【就活ガイド】株式会社LIXILの企業研究〜企業分析で選考突破〜
就活をする上で絶対に欠かせないのが企業研究です。この記事では株式会社LIXILの基本情報や、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。LIXILの選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。
【企業研究】LIXILはどんな会社?
まずはLIXILについて理解しましょう。 ここではLIXILの選考に通過した先輩たちが行った企業研究と、その社風などをお伝えします。
LIXILの会社概要と社風
まずはLIXILの企業概要と社風をみていきます。
LIXILの基本情報
会社名 | 株式会社LIXIL |
---|---|
業界 | 住宅設備機器 |
本社所在地 | 東京都江東区大島2-1-1 |
事業所 | 不明 |
設立 | 1949年年9月19日 |
営業収益 | 140億円 |
従業員数 | 14,408人 |
資本金 | 684億円 |
平均年齢 | 40.9歳 |
初任給 | 院(修士)卒:月給23万2000円 大学卒:月給21万5000円 ※高専専攻科は大学卒と同額 |
福利厚生 | 厚生施設:代用独身寮、社宅、全国契約保養所など 諸制度:社会保険完備、財形貯蓄、持家融資、従業員持株会、時短勤務制度、鹿島アントラーズ(ホームゲーム)の観戦チケット割引制度など |
過去の採用人数 | 不明 |
企業理念 | 私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。 |
代表者 | 取締役 代表執行役社長 兼 瀬戸 欣哉 |
事業内容 | ウォーターテクノロジー事業、ハウジングテクノロジー事業、ビルディングテクノロジー事業、住宅・サービス事業 |
参考元:https://www.lixil.com/jp/about/information.html
部門別の事業
LIXILの主な事業は、「ウォーターテクノロジー事業」「ハウジングテクノロジー事業」「ビルディングテクノロジー事業」「流通・小売り事業」及び「住宅・サービス事業等」です。水回り設備や窓、ドア、建材製品など住まいに関わる製品を開発・販売しています。
事業 | 主要製品およびサービス | 業務内容 |
---|---|---|
ウォーターテクノロジー事業 | 水回り設備 衛生機器、シャワートイレ(温水洗浄便器)、水洗金具、手洗器、浴槽、 ユニットバス、スマート製品、シャワー、洗面器、洗面カウンター、 システムキッチン等 タイル建材類 住宅・ビル外装タイル、内装タイル等 | INAX、GROHE、American Standardなどのグローバルブランド、RICHELLE、SPAGEなどの製品ブランドを通じて、お客様のニーズに応える浴室、 洗面化粧台、衛生陶器、シャワートイレ、水栓金具、システムキッチンなどの水まわり製品を提供する | ハウジングテクノロジー事業 | 金属正建材 住宅サッシ、玄関ドア、各種シャッター、門扉、カーポート、手摺、高欄等 その他建材類 サイディング、屋根材等 木質内装建材類 窓枠、造作材、インテリア建材等 その他 太陽光発電システム等 | TOSTEM、EXSIOR、INTERIO、SUPER WALLといったブランドを通じて、窓や玄関ドア、エクステリア製品、インテリア建材などを手がける。 | ビルディングテクノロジー事業 | 金属製建材 カーテンウォール、ビル・店舗用サッシ等 | 非木造建物の建築前のコンサルティングからリサーチ、デザイン、施工、その後のメンテナンスまでのすべての流れに参画する。建物の単なる一部 ではなく、建物の熱の流出入の割合や二酸化炭素排出量を削減するといった、建物全体の性能と質を高める上でも重要な役割を果たす。 | 住宅・サービス事業 | 住宅ソリューション 工務店のフランチャイズチェーンの展開、建築請負等 不動産 土地、建物、不動産管理、不動産事業のフランチャイズ、チェーンの展開支援等 金融サービス事業 住宅ローン等 | 住宅の建築・リフォーム、維持管理、不動産売買、および住宅関連の金融サービスを含む住まいの価値を高める専門サービスを幅広く展開し、お客様 のあらゆるニーズに応える。 |
主力事業とシェア
LIXILの売上高は、2,773億円です。LIXILの主力事業は、キッチンやトイレ、浴室などの水回り製品の開発・販売です。その中でもウオーターテクノロジー事業が社内シェアのトップとなっています。ウォーターテクノロジー事業は売上収益の56.1%を占めており、事業利益は621億円です。次いで、ハウジングテクノロジー事業が33.9%のシェアとなっています。ビルディングテクノロジー事業は6.7%です。
参考元:https://ssl4.eir-parts.net/doc/5938/ir_material_for_fiscal_ym26/102936/00.pdf
LIXILの社風
LIXILは、起業家精神を大事にしています。年齢や立場に関係なく、社員一人ひとりが考え行動する社風です。また、悩みを相談しやすい企業風土があります。実際に働いている社員のインタビューによると、上司が親身に相談に乗ってくれ、具体的かつ実用的なアドバイスをくれたとのことです。その他のインタビューでも先輩に聞いて学んだとの声があるため、社員同士のコミュニケーションが取りやすく、協調性を大切にしている社風であるといえます。
起業家精神を重視し、フラットなチーム体制で知識やアイディアをオープンに共有することで、業務の効率化や創造性の発揮を促し、既存のやり方に縛られることなく、新たな挑戦を支援しています。
引用元:https://www.lixil.co.jp/corporate/recruit/message/
やはりこれだけ大きな企業でありながら、起業家精神を大事にし、年齢や立場に関係なく、社員一人一人が考え行動することを重視しているリクシルには改めて魅力を感じますし、自ら変化を起こしていけるよう一層励みたいと思います。
引用元:https://www.lixil.co.jp/corporate/recruit/newgrads/people/yk016/
また通常業務以外の異動に関することや個人的な相談事でも聞いてもらうという人も多くいらっしゃいます。実際に私も直属の上司に相談に乗ってもらったことがあるのですが、親身に相談に乗っていただけただけでなく、とても具体的かつ実用的なアドバイスなどもいただくことができました。非常に心強く、不安も解消され、社内に相談できる相手がいて本当に助かったなと思ったことを覚えていますし、安心して働くことができる環境がリクシルの魅力の一つだと感じています。
引用元:https://www.lixil.co.jp/corporate/recruit/newgrads/people/mi004/
福利厚生・社内制度
LIXILは住宅支援制度は、初年度のみ新入社員が3,000円支払い、残りの家賃を会社が負担します。2年目以降は、家賃の25%を社員が支払う仕組みとなっており、住宅支援がとても充実しています。子育て支援や介護支援の制度も整えられているため、働きやすい環境といえるでしょう。
- 住宅支援 自宅から通勤不可と会社が判断した場合、賃貸マンション、アパート、もしくは集合寮を会社が手配する。初年度(単身)は家賃に関係なく、新入社員が3,000円/月支払う。2年目以降(単身)は、家賃の25%を社員が支払う(上限規定・年齢など条件あり)。
- 子育て支援 産前産後休暇・育児休業制度(産休・育休)、育児短時間勤務制度、ぱぱの子育て休暇 (配偶者出産・育児休暇)、ワーキングマザーサポート
- 介護支援 介護休暇、相談窓口の設置、当事者ネットワーク
- その他 セルフケア休暇、社会保険、持株制度、協賛特典
参考元:https://www.lixil.co.jp/corporate/recruit/about/welfare/
募集職種・募集要項
2022年卒募集要項は下記の通りです。
募集コース | 総合職 技術系コース 総合職 事務系コース |
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職務内容 | 総合職 技術系コース (配属先:商品開発、生産技術、生産管理、品質管理、研究開発、デジタル、知的財産、購買・物流など) 総合職 事務系コース (配属先:マーケティング、経理、物流) |
応募資格 | (1) 大学、大学院、高専専攻科を入社予定年3月までに卒業あるいは卒業見込みの方 (2) 自動車運転免許有資格の方(入社時迄に取得、MT・AT限定共に可) |
給与 | 院(修士)卒:月給23万2000円 大学卒:月給21万5000円 ※高専専攻科は大学卒と同額 |
諸手当 | 時間外勤務手当、家族手当、通勤手当 など |
勤務地 | 全国各事業所 ※生産、物流等を除く幅広い職種において、在宅勤務を基本とする |
勤務時間 | 8:30~17:20 実働7時間50分 ※配属部門により勤務区分が異なるため、始業・終業時刻は変更となる可能性あり ※本社管理部門、営業部門、工場間接部門を対象としてスーパーフレックスタイム制度を導入 |
保険 | 社会保険 |
参考元:https://www.lixil.co.jp/corporate/recruit/newgrads/requirements/
LIXILの強み・競合他社・業界分析
住宅設備機器メーカーの競合他社として、TOTO、タカラスタンダード、パナソニックと比較してみましょう。単体の当期純利益で見てみると、パナソニックが1位、LIXILは4位となっています。4社のなかでLIXILのみがマイナスとなっています。
パナソニックは、レストルーム、キッチン、浴室などの他にも、内装・収納、エアコン、スイッチ・電気設備など、幅広い領域で商品を販売しています。水回り以外の分野で商品を展開している点が強みであり、1位の理由といえます。 LIXILの強みは、節水、耐久性、使いやすさなどを実現する圧倒的な技術力です。顧客の要望や課題を解決するために、LIXILの持つ流体制御や人間工学などの独自の技術を商品に活かせる点が強みです。また、国際的なデザイン賞であるレッドドット・デザイン賞やiFプロダクトデザイン賞等を受賞するなど、品質とデザイン性で世界的に評価されていることも特徴です。 タカラスタンダードの強みは、ホーロー素材へのこだわりです。キッチンや浴室、洗面台などで、汚れに強く接着剤などが不要な安心素材であるホーロー素材にこだわった商品開発を行っています。 LIXILは、2011年に国内の建材・設備機器メーカー5社(トステム、INAX 、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリア)が統合して誕生した企業です。ビルディングテクノロジー事業として、非木材建物の建築も行っています。ビルや店舗など住宅以外の設備にも強みをもっていることが特徴です。
競合他社の当期純利益:単体(単位:億円)
(2021年)
IR読み解き!深堀り研究〜事業規模・資本構成・ビジネスモデル〜
ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。
経営方針
LIXIL企業サイトの有価証券報告書を基に、経営方針をみていきましょう。
当社グループでは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」という企業としての存在意義「LIXIL Purpose」を明確化し、ステークホルダーの皆様と社会に対する持続的な価値創造の実現に取り組んでおります。また、従業員こそが当社グループの価値創造の原動力であると位置づけ、従業員が社会に貢献するという強い目的意識を持ち、日々の業務の中で「LIXIL Behaviors(3つの行動)」を実践することで、存在意義の実現に取り組んでおります。
LIXILは、LIXIL Purposeのもと、日々の暮らしの課題を解決するトイレ、浴室、キッチンなどの水回り製品と、窓、玄関ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発・提供しています。LIXIL Purposeとは、持続的な成長に向けて、よりアジャイルで起業家精神にあふれた企業になるための取り組みを続け、意思決定を行う際に指針となるものです。また、LIXIL Behaviorsを日々の業務の中で実践することで、存在意義の実現につなげています。
売上・財務状況
売上(収益)と利益
LIXILの業績をみてみましょう。LIXILの営業収益は、前年より増加しています。ただし、経常利益と当期純利益は減益となっています。 LIXILは、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停止により、2020年度の上半期は業績が落ち込んだ一方で、下半期は米国や欧州を中心に海外事業において需要の回復が見られました。その結果、売上収益は1兆3,782億55百万円(前年同期比9.0%減)と減収となりました。
2020年12月 | 2019年12月 | 前年同期比 | |
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売上高 | 140億円 | 100億円 | 40% | 経常利益 | -19億円 | -2億円 | -850% | 営業収益 | -13億円 | 9億円 | -244% |
参考元:https://ssl4.eir-parts.net/doc/5938/tdnet/1959422/00.pdf
対処すべき課題
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、起業家精神にあふれ、持続的な成長を通じて社会に貢献できる組織の構築を目指し、2017年11月に策定・公表いたしました中期計画の4つの柱に基づいた主要施策を着実に推進しております。
[ 中期計画の4つの柱 ]
1.持続的成長に向けた組織を作る 当社グループは、変化に俊敏に対応できるような環境を構築するため、組織文化の変革を進めております。従業員が起業家精神を発揮し、活発な意見交換や実験的な取り組みを行えるような組織風土を醸成していきます。また、従業員が互いを尊重し、刺激を受け合い、熱意を持って取り組むことができるような環境を作るとともに、社会的に意義のある大きな目標の達成を通じて従業員が一つになることができるような企業を目指してまいります。
2.魅力ある差別化された製品の開発 当社グループは、多様なライフスタイル、ニーズや嗜好に対応する強いブランドを有し、こうしたブランドに対する投資とその真髄となるDNAの強化を進めることで、利益ある成長につなげていきます。また、変化する消費者ニーズや嗜好に対応できるよう、イノベーション、デザイン、品質の向上をさらに追求していきます。さらに、製品開発のための強い知的財産の基盤を持ち、短いサイクルで差別化された製品を市場投入できるよう「アセットライト」のビジネスモデルへ移行するとともに、国内の組織構造の見直しを行い、製品開発、生産、販売の機能を一組織に統合することで、製品開発サイクルのスピード向上を図ってまいります。
3.競争力あるコストの実現 当社グループは、バランスシートと利益率の改善に向け、新技術やインフラの活用により、効率的で柔軟なサプライチェーン管理体制を構築し、コスト管理を向上させます。さらに、間接部門の生産性を高め、必要とする部門に人員の再配置を行うなどの施策推進を通じて、コスト効率の向上につなげてまいります。
4.エンドユーザー・インフルエンサーへのマーケティング 当社グループは、エンドユーザー、並びに工事業者、デザイナー及び工務店などのインフルエンサーとの接点の拡充を図ります。また、「リクシルPATTOリフォーム」をはじめとする新サービスの推進を通じて、リフォームに対するエンドユーザーの不安を取り除き、日本における新たなリフォーム需要を創出してまいります。
起業家精神を大切にし、持続的な成長を通じて社会への貢献を目指すLIXILは、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として、中期計画の4つの柱を掲げています。「持続的成長に向けた組織を作る」「魅力ある差別化された製品の開発」「構想力あるコストの実現」「エンドユーザー・インフルエンサーへのマーケティング」という4つの柱のもと、活発な意見交換や実験的な取り組みを行える組織風土を醸成すること、ブランドに対する投資と強化を行い魅力ある製品を開発すること、コスト効率を向上させること、リフォーム需要を創出していくことが必要と考えています。
先輩たちが行った企業研究とそのポイント
LIXILの企業研究では、競合他社のなかでもなぜLIXILを選んだのか、マッチ度が問われます。以下の先輩は、OB訪問、社員面談、リクルーター面談など、社員と話す機会を作って企業研究を行っています。社員の話を聞くことで、入社後のリアルな仕事内容について知ることが出来たとのことです。社員の話を直接聞ける機会がある場合には、出来る限り参加しましょう。また、インターンシップや説明会に参加した際にもらえるパンフレットがとても役に立ったとの投稿もあります。 LIXILのIR資料も、経営状況などを把握するのに最適とのことです。同業他社と比較しながら、LIXILの強みや特徴を捉えていきましょう。
実際に選考通過した先輩の声
住宅設備メーカーの中でも企業別の差別化が必要です。特にTOTOやタカラスタンダードなど競合との差別化は具体的にどんな風に違うのかを調べておく必要があります。LIXILの面接では特に、本当にこの会社なのか性格的な部分が問われると選考を通じて感じました。例えば水回り部門に関して、LIXILはTOTOに次ぐ業界二位に位置しているがその現状を会社はどう捉えていて、今後どのような戦略を掲げていくのかをしっかり把握する必要があると思います。私はその差別化を図るために、企業のIRやマッチャーを通じたOB訪問、さらに社員面談とリクルーター面談を通じ勉強してきました。特にOB訪問では、差別化の他に自身のキャリアプランのアドバイスや入社後のリアルな仕事内容まで知れるので是非活用していただきたいです。
実際に選考通過した先輩の声
三年の6月ごろからインターンシップをきっかけに調べ始めました。基本的にはホームページを閲覧して、同業他社との比較を行い、この企業ならではのポイントを見つけるようにしました。インターンシップに参加したり説明会に参加するともらえるパンフレットがとても有用でした。大学によってはキャリア支援センターなどで閲覧できる場合もあるので確認してみることをお勧めします。また大企業ということもあり、IRの資料がとても見やすく、経営状況などを把握するのにはうってつけであると思います。株主向けの資料でもあるのですが、学生でもちゃんと読めば理解できる内容です。ここを読んでの質問をすると企業の方にもよく調べているねと言われることが多かったように思います。
実際に選考通過した先輩の声
住宅設備メーカーであるLIXILにはまず、大きく、水周り、ビルディング、ハウジングの3つの分野があることを理解する。分野により競合が異なってくる。例えば、水周りで言えばTOTO、ハウジングで言えばPanasonicなど。業界でどの立ち位置にいるのかは、LIXILのマイページ上のWEBセミナーや四季報などで確認すると良い。LIXILの求めている人物像として、「柔軟な対応」があると感じた。一つの事業分野や職種に固執して面接に挑むより、自分はどの環境下でも、物事に取り組むことができることを匂わせることができると評価が高いと思う。LIXILの強みや弱みについては、自分なりの意見は最低限持っていたほうが良い。例えば、TOTOと比べた強みとして、3つの事業を持ち合わせていることによる事業の横展開など。面接の段階で、自分の認識が正しいのかを逆質問の時間などで聞くことで、さらに企業理解を深めることにも繋がると思う。
この記事を書いた人: 就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録 すれば見放題! YouTubeチャンネル も配信中です!