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CREATED ON 2021.11.09 | UPDATED ON 2023.09.12

【就活ガイド】三井化学株式会社の企業研究〜企業分析で選考突破〜

メーカー #企業研究
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この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
三井化学株式会社の企業研究

三井化学株式会社は、幅広い分野に向けて素材を製造する化学メーカーです。三井化学が生み出す製品の中には世界シェアNo.1を誇るものもあり、その技術力は世界で認められています。 この記事では三井化学の基本情報や業界内での立ち位置をもとにお伝えするとともに、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。三井化学の選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。

三井化学の会社概要

まずは三井化学について理解しましょう。 ここでは三井化学の選考に通過した先輩たちが行った企業研究と、その社風などをお伝えします。

三井化学の基本情報

会社名 三井化学株式会社
業界 化学メーカー
本店所在地 東京都港区東新橋一丁目5番2号
汐留シティセンター
事業所 国内製造拠点:工場7
国内販売拠点:本社、支店3
設立日 1997年10月1日 (設立日 1955年7月1日)
経常収益 16,127億円(2022年3月期)
従業員数 18,780人(連結 2022年3月31日現在)
資本金 125,414百万円
平均年齢 40歳11月
初任給 -
福利厚生・社内制度 育児・介護支援制度、在宅勤務制度、独身寮・社宅、会員制福利厚生パッケージ など
採用人数 -
経営理念 <企業グループ理念>
地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して
高品質の製品とサービスを顧客に提供し、もって広く社会に貢献する
代表者 代表取締役社長 橋本 修
事業内容 ライフ&ヘルスケア・ソリューション事業
モビリティソリューション事業
ICTソリューション事業
ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業

事業内容

三井化学は幅広い素材を提供する化学メーカーです。事業領域は「モビリティ・ヘルスケア・フード&パッケージング・次世代事業・基盤素材」の5つに分かれています。各領域の事業内容は下記の通りです。

事業領域 業務内容 詳細
モビリティ 自動車材料を中心にあらゆる種類の
人・物の移動手段を対象とした事業
領域。車の部品の約70%は樹脂から
つくられており、車を製造する上で樹脂
製品は欠かすことのできない存在です。
軽量化や環境負荷の低減など、車に
関わる様々な課題解決のため、軽量
かつ多彩な機能を持つ樹脂を数多く
生み出しています。
エラストマー、機能性コンパウンド、機能性ポリマー
及びポリプロピレン・コンパウンドの製造・販売。
製品:ドアトリム、グランスランチャンネル、
ガソリンタンク、バンパー
ヘルスケア メガネレンズ材料や紙おむつ用不織布、
歯科材料、医薬品など人々の健康に
関する材料を提供する事業領域。健康
に対する注目度が高まっている現在、
多様なニーズに応え、長寿社会を実現
するべく、様々な製品を生み出してい
ます。
ビジョンケア材料、不織布、歯科材料及び
パーソナルケア材料の製造・販売。
製品:メガネレンズ、タウリン、紙おむつ
フード&パッケージング 食品に用いられる高機能包装材料や、
農作物の安定生産を目的とした農業
化学品など、食に関わる様々な製品を
中心に提供する事業領域。現在問題
となっているフードロスを抑えるフィルムや
環境負荷を低減した包装材料など、
様々な製品を生み出しています。
コーティング・機能材、機能性フィルム・シート
及び農薬の製造・販売。
製品:包装材、詰替え用洗剤袋、サラダオイルボトル
次世代事業 より良い社会を実現するために必要な、
新しい製品や技術を創出する事業領域。
既存事業の枠組みや領域を広げる取り
組み、エネルギーや医療・農業に関わる
分野、IoTソリューション、ロボット材料
など、幅広い分野で新たな領域に取り
組んでいます。
外部との連携を広げるオープンイノベーションや強化された
インテリジェンス機能による情報収集や分析、CVC(コー
ポレートベンチャーキャピタル)機能を活かし、太陽光・風力
発電事業や太陽光発電診断事業などの「エネルギー
ソリューション」、細菌迅速検査システムなどの「メディカル
ソリューション」、節資源型作物栽培システムなどの「アグリ
ソリューション」、圧電センサや次世代ディスプレイ材料などの
「IoTソリューション」を軸に据え、三井化学の将来の成長に
関わる新たな事業を創出する。
基盤素材 幅広い産業の基盤となる素材や技術を
提供する事業領域。プラスチックや合成
繊維、合成ゴムなど、社会や暮らし、産業
の中で重要な役割を果たす化学製品を
生み出しています。化学製品を生み出す
化学プラントの基盤強化にも取り組み、
三井化学を支えています。
石化原料(エチレン・プロピレン等)、ポリエチレン、
ポリプロピレン、触媒、フェノール類、高純度テレフタル酸、
ペット樹脂、ポリウレタン材料及び工業薬品の製造・販売。
製品:自動車・航空機・家電向けのエンジニア
プラスチックやクッション材料、衣料用繊維/飲食品
容器などに使用される原材料

IR読み解き!三井化学の売上・競合比較

ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。

売上・業績

三井化学の直近3年間の業績は下記の通りです。

売上高

営業利益

2020年度で売上高が若干減少しているものの、2021年度には大幅に増加しています。2020年度の売上高減少の要因は、原燃料価格の下落に伴い販売価格が下落したことと、コロナの影響で販売数が減少したことが挙げられます。

しかし、2021年度には下落した原燃料価格が上昇。販売価格も上昇しました。また、コロナの影響で停滞した経済活動も徐々に回復し、三井化学でも各セグメントで販売数量が増加しました。

セグメント別の売上

2021年度のセグメント別売上収益比率は下記の通りです。

セグメント別売上収益比率(%)

三井化学のメイン事業は「ベーシック&グリーン・マテリアルズ(基盤素材)」となっています。基盤素材は、自動車、住宅、家電、インフラ、食品包装を始めとしたさまざまな分野に産業の基盤となる素材や技術を提供している事業です。 また、自動車を中心に移動手段を対象とした事業「モビリティソリューション」の比率も高くなっています。

競合他社

化学業界を代表する4社で2021年度の売上高を比較すると下記の通りです。三井化学は下記の比較の中では4位となっています。

売上高比較

三菱ケミカルは、グループ全体で「機能商品/素材/ヘルスケア」の3分野で事業を展開しています。 三菱ケミカルは2017年に三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの合併により発足した企業です。化成品/ポ機能化学品/プラスチック加工品/炭素素材/電池材料/アクリル繊維など、幅広い商品を取り扱っています。

住友化学も幅広い領域で事業を展開していますが、各領域のバランスが取れている点がひとつ特徴として挙げられます。特定の領域に頼り切った事業展開ではないため、仮にどこかの業績が落ち込んでしまっても他の領域で支えることができます。 また、住友化学はグローバルな事業展開も強みです。海外に79か所の拠点を置いており、海外売上高比率は68%。三菱ケミカルの海外売上高比率は46.8%となっており、住友化学の海外進出が進んでいることが分かります。

信越化学工業は塩ビや半導体シリコンをはじめ、世界でトップシェアの製品を数多く持っていることが強みです。1960年代から海外進出を行うなど、世界で活躍していることも売上高と営業利益が高い理由といえるでしょう。

業界の動向

化学業界では、2019年に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、主に自動車向けの需要が低迷しました。しかしそれは一時的なもので、現在は回復傾向にあります。

化学業界は一般的に石油や天然ガスを原料にして製品を作り出しており、原油価格の影響を受けやすくなっています。そのため、原油価格の影響を少なくするために、石油化学への依存から抜けだす取り組みなどもみられます。

また、化学業界と一口に言ってもそれぞれに強みとなる素材や製品が異なるため、事業領域や市場の違いによって業績は差が開きやすいです。将来を見据えて新しい市場領域における事業創出とビジネスモデルを構築していくことが、今後の化学業界で業績を上げるために重要といえるでしょう。

三井化学の強み

ここからは、三井化学の強みを見ていきましょう。

強み・特徴「幅広い分野に向けた高品質な製品を生み出す企業」

三井化学は自動車向けのバンパー材料でアジアNo.1、ドアシール材料でアジアNo.2、燃料タンク材料で世界No.1のシェアを誇る企業です。また、メガネレンズ材料でも世界シェアNo.1、衛生材料用不繊布はアジアNo.2を誇るなど、多様な高品質製品を有している点がひとつの強みとなっています。

また、三井化学はグローバルな事業展開にも積極的です。現在は15ヵ国・地域に拠点を置いており、三井化学発足当時の1997年には17%であった海外売上高比率も、2021年度には48%となっています。

10年後、20年後を見据えてヘルスケアやモビリティの分野で「新事業・次世代事業」に力を入れていることも三井化学の特徴です。

2016年に長期経営計画「VISION 2025」を策定してから5年、「事業ポートフォリオの変革」を最重要課題として、「モビリティ」「ヘルスケア」「フード&パッケージング」の成長3領域の拡大、「基盤素材」事業の再構築と競争力強化、新事業・新製品創出による「次世代事業」の拡大に取り組んでまいりました。その間、財務基盤の強化等の一定の成果はありましたが、計画達成への実行力をさらに高めていかなければならないと考えています。

引用元:https://jp.mitsuichemicals.com/jp/corporate/vision/

三井化学の社風

ここからは、三井化学の社風を見ていきましょう。

社風「個性を活かして働ける企業」

三井化学は社員ひとりひとりの個性を大切にする社風です。採用サイトの社員インタビューでは、社風について下記のような記載がありました。

大学の先輩に勧められて、三井化学の会社説明会に参加したことが入社のきっかけです。その時の担当者の方とやりとりをしていくうちに風通しの良さが感じられ、興味を持つようになりました。それから就職活動を進めていき、最終面接に残っていた他の学生とも楽しく会話ができたことから、三井化学には会社全体に親しみやすい雰囲気があると思い、入社を希望するようになりました。また、当時から個性を大切にする社風にも魅力を感じていて、入社して2年経った今でもその印象は変わらず、会社の環境や雰囲気が自分に合っていると思っています。

引用元:https://jp.mitsuichemicals.com/jp/career/person/person021.htm

学生時代に専攻していた化学工学の知識を活かせる化学メーカーを志望していたのですが、面接等で社員と話した際に、雰囲気の良さを感じたことが三井化学への入社の決め手となりました。出会った人が全員、親しみやすい雰囲気で硬さもありませんでした。上司であっても言いたいことが言える、そんな雰囲気を感じ取ることができたのです。面接では研究内容などの話だけではなく、私の人間性を見ようとする質問が多く、人を大切にしている会社なのだと感じましたね。自分の素の部分を受け入れてくれたと感じられたことも大きかったです。入社後も、ギャップを感じることもなく、イメージ通りの雰囲気だと思っています。同期や先輩も自由で個性的な人が多く、みんな自分の意見をはっきりと言いますね。

引用元:https://jp.mitsuichemicals.com/jp/career/person/person010.htm

風通しがよく、親しみやすい雰囲気の社員が多いことが分かります。「個性的な人が多く、みんな自分の意見をはっきりと言う」ということですので、強みや個性を活かして自分らしく活躍したいという考えの人にマッチする職場と考えられます。 実際に採用選考時の面接でも、学生の人柄をしっかりと捉えているとのことです。

三井化学の新卒採用

ここからは、2023年卒の新卒採用の応募条件や待遇について見ていきます。

求める人物像

採用サイトの人事部長メッセージには、「自ら考え行動できる人材を求めます」という記載があります。

前述したように、三井化学では多様な個性をもった社員が活躍しており、その仕事に向けたスタイルも様々です。 だからこそ、色々なタイプの学生さんに集まっていただきたいと思います。 その中で、三井化学で働く社員の共通項を分析すると「自ら考え、行動する人材」と表現することができるでしょう。 当社の社員は職種を問わず、若い時から裁量と仕事への責任を持ち、その中で課題を発掘・発見して解決に導く、というスタイルで仕事をしています。 正しい解の無い中でも、積極的に自身の考えを提案し、周囲を巻き込み、解決に導くことができる、そんな方が当社で活躍できる人材であると考えています。

引用元:https://jp.mitsuichemicals.com/jp/career/concept/message.htm

採用サイトの社員インタビューでは、「三井化学は個性的な社員が多い」との声がありましたが、ここでの個性とは「他の人と違う性格、特性を持っている人」ということだけを指すのではなく、「自分の考えを持っている」「自分の考えを積極的に提案できる」人材を指しているといえるでしょう。 自身の考えを発信し、周囲を巻き込んで解決に導ける人が、三井化学で活躍できる人材といえます。

福利厚生

三井化学は、育児・介護を行いながら働く方への支援に取り組んでいます。次世代育成認定マークの「くるみん」を取得するなど、子育てサポート企業としての実績が評価されています。 PM年休取得サポートデーは、各部署においてプレミアムフライデー当日午後からの半日年休を取得しやすい制度です。会議を入れない、管理職自らが率先して年休を取得するなどの取り組みを行なっています。 全国各地のホテルやレジャー施設を格安で利用できる会員制福利厚生サービスなどもあり、プライベートの時間も大切にできる嬉しい制度が多いことが特徴です。

その他の社内制度

三井化学は、社員ひとりひとりの自己実現をサポートする姿勢です。そのため教育制度では、社員が自ら目標を決め、その目標を達成するために必要なプログラムを選択できるようになっています。 もちろん新入社員研修のように対象者に一斉に実施する研修もありますが、キャリア選択やキャリアアップなどに必要な研修は希望者や選抜者が対象となります。

企業研究のポイント

三井化学の企業研究のポイントは、同業他社との差別化を明確にすることです。他社との違いを理解できていないと「なぜ三井化学なのか」を説得力を持って話せないためです。 下記の先輩からは、社風や社員の人柄・工場の様子・海外売上比率・福利厚生などに注目して差別化をしたという声が寄せられています。

また、若手・課長層懇親会や工場見学など、採用フロー内外で社員と話す機会があるため、志望度の高い就活生はできる限り参加しておくと、選考で説得力のある回答ができるようになります。

「企業研究」で行ったこと、調べて役に立ったこと

化学メーカー全体として、製品によるメーカーの差別化が難しい。なぜなら、各社製品群が似通っており、共通して扱う製品が多いからである。そのため、化学メーカーの就活においては、その他の情報での差別化を行うことが必須である。そしてなぜ三井化学なのかをしっかり明言できるようにしたい。具体的には、社風(企業理念)・社員の人柄・工場の様子・海外売上比率・福利厚生などが挙げられる。三井化学は人を重視した選考を行うと聞いていたので、それぞれの質問に対してしっかり深堀をし、少なくとも「なぜ×2」に耐えられるように意識した。また選考を通じて若手・課長層懇親会、工場見学など採用フロー内外で多く社員と話すことができる機会があるため、話に説得力を持たせるためにも、志望度が高い学生は必ず参加したい。 また化学メーカーでは珍しく、外部サイトを通じてOB訪問の斡旋をしている。学部に卒業生が少ない学校でも参加できるようなので、参加しておくとよいと思う。

「企業研究」で行ったこと、調べて役に立ったこと

・業界研究 化学業界の全体の動向、各企業の立ち位置などを調べた。学生からすると化学メーカーは違いが見えづらいので、同業他社との違いを明確に理解することが重要だと感じた。 ・インターンシップへの参加 5日間のインターンシップに参加した。実践的な内容の戦略立案プログラムだったため、化学メーカーのビジネスモデルや入社後の働き方を知るのにとても役に立った。 ・座談会/OB訪問 自身が海外思考が強いため、入社後どのようなキャリアを歩めるのか、若手が海外に行ける可能性はあるのかなどを複数名の社員さんに聞いた。化学メーカーの社員さん達が何をしているのか、なかなか文系の学生には想像しづらいため、社員さんに直接聞いて具体的な仕事内容を理解することが重要。

「企業研究」で行ったこと、調べて役に立ったこと

この会社の企業研究で行ったことは、主に2つです。1つ目は、ネットを活用したということです。具体的にはユーチューブや口コミサイト、企業のサイトなどのネットを通して企業研究をした。企業のサイトだと良い情報が多いです。メリットばかりに目を向けるのではなく、デメリットにも目を向ける必要があるので口コミサイトも利用しました。ただ、注意するべきことは、口コミサイトには派遣で雇われている人も書き込みをしているので全ての情報を鵜呑みにしないことです。その情報が必ずしも自分に当てはまるとは限りません。2つ目は、説明会に参加したことです。この体験を通じてネットにはない情報、生の声を聴くことで、この会社で働くイメージを持つことができるか重要視しました。特にキャリアプランについては詳しく教えて頂けるので役に立ちました。

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この記事を書いた人: 就活会議編集部

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