今までの人生で影響をうけた出来事・人・ものはありますか?
私はラジオのディレクターとしてお笑い芸人のスパローズさんの番組を受け持ったことが、
この業界を目指すきっかけとなっています。ラジオ番組を作っていく上で一番重要なのは、パーソナリティーの持ち味が存分に発揮できる場を用意することだと思っています。私が担当したスパローズさんはクズさを売りにしている芸人さんで人をいじって笑いをとるのがとても上手な芸人さんです。スパローズさんの出ているライブを見に行った時に、たくさん芸人さんがいる中で先輩後輩関係なくいじって自分たちだけが目立つのではなく、いじった芸人さんも目立つような笑いをとっているのを見てこの人たちの強みはこれだと思いました。この強みを活かすためにゲストに呼ぶ人を考える際には、スパローズさんがいじって面白くなりそうな人を呼ぶようにしていました。ただラジオ番組を担当していながら、スパローズさんはラジオよりもたくさん芸人さんがいる場所でいろいろな人をいじって笑いを取るのが一番向いているなとも感じていました。
ラジオの仕事では迎えられるゲストの数にも限りがあるので、より多くの人を相手にできるテレビの方がより輝くのではないかと思っていました。こうした考えを持ったことが、私は一つの媒体にとらわれるのではなく、アーティストが出演する媒体を選ぶ側で働いてみたいと思ったきっかけです。
もう一つ私の中で大きな経験になっているのがNewclearという5人組のアーティストと番組を始めたことです。ここでも私はディレクターとして彼らの番組をプロデュースしているのですが、
今までとの大きな違いが、担当することになったNewclearがラジオ初心者ということです。
彼らは初心者にも関わらず、パーソナリティーとしてリスナーに伝わりやすい表現であったり、
話の流れの作り方であったりとても高いレベルでこなすことができました。ですが、自虐的な方向にトークを持っていってしまう傾向がありました。もともとファンも少なく自分たちのことを知ってもらえる数少ないラジオという媒体で自分たちのことを自虐的に言ってしまうのはマイナスにしかならないと思います。ファンがたくさんついていて売れているアーティストが自虐をするのはいいと思うのですが、Newclearに必要なのはまず自分たちの良さを売り込むようなトークだろうと彼らに意識付けをさせました。すぐには自虐的になってしまう癖は抜けませんでしたが、放送後に録音を聴きながら具体的な箇所を指摘し、ポジティブな話し方の具体例を出しながら説明することでNewclearに自分たちの売り込み方を理解させることができました。
ここの意識改革をできたことは、自分がマネージャーになった時に役に立つ経験だと思いました。
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