面接の志望動機の答え方とコツ4選|内定者回答10選付き
就活に欠かせない志望動機。入社意欲はもちろん、学生の人となりや将来性も見られることがあります。 しかし、志望動機を作成するうちに「自分の書いた志望動機はこれで良いのだろうか」「魅力的な志望動機が書けないから選考で落ちるのではないか」という不安を抱くこともあるでしょう。 そのような人に向けて、この記事では、口コミメディア「就活会議」の口コミ・統計データの情報をもとに、志望動機の回答方法や内定者の回答、合格をつかみ取る志望動機の共通点などを解説します。「受かる」志望動機作成のコツをつかみたい人は必見です。
前提知識として押さえよう|面接官が志望動機を聞く3つの意図

面接の志望動機を作成する際にふと、「なぜ志望動機が聞かれるのだろう」と考えたことはありませんか。このような疑問が浮かぶ人は、今一度この項目を読んでおくのがおすすめ。
面接官との認識のずれをなくしたり、納得感を持って面接を進めたりするためにも、「面接官が志望動機を聞く意図」を押さえておくことが大切です。
面接官が志望動機を聞く意図を前提知識として頭に入れておき、作成の前に思い返してみましょう。
①志望度の高さを確認したい
面接官が志望動機を聞く理由の一つとして、「学生がどのくらい本気で入社したいと思っているか」を確認する意図があります。
志望度の高い学生は、企業に対してきちんと調べていることから、入社後のイメージも明確になっており、採用時のミスマッチが起こりにくいです。
そのため、内定辞退や早期離職につながる可能性が低く、採用コストの無駄を最小限にできるでしょう。
②企業に合う学生なのかを判断したい
面接官は入社後のミスマッチを防ぐため、面接を受ける学生に対し、「本当に自社に合うのか」という適性をみています。
たとえば、「将来的にグローバル展開をしていきたい」という企業があるとします。その企業の面接に参加した学生が「地元に根付いた働き方をしたい」と志望動機で話した場合、「グローバル展開には適した人材ではない」と判断されかねません。
このように、あらかじめ学生の適性を知っておくことで、学生側としても、企業側としても入社後のミスマッチを減らすことができるのです。
③入社後の活躍イメージを把握したい
企業は採用において、「自社で活躍してくれる人材」を求めています。新卒における「活躍」は、即戦力としてバリバリ働くことではなく、自発的に学び、組織に貢献しようとする姿勢のことです。
「課題解決力を活かして働きたい」「入社後は営業職として業績向上に寄与したい」など、志望動機のなかで自発的に学び、組織に貢献しようとする姿勢が見られれば、活躍するイメージにつながりやすくなるでしょう。
やる気の無い学生より、入社後の活躍イメージが湧く学生を採用したいのは当然のことのため、志望動機で入社後の活躍イメージを見ていると言えます。
4ステップで伝えよう! 面接の志望動機の答え方

面接官が志望動機を聞く理由を押さえられたら、いよいよ志望動機の回答を準備する段階です。この4ステップに沿って志望動機を作成すれば、面接官に刺さるものがばっちり作成できるため心配は不要。
話の流れをきちんと順序立てて展開できるようになれば、よりわかりやすく、魅力的に志望動機を伝えられるようになります。
明治に内定した学生の志望動機を例に挙げながら解説するため、参考にしながら回答の順番を意識して準備してみましょう。
ステップ①はじめに結論を示す
まずはじめに、「〇〇という理由で御社を志望します」などと結論を述べるようにしましょう。
内定者の例文
心と体の健康に貢献できる商品を通して健康社会の発展に挑戦したいからです。
このように端的に結論から話すと、その後の話の展開も頭に入ってきやすくなります。話の軸を見失うことも防げるため、はじめに結論を述べて「今からこの志望動機について話します」という道筋を提示するようにしましょう。
ステップ②示した結論の裏付けとなるエピソードを話す
結論が話せたら、「なぜそのように感じるのか」という結論の裏付けとなるエピソードを提示するようにしましょう。
内定者の実回答
私はインドネシアに4年間住んだ経験があり環境汚染や食の衛生面が悪く初めて入国した時は空気を吸うだけで体調が悪くなりました。この頃から私は「健康」について意識し始め、将来は健康社会の発展に貢献できる商品のモノづくりに関わりたいと考えるようになりました。
こうすることで、面接官にも納得感を持ってもらえるようになります。例に挙げた学生も、「インドネシアで生活した経験から、健康社会への貢献意識を抱くようになった」と、はじめに話した結論への流れが明確です。
「この経験があったからこそ、御社で働きたいと感じた」というように、自分なりのエピソード展開をしてみてください。
ステップ③その企業でないと結論で話したことが達成できない理由を話す
エピソードを通じてあなた自身の話が展開できたら、次は視点を「企業」に変え、結論で話したことがその企業でないと実現できない理由について述べましょう。
内定者の実回答
特に貴社は食のおいしさ、楽しさに加えて、食を通じて未来の健康価値を創造されています。このような手法で健康社会へのアプローチできる貴社に強く興味を持ちました。
この点では、志望度の高さをアピールするのに非常に役立ちます。「志望企業だからこそできること」は、企業理解ができていないときちんと提示できません。
この学生も、「食を通じた未来の健康価値創造」という明治ならではの取り組みを提示しており、「明治でないと自分の思いが実現できない」ことへの裏付けになっています。
ポイントは「志望している理由はほかの企業でも実現できることなのではないか」と思われないよう、入念な企業研究の結果を入れ込むこと。企業のホームページだけでなく、IR情報なども踏まえた企業研究結果を志望動機に入れ込めると、ほかの学生とは違う、一歩踏み込んだ観点から志望度のアピールができるでしょう。
ステップ④入社後の展望を話す
最後に、入社後にどのようなことを成し遂げたいのか、将来の展望を述べるようにしましょう。
内定者の実回答
しかし、健康社会の発展に貢献するためにはただ良いものを生産するだけでなく、これからはより環境負荷の少ない製法を見出す必要があると考えています。貴社の生産技術職では内外面の健康を支えている貴社の商品のモノづくりに携わることができるだけでなく環境問題解決の観点からも内外面の健康にアプローチできると考えたため志望しました。
学生の志望動機からは、健康社会の課題を提示したうえで「ものづくりに携わりたい」「環境問題の観点から健康へのアプローチがしたい」ことが伝わります。
「このようなことを実現したい」と展望を話すことにより、企業へのマッチ度の高さを理解できたり、入社後活躍している姿を想像しやすくなったりするでしょう。
今後の展望や現状の課題から、「企業が求めている人材がどのような人か」「企業において活躍できる人材はどのような人か」を探り、志望動機に入れ込んでみてください。
理由別! 内定者の志望動機の例文10選
「一体内定を獲得した人たちはどのような志望動機を書いているのだろう」と気になる人もいるでしょう。就活会議に寄せられた口コミを見ると、内定者の志望理由には5つの切り口があることがわかりました。
- 社風に共感した
- 社風に共感した
- 人に惹かれた
- 人に惹かれた
- 経験や強みが活かせる
- 経験や強みが活かせる
- 事業内容に魅力を感じた
- 事業内容に魅力を感じた
- 成長・挑戦できる環境で働きたい
- 成長・挑戦できる環境で働きたい
それぞれの内容についてどのようなものがあるのかを確認し、魅力的な志望動機を作成する際のヒントにしてください。
社風に共感した
いろいろな企業を見たうえで、「社風に惹かれて志望した」という人も多いでしょう。それでは、社風を志望動機にするにはどのように展開したら良いのでしょうか。内定者の回答を紹介します。
内定者の実回答①
自分のアイデア力を活かし、人々に笑顔を届けたいと考えているからである。博報堂は「生活者発想」を掲げ、生活者の視点から発想することで、広告を通じて人々の心に寄り添う企業であると感じた。自分もこの理念に強く共感し、単なる商品訴求にとどまらず、生活者の喜びや感動を生み出すようなクリエイティブな提案をしたいと考えている。また、博報堂は新しい価値を生み出すことに挑戦する社風があり、自分のアイデア力を活かして多様な人々にポジティブな影響を与える仕事ができる環境が整っていると感じた。 (2025卒 明治大学 博報堂内定)
内定者の実回答②
価値観やバックグラウンドが異なる人々を束ね、社会に新しい価値をもたらす人材になりたいからである。 私は自分だからこそ生み出せる価値を提供したいと考えており、人で勝負する商社で自らの価値を高め、社会に貢献したいと考えている。商社の中でも、自由闊達な社風のもと挑戦を尊重する貴社で夢を実現させたい。 総合商社という場所も、知識、経験で己を磨き上げ、人間力で勝負していくところ、すなわち武士になれる環境が用意されている。そんな環境で私も働きたい。 (2025卒 奥羽大学 伊藤忠商事内定)
どちらの回答も、「志望企業の社風のもとでどのように活躍したいか」という視点が記されています。「社風のもとで活躍できる人材だ」ということがアピールできており、面接官も入社後の姿を想像しやすいでしょう。
社風を志望動機にする際には、「社風に惹かれた」ことだけを述べないように注意が必要です。「その社風のもとでどのように働きたいか」「どのようなことができるか」までアピールして、活躍できる人材だということを面接官に示しましょう。
人に惹かれた
企業によってさまざまな人がいますが、「自発的に動ける人が多い」「困っている人へ手を差し伸べられる人が多い」というように、企業によって社員に見られる傾向はあるはずです。
働くとなると、人とのかかわりは必要不可欠なため、「一緒に働きたい」と思える人が多い環境で働きたいもの。「人」を志望動機にした例にはどのようなものがあるか、確認していきましょう。
内定者の実回答③
私が日本生命保険相互会社を志望している理由は、事業と人の面から上げられます。自分の就職活動の軸として、世の中の○○を○○にしたいという想いがあります。この想いを実現できる場として、生命保険業界を志望しております。中でも業界トップの御社は、全国の自治体とのチャネルを保持しているため、多くの社会課題に対してアプローチをすることができると考えており、志望いたしました。さらに人の観点からは、インターンシップに以前参加させて頂いたり、OB訪問をさせていただく中で、仕事に熱く人に温かい御社の社員の方たちの人柄に惹かれました。以上の理由より御社を志望しております。 (2025卒 一橋大学 日本生命保険相互会社内定)
内定者の実回答④
私が御社を志望する理由は2点あります。 1点目はチーム全体で未来の社会インフラを支えるような製品を世の中に増やしたいという想いを御社で実現できると考えるからです。多様な商材をただ売るだけでなく、顧客企業と共創関係を築くことで、より顧客の課題の解決に貢献することができます。そうした御社で、顧客の課題に寄り添いながら最適な提案をすることで、製品に付加価値をつけたいと考えております。2点目は、社員の方々の人柄や想いに魅力を感じているからです。ob訪問や会社説明会を通して、他社と比べ「未来の当たり前を作る」という企業としてのビジョンが浸透していると感じております。またそうしたビジョンのもと、顧客の課題に熱い想いで取り組む社員の方々に強く惹かれております。そうした社員の方々と共に、「未来の当たり前」をつくりたいと思い、御社を強く志望させて頂いております。 (2025卒 青山学院大学 大日本印刷内定)
「実際に働く人の様子はどのようにわかるのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。そのような場合は、内定者の回答にもあるように、インターンシップやOB・OG訪問、企業説明会に参加してみましょう。
そこから感じ取った「社員の人柄」に強く惹かれる点があれば、どのような社員がいたのか分析してみてください。あなたなりに感じた社員の雰囲気を記載することで、強力な志望動機となるでしょう。
経験や強みが活かせる
自分自身の存在価値や介在価値を示すためにも、「経験や強みを活かした仕事をしたい」という思いが生じることもあるでしょう。
これまでの経験の培いはあなた特有のものであり、ここでしっかり提示できれば強力なアピールポイントにもなるのです。
中途採用なら経験や強みは「即戦力」として買ってもらえるポイントとなりますが、新卒において経験や強みはどのようにアピールすれば良いのでしょうか。内定者の回答から学んでみましょう。
内定者の実回答⑤
全国優勝を見据え、今までやってこなかった取組をすることでメンバーの成長を促した経験から、人々の成長を縁の下から支えることが出来る専門家として働きたいと考えている。人々の成長・挑戦を支える保険のマーケットリーダーであり、生涯学び続け専門家として成長可能な環境が存在すると考え貴社を志望する。 入社後はリーテイル部門にて、10年間の武道経験で身に付けた「礼節」や体育会で磨いた「人に寄り添い信頼関係を築く力」等の強みを発揮しお客様の心に一番寄り添うことができる専門家に成長したい。将来的にはリーテイル部門で培った経験を活かし、ホールセール部門においてより多くの人々が成長できる環境を縁の下から支えていきたい。 (2025卒 早稲田大学 日本生命保険相互会社内定)
内定者の実回答⑥
御社は多様なリスクに対応し、人々や企業を支える力があるからです。私の将来の夢は他者へ交換したい善行を尽くしたいという目標があり、特に、災害対応力やグローバルなリスクマネジメントの強みを活かして、どんな状況でも安心感を提供できる仕事に携わりたいと思い志望いたしました。また、自身のアルバイト経験で、予期せぬトラブルに対処する中でリスク管理の重要性を実感したことが過去にあり、その経験を活かしてリスクのプロフェッショナルを目指したいからです。 (2025卒 駒沢大学 東京海上日動火災保険内定)
どちらの回答からも、「強みや経験を活かして、理想の自分を目指したい」という意欲が書かれています。新卒採用はポテンシャルを重視する側面があるため、「即戦力」になれるアピールよりも、「経験を活かした成長意欲」を記せると、面接官にやる気や将来性を評価してもらえるでしょう。
事業内容に魅力を感じた
「自分のなかの課題を解決したい」「好きなことを仕事にしたい」このような理由で志望企業を選ぶ人もいるでしょう。これらの実現には、「どのような事業内容をしている企業か」という視点が欠かせません。
このように、事業内容を重視している学生はどのように志望動機を展開しているのかをみていきましょう。
内定者の実回答⑦
貴社には魅力的な部門が多くあり様々なキャリアに挑戦できますが、特にホールセールに興味があります。ホールセールでは企業に対して団体保険・企業年金の福利厚生に関するコンサルティングだけでなく、ヘルスケアやビジネスマッチングなど顧客の課題やニーズに対してどれだけ価値を提供できるかが求められます。そのためには傾聴力や提案力、社内外問わず多くの方と協力する力が必要だと考えます。ホールセール部門で上記の力を成長させ発揮し、顧客である企業や従業員、その家族など多くの人・社会に影響を与えられる価値を提供したいです。 (2025卒 慶応義塾大学 日本生命保険相互会社内定)
内定者の実回答⑧
理由は 2つあります。1つ目は、総合力を強みとする御社の中でも特に、エピゲノム解析事業に携わりたいと考えているためになります。 ゲノム解析ではなく、より幅広い用途に用いることができるエピゲノム解析事業(レリクサとの業務提携)の発展は御社でのみ達成できることだと考えています。 2つ目は OB 訪問を通じてパーソナリティ面でのマッチを感じたためになります。総合商社のトップとして仕事に対して誠実かつ熱量をもち絶対に妥協しないことや、 常に高い視座を持っていることが印象に残っており、 私自身の強みである責任感の強さや努力家、俯瞰性といったところにマッチしていると感じました。 (2025卒 東京工業大学大学院 三菱商事内定)
選考を受ける学生のなかで、「事業内容に興味がある」という人は多くいるでしょう。そのなかでも「こういった側面に興味がある」「こういったことに携わりたい」というあなたの意思が見えないと、「ありきたりな志望動機」とみなされてしまうかもしれません。
上記の回答をした学生は、志望する事業に対する深い内容理解はもちろん、どのような学生がその事業にふさわしいかまで考えられています。
事業内容の興味を志望動機にするなら、「インターンやOB・OG訪問から見えた事業内容の特徴」を提示できると、あなたならではのものが作成できるでしょう。
成長・挑戦できる環境で働きたい
就活は、入社する企業を決めるのはもちろんですが、あなたが頭の中で描いているキャリアへの第一歩を決める重要な機会でもあります。
理想のキャリアに近づくためにも、自己成長を促し、一つ上のステップに向けて挑戦できる環境は欠かせないものです。
実際に、挑戦や成長への意欲を見せた内定者がどのような志望動機を話したのかを見てみましょう。
内定者の実回答⑨
革新的で価値のある素材開発を行うことにより、未来の社会基盤に貢献したいと思い、貴社を志望している。貴社は印刷業界のリーディングカンパニーでありながら、高度な印刷技術を基盤とした技術融合を繰り返し、幅広い領域に挑戦し続けている。それにより、時代のニーズを先取りした価値の創造することができており、人々の生活を根底から支えている企業として大きな魅力を感じている。また、「対話と協働」という理念の下で課題解決に取り組む御社であれば、幅広い知識を習得し、ジェネラリストのような研究者として大きく成長できると考えている。そのような御社に入社し、既存の枠に囚われない研究開発を行うことで「未来のあたりまえ」に貢献したい。 (2025卒 東京都立大学大学院 大日本印刷内定)
内定者の実回答⑩
私は、学生時代に身につけた知識と経験を活かして人々の役に立ちたいと考えています。そのため、ソニーの革新的なアイデアや技術に触発され、人々を鼓舞する理念に惹かれました。現在は大学院で研究しており、システムにおける重要性と将来性を認識しています。私の知識と経験を活かしてネットワークシステムの構築や運用に貢献したいと考えています。貴社のエンジニアとして活躍し、様々な分野で成長していきたいと思っています。現代社会では変革が不可欠ですが、私は向上心を持ち、常に成長できる自信があります。貴社の刺激的な環境で新しいことを学び、貢献できるよう努力します。 (2025卒 東京工業大学大学院 ソニーグループ内定)
「研究者として成長したい」「エンジニアとして成長したい」というように、どちらの回答も将来を見据えたものになっていることがわかります。また、成長意欲だけでなく、「意欲を活かしてどのようなことができるか」が記されているのも評価ポイントです。
成長意欲や挑戦したいという姿勢があるのは良いことのため、「その意欲や姿勢をどのように仕事に還元するか」も合わせて考えてみてください。面接官も、あなたの入社後のイメージを想像しやすくなるはずです。
面接合格者の志望動機に見られる3つの共通点

「志望動機を書くにあたり、どのような要素を入れれば内定に近づけるのだろう」。作成の過程でこのように思うこともあるでしょう。
就活会議に寄せられた内定者の志望動機を比較すると、ある傾向が見えてきました。それは、「共感」「強みの活かし方」「成長意欲」の3点が「受かる」志望動機であるということ。
早速その3点について実回答を交えながら解説するため、自分が作成した志望動機にこれらの要素が入っているかを確認しながら読み進めてみてください。
①その企業に対して共感できる点を挙げている
志望動機に企業に対して共感できる点が入っていると、「同業他社ではなくその企業が良い」ということのアピールになります。実回答をもとにその理由を紐解いていきましょう。
内定者の実回答
私が御社を志望する理由は、御社が掲げる『クリエイティビティと技術の融合』という理念に強く共感しているからです。私は、テクノロジーが人々の生活を豊かにする力を持っていると信じており、御社が常に新しい価値を創造し続けている姿勢に魅了されました。具体的には、御社のエンタテインメント分野での取り組みに大変興味を持っています。御社が持つ先進的な技術力とクリエイティブな発想が融合することで、ユーザーにこれまでにない新しい体験を提供していることを評価しています。私も、このような革新的なプロジェクトに携わり、自分のアイデアを形にして、多くの人々に影響を与えることに挑戦したいと考えています。 (2025卒 名古屋大学大学院 ソニーグループ内定)
この回答では、「御社が常に新しい価値を創造し続けている」「自分のアイデアを形にして、多くの人々に影響を与えることに挑戦したい」との記載があります。正直な話、これらのことはソニーグループ以外でも実現できるでしょう。
しかし、冒頭に「『クリエイティビティと技術の融合』という理念に強く共感している」と述べられていることから、「この理念のもとで価値創造、提供をしていきたいのだな」と想像できる構成になっています。
「その企業でないといけない理由」を明確にするためにも、企業へ共感できる点を示すのは重要なのです。
②自分の強みが企業でどのように活かせるかが示されている
強みを企業においてどのように活かせるかが記載されていると、学生に対して面接官が入社後のイメージを持ちやすくなり、「このように活躍してくれるだろう」という期待を抱くことができます。
内定者の実回答
理由は2つあります。1つ目は、自分の強みである相手視点で物事を捉えることと目標達成までやりきる粘り強さを最大限活かせるからです。御行は独立系の信託銀行であるため、挑戦心を持って自ら新規開拓をすることもあり、お客様の想いを自分たちで最後まで実現していく必要があります。営業をする際、お客様との関係性構築に時間がかかることやなかなか成功に辿り着かないことがあると思いますが、自分の強みを活かして顧客視点で顧客のニーズをしっかり把握し、信頼を得るまで最後まで粘り強く対応できる銀行員になりたいと考えています。 挑戦を後押ししてくれる社風に魅力を感じたからです。OB訪問や座談会を通して、どの社員の方々も自分の仕事に誇りをもっていました。お話の中で、自分のやりたいことや提案したいことを自由にできる環境があることが印象的に残っています。私は自分自身で考えた解決策をお客様のためにどんどん提案していきたいことから、挑戦心を持って取り組もうと考えているので、御行を強く志望しています。 (2025卒 一橋大学 三井住友信託銀行内定)
この学生は「相手視点で物事を捉えること」「目標達成までやりきる粘り強さ」が強みだと述べています。強みがあることだけを説明しても、面接官の心には「この学生にはこれらの強みがある」という事実しか残らないでしょう。
しかし、この学生はプラスアルファとして、「営業職から想定される困難」から「強みを活かした困難の乗り越え方」を提示できており、強みが「ただの強み」で終わっていません。ここから、「困難があっても強みを活かして乗り越えて成長できる人材だ」ということが読み取れるでしょう。
③その企業で成長したいという意欲が見られる
新卒採用において重視されるのは、即戦力ではありません。「入社することでこのように成長してくれるだろう」「将来的にはこのように活躍してくれるだろう」という期待値を込めて採用しているのです。
だからこそ、学生自身から成長意欲が見られると、「採用したい」と思われるようになります。
内定者の実回答
世界ナンバーワンのシェアを誇るソニーのイメージセンサーの全設計に関わるという責任の重い、やりがいのある仕事に携わりたいと考えています。そして、一つの業務が全ての設計に影響を与えるという責任のもと、まだ世にない技術を生み出すために、製品開発の初期段階から貢献できるというところにやりがいを感じます。また、ソニーで、いろいろな技術領域に関わることで、幅広いスキルを身につけていきたいです。その際に私が研究活動を通して感じた、異分野を学ぶことの楽しさを活かして、技術開発を推進するリーダーとして成長したいです。 (2025卒 横浜国立大学大学院 ソニーグループ内定)
「いろいろな技術領域に携わり、幅広いスキルを身に付けたい」という点から、一つの領域にとどまらず、いろいろなことに挑戦したいという意欲を感じる志望動機です。
さらに、「技術開発を推進するリーダーとして成長したい」という点からは、「将来はリーダーポジションに就くべく、成長を重ねていきたい」という意欲が見えるでしょう。
冒頭に記載されている「やりがいのある仕事に携わりたい」だけでは、あまり成長意欲は感じられず、ありきたりなものになってしまうかもしれません。しかし、内なる意欲を示すことで、グッと魅力的で、その学生の将来が見える志望動機になるのです。
内定者直伝! 面接の志望動機を話すときの4つのコツ
志望動機の内容を深められたら、面接で話す際のことに目を向けてみましょう。就活会議で内定者の体験談を分析した結果、志望動機を話す際に意識していたことに4つの共通点があることがわかりました。
- 自分の言葉で話す
- 自分の言葉で話す
- 論理的にわかりやすく話す
- 論理的にわかりやすく話す
- 内容を1分程度で話せるようにする
- 内容を1分程度で話せるようにする
- 熱意が伝わるように明るくハキハキと話す
- 熱意が伝わるように明るくハキハキと話す
志望動機は、面接官に対してあなたの入社意欲を伝えるもの。だからこそ「この会社に入社したい」という熱意を最大限伝えられるよう、話し方も意識する必要があるのです。
内定者からのアドバイスを参考にしながら、話す際に意識すべきことを押さえ、面接で活かせるようにしましょう。
①自分の言葉で話す
志望動機には、「なぜその企業に入りたいのか」「その裏付けとなる体験談」という要素が不可欠です。これらの内容は一人ひとり異なるため、多くの学生と内容が完全に一致してしまうことは考えづらいでしょう。
しかし、内容が似通ってしまうのはよくあること。そのなかでありきたりな言葉を紡いで志望動機を構成していたら、「ほかの学生と似たような志望動機だな」と思われ、あなたなりの経験や思いは伝わりにくくなってしまうでしょう。
「私はこのような経験があるから、このようにして貢献したい」などと、あなたなりの体験談や思いを志望動機に入れてみてください。そうすることで、あなたにしか話せない志望動機を展開することができ、「ありきたり」から脱却できるでしょう。
②論理的にわかりやすく話す
仕事をするうえで、筋道立てて物事を考え、課題解決に向かうという作業は必要不可欠です。それは、論理的に考え、解決策を導く作業そのもの。そのようななかで、面接官は「仕事において必要となる論理的思考が、学生のなかに基礎として備わっているか」を確認していると言えます。
志望動機を話す際に「このような経験や理由があるから、御社を志望する」という論理的で一貫した流れが示せていると、「仕事の際にも論理的思考力を発揮して活躍してくれそうだ」という印象を抱かせることができるでしょう。
もちろん、論理的に話の展開をしたほうが、話の内容が入ってきやすいという側面もあります。そのため、面接で志望動機を話すには、論理的かつわかりやすく話すことが大切です。
③内容を1分程度で話せるようにする
面接官にとって、面接は学生のいろいろな側面を引き出す場です。だからこそ、志望動機だけでなく、ガクチカや自己PRなどから、学生に対しての理解を深めたいと感じています。
そのため、学生都合で一つひとつの質問に多くの時間をかけて答えてしまうと、「ほかの質問も聞きたいのに時間が無くて聞き出せなかった」という思いを面接官が抱いてしまう可能性があります。
また、面接は会話の側面もあり、深掘り質問などからより深く学生の魅力を聞き出す目的があります。「会話」ということを意識せずに一方的に話してしまうと、内容がわかりづらく、結局何を伝えたいのかが面接官に理解してもらえなくなるでしょう。
だからこそ、志望動機の内容を端的に、要点をまとめたうえで、1分程度で話せるようになることが重要になります。
④熱意が伝わるように明るくハキハキと話す
志望動機は、「この会社に入社したい」という熱意をもっとも直接的に伝えられる項目です。内容はもちろんのこと、話し方も工夫することで、プラスアルファで熱意を伝えられ、志望動機を魅力的なものにすることができます。その話し方とは、明るくハキハキと話すこと。
もし、一定のトーンでボソボソと話していては、面接官は「入社意欲があまりない学生なのかもしれない」と、志望動機に疑いを抱いてしまうかもしれません。いくら志望動機の内容が良くても、それを本心と受け取ってもらえない可能性が生じてしまいます。
一方で、明るくハキハキと話せば、入社意欲がストレートに伝えられます。さらに、「一緒に働きたい」というプラスの印象を残し、人柄の側面からも高い評価を得ることができるでしょう。そのため、話し方も重要な要素なのです。
どうしても面接の志望動機が思い浮かばないときの対処法3選

「志望動機を考えているけれど、どうしても内容が思い浮かばない」。このように悩むタイミングもあるでしょう。
なかなか志望動機が作成できないのは、自己と企業の接点をうまく理解できていなかったり、企業で働くことへの解像度が低かったりするからかもしれません。
そのようなときは、いきなり志望動機を考えるのではなく、一度立ち返ることが大切。ここで解説することを参考にしながら、すべきことを詳しく学んでいきましょう。
①自己分析をして過去の経験と企業の結びつきを考える
「興味を抱く企業があっても、なぜ興味があるのかわからない」という状況から、志望動機の作成が滞っていませんか。「なぜ興味があるのか」の部分を知るためにも、あなたの過去の経験と、企業の接点を見つけ出すことが大切です。
まずは過去の経験と、経験を通じて感じたことをいくつか書き出し、そのなかから共通することを見つけてみましょう。共通することを見いだせれば、自分のなかで大切にしている価値観を考えが見えてくるはずです。
- 過去の経験と、経験を通じて感じたことの例
過去の経験:テーマパークでのアルバイトで受付担当をしていた
感じたこと:お客様が楽しそうにしている様子から「お客様のために頑張ろう」と思えた
過去の経験:サークルでレクリエーション担当を務めた
感じたこと:部員の親睦が深まり、楽しんでいる姿を見ると「良かった」と思えた
過去の経験:ボランティアとして老人ホームに訪れていた
感じたこと:利用者の方が楽しそうに話してくれるため、自分の存在価値を感じた
⇓
共 通すること:誰かが楽しそうにしている姿が、行動の活力となっている
価値観:誰かに楽しさを提供できることに大切さを感じる
次に、そこで見えてきた考えが、企業とどのように結びつくのかを考えてみてください。企業理念や業務内容など、さまざまな観点から考えることが大切です。
- 見えてきた考えと企業の結びつきの例
価値観:誰かに楽しさを提供できることに大切さを感じる
志望企業の理念:人々に「ワクワク感」を届ける
業務内容:ゲーム内容の企画、広報、開発
⇓
この企業の理念に惹かれていたからこそ、志望していたということがわかった
例のように書き出してみると、企業を志望する理由の真相の部分が見えてくることでしょう。
②自分のキャリアプランと企業の方向性で一致している点がないかを確認する
「将来このようになりたい」という展望がある人は、志望企業の方向性を確認してみるのも、志望動機を思い浮かびやすくするヒントです。
まずは自分の将来の展望と、志望企業が将来に向けて実現したいと思っていることなどを洗い出してみましょう。志望企業の展望は、ホームページからはもちろん、IR情報などからも理解することができます。そこから、双方に一致する点がないかを考えてみてください。
<自分のキャリアプランと企業の方向性で一致している点を探す例>
キャリアプラン
地球の環境改善に携わりたい(ゴール)
まずは地球環境への理解を深める
⇓
地球環境に関して現行の取り組みに携わる
⇓
そこでリーダーポジションに就き、課題感を洗い出す
⇓
環境問題に対する新たな取り組みを提案できる存在になる
志望企業の展望
地球環境改善のためにエネルギー事業の推進を図る
環境問題において現行の取り組みだけでなく、新規事業にも積極的に挑む
日本企業全域において環境問題解決の意識を根付かせる
一致する点 環境問題の解決のために、新規事業にも積極的に取り組みたいという姿勢が一致している
上記の例から考えると、「環境問題の解決のために、新規事業にも積極的に取り組む姿勢を魅力的に感じた」というように志望動機が展開できそうです。
③OB・OG訪問やインターンシップから職場のリアルを知る
「この企業ではどのような働き方をしているのだろう」。こう思う人は、OB・OG訪問やインターンの機会を活用してみてください。
OB・OG訪問とは 興味のある企業で働いている人を訪問して、職場の雰囲気や実際の働き方などを直接聞くこと。
インターンとは 学生のうちに、企業で実際の就業体験をすること。1日で終わるものもあれば、数カ月と長期で働く場合もある。
OB・OG訪問は社員と直接話せる貴重な場です。生の声を聞くことができるため、社員のリアルな様子を引き出すことができるでしょう。
<OB・OG訪問での質問例>
- 〇〇さんは普段どのようなお仕事をされていますか
- 〇〇さんは普段どのようなお仕事をされていますか
- 仕事のなかでやりがいを感じるのはどのようなときですか
- これまでの業務で大変だったことは何ですか
- チームの皆さんとどのように協力してプロジェクトを成し遂げているのですか
また、インターンは、実際の仕事内容を経験できる場です。身をもって仕事を体験することで、どのようなことをしているのかの理解はもちろん、どのような点にやりがいを感じたかなどを導けるでしょう。
OB・OG訪問やインターンから働き方の解像度を高めることで、「この企業でこのように働きたい」という、自らの経験を活かした志望動機が作成できるようになるはずです。
面接官に刺さる志望動機の伝え方を押さえて内定へつなげよう
この記事では、面接の志望動機の作成方法から回答のコツまでを解説してきました。
志望動機は、あなたの入社熱意をもっとも強く伝えられる項目です。だからこそ、ここで熱意を伝えきれないと、ほかの項目がどんなに良くても、内定から遠ざかってしまうかもしれません。
記事内で解説した志望動機の回答法といった基本事項はもちろん、あなたの志望動機をより魅力的に見せるためにできることなどがきちんと実践できているか、今一度確認してみてください。これらを踏まえたうえで、面接の志望動機をブラッシュアップして、内定へ近づけるものを作成しましょう。
就活会議編集部
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この記事の編集担当者
望月 晨生
新卒で寝具・家具メーカーに入社後、大手ECサイトの販売を担当。寝具や家具にまつわるオウンドメディアの立ち上げに携わる。自分で何かを作り上げることに魅力を感じ、ライター職に転職。現職では就活会議のコラム立ち上げに携わり、ライター・編集ディレクターを担当。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める