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CREATED ON 2025.08.06 | UPDATED ON 2025.11.28

ソニー就職ガイド|採用大学・頻出質問・内定者の回答付き

企業研究
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内定者の選考体験記が見られる! ソニー就職ガイド 深い自己分析が内定へのカギ

こんにちは。就活会議編集部の望月です。 音楽機器から電子決済まで、多岐にわたる事業を扱うソニー。私自身も、日常のあらゆる場面で「感動体験」を生み出すソニーに惹かれていました。 しかし、同じように思う学生が多いのも事実。だからこそ、内定は狭き門です。 この記事では、企業概要から選考の頻出質問を一挙紹介。口コミサービス「就活会議」に寄せられた、高い競争率を勝ち抜いた内定者たちのリアルな声やデータを分析して、内定するためのコツも導きました。この記事で対策を万全にして選考に臨みましょう。

この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。

ソニーの就職に必須な前提情報

就活に欠かせない企業研究。特に、大手企業であるソニーは幅広い事業展開をしているからこそ、その本質を理解することが選考突破への鍵となります。

製品やサービスの魅力に惹かれ、漠然と「ソニーで働きたい」と考えている学生も多いことでしょう。しかし、優秀な応募者が集まるからこそ、多岐にわたる事業への解像度を上げ、その熱量を面接で的確に伝える必要があるのです。

まずは、ここで解説するソニーがどんな会社なのかを理解することから始めるのが内定への第一歩。ソニーの就職に必須な前提事項をつかんでいきましょう。

ソニーとは

ソニー株式会社は、テクノロジーやサービス分野の開発に特化した事業をおもに展開している企業で、ソニーグループ株式会社の関連会社のひとつです。ソニーグループはホールディングカンパニー制を採用しており、今回は事業会社であるソニー株式会社について解説します。グループ全体の経営戦略や管理・サポート・ガバナンスを担っている親会社ソニーグループ株式会社との関係は下記の通りになります。

ソニーグループ株式会社 ソニー株式会社
企業概要 グループ全体の親会社 ソニーグループ株式会社の子会社
事業内容 関連会社の戦略などを統括する テクノロジーやサービス分野の開発に特化した事業をおもに展開
設立経緯 1946年に「東京通信工業株式会社」として創業
1958年に「ソニー株式会社」へ社名変更。2021年に現在の社名に変更
2021年に下記4社が統合して創業
「ソニーエレクトロニクス株式会社」
「ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社」
「ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社」
「ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社」

ソニーのミッションは「テクノロジーの力で未来のエンタテインメントをクリエイターと共創する」こと。このミッションを「テクノロジーの力」「エンタテインメント」「クリエイターとの共創」の3つのセクションに分けて、ソニーグループ全体のパーパスや歴史とともに詳しく紐解いてみました。

テクノロジーの力 常に最先端の技術に投資する意志を示していることの表れ。ソニー株式会社の中心事業
エンタテインメント グループ全体のさまざまな事業を総称すると「エンタテインメント」になることの表れ
クリエイターとの共創 創業当初より「技術」と「創造」を結び付け、さまざまな製品を生み出してきたことの表れ

グループのなかでも特に技術領域に特化しているからこそ、「テクノロジー」を中心に据えたミッションを掲げていると言っても良いでしょう。

私たちの生活に根付いている音楽機器やテレビのみならず、医療機器などにも事業展開をしているソニー。思いもよらない点でソニーの事業や製品に触れている可能性もあるため、意識して探してみると志望動機ややりたい仕事も見つかりやすくなるかもしれません。

事業内容

ソニーは技術領域に特化しており、そのなかでもエンタテインメントやテクノロジーなどさまざまなことを展開しています。おもな事業は以下の通りです。

事業名 事業内容 おもな商品・サービス
イメージングエンタテインメント おもにカメラや撮影機材を扱う。
プロから趣味で楽しむ人まで、映像を作ったり、表現したりする楽しさを提供できる商品を展開。
デジタル一眼カメラ α
デジタルスチルカメラ サイバーショット
レンズテクノロジー&システム カメラレンズやワイヤレスマイクなどを幅広く揃える。
映像制作クリエイターの多様なニーズに応える商品を展開。
デジタル一眼カメラ α用レンズ
デジタルワイヤレスマイクロホン
モバイルコミュニケーションズ Xperiaスマートフォンや5G通信技術などを扱う。
最先端の技術を搭載した商品を通じ、ユーザーに新たな体験や価値を提供する。
Xperiaスマートフォン
ホームエンタテインメント テレビや業務用ディスプレイなどを扱う。
商品を通じて、映像を見る人へ没入感や臨場感などの「体験」を提供する。
テレビ ブラビア
空間再現ディスプレイ
パーソナルエンタテインメント ヘッドフォンなどのオーディオ製品を扱う。
商品を通じて、ユーザーへ「音への没入」体験をもたらす。
ポータブルオーディオプレーヤー ウォークマン
ヘッドフォン
アクティブスピーカー
ニューコンテンツクリエイション リアルとバーチャル空間を結び付けられる商品やサービスを展開。
新たな形のエンタテインメントをクリエイターと共創している。
モーションデータPCアプリケーション
モーションキャプチャーシステム mocopi
メディアソリューション 撮影から放送までの映像制作の全工程で使える機材や、ネットワーク(IP)、クラウドを活用したシステムを提供。
効率的で高品質な映像制作をサポートしている。
システムカメラ
クラウド制作プラットフォーム クリエイターズクラウド
イメージングソリューション クラウドサービスやカメラの機能を外部から操作できるソフトウェアを開発。
さまざまな技術を組み合わせて、これまでにない映像や撮影のスタイルを創出する。
アプリケーション開発キット Camera Remote Toolkit
スポーツエンタテインメント スポーツの映像判定や放送などの映像の観点から支える。
精巧な精査システムや映像の美しさから、現地にいるようなスポーツ観戦の体験を提供する。
スポーツデータ分析システム ホークアイ
ライフサイエンス&テクノロジー 医療機器の開発をおこなう。
医療分野にとどまらず、持ち合わせている技術を研究領域にも展開させ、医療の質向上に機器の面から携わっている。
4K外科手術用内視鏡システム
セルソーター
セルアナライザー
エンタープライズソリューション 非接触ICカード技術FeliCa(フェリカ)の開発をおこなう。
FeliCaの開発で培った技術を応用し、製品やサービスの研究開発もおこなう。
非接触ICカード技術FeliCa(フェリカ)
ネットワークサービス 速くて快適なインターネット回線「NURO」を展開。
NUROを基盤とし、スマートフォンやAIを使った便利なサービスなどの事業展開をおこなう。
インターネット回線 NURO
格安SIM・格安スマホサービス NURO Mobile

どの事業も、ソニーがもとより強みとしていた領域に加え、培ってきた技術力を活かしながら新たな事業展開や製品開発をしている様子がわかります

ソニーグループ全体のパーパスである「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」という考えに準拠したうえで、人々の生活を便利で暮らしやすいものにすべく、技術を惜しまずに発揮して製品に還元する動きの表れと言えるでしょう。

競合比較

ソニーならではの特徴や強みをより明確にするためにも、競合比較は必須です。ここでの内容は、後に志望動機を作成する際にも役立てられるでしょう。

これまで説明した通り、ソニーはさまざまな事業があり、取り扱う製品も多岐にわたっています。そのなかでも今回は、2024年度の売上が大きかった「カメラ」「テレビ」の2つの製品の観点から、それらにまつわる事業の競合を詳しく見ていきましょう。

まずは、カメラを扱う企業のなかでも代表的な「キヤノン」「富士フイルム」「ニコン」と、ソニーのカメラにまつわる事業の競合を解説します。

特徴や強み
ソニー ・単に機材の提供だけでなく、映像コンテンツ制作のアプローチが可能
・自社の技術力を活かし、どのような価格帯のカメラも高品質な作品撮りが可能
・一般消費者にも高性能なカメラを提供できる
キヤノン ・ミラーレスカメラ市場で堅調な成長を見せている
・個人向けからプロフェッショナル向けまで広範囲な商品ラインナップを揃える
富士フイルム ・フィルムメーカーの長い歴史がある
・写真撮影から出力までを補える
ニコン ・プロの要求にこたえられる、最高峰品質のカメラを揃える
・カメラとスマートフォンで写真を共有できるアプリなどから、「写真を撮る人」の利便性を追及した取り組みもおこなう

次に、テレビを扱う企業のなかでも代表的な「シャープ」「パナソニック」「東芝」と、ソニーのカメラにまつわる事業の競合を解説します。

特徴や強み
ソニー ・「映像と音の融合」を意識した製品作成に大きな強みを持つ
・映像の中に没入させられるような、技術を活かした製品制作をしている
シャープ ・豊富な商品ラインナップ
・商品の可動性や薄さなどから、設置の自由度を高めるテレビのシリーズで生活面にアプローチしている
パナソニック ・映像の美しさや高音質にこだわりがある
・放送やネット動画がすぐ、簡単に見られるデバイスを開発し、「観たいコンテンツがすぐに見つかる」体験を提供している
東芝 ・網羅性の高い録画システムに強みを持つ
・テレビにゲームをつないだ際も高画質、低遅延の画面を提供

これら2つのソニーの事業に共通するのは、「人々の生活を豊かにしたい」という思いです。映像コンテンツを作成できる機会を一般の人にも提供したり、画面や音響へのこだわりを持ち、没入感を重視した製品制作から非日常体験を提供したりと、常に「エンタテインメント性」を意識しながら商品と向き合っていることがわかるでしょう。

ソニーのCEOは「エンタテインメントは人に感動をもたらし、人生をより豊かなものにします」とコメントしています。エンタテインメント性を大切にしているからこそ、機能の提供にとどまらず、「人生を豊かにする」「利便性を追求する」事業展開も可能になっているのです。

一見さまざまな事業が存在しますが、それらが結びつき、さらなる事業展開に発展させられる点は、まさしくソニーの最大の強みと言えるでしょう。

将来性

ソニーはグループのなかでも「エンタテインメント・テクノロジー&サービス」事業を担っています。2021年に「ソニー株式会社」が設立されてからの「エンタテインメント・テクノロジー&サービス」の営業利益を確認してみると、以下のようになりました。

「エンタテインメント・テクノロジー&サービス」の営業利益

2022年度から営業利益が減少する側面に陥ったものの、その後着実に回復傾向を示しています。この背景にはソニーが掲げた「高い付加価値の提供」への戦略的な軸足の転換があるのです。

市場全体で見ても、2021年当時、新型コロナ感染症により、商品供給までの流れに混乱が起きたり、深刻な半導体不足に見舞われたりしました。多くの競合が部品の仕入れコストの上昇を受け、価格競争力を維持することに注力するなか、ソニーはあえて高価格帯戦略を維持。テレビやスマートフォンなどの製品において、画質や音質などの側面で「高品質」の徹底追及にシフトチェンジした結果、利益額が回復していきました。

これは、消費者が価格よりも製品の質の高さを重視する傾向が強まっていることの表れと言えるでしょう。そのためソニーは、品質を重視しながらも、その高い品質をさまざまな事業に展開できる強みがあると言えます。このことは、持続的な成長がを支える基盤となるでしょう。

採用大学

持ち前の技術力を活かして、さまざまな事業展開をしているソニー。そのような点に惹かれて志望する学生も多いはずです。しかし、「高学歴でないと就職できないのでは」と不安になる人もいるでしょう。一体採用大学はどのようになっているのか、就活会議上の実績を確認してみましょう。

大学院への進学実績が多く見られることから、「内定のためには必ず大学院に進学しなければならないのか」と不安になる人もいるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。

技術職を志望する人は大学院に進学したほうがそこでの学びを活かせるかもしれませんが、ソニーにはマーケティング職や事務職なども存在します。実際には京都工芸繊維大学や、東京理科大学などの「4年制大学」を卒業している学生も内定獲得していることがわかりました。

必要なのは「自分の学んできたことや経験を、いかにしてソニーの業務に結び付けて語り、志望度の高さを面接官にアピールできるか」です。選考対策法について知りたい人は、「ソニーの選考対策3選! 内定者のアドバイス付き」の内容を確認してみてください。

ソニーへの就職に向けた採用情報

ソニーの基本情報を踏まえて志望度が上がった人は、ここから具体的なフローを確認していきましょう。

ソニーはグループ全体で見ても募集職種が多いため「志望していない職種に応募してしまった」「締め切りの期日を間違えていた」なんてことも起こりかねません。そのようなことがないように、採用に関する情報はきちんと押さえておきましょう。

募集職種

ソニーの募集職種は、およそ40種類から選択する必要があります。そのなかでも大まかに、「技術職・研究開発職系」「品質保証・マーケティング・商品企画系」「事務・法務系」の3種類に分類してみました。

あくまで就活会議独自の分類であるため、興味のある職種や選考スケジュールについては改めて確認するようにしてみてください。それぞれにどのような職種があるかを確認してみましょう。

技術職・研究開発職系

技術職・研究開発職系はその名のとおり、技術力を駆使して商品の設計や開発に携わる職種です。具体的には下記のような応募職種があります。

学生時代にプログラミングなどをしていた、何かの開発のための技術を磨いていたという人は、得意なことや勉強内容をそのまま活かすことができるかもしれません。

ソニーは「感動」を届けることを指名としている企業です。あなたのこれまでの学びを「感動体験」として商品に反映できるチャンスになるため、「学びを製品に還元させたい」と考える人におすすめです。

品質保証系

品質保証系は技術面や開発面に携わるよりも、「品質の担保にはどうすれば良いか」という観点で商品にかかわる職種です。具体的には、以下のようなものがあります。

さまざまなデータを活用して品質の向上に努めたり、ときには法律と向き合って製品を守ることもするこれらの職種。多岐にわたるソニーの製品の信頼性、つまり「ソニーブランド」を担保するためには欠かせない立ち位置なのです。

「法律の勉強をしてきた」「技術や開発についての学びがあるからこそ、自分にできるアプローチで商品について考えたい」という人にはもってこいの職種と言えるでしょう。

マーケティング・事務・法務系

「事務・法務」と聞くと、「社内の人をサポートする」というイメージがあるかもしれません。しかし、ソニーの事務・法務職は、商品だけでなく、経営全体や市場の特性をつかんだうえで戦略を立てる必要があり、マーケティングに近い側面もある仕事です。具体的には、以下のようなものがあります。

「大学でマーケティングを学んできた」「市場全体について詳しく分析したうえで商品と向き合いたい」という人はその強みや思いが活かせるかもしれません。

電子機器といった有形のものから、エンタテイメントなどの無形商材まで、幅広い事業を通じて世界に感動を届けられるソニーだからこそ、あなた自身の多様な経験を活かせる機会が見つかるでしょう。

選考スケジュール

ソニーの選考は、「ジョブマッチング」というエントリー方法が主流です。ジョブマッチングとは、簡単に言えば「総合職採用ではない」ということ。希望の職種に応じて自らアプローチをかけて、学生の特性に合った職種に採用されるという方式です。

2026卒向けの採用スケジュールは以下のようになっていました。

3/1~3/7(第1期) ジョブマッチングエントリー⇒書類選考⇒面接
4/14~4/24(第2期) ジョブマッチングエントリー⇒書類選考⇒面接

ジョブマッチングには応募期間が2回設けられていますが、応募後の面接時期や回数は個人により異なります。エントリーの際に同じ期間内であれば、技術職、事務職にまたがって3つまで希望のコースを出すことができますが、1期に応募した後に2期にも応募する、ということはできないため注意しましょう。

また、「マッチング」とついているからと言って、「ソニーが自分に合う職種を選んでくれるのだろう」と受け身になってはいけません。あくまでも面接の場であるため、「この仕事がやりたい」という意思を固めて臨むようにしましょう。

実際に選考を受けた経験者からは、以下のような声が挙がりました。

内定者からのアドバイス

一次面接が鬼門であるが、二次面接で落ちる人も多いので要注意。理系職種は面接が二回しかなく、面接の完成度を非常に高いレベルまで上げる必要がある。 (2024年卒 東京理科大学 総合職/調達 内定)

面接の回数などは年により変わるかもしれませんが、どの段階の選考も油断できないことは確かです。ここから解説する内容を押さえ、しっかりと選考対策をしておきましょう。

ソニーのESで聞かれた4つの質問

エントリーが済んだら、いよいよESを作成する段階です。就活会議に寄せられたES内容を確認すると、上記のような質問がなされていることがわかりました。年度ごとに聞かれる内容は異なるかもしれませんが、ES通過者の回答を参考に対策を進めましょう。

①あなたがソニーで取り組みたいこと

ソニーの場合は多くの職種のなかから志望する職種を選ぶ必要があります。そのため、事業に対する深い理解が必要不可欠です。

実際に内定者がどのように志望コースに対してアプローチをかけていったのか、回答を確認してみましょう。

ES通過者の回答

私は、まだこの世にない、新たな体験・価値を提供できるものを作ることが夢だ。その夢を叶えるため、自分が好きであり貴社も力を入れているモビリティ分野で、車内空間をより楽しくできるプロダクトを作りたいと考えている。

そのようなものとして、既存の視覚・聴覚情報のみを用いるものでなく、五感全ての情報を活用し、未だかつてない車内体験を可能にするエンタテイメントシステムを構想しており、希望コースでその実現に取り組みたい。

まずは機械系出身であることを生かし、設計を軸とし様々なプロダクトの開発に貢献し、技術を向上させたい。だが、新規の製品やサービスを生み出すには、機械設計以外にも幅広い知識が求められる。そのため、早くから設計以外にもアンテナを広げ、積極的に関与していくことで、ものづくりに関する他の知識や、企画等の知識も身に着けたい。

将来的には、獲得した知識に加え、これまで培ってきた論理的思考力や、周りを巻き込む力も活用することで、自らのアイデアの必要性を説明し、プロジェクトの仲間を集めたい。そして、そのリーダーとして、自らが構想する新たな車載エンタテイメントシステムの開発に取り組みたい。 (2024年卒 東京大学大学院 ソフトウェアエンジニア 内定)

ES通過者の回答

私の就活の軸である、「良いものを可能な限り多くの方に早く確実に届ける」ことに取り組みたい。具体的には、私の強みである差別化力と逆境を楽しむ力を活かし、未然にトラブルを防ぎつつ、利益創出に貢献し、万が一トラブルが発生した際には海外拠点、社内において解決案を素早くまとめ安定供給に貢献したい。

私がこの軸を設定した理由は中学高校大学の経験からだ。中学高校では部活動のラグビー、学園祭、大学ではサークル、アルバイトを行う中で、自分の貢献する対象が大規模になるにつれ、目標達成時の喜びが大きくなったと感じ、この喜びを社会人としても感じ続けたいと考えている。

ソニーの製品は、日本のみならず海外の多くの国、地域に輸出されており、貢献する対象は非常に大規模であり、私の軸を満たしている。また、貴社の調達の仕事では、若手から開発購買から施策購買、量産購買まで任せていただく環境が当たり前だとお聞きした。

その中で、開発者の方が開発の段階でどのような部品を求められているのか自ら考え、提案し、パートナーを選定し、最終的な利益に貢献することで、社内の入り口から出口までを把握する人材になりたい。 (2024年卒 東京理科大学 総合職/調達 内定)

どちらの学生にも共通しているのが、学生ならではの経験をもとに、ソニーで取り組みたいことについて具体的に述べている点です。「普段の学びや、これまでの経験を活かしたうえで、ソニーで何がしたいか」という強い思いが明確に文章に現れています。

さらに、ソニーの最新の事業内容に紐づけて話が展開されているため、高い解像度があることを示しながら「取り組みたいこと」を言及できている点がポイントです

②興味・関心のあるカテゴリー

興味・関心のあるカテゴリーは、応募職種の製品やサービスについて具体的に問われる質問です。「選択した領域・カテゴリーで最近注目しているプロダクト・サービスとその理由を記述してください」という形式で問われます。

ポイントは、具体的な製品名やサービス名を上げること。「カメラに興味がある」「ヘッドホンを使っている」というぼんやりとした回答ではなく、具体的な名称を出すことでソニーに対する興味関心の深さをアピールしましょう。

内定者は実際にどのような製品について言及し、どのようにその後の文章を展開させたのかを見てみましょう。

ES通過者の回答

私は、360 Reality Audioに注目している。360度全方向から聴こえる立体的な音楽を体感できるこの技術は、配信ライブが増えた中で、実際に会場にいるような臨場感を体験できる、非常に重要な存在になると感じたからである。

また、AIを用いて照明を制御することでライブの臨場感を増すことや、音楽だけでなく映画などにおいて、テレビやスマートフォンの小さい画面でも、立体的な音によりその場にいるような体験ができると考えている。 (2023年卒 技術職 内定)

ES通過者の回答

AFFIRAに注目しており、中でも私は車内エンタメに興味がある。

インターンシップに参加し、貴社の思い描く車内エンタテイメント空間として、最新の立体音響技術を活用したシステムを体験し、非常に車内空間を豊かにする技術だと感じた。

今後、AFEELAにこうした先進技術の搭載予定があることから、世間にその素晴らしさが認知され、今後車内エンタメの開発が活性化するのではないかという期待があり、着目している。 (2024年卒 東京大学大学院 ソフトウェアエンジニア 内定)

内定者たちは、具体的な商品名を出しつつ、「音楽の体感」「車内空間を豊かにする」などと、ソニーが大切にしている「感動体験の提供」を絡めた分析を展開しています。

このように「ソニーが大切にしている思いや理念が製品にどのように表れているか」を自分なりに分析し、自分の言葉で表現できると、志望度の高さをアピールできるでしょう

③あなたが取り組んだ・取り組んでいること

この質問では、単に「あなたが取り組んだ・取り組んでいること」を聞かれるのではなく、下記6つのポイントを含めて記述するよう求められます。

この質問からは、「あなたが仕事に対してどのように目標設定し、課題に取り組み、学びを次に活かすのか」という「仕事への向き合い方」を測る意図があります。そのため、このことを意識した話の展開が大切です。

ES通過者の回答

大学二年次、私はテニスサークルでレギュラーを目指していた。だが怪我で一旦諦めざるを得なかった。それでもサークルに別の面で貢献したいと考え、学園祭に模擬店を出店する話を持ち掛け、その代表者となった。

設定した目標は学園祭の準備を通じ、普段の練習に参加しやすい雰囲気が作ることである。私と各担当者計5人の実行委員でサークル全体と協力をして進めた。こだわったことは丁寧な説明だ。当初出店に否定的な意見も多かった。そこでサークルのメンバーに、出店のメリットを丁寧に説明することで、理解・協力を得た。準備を通じて、サークルメンバー間の交流が増え、練習の参加者は大きく増加した。

この活動から「人を動かすならまず自分から」という事を学んだ。言葉だけでなく、実際に行動をすることで、ついてきてくれる仲間が増える事を実感した。今後は仕事でも、自分の理念を示すとともに率先した行動で仲間を増やしていきたいと思う。 (2024年卒 東京大学大学院 ソフトウェアエンジニア 内定)

この質問の回答では、6つの項目についてきちんと言及できていることが大前提です。なかなか理解を示してくれなかったメンバーに対し「メリットを丁寧に説明する」というように、課題に対してのアプローチ方法が明確に示されています。ここから、「課題にしっかりと丁寧に向き合える学生だ」ということが伝わるでしょう。

④学業で最も力を入れて学んでいるテーマ

ソニーはこれまで、革新的な挑戦によりウォークマンやPlayStationといった製品を生み出してきました。このような姿勢は、ソニーの社員に「まだないものをつくりあげるというチャレンジ精神」として根付いています。

そのようななかで面接官は、あなたが「なぜそのテーマを選んだのか」「その研究にどのような意義を見出したのか」という学業への向き合い方を知ることで、自ら課題を設定し、未知の領域を切り開くことができる人材であるかを見極めようとしていると言えるでしょう。

ソニーの仕事では、大学での学びがそのまま事業に活きることも珍しくありません。これまでの学業の内容を面接官に伝えつつ、それがどのように仕事に活かせるかまでをきちんと説明しましょう。

内定者たちはどのように学んでいることについて言及しているのか、2名の回答を紹介します。

ES通過者の回答

「後方散乱特性解析による○○(病気)の定量評価」というテーマで、超音波による○○(病気)の定量診断へ向けた研究を行っています。

○○(病気)は、治療技術の発展により不治の病から病態コントロールが可能になっており、早期診断・治療が望まれています。○○(病気)を発症した皮膚は、炎症や線維化など、複数の組織構造をもつことがわかっています。真皮や皮下組織にある脈管の走行状態や周辺組織の評価が診断に有用とされており、超音波による診断も活用されていますが、現在はBモード像の見た目による違いや摘出組織での検討に留まっています。

そこで、摘出しなくても後方散乱特性を用いた定量評価が可能ではないかと考えました。実際に医師の協力のもと、病院で健常および○○(病気)を発症した下肢を対象としてエコーデータを収集し、このデータに対して、後方散乱特性解析を行っています。

その結果、臨床評価に基づく重症度の分類をすることができ、早期発見や手術適用判別の可能性が示唆されました。現在は、超波診断装置への実装に向けて、患者背景のばらつきによる課題の洗い出しをっています。 (2022年卒 千葉大学大学院 研究開発職 内定)

ES通過者の回答

私は所属する研究室で歩行空間を自律移動する電動車いすについて研究している。

本研究は、歩行での移動に不自由のある方に対する支援としても着目されている、歩道や屋内などの歩行空間を走る一人乗りモビリティである電動車いすの自律移動を対象としている。歩行空間での自律移動には、移動の安全性、および搭乗者・周辺歩行者の快適性を考慮した移動が求められる。

そこで私は搭乗者の快適性に着目している。今後技術が発達すると、情報化が進むと街中等を移動する際に、自律移動するパーソナルモビリティの活用が見込まれる。搭乗者はただ乗っているだけで目的地に移動できるようになるが、その際にスマホの操作や読書をすることも考えられる。これまでの研究には搭乗者は常に周辺の情報を認識しているという暗黙の仮定があったが、移動している際もこれら情報処理を阻害しないような移動方策を取ることは利便性向上につながると考えた。

そこで、研究テーマを、搭乗者の情報処理を阻害しない電動車いすの自律移動方策と設定した。現在はシートセンサなどを用いて搭乗者の状態推定や、移動することによって搭乗者のスマホに対する情報処理がどう変化するかを計測している。 (2024年卒 東京大学大学院 ソフトウェアエンジニア 内定)

話している内容はそれぞれですが、そこでの課題にどう取り組んでいるか、どのように学業を進めようとしているかを明確に示せています。

ここで大切なのは「何を学んでいるか」ではなく「学業との向き合い方」。学んでいることへの熱意を、自信を持って伝えましょう。そうすれば、「仕事に対しても同じように熱意を持って取り組む学生だ」ということが面接官に伝わるでしょう。

ソニーの面接の頻出質問|内定者の回答付き

ESに通過したら、いよいよ面接。ここでは、選考体験記からソニーの面接でどのようなことが聞かれるのかをピックアップしました。実際にどのような質問をされたかも併せて紹介しています。

ここから見られるのはソニーに関する理解の深さはもちろん、あなた自身に対しても十分な理解が求められているということ。内定者の実回答も参考に、回答の準備をしておきましょう。

ソニーの事業への関心を問われる質問

ソニーはジョブマッチング方式での選考がほとんどで、そこでは学生が具体的に企業に貢献できるイメージを持ったうえで採用したいと考えています。

面接官に「戦力として活躍できる」と思ってもらうためには、志望事業への理解度を示すことは必須なのです。

事業への関心を問われる質問では、以下のようなものがありました。

特徴的なのは、漠然と事業への関心を問うのではなく「この事業や製品に対してどう思うか」などと具体的な質問がされることです

例として、リストのなかでも特徴的な「10年後どんなカメラが必要とされると思いますか」という質問に対しての内定者の回答を見てみましょう。

内定者の回答

現在のカメラのトレンドとして映像が撮れるカメラがあると考えています。御社のZV -E10はYouTuber向けのVlogカムとして発売され売れていたことが印象的でした。

また、一眼レフが減りミラーレスカメラが主流となっています。スマホカメラの台頭で一眼カメラの需要は減っていますが、プロユーザーやカメラが好きな人はいるため需要が0になることはないと考えています。現在は映像コンテンツが人気ですが、最近VRやMRなど新たなエンタメについても流行りつつあります。

これらのことを考慮すると、10年後に流行っているエンタメが何かは予測できませんが、VRやMRが当たり前の時代で、それらのコンテンツを作る人に向けたカメラが増えると思います。 (2023年卒 京都工芸繊維大学 メカ設計【コンスーマーカメラ・放送/業務用映像機器・メディカル】 内定)

この例文では、ソニーの具体的な製品名を出しながらも、業界全体の将来像を予測したうえで学生なりの結論を展開できています。これは事業への関心が深くないとできない回答でしょう。

このように難しい質問が来たら焦ってしまうかもしれませんが、そのようなときは一度冷静になって、企業研究や業界研究の内容を思い返したうえで、製品の特性や業界のトレンドとかけ合わせて考えてみてください。

入社後のビジョンを問う質問

ソニーではジョブマッチング方式で選考をしているからこそ、「学生が自身の将来を見越したうえで、その職種で働く覚悟や意志があるのか」を注意深く見ていると考えられます

入社後のビジョンに関しても、さまざまな質問をされるため、ここで押さえておきましょう。

ここでは、「メディカル事業でどんなことがやりたいと考えていますか」と質問をされた内定者の回答を紹介します。

内定者の回答

幼少期に父をがんで亡くしたこともあり、がん治療に関わる医療機器の開発に携わりたいと考えています。

医療機器はいくつの機械で何人ものを救うことができ、医療において欠かせないものです。大学での研究ではがんの後遺症を対象としていて、がん経験者の患者さんと関わることも多く、多くの患者さんを救うことができる製品を作りたいと思いました。

製品をいちから作ることは簡単ではなく、さまざまな困難があると思いますが、その中で基盤となる技術をいくつももっているソニーでは、やりたいことが実現できると考えています。また、ソニーのメディカル事業では、がんをイメージングで克服するというスローガンも掲げられているところも魅力的に感じました。 (2022年卒 千葉大学大学院 研究開発職 内定)

学生ならではの経験や、大学での学びを踏まえたうえで、「医療機器の開発に携わり、がん患者を救いたい」という強い意志が表れている回答です。併せて「ソニーのメディカル事業で思いを叶えたい理由」も展開できている点が、さらに強い入社意思を感じさせます。

回答の際は、この学生のように、自分なりの経験や思いを交えたうえで、強い意志を示すと評価につながるでしょう。

研究内容・学業の深掘り質問

募集職種に専門的な分野における開発やマーケティングがあることから、「研究や学びの内容が業務に活かせるのか」も重要なポイントです。

学びが必ずしも志望事業に直結するものでなくても、「熱意を持って学びに向き合っているように、情熱を持って事業に取り組んでくれるのか」という点も面接官が気になる点でしょう

研究内容や学業の深掘り質問では、以下のような質問がなされていました。

ここでは、研究で困った点と、それに対してどう取り組んだかを聞かれた内定者の回答を見てみましょう。

内定者の回答

私は実験の再現性を取ることに苦労しました。私の研究では、電極系を構築し、高電圧を印加する実験を行いますが、放電が発生した直後に絶縁破壊が発生することが頻発しました。狙っている結果は、絶縁破壊直前の状態であるため、破壊は発生しやすいですが、それにより、実験の試行回数が増えないために、再現性を取りづらい状態にありました。

そこで、電圧の印加時間を放電が発生し始めてから絶縁破壊が起こるまでの時間よりも短く設定し、それを繰り返し印加することとしました。そうすることで、絶縁破壊は発生せず、放電は発生させることができるので、狙った結果の状態に近づけることができ、実験の試行回数も保持したまま実験が進められました。 (2023年卒 技術職 内定)

困ったことや解決法に対して具体的に背景が述べられています。具体性を持って話の展開ができると、その分情熱を持って研究に向き合えていることの証明にもなるでしょう。

「研究や学業で大した成果を上げていない」と不安になる場合でも、それらに真剣に向き合う様子が示せれば、「何事にも熱意を持って取り組める」姿勢が伝わるはずです。

学生のパーソナリティを聞く質問

ジョブマッチング方式だからと言って、学業や専門性ばかりが重視されるわけではありません。下記のように、中学高校時代の経験や長所などの、あなたの人柄や経験も問われます。

ここでは、「自分の持っている知識やスキルでは解決が難しい課題に直面し、新しい知識・スキルを身につける必要があった際の経験」について聞かれた内定者の回答を見てみましょう。

内定者の回答

焼肉店でのアルバイトの個人売上の経験が当てはまる。個人売上を上げるために、お肉の知識、提案の仕方をインプットした。

具体的には、お肉の知識をインターネット、先輩社員からお聞きしたり、自分で食べることでインプットをした。また、提案の仕方は、ジャパネットたかたを参考にした。この理由は、提案のプロは誰かと自分で考えた際に、一番最初に頭に浮かんだ方だからだ。

実際の提案内容を見ていると、特別感の提示や他社との差別化内容をふんだんに盛り込まれていることが分かった。この内容を自身の提案にも生かした。 (2024年卒 東京理科大学 総合職/調達 内定)

この回答の良い点は、売上向上のために「知識の蓄積」と「提案方法」の2点のスキルを身に付けられている点です。課題に対して、改善点を複数考え、その両方にアプローチできることの表れになっています。実際に仕事の場面になっても、さまざまな方法で課題解決に向けて自主的に動く姿が想像できるでしょう。

これらの質問に回答するポイントは「ジョブマッチングだから」と言って事業に対する理解ばかり深めるのではなく、きちんと自己分析もしておくこと。自分史やマインドマップを作成し、基礎的な自己理解もおこたらないようにしましょう。

周りとの連携に関する質問

仕事をするうえで、周りとの連携は必要不可欠です。それはソニーでも同様で、周りと協力して研究や分析を進める場面も存在するでしょう。

ソニーは、「多様な人や異なる感性を持つ人が、互いに尊重しながら共に事業をおこなうことが、イノベーションを生む」ということをDNAとして組み込んでいる企業です。だからこそ、学生たちが普段から周りの人とどのように手を取り合えるのか、周りの人と何かを成し遂げるなかで、その学生はどのように振舞えるのかということが見られていると言えます。

実際にどのような質問がされたのか、いくつか確認してみましょう。

ここでは、まさしくチームでの協業姿勢を見ている「チームで研究開発をするうえで大事なこと」の回答を紹介します。

内定者の回答

人間関係が大事だと考えます。少しの疑問を聞いたりや進捗を把握するうえで人間関係が障害になりうると思うからです。

学部三年生のころ二人でグループを作りシステムを作成する授業があったんですね。そのときペアの人が留年生で、もともとの面識がないため最初はお互いに何が得意で何が苦手かどうかも分からないまま数週間が経ってしまいました。

しかし、お互いの趣味や過去を話していくことで気軽に質問や相談をすることができるようになりました。このように人間関係を育むことで作業の効率や快適さが大きく変わったという経験が理由になります。 (2023年卒 東京農工大学大学院 ソフトウェア設計【コンスーマーカメラ・スマートフォンカメラ・放送/業務用映像機器・メディカル】 内定)

仕事上チームで何かをおこなう際、個人の人となりを理解することもとても重要なことです。この学生は、「システム構築をする人」という表面的な関係でなく、「共にプロジェクトを遂行する仲間」として相手に向き合ったことで、人間関係を構築していったことを提示しています。

学生がこれらの能力をアピールすることで、面接官も「市場に応じてすべきことに柔軟に対応する必要があるソニーで、自分の立場を活かして働いてくれそう」と働く姿を想像できるでしょう

周りとの連携について話す際も、「ソニーの業務でチームで力を発揮する際にはどのようなことが必要なのか」を考えたうえで自分の立ち位置を話してみてください。そうすれば面接官は、ソニーであなたが仕事をしている姿を思い浮かべやすくなるでしょう。

ソニーの選考で話したい3つのエピソード

ソニーの選考で話したい3つのエピソード

ここまでソニーの内定者がどのようなことをESや選考で伝えていたかを解説してきましたが、多くの内定者の回答を分析した結果、そのエピソードに3つの共通点があることがわかりました。

3つのエピソードを話すには、どうやらソニーの理念や企業、そして自分自身の興味関心に対する理解が必要不可欠なようです。「エピソードでライバルと差をつけたい」という人は、ぜひ読み進めてみてください。

①「感動を創出する側」になりたいと思ったきっかけ

ソニーには「世界中の人に感動を提供し続ける」というビジョンが存在します。また、ソニーグループ全体では「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」というパーパスが存在します。

どちらに共通するのも「感動」という点。これまで感動を届けられていた側に立っていたはずなのに、なぜソニーの事業で感動を届けたいと思ったかをきちんと言及することで、グループ全体に対する理解の深さをアピールできるのです。

実際に志望動機に「感動を創出する側」になりたいと思ったきっかけを展開していた内定者の回答を見てみましょう。

内定者の回答

ソニーを志望したきっかけは、幼い頃に家族と訪れたスタジアムでの体験にあります。

その時、ソニーが提供する先進の映像技術によって生み出された圧倒的な映像演出に心を奪われました。スポーツの熱狂や音楽の魔法が技術によってどれほど人々の感情を豊かにできるのかを目の当たりにし、「技術が感動を創出する力を持っている」ということを深く実感しました。それ以来、技術を通じて人々に感動を提供する仕事に就きたいという想いが強まりました。

ソニーが映像、音響、そしてエンターテインメント技術を駆使して、全世界の人々に新たな体験を提供していることを知り、この夢を実現できる場所としてソニーを志望するようになりました。特に、スタジアムソリューションのような分野で、私が子どもの頃に感じたような感動を他の人にも提供したいと考えています。

ソニーの技術力と、持続可能で多様性を尊重する企業文化のもとで、私も社会に貢献し、世界に新しい価値を提供していきたいです。 (2025年卒 電気システムエンジニア 内定)

この学生が「感動を創出したい」と思ったのは、まさしくソニーの事業がきっかけ。当時の様子が仔細に描かれていることから、「感動の創出」に対する強い思いが伝わってきます。思いだけでなく、かかわりたい分野についても言及することで、入社への意志がより一層感じられる回答です。

きっかけがソニーの事業と直接関連していなくても、「なぜ感動を届けたいと思ったのか」、そして「そのうえでソニーで何がしたいか」までをきちんと展開するようにしましょう

②ソニーが持つ技術力を活かして成し遂げたい目標

ソニーは、グループ会社として培った長い歴史から、高い技術力を持ち合わせています。

その技術力を活かして今後もさらなる事業展開が期待されるため、新入社員にしかない自由な発想力が評価される可能性もあるのです。

ここでは、ESで「ソニーで取り組みたい内容」について聞かれた際に、学生ならではの発想を展開させた例を紹介します。

内定者の回答

私は、まだこの世にない、新たな体験・価値を提供できるものを作ることが夢だ。その夢を叶えるため、自分が好きであり貴社も力を入れているモビリティ分野で、車内空間をより楽しくできるプロダクトを作りたいと考えている。

そのようなものとして、既存の視覚・聴覚情報のみを用いるものでなく、五感全ての情報を活用し、未だかつてない車内体験を可能にするエンタテイメントシステムを構想しており、希望コースでその実現に取り組みたい。

まずは機械系出身であることを生かし、設計を軸とし様々なプロダクトの開発に貢献し、技術を向上させたい。だが、新規の製品やサービスを生み出すには、機械設計以外にも幅広い知識が求められる。そのため、早くから設計以外にもアンテナを広げ、積極的に関与していくことで、ものづくりに関する他の知識や、企画等の知識も身に付けたい。

将来的には、獲得した知識に加え、これまで培ってきた論理的思考力や、周りを巻き込む力も活用することで、自らのアイデアの必要性を説明し、プロジェクトの仲間を集めたい。そして、そのリーダーとして、自らが構想する新たな車載エンタテイメントシステムの開発に取り組みたい。 (2024年卒 東京大学大学院 ソフトウェアエンジニア 内定)

この学生は、モビリティ分野を基盤にしながら、ソニーの強みのひとつである「エンタテインメントとの融合」を提案しています。

ここから、しっかりと企業理解ができているからこその発想であることがわかるでしょう。また、積極的にほかの分野にも触れたいという意思を示していることで、さまざまな分野からさらなる発想の展開をしてくれそうだとも感じられます

企業研究は大前提のもと、ぜひあなたの思いを自由に発想させて、ESや面接で伝えてみてください。

③興味のある事業と自分の専門分野の関連性

これまでの内容で、興味のある事業への理解や学んでいる内容について熱く語れることが大切なのは述べてきました。この重要な二軸を融合させて話の展開ができると、企業で学びを活かして活躍するイメージを面接官に想像させられるため高評価につながります。

ここで、ESで「希望するコースで取り組みたいこと」を聞かれた学生の回答を紹介します。

内定者の回答

私は貴社の強みであるイメージング技術を活かして、「がんを克服する」技術開発に携わりたいです。

4歳のとき父を肝臓がんで亡くし、医療現場のがん治療に関わることが小さいころからの夢であり、より多くの患者さんを救いたい、医療従事者の手助けをしたいと思うようになりました。大学で医工学を専門的に学んでいく中で、日々医療は発展していくことを実感しています。

2月に参加させていただいた貴社の職場密着型インターンを通して、他事業で培ったものづくりの技術を活かして日々進化する医療に挑戦する姿勢に強く惹かれました。そのため、貴社の一員としてがん治療に関わる技術開発に挑戦し、医療への貢献がしたいです。 (2022年卒 千葉大学大学院 研究開発職 内定)

この学生は、「医療を支える」という興味と「大学で学んでいる医工学」を活かしたいという意思が感じられます。興味や学びをそのままにするのではなく、仕事に還元しようとする姿勢が何よりの評価ポイントとなり、「入社後も興味のあることについて学びを活かしながら活躍してくれそう」と面接官に感じてもらえるかもしれません。

これまでの学びとソニーの事業で結び付けられる点がないか考えてみましょう

ソニーの内定者の4つの共通点

「ソニーに受かるのはどのような人なんだろう」。これまでの内容を踏まえてふと疑問に思った人もいるでしょう。そんなあなたのために、就活会議に寄せられた情報から、ソニーに内定する人が持つ資質を分析しました。

ここで解説する内容を押さえ、今の自分に足りている点、足りない点を確かめてみてください。足りない点がある人は、それを補えるよう準備しておきましょう。

①学んでいる内容に対して深い理解力がある

ソニーの選考では、大学での学びについて聞かれる場面が多いです。そのようななかでも最も重要なのは「あなたが学んでいる内容に対して自分自身できちんと理解できているか」

実際に内定者は、以下のように自分の学びを面接官に説明していました。

内定者の回答

私は大学で実験経済学と神経学を学んでいる。具体的には、実験経済学で政府、地方自治体の政策の有効性を統計ソフトの「R」、経済学の知識を使い、分析し、神経学では対話時の脳波の研究をしている。

例えば、実験経済学では発展途上国での資源のリサイクルを目指した政策の有効性、課題の分析を行っている。神経学では、資料にどの程度重要事項を記載すれば相手の記憶に残るのか、資料を提示する時間と相手の記憶の関係など実は科学的研究が少ないテーマについて、脳波分析器、アイトラッカーと呼ばれる視線分析器を使い研究している。

この研究を行う背景は、実生活に応用可能な研究結果を知りたい私の好奇心と、学業面でのしつこさが関係している。 (2024年卒 東京理科大学 総合職/調達 内定)

この学生は、学んでいる内容を例を挙げたうえで具体的に説明しています。これほどきちんと説明ができているのは、真剣に学びと向き合っているからでしょう。

「この内定者ほど詳細に普段の学びに対して説明できる自信がない」と感じた人は、以下を実践してみてください。

②課題を発見し解決のためにチームを動かせる

ソニーの研究職や開発に際して「より『感動』を世の中に提供するにはどうすべきか」という思考は最重要。感動を追い求めるなかで、課題はつきものでしょう。

また、感動の提供はひとりでするものではなく、チーム全体、ソニー全体でするもの。だからこそ課題を発見し、その解決のためにチームを動かせる人が、「世界への感動の提供の近道をたどれる人材だ」と、評価されやすいのです。

この学生は、「これまでの経験で困難だったこと、それを乗り越えた方法」を聞かれた際に、以下のようなエピソードを話して内定を勝ち取りました。

内定者の回答

大学の授業のプロジェクトでのリーダー経験である。

チームメンバー間で意見が対立し、プロジェクトが停滞した時期があった。この問題を解決するために、私はまずメンバー一人一人と話し合い、彼らの意見や懸念を丁寧に聞き取った。その上で、全員の意見を取り入れた新たな計画を立て、チーム全体で共有した。

結果として、チームの士気が上がり、プロジェクトは無事に成功した。この経験から、異なる意見を調整し、全員が納得できる解決策を見つける重要性を学んだ。 (2025年卒 名古屋大学大学院 SIE・プラットフォーム開発 内定)

「メンバー一人ひとりが意見を出せる環境を作る」という取り組みは、まさしくリーダーという立場で、俯瞰してメンバーのことが見れているからこそ起こせた行動です。実際の仕事でも、一人ひとりに丁寧に向き合い、皆が同じ方向を向けるようにプロジェクトを進めてくれそうな様子が汲み取れます。

内定に近づきたい人は、下記の例を参考に、課題や目標を発見し解決に向けて働きかけた経験や、チームを動かして何かを成し遂げた経験などを思い返してみてください。

課題を発見し解決に向けて働きかけた例

・アルバイトで売上が低下しているという課題を発見し、社員に対し新商品の提案をした

・サークル活動で部員の交流ができてない課題に対し、全員参加のレクリェーションを提案して解決した

チームを動かして何かを成し遂げた例

・ゼミナール対抗のプレゼン大会で、皆が一様に話せるように相談して台本を考えたことで、協力姿勢が評価され1位を獲得した

・合唱コンクールに向けて、他のクラスが練習をしていない朝と昼の練習を提案したことで、クラスを優勝に導いた

③ソニーに対し深く理解している

「採用するからには、企業への思いが深い学生を取りたい」というのはどの企業も同じ。特にソニーは、ジョブマッチング方式を主流として採用をしていることから、ソニーに対しての事業理解が深い学生を求める傾向にあります。

そのため、「ソニーのどのような点に共感しているか」「どのような事業に特に惹かれているか」などが深くまで理解でき、自分の言葉で展開できる学生が内定を獲得できるのです

内定者はソニーの事業について聞かれた際、以下のように回答していました。

内定者の回答

手術用顕微鏡システムORBEYEに非常に注目しています。4Kで高精細なデジタル画像が得られるだけでなく、3Dで体的な視覚情報を得ることで、複雑な構造をもつ人体の微細な組織を対象とする外科手術において新技術であると思います。

貴社のイメージング技術を活かした機器であるため、技術の向上によって、がんなどの病変進度の定量評価が可能になれば、さらに患者さん、医療従事者のための製品になると期待しています。 (2022年卒 千葉大学大学院 研究開発職 内定)

具体的な商品名を出しながらも、事業の全貌を説明できていることで、十分に理解できていることが伝わる文章です。この例文を「ここまで理解を深めるべきなのか」という一つの指標にしてみてください。

ソニーへの理解を深めるには、企業研究が大前提。たとえば以下のような方法で企業研究を進め、自分の言葉で説明できるようにしてみましょう。

④将来のキャリアに向けて成長のビジョンを持っている

ソニーはグループ全体で社員の働き方に対し「自分のキャリアは自分で築く」という考えを持つことを奨励しています。だからこそ、将来に向けて成長ビジョンがある学生はこの考えに合致するとみなされ、高い評価につながるでしょう。

しかし、成長のビジョンを持つのは容易なことではありません。そのためにも、先ほど挙げた企業研究に加え、自己分析が必須です。ここでいくつかおすすめの自己分析方法を紹介します。

モチベーショングラフ出来事や時系列に沿ってモチベーションの上がり下がりを記録する方法
自分史これまでを1年や3年ごとなどの期間で振り返り、出来事や思いを記録する方法
なぜなぜ分析自分の思いに対して「なぜ」を繰り返し問い、物事の本質にたどり着かせる方法
自己分析本絶対内定」などの自己分析用の本に沿って自己分析を進める

さまざまな自己分析方法を試すことにより、あなたのいろいろな面が知れるはずです。そこで考えた「将来どうなりたいか」という考えに沿って、3年後、5年後……というように将来設計を考えてみてください。そうすれば将来の成長ビジョンも見えやすくなるはずです。

ソニーの選考対策3選! 内定者のアドバイス付き

ソニーの選考対策3選

ここまで読み進めて、ソニーへの志望度がますます上がった人もいるでしょう。ソニーの選考は、かなりの高倍率。だからこそ、面接官が「一緒に働きたい」と思える人材に近づくのが何よりの内定へのコツです。

ここでは、確実にソニーへ内定するために今何をすべきかを解説するため、「必ず内定をつかみたい」と強く思う人は押さえておきましょう。

①面接を楽しめるよう「大人との対話」に慣れておく

面接は、社会に出て働く大人と直接話す機会です。このような機会はあまり多くないため、大人との対話に今のうちから慣れておき、面接を楽しめるようにすることが何よりも重要です。

特にソニーの社員は、ワクワクの提供を大切にしており、どのようなことでも楽しめる姿勢を持っています。そのため、面接時点で楽しめるのも今後の仕事において大前提となるのです。

ソニーの選考でも、内定者から以下のように選考に臨むべきという声が集まりました。

内定者からのアドバイス

言葉遣いに関しては丁寧語が使えれば問題ないため、面接官との会話に集中するべき。 (2023年卒 京都工芸繊維大学 メカ設計【コンスーマーカメラ・放送/業務用映像機器・メディカル】 内定)

内定者からのアドバイス

コミュニケーションがしっかりと取れる人を採用しているように感じる。

面接ではほとんど詰まることなしに円滑で明快なやり取りができ、自分の主張を明確に伝えることができたため、良い印象を持たれたように感じた。 (2025年卒 設計エンジニア 内定)

対話に慣れるには、選考の練習を重ねるのが一番。キャリアセンターで練習してもらったり、早期選考に実際に参加したりして、積極的に大人と話す機会を設けましょう。

②自分についてわかりやすく説明できる能力を身に付ける

ここまで説明したように、ソニーの選考では、あなたの過去から未来までを聞かれます。ほかの企業でも同じことが言えるかもしれませんが、ソニーでは同時に、事業内容への理解力や、あなたが学んでいる学問への理解力も問われる機会が多いです。

そのため、これらの内容と自分の思いをうまく結びつけられず、一貫性がない回答をしてしまうと「結局何が言いたいのかわからない」と、面接官に思われてしまうかもしれません。

いきなりいろいろな要素を結び付けて考えるのではなく、まずは以下のように細かく自分に問いかけをしてみてください。

「今の学びをしようと思ったきっかけと、今後の展望」というように複合的な問いかけをするのではなく、一つひとつ丁寧に問いかけることで、頭の中の整理もしやすくなるでしょう

③インターンへ参加して内定への最短ルートをたどる

選考はジョブマッチング方式が主流ですが、必ずしもそれだけではありません。特にソニーでは、インターンシップの参加は内定への最短ルートをたどる近道です。

内定者はインターンについて、このように語っていました。

内定者からのアドバイス

夏や冬のインターンシップは選考があるため確実に参加するのも難しいが、参加できるならしたほうが良いと思います。

インターンシップに参加して選考において有利に働いたということはなかったが、企業理解は深まりました。 (2022年卒 千葉大学大学院 研究開発職 内定)

内定者からのアドバイス

ソニーはその人気から圧倒的に倍率が高いので、選考を通過しなくても、インターンから積極的に申し込んでおくことで熱意が伝わり優位に働く可能性がある。 (2024年卒 東京大学大学院 ソフトウェアエンジニア 内定)

インターンが選考に影響する場合もあるため、「いち早く内定を獲得したい」人にはおすすめです。選考のチャンスをつかめなくとも、そこでの学びは選考で優位に働きます。

内定者からのコメントにもあるように、必ずしもインターンに参加しないと内定できないというわけではありません。インターンに参加できなくても落ち込まずに、しっかりと本選考の対策をしていきましょう。

効果的な対策でソニーへの就職を決めよう

この記事では、ソニーの基本事項から内定に向けてすべきことまで、ソニーの就職を目指す人には押さえておいてほしいことを解説してきました。

圧倒的なブランド力や技術力の高さから志望する人も多い企業ですが、ここで解説したことをきちんと押さえ、実践できれば必ず内定に近づくことができます。

自分に足りていないことは何なのかを今一度理解して、それを補いながら内定に向けて着実に一歩を歩んでいきましょう。

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この記事の編集担当者

望月 晨生

新卒で寝具・家具メーカーに入社後、大手ECサイトの販売を担当。寝具や家具にまつわるオウンドメディアの立ち上げに携わる。自分で何かを作り上げることに魅力を感じ、ライター職に転職。現職では就活会議のコラム立ち上げに携わり、ライター・編集ディレクターを担当。

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編集責任者

江副 裕斗

大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める

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