まで持たせてくれました。自分の考えを伝えつつも、同時に多様な文化・考えを受容しあうことで信頼関係も深まるということを学びました。(696)
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