短所一覧110選|面接での短所の答え方を内定者の回答付きで解説
こんにちは。就活会議編集部の佐藤です。 面接で自分の短所を聞かれた際、回答に困った経験がある人も多いはず。私自身、「正直に言うと印象が悪くなるのでは?」と不安を抱えていました。 ですが、企業が見ているのは短所そのものではなく、弱みと向き合い改善しようとする姿勢です。その考え方を知ってからは、落ち着いて答えられるようになりました。 この記事では、面接での短所の伝え方はもちろん、内定者の回答例文なども紹介するので、それを参考に一緒に準備を進めていきましょう。
この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
面接で短所を聞かれた際の答え方
面接で短所を聞かれた際は、上記の流れに沿って答えることで「自己認知の深さ」と「成長意欲」を効果的にアピールできます。
ポジティブな印象を残すための最大のポイントは、克服に向けた具体的な改善策を伝えることです。それぞれの要素をどのように伝えるべきか、一つずつ確認していきましょう。
①結論
はじめに、「私の短所は〇〇です」といった形で結論を簡潔に述べましょう。まずあなたの短所が何かを述べることで、面接官は話の全体像を把握したうえで聞くことができます。
「短所を〇つ教えてください」と指定があった場合を除き、基本的に一つだけ伝えましょう。いくつも伝えると、欠点が多い人物という印象を持たれ、マイナスな評価につながる可能性があるためです。
なお、端的かつ具体性を持って伝えることを意識しましょう。そうすることで、ほかの就活生と同じ短所を挙げたとしても、より自分の弱みを正確に伝えられます。以下の具体例を参考にしてみてください。
- 例①
△私の短所は、慎重になりすぎるところです
〇私の短所は、慎重になりすぎて決断に時間がかかる点です - 例②
△私の短所は、心配性なところです
〇私の短所は、心配性で、行動に移すのが遅くなる点です
- 例③ △私の短所は、頑固なところです 〇私の短所は、融通が利かず、頑固なところです
②短所が明らかになったエピソード
次に、短所が原因で困ったことや失敗した経験を具体的に伝えます。
「〇〇の場面で、△△をしてしまった」といった形で、「どのような場面で」「(その短所によって)どのような結果になったのか」を述べましょう。これにより、客観的な視点から自身の短所を認識できることを示せます。
この際、当時の感情や思考プロセスを加えることで、話に深みと人間性が生まれます。以下の具体例を参考にしてみましょう。
- 優柔不断:
(例)チームで企画の方向性を決める会議で、複数の意見を「すべて活かしたい」と考えてしまい、最終的な決定が遅れました。その結果、締切に間に合わずチーム全体に迷惑をかけてしまいました
- 心配性:
(例)アルバイトで新しいキャンペーンを任された際、失敗を恐れて手順書作成に時間をかけすぎたため、実行開始が予定より一週間遅れました。結果、売上獲得のチャンスを一部逃すことになりました
- 頑固:
(例)大学のグループワークで、自分の研究内容に関する主張が最も正しいと感じ、ほかのメンバーからの建設的な代替案を無意識に退けてしまいました。その結果、チーム内の雰囲気が悪化し、合意形成に通常の倍以上の時間がかかってしまいました
③克服に向けた具体的な改善策
最後に、その短所を克服するために現在おこなっている改善策を伝えましょう。短所を短所のまま伝えて終わると、ネガティブな印象だけが残ってしまいます。
この点を具体的に述べてポジティブに締めることで、面接官は「自分の短所と真摯に向き合い、克服に努めているのだな」と好印象を抱くでしょう。
この改善策こそが、企業が最も知りたい「入社後の成長の可能性」を示す証拠となります。以下の考える際のポイントを参考にし、具体的な改善策を考えましょう。
| ポイント | 例 | |
|---|---|---|
| 「なぜその改善策を選んだのか」という理由を明確にする | 対策が短所の根本的な原因にどう影響しているのかを示す | 優柔不断なのは情報収集に時間がかかるから ➡だから、「情報収集に期限を設ける」という対策を講じている | 「仕組み化・習慣化」していることを示す | 具体的なツールや習慣として行動を定着させていることを示す | 手帳、ToDoリスト、チェックシート、週次の振り返り | 「他者からの協力」を積極的に組み込む | 周囲を巻き込むことで、協調性やチームで成果を出す意識があることを示す | 意思決定前に信頼できる友人に相談する上司にフィードバックを求める | (ある場合は)ポジティブな結果を添える | 対策を続けた結果出た小さな成功体験を添えることで、説得力が向上する | 以前よりも早く決断できるようになったポジティブな結果を添える |
内定者が実際に面接で伝えた改善策
以下のリストは、就活会議の内定者データから分析した、多くの内定者が克服に向けた改善策として伝えた傾向のあるものです。これらもぜひ参考にしてみてください。
周囲からの協力
・友人や第三者に積極的に意見を求める(2018年卒 早稲田大学 三菱UFJ銀行 総合職 内定) ・心を許せる友人に悩みを打ち明ける(2021年卒 早稲田大学 三菱UFJ銀行 グローバルオープンコース 内定) ・頼れるところは頼るように意識する(2025年卒 京都大学大学院 良品計画 総合職(全国転勤) 内定)仕組み化・習慣化
・寝る前に反省をおこない自分を客観的に評価する(2018年卒 大阪大学大学院 味の素 R&Dコース 研究開発職 内定) ・やるべきことをリスト化し優先順位と時間を決める(2021年卒 東京理科大学大学院 KDDI 技術系総合職 内定) ・進捗を見える化する(2018年卒 関西大学 三井住友カード 基幹職 内定)知識やスキルの習得
・自己啓発本を読む(2020年卒 同志社大学 三井住友カード 基幹職 内定)対策と準備
・緊張する場面では入念な準備とシミュレーションをおこなう(2020年卒 東北大学 KDDI OPENコース 業務系 内定) ・事前準備に時間をかけすぎないよう優先順位や効率を考える(2022年卒 早稲田大学 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)短所一覧110選|長所への言い換え付き
「短所は長所の裏返し」とも言えます。面接で伝える長所と短所にあまりにも一貫性がないと、面接官はあなたの人間性や価値観をよく理解できなくなってしまうでしょう。そのため、短所を考える際は、長所とセットで考えるのがおすすめです。
ここからは、短所を上記3つのカテゴリーに分けて紹介します。この短所一覧や長所への言い換え表現に目を通し、自分に当てはまる短所がないか、また、その短所を長所として伝える場合の表現を確認してみてください。
なお、短所を考えるうえで、志望企業の求める人物像に合った長所から短所を考えるのも有効です。企業研究をおこなったうえで、面接で伝える短所を検討しましょう。
まず内定者の回答例文が知りたい人は、この後解説する「内定者が面接で伝えた短所の例文23選」を参考にしてみてください。
性格・思考に関する短所
性格や物事への考え方には、その人ならではの特徴が出やすいもの。特に「思い通りにいかなかった経験」や「困難に直面した経験」から自覚した自身の性格を思い出すことで、短所の発見につながります。
幼少期から現在まで、一貫している性格を考えるのもおすすめです。下記の表から確認してみましょう。
| 短所例 | 長所への言い換え表現 |
|---|---|
| 心配性 | リスクに対して準備を徹底できる | 優柔不断 | 多角的な視点を持つ | 慎重すぎる | 周到な準備力がある | 考えすぎてしまう | 本質を見抜くまであきらめない | 完璧主義 | 高い品質にこだわる | 理屈っぽい | 論理的思考力が高い | 頑固 | 決めたことをやり抜く意志がある | 失敗を重く受け止めてしまう | 成功へのこだわりが強い | 自意識過剰 | 常に自己改善を求める | 疑い深い | 根拠を必ず確認する | 想像力に欠ける | 現実的な視点を持ち、地に足の着いた判断ができる | 直感に頼りすぎる | 物事を決める際に素早く判断ができる | 視野が狭くなりがち | 特定の分野への集中力があり、深い専門性を持つ | 自分の意見に固執する | 強い信念を持ち、一貫した行動ができる | 細かい点にこだわりすぎる | 緻密な作業が得意 | 大雑把である | スピード感を持って行動できる | 飽き性である | 多方面に興味を持てる | 結論を急ぎすぎる | 迅速な意思決定ができる | 決断に時間がかかる | 熟慮を重ねる | すぐにあきらめてしまう | 見極めが早い | 理想を追い求めすぎる | 高いビジョンを持つ | 新しい変化を嫌う | 安定した環境で集中して成果を出せる | プレッシャーに弱い | 目の前の物事に真剣に向き合っている | 好奇心が低い | 目の前のタスクに高い集中力で没頭できる | 批判的思考が強い | 鵜呑みにせず本質を見抜く分析力がある | 現状維持を望む | 確実な実行を重視する | 自己評価が低すぎる | 謙虚さがあり、常に向上心を持って努力できる | 融通が利かない | ルールを厳格に守れる | 楽観的すぎる | 困難な状況でも前向きでいられる | ネガティブ思考に陥りがち | 最悪の事態に備えられる | 論理の飛躍がある | 本質を見抜く力がある | 知識を応用するのが苦手 | 基礎知識を徹底的に深掘りする探求心がある | 感情と論理の切り替えが苦手 | 感情に嘘がつけない | 内気 | 思慮深く、落ち着いて物事を熟考する | 短気 | スピード感と効率を重視する | 注意力が散漫 | 多様な情報に気が付く | 繊細 | 高い感受性を持ち、細やかな配慮ができる | 感情的になりやすい | 感受性が豊か | プライベートと仕事への区別が曖昧 | 仕事への熱意が高く、自己成長意欲が強い | 自己肯定感が低い | 謙虚に学ぶ姿勢がある | リスクを過大評価する | 危機管理能力が高い | 衝動的 | 瞬発力・実行力がある |
対人・協調に関する短所
アルバイトやサークル活動など、周りの人とのかかわりが不可欠な場面での自身の振る舞いを思い返してみましょう。そのなかでも「失敗してしまった」「悔しい思いをした」場面を振り返ることで、短所を見つけやすくなります。
また、コミュニティによって自分の立場や役割を考えるのも有効です。
| 短所例 | 長所への言い換え表現 |
|---|---|
| 他者の意見を尊重しすぎてしまう | 多様な価値観を受け入れられる | 周囲に相談できない | 自力で解決しようとする粘り強さがある | 一人で抱え込んでしまう | 最後まで自分の力でやり遂げようとする意志がある | 人に厳しく接するのが苦手 | メンバーの個性や感情を尊重できる | 他人への期待値が高すぎる | 高い目標設定能力がある | 周囲に流される | 新しい状況や意見を素直に受け入れられる | 自己主張しすぎる | リーダーシップがある | 承認欲求が強い | 努力や成果を正当に評価されたいという目標への意識がある | 人前で緊張しやすい | 目の前の物事に真剣に向き合っている | 意見を主張するのが苦手 | まずは相手の意見を聞ける | 褒められると調子に乗る | モチベーションが高まりやすい | 人見知りをする | 相手をよく観察し、深い人間関係を築く | 感情を表に出さない | 冷静沈着で感情に流されず論理的な判断ができる | 負けず嫌い | 高い競争心を持ち、目標達成に強い執着がある | 自分の話ばかりしてしまう | 周囲に伝えたい情熱が強い | 本音を言えない | 相手への配慮がある | ユーモアがない | 信頼感を重視する | 周囲と距離をとりがち | 自分の世界観を持つ | 相手の気持ちを察しすぎる | 他者の痛みを深く理解できる | 競争を嫌う | チームの調和を重視する | 自分の殻に閉じこもりがち | 集中力がある | おせっかい | 世話好き | 人の目を気にする | 他者からの評価を真摯に受け止め、改善につなげられる | 言葉がきつい | 裏表がなく、曖昧な表現を避ける | 他人に厳しい | 公平な評価を重視する | 課題ばかりに目が行く | 現状維持を良しとせず、常に改善に意識が向けられる | 謝罪が苦手 | 論理的な正しさにこだわる | 愛想笑いが苦手 | 裏表のない誠実さがある | 口下手である | 言葉よりも行動で示す | 噂話に流されやすい | 周囲との共感を重視する | 親しくない人との距離感がうまく取れない | 裏表がなく、誰に対してもオープンに接する | 冷たい人に見られがち | 冷静に物事を判断できる | 論破しようとしてしまう | 論理的思考力が高い | プライベートの質問をしすぎる | 人間関係を深めようとする熱意がある | 人の頼みを断れない | 人から信頼され頼りにされやすい | 場をわきまえずに発言する | 固定観念にとらわれない発想ができる | 共感しすぎる | 感受性が豊かで他者の痛みを深く理解できる | なれ合いを嫌う | 公平性を重視する |
行動・実行に関する短所
何か物事を実行する際にも、その人ならではの特徴が出ることがあります。アルバイトやサークル活動など、大学生活のなかでの自身の行動を思い出してみましょう。
また、受験校を決めるときや留学を決意したときなど、これまでの人生で大きな決断をした状況でのあなたの行動を振り返るのもおすすめです。そこで「失敗した」「後悔した」と感じた行動があれば共通の原因がなかったか考えてみましょう。
| 短所例 | 長所への言い換え表現 |
|---|---|
| 計画性がない | 臨機応変な行動力がある | 突発的な行動が多い | 瞬発力・実行力がある | 一つのことに熱中しすぎてしまう | 高い集中力がある | 状況把握が苦手 | 目の前のタスクへの集中力が高い | スケジュール管理が苦手 | 突発的な出来事に対応できる | せっかち | スピード感がある | 整理整頓が苦手 | 目の前の問題解決に注力できる | 後回しにしがち | 優先度の低いタスクを切り捨てる判断力がある | 立ち直りが遅い | 原因追求に時間をかける | 習慣化が苦手 | 新しいことに挑戦する意欲が高い | 準備に時間をかけすぎる | 周到な準備を徹底する | 失敗を恐れて動けない | 慎重である | 優先順位を付けるのが苦手 | すべてのタスクを大切にする | 言い訳をしがち | 論理的な正しさを重視する | マルチタスクが苦手 | 一つの業務に高い集中力を発揮し、品質を確保できる | 臨機応変な対応が苦手 | 計画通りに進める能力が高い | 自分のペースを崩せない | 自分の得意な環境で高いパフォーマンスを発揮できる | 自分の力量を超えた仕事を受けてしまう | 挑戦意欲が旺盛で自己成長意欲が高い | 細かい作業が苦手 | 大局的な視点を持つ | 集中が途切れやすい | 複数の情報に気付ける | 自分の能力を過信しがち | 高い目標設定能力がある | 指示がないと動けない | チームのルールを重視する | ルーティンワークを嫌う | 新しいアイデアを追求する | 目標設定が高すぎる | 現状に満足せず常に高い理想を追求する | 期限にこだわりすぎる | 納期厳守を徹底する | 細かすぎる | 品質へのこだわりが強い | データに基づかない判断をしがち | 直感を活かしたスピード感のある判断ができる | 自分の非効率に気付きにくい | 一度決めたプロセスを信じて突き進む力がある | 記憶力が乏しい | システム化が得意 | 他者のサポートを求めすぎる | チームでの連携を重視する |
なお、以下は就活会議が独自に分析した、多くの内定者が面接で実際に伝えた短所です。これらの短所は、この後解説する「内定者が面接で伝えた短所の例文23選」で一つずつ例文を紹介します。
なかなか短所を選べない人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 心配性
- 慎重すぎる
- 考えすぎてしまう
- 完璧主義
- 理屈っぽい
- 他者の意見を尊重しすぎてしまう
- 周囲に相談できない
- 一人で抱え込んでしまう
- 計画性がない
内定者が面接で伝えた短所の例文23選
自分の短所が理解できたところで、人気企業の内定者が実際に面接でどのように短所を伝えていたのかを見ていきましょう。面接で短所を伝えるイメージが明確になり、自身の回答のブラッシュアップにつながるはずです。
ここでは、みん就がおこなった調査である「新卒就職人気企業ランキング」の1~50位の企業で内定を得た学生が面接で答えた短所を紹介します。自分に当てはまる短所を中心に確認してみてください。
性格・思考に関する短所
このカテゴリーの短所は、真面目さや責任感といった長所が行き過ぎた結果として現れたと言えるでしょう。
内定者は、その弱点がさまざまな場面で悪影響を及ぼすことを正直に認め、論理的な仕組みや習慣化によって克服する姿勢をアピールしています。
心配性
内定者の回答
短所は心配性なところです。納得のいくまで確認しないと行動できないことがあります。
事前準備に時間をかけすぎないように、優先順位や効率を考えて行動しようと思います。
自分の長所である忍耐力を活かして御社で活躍し続けたいと思います。ゆくゆくはプロジェクトマネージャーとして活躍したいため、チーム全体を客観的にみてスケジュール管理などができるように、日ごろから意識をして生活したいです。 (2022年卒 早稲田大学 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)
内定者の回答
短所は心配性である点です。
何事も完璧に仕上げたくて間違いがないか何度も確認し、時間がかかってしまいます。
郵便局で仕分けアルバイトをした際、仕分けに間違いがないか何回も見直してしまい、他のアルバイトの人たちより仕分けに時間がかかってしまっていました。
そこで見直す回数は1回にし、声に出していうことで安心できるため小声で「間違いはない」というようにし短所を克服していました。 (2022年卒 相愛大学 ソフトバンク アソシエイト職 内定)
これらの回答では、短所である心配性を「計画性や責任感の裏返し」ととらえ、具体的な仕組み化によって克服する姿勢を示しています。
特に二つ目の回答では、「見直す回数は1回にし、声に出して言うことで安心できる」という具体的な行動ルールを設けています。これは、自身の性格特性を分析し、それに合った独自の克服方法を編み出していることの証明となっているでしょう。
慎重すぎる
内定者の回答
私の弱みは少し慎重すぎるところがある点です。
学部時代に行ったチーム開発においても、自身がリーダーを務め、テーマに対してしっかりと物事を進めたいという考えから慎重になってしまい一歩目を踏み出すのが少し遅くなってしまい、プロジェクトの進行に支障をきたしてしまった時期がありました。
このような状況を打破すべく、私はゴールから逆算をしたのちに、現在からいつまでにどういう状況になり、何を結果として出さなければならないのかを俯瞰して考え、期限と成果を明らかにしたうえで行動に移すことによって短所を克服するように心がけています。 (2025年卒 東京理科大学大学院 Sky 開発職 内定)
この回答では、「ゴールから逆算し、期限と成果を明らかにしたうえで行動に移す」という、論理的な解決策を実行していることがわかります。
これは、精神論ではなく「計画による克服」という、開発職に求められる資質を示していると言えるでしょう。
内定者の回答
私の短所は、物事を慎重に考え過ぎてしまう結果、すぐに行動に移せなくなってしまう点です。
私は行動に移す際に、どのようにしたらより良い結果を出すことができるか、逆算をして考え過ぎてしまう傾向があります。そのため、すぐに行動に移せないために、損をするようなことが幾度とありました。
そこで、私はどうすればよいか考え過ぎてしまったときは、友人などの第三者に積極的に意見を求めるようにしています。その結果、自分一人で考え過ぎずに済むようにしています。
また、Bプランを考えておくように、失敗したときに備えて次の手をあらかじめ考えておくようにしています。そうすることで、なるべく迅速に行動に移せるように日々心掛けています。 (2018年卒 早稲田大学 三菱UFJ銀行 総合職 内定)
この回答では、施策の一つとして「友人などの第三者に積極的に意見を求める」という、客観的な視点を取り入れる仕組みを伝えています。
仕事は基本的に周りの人との連携・協力が不可欠であるため、面接官は「入社後も他者の意見を柔軟に聞き入れられそう」と良い印象を抱くでしょう。
また、対策を二つ考えられている点から、この学生の用意周到さがうかがえます。「慎重すぎる」という短所が長所として活きていることの表れにもなっているでしょう。
考えすぎてしまう
内定者の回答
考えすぎてしまうことです。私は、質問をされた際に考え込んでしまうことがあります。そのため、入念に準備を行うことで、そのリスクを最小限にするよう心がけています。
以前、ゼミでのプレゼン時に、教授に質問された事柄について、瞬時に適切な答えを言うことが出来ないことがありました。
そのため、それ以降、プレゼンの準備を行う際には、何度も資料を確認し、自ら質問内容を想定することで、多くの資料を集めるよう心がけています。
その結果、先日行ったプレゼン時には、全ての質問に対して適切な回答が出来、教授にもよく調べているとほめていただくことが出来ました。 (2021年卒 早稲田大学 富士通 総合職(OPEN) 内定)
この学生は、「考えすぎてしまう」という弱点を「準備力の高さ」や「徹底的に調査できる力」という強みとしてとらえ、改善策に転換しています。これらの改善策は、感情論ではなく、課題に対して戦略的にアプローチする思考力の証明になっています。
また、「教授にもよく調べているとほめてもらえた」という客観的な成功体験を伝えることで、「短所を克服する努力が、確実に成果に結び付く」という再現性の高い成長意欲を示しています。
完璧主義
内定者の回答
短所は、完璧主義的な傾向があることである。この特性により、タスクに対して過度にこだわってしまい、納期を守ることが難しくなる場合がある。
また、他者との協力が求められる場面でも、自分の基準を相手に押し付けてしまうことがある。しかし、この短所を意識することで、次第に改善策を講じるように努めている。具体的には、タスクを小分けにし、それぞれに期限を設定することで、全体の進捗を把握しやすくしている。
また、他者とのコミュニケーションを大切にし、意見を尊重することで、チームとしての成果を優先する姿勢を持つよう心掛けている。このように、完璧主義の短所を認識し、具体的な行動を通じて改善に努めることで、より良い結果を目指している。 (2025年卒 明治大学 デロイトトーマツコンサルティング コンサルタント職 内定)
この回答では、克服策として「タスクを小分けにし、それぞれに期限を設定する」という、実践的なスケジュール管理と進捗把握の仕組みを実行していることを示しています。これは、コンサルタント職に必要なプロジェクト管理能力や論理的思考力を裏付けていると言えるでしょう。
二つ目の克服策として、チームとしての成果を優先する姿勢を持つよう心掛けていると述べています。これにより、協調性や柔軟性も効果的にアピールできているでしょう。
理屈っぽい
以下は、面接で自分の長所・短所を聞かれた際の内定者の回答です。
内定者の回答
私の長所は計画性があるところです。
映画祭の前、私はメンバーの強みを理解し、流れを分析し、役割を分けました。映画作りのストラクチャーをはっきりしました。限られてる時間で個人の役割を効率的に果たせるようになりました。
しかし、私は理屈っぽいとよく言われました。人の感情に配慮しないため、企画に固く従う傾向があります。
そのため、みんなはストレスが溜まるところを考慮し、休憩時間に軽く話しかけました。メンバーが微笑みを見つけてから、企画を調整していくことにしました。
その結果、チームは協調性が上がり、映画祭の最後の段階に行けました。 (2021年卒 早稲田大学 デロイトトーマツコンサルティング コンサルタント職 内定)
この回答では、短所について自身の計画にこだわる性格を認識したうえで、チームワークが求められる場面では、メンバーの感情に配慮するという違ったアプローチを意識的に取り入れていることが伝わります。
メンバーとのコミュニケーションを増やして負担を軽減し、状況に合わせて企画を柔軟に調整した結果、成果につながったことが示せており、短所の克服がチームの成果向上に結びついた点を明確にアピールできている、効果的な回答になっています。
自意識過剰
内定者の回答
私の短所は自信が過剰にあることだと考えています。自信がないと人前で発表するときに緊張してしまったり、自分の主張を上手く伝えられなかったりと良くない場合があります。
一方、自信が過剰にあってもプライドが大きくなってしまい、他人のアドバイスを聞かなくなってしまうのではないかと懸念しています。
そのため自分を客観的に評価して、自分の意見を押し通すところと素直に意見を変えるところを見極めなければならないと考えています。具体的に行っていることとしては、寝る前に今日の反省を行っています。その日何があったかを思い出し、反省することで自分を客観的に評価できるようになっていると思います。
これからも反省することと自信が過剰とならないことを意識していきたいと思います。 (2018年卒 大阪大学大学院 味の素 R&Dコース 研究開発職 内定)
これは、過剰な自信についてのメリットとデメリットを深く分析し、自己成長のために課題として認識していることを示している回答です。
克服策として、「寝る前に今日の反省をおこなう」という具体的な習慣を実践していることから、自分を客観的に見つめ直し、コントロールしようとする姿勢が感じられます。
対人・協調に関する短所
このカテゴリーで内定者は、サークル活動や部活動などで協調性や責任感が強すぎるあまり、チームや自分自身にネガティブな影響を与えた経験を正直に述べています。
その弱点を克服するために、他者との連携や積極的な仕組み化という具体的な行動を示しています。一つずつ見ていきましょう。
他者の意見を尊重しすぎてしまう
内定者の回答
自分の意見を強く主張できず、受け身になってしまう点です。
サークルやゼミナールにおいても、メンバーがやりたいことをやっていこうという思いが強いがゆえに、相手の意見に影響され自分の考えを後回しにしてしまうことが多々ありました。
そのため、自分の意見を必ず伝えることを心がけ、共感できる内容であってもそこに自分の意見をふまえてより良い意見にすることで協調性を保ちながら自分の意見を伝えることを心がけています。 (2021年卒 慶應義塾大学 KDDI OPENコース 業務系 内定)
この回答では、「相手の意見に影響され自分の考えを後回しにしてしまう」という弱点を認識したうえで、「共感できる内容であっても、そこに自分の意見をふまえてより良い意見にする」という具体的な行動に転換していることが伝わります。
この行動は、協調性に加えて付加価値を提供できる主体性もアピールできているでしょう。
内定者の回答
私の短所は、好き嫌いも含めた拘りがほとんど無いことです。
この短所は、特にまとめ役になった際に、際立ってしまいますが、例えば、会議でまとめ役になった際、それぞれの意見や価値観を面白いと感じてしまうため、結論を出すまでに時間がかかってしまいます。
結論を出す際には、皆の譲れない部分を尊重しつつ、皆が納得するような落とし所を模索するようにしています。 (2024年卒 早稲田大学 三井住友銀行 総合職 内定)
この回答では、克服策として「みんなが納得する落とし所を模索する」という具体的な行動ルールを設けています。これは、自分の弱点を認識し、明確な改善策によってチームの成果に貢献しようとする高い主体性を示しているでしょう。
周囲に相談できない
内定者の回答
人に相談できない点です。私は人に頼ることが苦手で、すべてを独断で決めてしまう傾向にあります。
この性格によってこれまでトラブルを起こしたことはありませんが、社会人として働く上でミスをする可能性があるため、克服するべきだと考えました。
そのため、最近は就職活動や研究について友人や先生に相談するように心がけています。相談することを意識し始めたことで、自分一人では出せなかった答えが出るようになったりとポジティブな影響があると感じています。 (2025年卒 京都大学大学院 良品計画 総合職(全国転勤) 内定)
この回答は、「短所によってトラブルを起こしたことはない」という事実がありながらも、将来ミスする可能性を考えて克服しようと行動していることが伝わります。このことから、現状維持に甘んじない高いプロ意識や、リスクを未然に防ごうとする誠実さが感じられるでしょう。
克服策として、抽象的な「気を付ける」ではなく、「就活や研究について友人や先生に相談する」という具体的な行動を習慣化していることもアピールできています。
一人で抱え込んでしまう
内定者の回答
一方、私の短所は、悩みを抱え込みがちなところです。この性格のせいで本番間近まで悩みを抱え込んで、直前に体調をくずしてしまい逆に迷惑をかけてしまったことがあります。
この短所を改善するためにも、それ以来、定期的に心を許せる友達に打ち明けたり、自分の趣味に没頭してストレス発散する時間を作るようにして抱え込みすぎないようにすることを心がけています。 (2021年卒 早稲田大学 三菱UFJ銀行 グローバルオープンコース 内定)
この回答は、短所がもたらす具体的な悪影響まで正直に伝え、そのうえでさまざまな現実的な対策を実践していることを伝えています。これにより、短所と真摯に向き合う誠実さを示しています。
内定者の回答
他人からも指摘された経験が何度かあるのですが、責任感・使命感の強さゆえ仕事を一人で抱え込み、第三者意見による客観性を欠いた結果となってしまう点が課題と捉えております。
私は他人に責任感が強いと評価されることが多く、具体的には中学生の合唱祭でクラスの過半数の推薦で指揮者に選出された経験がございます。
一方でサークルで出店した音楽喫茶の副店長として、指揮者の意向を聞かず生演奏の選曲を進めたことで、部員に負担をかけてしまいました。
この点は入社後、まずは自分で取り組んだ上で、分からない点は必ず先輩に確かめるというメリハリを意識することで改善に努めたいです。 (2018年卒 北海道大学 ニトリ 総合職 内定)
この回答は、短所を「責任感の裏返し」ととらえ、独断を避け「チームでの協力」を意識するようにした過程が理解できます。
このチームで協力する姿勢は、入社後に組織で働くうえで不可欠です。今から実践していることで、チームへの貢献意欲に加え、自己成長の意欲も感じられます。
人に厳しく接するのが苦手
内定者の回答
私が短所だと感じる部分は、人に厳しく接することが苦手であるということです。
大学の部活動で主将を務めた際、練習と休憩の切り替えが遅い、練習そのものの雰囲気のゆるみなどが感じられ、叱責が必要となる場面に何度も直面しました。チームを率いる役割が初めてだったこともあり、主将就任当初は「自分がしっかりしている姿勢を見せればついてきてくれるのでは」と言い訳をし、叱責できずにいた。
しかし、部員を想い、本当に向上させたい気持ちがあるならこそ取るべき行動があるのではないかと思い直し、必要な時には心を鬼にして厳しい態度を取るよう努めました。
今でも厳しい態度を取ることは非常に苦手ですが、部活動での経験を糧に克服していきたいと思っています。 (2021年卒 東京大学大学院 丸紅 総合職(グローバルコース)オープン採用 内定)
苦手な行動であっても、役割を全うするために「やるべきこと」を優先した責任感の強さが伝わります。 「自分」より「チーム」を優先できるこの姿勢は、将来組織を引っ張るリーダーに不可欠な要素と言えるでしょう。
他人への期待値が高すぎる
内定者の回答
一方、私の短所は、他人にも自分と同じ能力を求めてしまいがちなところです。
この性格のせいで他人にも自分と同じスピードで仕事をこなすことを要求してしまい、他人を慌てさせてしまったことで、かえって仕事の進捗が遅れてしまったこともありました。相手を理解し、互いを尊重しながら物事を進めることの大切さを痛感しました。
これ以来、人にはそれぞれの適性があることを意識して、全員が自分の良さを発揮できるような環境にすることを心がけてこの弱点の改善に努めています。 (2021年卒 慶應義塾大学 三井住友銀行 総合職 内定)
これは、自分の短所が原因で組織にマイナスな影響を与えたことを正直に伝えており、自己分析の深さや誠実さが感じられる回答です。
克服策として、「人にはそれぞれの適性があることを意識する」と述べています。これは、将来、多様な能力を持つメンバーを適材適所に配置し、チームを牽引できるリーダーシップの素養があることを効果的にアピールできているでしょう。
周囲に流される
内定者の回答
僕が考える自分の弱みは、「環境に依存してしまう」点です。
チームメートや同僚など周りが厳しければ、それ以上に自分に対して厳しく取り組むことが出来、大きな結果を得ることが出来るんですけれども、周りが甘い環境だと自分も妥協してしまったり、環境に流されて甘えてしまうという風に考えています。環境に良くも悪くも影響をされ、それが結果にも影響してしまうのです。
今それを自分の短所を変えようと思って、周りを甘い環境を厳しい環境に変えるように働きかけている。僕が大学のアメリカンフットボール部で選手のリーダーとして最も意識していることであり、今後の人生においても環境に流されないよう取り組んでいきたいと考えています。 (2021年卒 学習院大学 全日本空輸(ANA) 運航乗務職(自社養成パイロット) 内定)
この回答では、「どんな環境でも自分だけは妥協しない」といった一般的な克服策にとどまらず、「周りの甘い環境を厳しい環境に変えるように働きかけている」と述べています。
これは、短所を克服するために周囲を巻き込み、組織全体に良い影響を与えようとする、主体性やリーダーシップがあることの証明になるでしょう。
自己主張しすぎる
内定者の回答
一方、短所は、時に自分の意見を主張しすぎることである。特にチーム内での議論において、自分の考えに固執しすぎることがあるため、他の意見を受け入れる柔軟性に欠けることがある。
この点を改善するために、日常的に他者の意見を尊重し、協力する姿勢を心掛けるよう努めている。 (2025年卒 明治大学 アサヒビール 事務系 内定)
自身の短所の根本原因は「自分の考えへの固執」だと自己分析ができている点がポイント。また、自分の発言を控えるなどの消極的な解決策ではなく、他人の意見を取り入れるという前向きな改善姿勢を示せている点も良いでしょう。
承認欲求が強い
内定者の回答
周りに「すごい」と思われたいという欲求が非常に強いがあまり、その他の部分をないがしろにしてしまう時があります。今までの人生、周囲から認められることを目標に動くことが多かったです。
例えば、「人の見えない場所での努力」よりも、「みんなが見ているような場所で努力」することが非常に多く、それがモチベーションにつながってきました。
逆に、自分がどんなに頑張っても全く評価されないような場所ではあまりモチベーションが上がらないと思います。
しかし、直接的な評価ではなくても「これをやり続ければ最終的に評価を得られるのではないか」と判断したものには、どんなに地道なものでも日頃から果敢に取り組んでいます。飲み会での接待や席次をエクセルで作るなどの作業は非常に楽しみです。 (2018年卒 早稲田大学 三菱商事 総合職 内定)
この回答では、短所を「承認欲求が非常に強い」と正直に認め、それが「人に見える場所での努力を優先しがち」という具体的な行動特性につながっていると分析しています。
克服策については、承認欲求といった短期的な感情に流されず、長期的な成果のために行動し続けるという、社会人として重要な視点を示しています。
人前で緊張しやすい
内定者の回答
短所は緊張しやすいところです。
中学の時の作文発表会で原稿を見ずに発表しようとしたのですが、緊張のあまり内容を忘れてしまうという失敗をしました。
それ以降は面接やプレゼンテーションなどの緊張しがちなイベントの際には、入念な準備とシミュレーションを行ってから挑むようにしています。このような対策により、徐々に緊張しがちな所を克服できるようになって来たと思います。 (2020年卒 東北大学 KDDI OPENコース 業務系 内定)
この回答では、失敗の経験を具体的な克服策へ結び付け、自己管理能力や成長意欲をアピールできています。
特に「緊張しがちなイベントの際には、入念な準備とシミュレーションをおこなう」という行動は、予期せぬトラブルが多いビジネスの現場で、冷静に対処できる資質として評価されるでしょう。
行動・実行に関する短所
このカテゴリーの短所は、実行力や集中力といった長所を組織のルールや計画でうまく制御できていない状況から生まれると言えるでしょう。
内定者は、具体的な失敗経験と、それを仕組み化や多角的な視点で克服する姿勢を示し、入社後の貢献意欲をアピールしています。
計画性がない
内定者の回答
一方、計画性がないのが短所である。好奇心旺盛であることの裏返しとして、予備校の企画の要所要所で大きな方針転換を余儀なくされることがあり多くのメンバーに迷惑をかけた。
準備にかける時間を軽んじていることや、計画段階でさまざまなケースの想定ができていないのが原因と感じているため、じっくり時間をかけて様々な人と話しながら計画を立てるようにしたい。 (2023年卒 大阪市立大学 パナソニックホールディングス 事務系 内定)
この回答は、短所を「好奇心旺盛」という長所の裏返しとしてとらえ、克服策として「多様な人と話しながら計画を立てる」という協調的なアプローチを試みていることを端的に伝えています。
「大きな方針転換を余儀なくされた」という失敗の原因を特定していることから、失敗を分析する思考力も感じられる回答です。
突発的な行動が多い
内定者の回答
また、私の短所は考えずに衝動的に行動してしまうときがあるということです。特に自分が興味を持ったものは知識を付ける事なく、すぐ手を出してしまうことが多いです。
そのため、仕事の場面など重要な決定を行う際には、しっかりと確認をすることや必要な行動であるかを確かめることを意識しています。 (2025年卒 兵庫県立大学 Sky 開発職 内定)
この回答では、短所を正直に認めつつ、その背景には旺盛な好奇心や実行力があることが読み取れます。これは、技術の変化が速いIT開発職で求められる「新しいことへの挑戦意欲」と結び付きやすい表現だと言えるでしょう。
一つのことに熱中しすぎてしまう
内定者の回答
短所は、没頭しやすい事です。
以前は、資格取得や英語学習(TOEIC)に力を入れた際に、熱中しすぎて研究の進捗が滞った経験があります。結果的に、研究計画を見直す必要に迫られました。
以降は、やりたいことをリストに書くなど可視化し、優先順位と時間を決めるように習慣化しています。 (2021年卒 東京理科大学大学院 KDDI 技術系総合職 内定)
この回答は、短所である「没頭しやすさ」を習慣化によって改善していることが明確に理解できます。具体的な失敗についても正直に述べていることで、自己認識の深さや誠実さも感じられます。
状況把握が苦手
内定者の回答
長所は学生時代に頑張ったことで述べた分析力だと思いますが、短所は細かい作業になると後手後手になってしまうとこだと思います。
たとえば、自分一人のタスクとしては何をすべきか考えられますが、チームとしてはメンバーの進捗度などを確認せずに進めてしまうことが多いです。阪急オアシスのビッグデータを分析した際、チームの進捗度を確認しあっていないことが原因でチームとしての分析が大幅に遅れてしまうことがありました。
私は副リーダーをしていたので責任を感じ、各メンバーがいつまでに何をすべきかをヒアリング調査で洗い出し、それを表にまとめて進捗度を見える化しました。見える化したことでその後の進捗度の報告ミスはなくなりましたが、後手に回ってしまったことは否めません。 (2018年卒 関西大学 三井住友カード 基幹職 内定)
この回答は、短所が原因でチームの成果に具体的な悪影響を及ぼした経験を正直に述べ、組織的な課題を「仕組み」で解決しようとした一連の流れがよく伝わります。
また、「副リーダーとして責任を感じた」という点から、当事者意識や責任感の強さもアピールできているでしょう。
企業が面接で短所を聞く理由
面接での短所の答え方のイメージが明確になったところで、企業が面接で短所を聞く理由も押さえておきましょう。これらを把握することで、意図を汲み取った適切な回答ができます。
企業が面接で短所を聞くおもな理由は以下のとおりです。
- 自己理解の深さと客観性を測るため
- 改善への意欲や主体性があるか確認するため
- 企業や職種とのミスマッチを防ぐため
- 短所を正直に打ち明ける誠実さを試すため
自分の短所を他者に伝えるためには、まず自分自身を客観視し、自己分析することが不可欠です。短所を「自分の改善すべき点」と認識したうえで企業に率直に伝える誠実さや、改善に向けた成長意欲があるのか、といった多角的な資質や人柄を見極められていると言えるでしょう。
また、志望業界・職種によっては、その短所が致命的なミスにつながるリスクもあります。業務に支障のある短所ではないか、入社後にミスマッチにならないかを確認したいという意図も考えられます。
面接で短所を答える際の3つのNG例
自身の短所を素直に伝えることが求められる一方で、正直に伝えすぎると、企業にネガティブな印象を残してしまう回答があることも事実です。
そのため、短所を答える際の3つのNG例も頭に入れ、思わぬところで企業からの印象を落とすことを防ぎましょう。
①「短所はありません」と伝える
「自身のネガティブな側面を伝えることで、企業からの印象が悪くなるのではないか」と考えるかもしれません。しかし、「短所はない」と答えることは、実は逆効果です。
企業は「自己認知が浅い学生だ」「自分の弱みと向き合えてない」と、かえってネガティブな印象を抱く恐れがあります。
短所は誰にでもあるものです。企業は「その短所を真摯に受け止め、どう改善しようとしているか」といった成長意欲を見極めていることを頭に入れておきましょう。
②業務をするうえで致命的な短所を伝えてしまう
業務を遂行するうえで支障が出そうな短所を伝えると「自社では活躍できない」「採用することにそもそもリスクがある」とネガティブな印象につながりかねません。
面接で伝える短所は、努力によって対処可能な範囲にとどめることが重要です。
この状況を避けるには、企業ホームページやOB・OG訪問などを通じて、職種ごとに必要とされる能力を理解することが必須です。
以下の具体例を参考に、あなたの志望業務に支障をきたす恐れがある短所を伝えていないか確認してみてください。
- 営業職志望➡人と話すのが苦手で、初対面の人に話しかけられない
- 経理職志望➡大雑把な性格で、確認作業を何度も忘れてしまう
- IT業界志望➡新しい技術や知識を学ぶことに興味を持てない
- 金融業界志望➡リスクを無視して、直感だけで行動してしまう
③業務に関係のない短所を伝えてしまう
短所として、自分の努力や工夫で改善できないものを伝えるのは控えましょう。改善への意欲や具体的な行動が示せないからです。
さらに、業務に影響しないことに関する改善策を挙げても、そのプロセスを仕事への再現性としてアピールできません。
以下の内容は、業務にほとんど関係のない短所だと判断される可能性が高いものです。これらの内容は避けましょう。
- 身体的な特徴:
(例)視力が悪い、背が低い/高い、体力に自信がない
- 個人的な特性:
(例)朝が弱い、乗り物酔いしやすい
面接で答える短所が見つからないときの対処法3選
「選考で良い印象を残したい」という気持ちが先走ると、客観的に自分の短所を理解できなくなってしまうかもしれません。面接で答える短所が見つからない人は、これから解説する3つの対処法を実践してみましょう。
①「日常で困った経験」を見つける
大学生活のなかで、「うまくいかなかった」「成果が出なかった」といった「困った経験」はありませんか。もしかすると、あなたの短所が原因で「困った」という状況に陥ったのかもしれません。
以下の3つの項目を参考に過去の経験を洗い出しながら、「なぜ困ったのか?」という理由を深掘りしてみましょう。
- 失敗した経験:
(例)大学のテスト勉強が全然進まず、単位を落とした
➡「計画性のなさ」や「楽観的過ぎること」が見つかる
- 人から指摘されたこと:
(例)友人に「いつも時間にルーズだ」と指摘された
➡「自己管理能力の甘さ」や「相手への配慮不足」が見つかる
- 苦手な仕事:
(例)アルバイトで細かいデータ入力が苦手
➡「大雑把さ」や「集中力のなさ」が見つかる
深掘りする際は、「そのとき何ができなかったのか」という行動と、「そのときどう考えたのか」という思考に分けて書き出すと、短所の核が明確になります。
- 行動の原因:
(例)計画の立て方がわからない、ツールが使えなかった
➡知識やスキル不足が短所の核になる - 思考の原因:
(例)失敗を恐れすぎた、人の頼るのが苦手だった
➡性格や価値観が短所の核になる
この流れに沿って考えることで、「困った原因=自分の短所」が見えてくるはずです。
②自分の長所を裏返す
「短所は長所の裏返し」とよく言われますが、実際に、長所と短所は一貫しているケースが多くあります。なぜなら、その人の個性や行動原理は一つであり、それが状況や環境によって「良い面」と「悪い面」として現れるからです。
面接ではこの「根底にある一貫した価値観や特徴」を示すことが、自己理解の深さと誠実さをアピールするカギとなります。
「短所一覧110選【長所への言い換え付き】」で自分にあてはまる長所を探し、その裏返しの表現を見てみましょう。
③周囲の人に聞く
自己分析に行き詰った際は、積極的に第三者の視点を活用しましょう。
この際、家族や友人、ゼミ活動の先輩、アルバイト先の店長など、さまざまな関係性の複数人に聞くのが効果的です。そうすることで、自分自身を多角的に見つめ直すことができ、一貫して見られる短所が見つけられるでしょう。
聞く際は「私の短所は何?」と漠然と質問するのではなく、「私が〇〇の状況のとき、どんな短所が現れていたか」のように、具体的な状況を提示しましょう。これにより、相手は当時の状況を思い出し、客観的な事実にもとづくあなたの短所を答えやすくなります。
面接で短所を聞かれたら改善策まで伝えきろう
この記事では、面接で短所を聞かれた際の答え方や短所一覧、大手内定者の実回答などを解説しました。
面接で聞かれる短所は、あなたの成長の可能性を示すものです。短所にまつわるエピソードだけでなく、「どう改善しているか」といった具体的な行動を伝えることで、採用担当者は「入社後もさまざまな課題と真摯に向き合い、解決のために行動できる」という良い印象を抱くでしょう。
この記事で解説した面接での短所の答え方や内定者の実回答をもとに、短所を通じてあなたの価値観や特徴を効果的に伝え、志望企業の選考突破につなげましょう。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。

この記事の編集担当者
佐藤 美空
大学卒業後、就活会議のグループ会社であるポートに新卒入社。約1年間キャリアアドバイザーとして文系学生の就職支援をおこなう。就活生時代にポート運営の就活メディアを活用した経験から、「今度は私が就活生の役に立つメディアを創りたい」という思いでライターに転身。現在は就活会議のライターを担当している。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める