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就活会議
CREATED ON 2025.08.12 | UPDATED ON 2025.11.28

アパレルの志望動機の書き方|企業・職種別の例文17選付き

業界研究
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アパレル業界の志望動機|採用担当者に刺さる書き方とは

こんにちは。就活会議編集部の飯塚です。 「ファッションが好き」「このブランドが好き」。アパレル業界を志望するきっかけは、こういった純粋な気持ちが原点になっている人も多いでしょう。 ただ、どんな業界も「憧れ」だけでは志望動機として通用しません。実際、私自身も学生時代に憧れだけで臨んだ企業は結果を残せませんでした。 就活会議に寄せられた大手アパレル企業の内定者たちは、その「憧れ」を一歩先に進め、ビジネス視点で志望動機に落とし込んでいます。今回はそんな内定者の志望動機をもとに書き方について解説します。

この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。

アパレル業界の主な6つの職種

アパレル業界と聞くと販売や接客のイメージが強いかもしれませんが、実は多様な職種が存在します。志望動機を考える前に、まずは業界全体の職種を理解し、自分がどの分野で働きたいかを明確にしておきましょう。

すでに志望職種が明確になっている人は「アパレル業界の志望動機の書き方4ステップ」を読み進めてみてください。

アパレル業界の職種は大きく分けて、お客様との接点がある「フロント業務」と、商品づくりやブランド戦略を担う「バック業務」に分類されます。ここからはそれぞれの業務に属する6つの職種について解説します。

①販売・接客職

販売・接客職は、店舗という最前線で顧客と接し、商品の魅力を伝える職種です。商品販売に加えて、顧客のニーズを汲み取りながら、最適なスタイリングを提案する役割も担います。

販売・接客業の業務としては、以下のようなものが挙げられます。

多くのアパレル企業では、総合職として入社した場合、まず販売職からスタートするケースが一般的です。現場での経験を通じて商品やブランドへの理解を深め、業界でのキャリアを考える起点として活かしましょう。

②MD・バイヤー職

MD(マーチャンダイザー)・バイヤー職は、商品戦略の中核を担う職種です。MDは商品企画から販売戦略まで幅広く手がけ、バイヤーは商品の仕入れや調達を担当します。

新卒でいきなりMD・バイヤー職に就ける企業もありますが、求人数は非常に限られています。大多数の大手ブランドでは総合職として採用されるのが一般的です。まず店舗などで現場経験を積み、2~5年目にMD・バイヤー職へキャリアアップしていく、という流れが代表的なキャリアパスとなります。

MD・バイヤー職では、主に以下のような業務を担当します。

将来的にMD・バイヤー職を目指すなら、志望動機で数字に基づいた戦略的判断力への関心をアピールしましょう。「売上データを分析して改善策を考えることに興味がある」「トレンドを数値で捉えて商品戦略に活かしたい」といった具体的な表現が効果的です。

③デザイナー職

デザイナー職は、ブランドのコンセプトに基づいて実際の商品をデザインするクリエイティブ職です。トレンドを先読みしながら、機能性とデザイン性を両立させた商品を生み出すことが主な役割となります。

デザイナー職の場合、以下のような仕事に携わることになるでしょう。

服飾系専門学校や美術系大学の卒業生が有利な職種ではありますが、ポートフォリオやIllustrator・Photoshopのスキルを証明できれば学歴に関係なく応募できる企業もあります

また、近年では、サステナブルファッションの観点から環境配慮や、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた商品開発も求められるようになっています。

④プレス・広報職

プレス・広報職は、ブランドの魅力を世の中に発信し、認知度向上とイメージ構築を図る職種です。メディア対応からSNS運用まで、多岐にわたる業務を通じてブランド価値の向上に貢献します。

関連する業務としては、以下のようなものが考えられます。

積極的にブランドの魅力を発信するためのコミュニケーション能力も必要ですが、トレンドを把握したり競合分析をおこなったりする冷静さも求められる職種です。また、社外のメディア関係者と社内の各部門、双方との調整力が必要な仕事でもあります。

⑤EC・デジタルマーケ職

EC・デジタルマーケ職は、オンライン販売やデジタルマーケティングを担当する、近年特に注目度が高まっている職種です。デジタル技術を活用して、売上向上と顧客体験の最適化を図ります。

以下のような業務に興味がある人であれば、この職種に向いているかもしれません。

新卒の場合は「総合職」として採用され、一度は店舗を経験するケースが一般的ですが、ZOZOなど初めからEC部門に配属可能性のある企業もあります

EC・デジタルマーケ職のかかわる業務は多岐にわたります。技術系社員はECサイトの開発・改善やシステム構築、マーケティング系なら広告運用やデータ分析、コンテンツ企画などが主な業務となるでしょう。

理系・文系問わずさまざまなバックグラウンドの人材が活躍していることから、自分の強みを活かしやすい職種だと言えます。

⑥生産管理・品質管理職

生産管理・品質管理職は、商品の製造工程や品質を管理する仕事であり、アパレル業界の裏方を支える重要な職種です。普段あまり目にすることのない職種ですが、私たちが手に取る商品の品質を支える縁の下の力持ち的な存在だと言えます。

この職種では、主に以下のような業務を担当することになります。

新卒でこの職種に直接就けるケースは限られており、多くの場合は販売職からの本社異動、または素材メーカーや製造委託会社などでの経験を経てブランド企業に転職するルートが一般的です。

海外工場との連携が多いため語学力が求められ、品質管理では細かい作業への集中力と強い責任感が特に重要視される職種です

アパレル業界の志望動機の書き方4ステップ

アパレル業界の志望動機でよくあるのが「ファッションが好きだから」といった消費者目線での内容です。しかし、これだけでは採用担当者に「働く覚悟」が伝わりません。アパレル業界への就職を成功させるには、「好き」という気持ちを「ビジネス視点」に昇華させることが重要なのです。

ここからは、効果的な志望動機を作成するために必要な4ステップを解説します。就活会議に口コミを寄せてくれた内定者からのアドバイスもあわせて紹介するので、ぜひ参考にして、クオリティの高い志望動機を完成させてください。

①自己分析で「なぜアパレル業界なのか」を掘り下げる

志望動機において最も重要な土台となるのが、自己分析です。

アパレル業界を志望するきっかけは「ファッションが好き」「ブランドの世界観が好き」といった理由が多いでしょう。しかし、この「好き」という気持ちをいかに深掘りできるかが、ほかの応募者との評価を分けるポイントになります

実際にアパレル業界で内定を獲得した学生も、自己分析の重要性を強調しています。

内定者からのアドバイス

企業研究も大事ですが、自己分析を通じてこれまでのエピソードや経験に関して深堀りをしておいたり、自身が今まで取ってきた行動の理由や、好きな物事を理解することが大事だと感じました。

用意した質問が必ず来るわけでもないので、ガチガチに暗記してきた台本で話すよりも、自身で深堀りしたものをその場で自身の言葉で一生懸命表現する方が合っていると思います。とにかく自己分析が重要です! (2025年卒 しまむら 総合職 内定)

この「なぜ」の深掘りを効果的におこなうには、マインドマップがおすすめです。中心に「自分」を置き、そこからファッション、接客、創造性といったキーワードを枝分かれさせ、それぞれに関連する経験やエピソードを書き出していきます。視覚的に整理することで、これまで気づかなかった共通点や傾向を発見できるでしょう。

こういった過程を通じて、表面的な「好き」から、より深い動機や価値観に根ざした志望理由を構築できるようになり、説得力のある志望動機を作成できるようになります。

②企業研究で競合にはない強みを見つける

志望企業の独自性を理解することで、「なぜその企業なのか」を明確に説明できるようになります。業界全体の動向と各企業の戦略を比較・分析し、その企業ならではの要素を見つけ出してみてください

まずは、志望企業の基本情報を把握しましょう。事業内容、売上規模、店舗数などの定量的データから、その企業自体の理解を深めます。

次に、競合他社との比較・分析をおこないます。同じアパレル業界内で似た規模や事業内容の企業を3~5社選び、以下の観点で比べてみるのがおすすめです。

現在の取り組みだけでなく、将来的な展望まで含めて詳しく調べてみると、より各企業の特徴がわかりやすくなりますよ。

内定者の多くが、企業研究の具体的な進め方について貴重なアドバイスを残しているので、ぜひ参考にしてください。

内定者からのアドバイス

しまむらの説明会時に配られる冊子を読み込んで、ファーストリテイリングや良品計画などの競合他社と比べて何が特徴になっているのかを具体的に説明できるようにするべきでしょう。 (2019年卒 中央大学 しまむら 総合職 内定)

内定者からのアドバイス

アパレル業界を志望しているのであれば、競合他社と比較を行い、「なぜ他社ではなくしまむらなのか」という理由を話せるように準備しておく必要がある。実際、面接の際にもなぜ「〇〇(競合他社)」は受けていないのか聞かれたため、競合他社を受けていない理由も説明できるようになっておく必要がある。 (2024年卒 しまむら 総合職 内定)

内定者からのアドバイス

ファーストリテイリングはアパレル業界のなかでも大手であり、業界を代表する企業であると考えていたため、まずはアパレル業界についてインターネットで調べ、業界全体のトレンドや課題を確認しました。

それから業界でのファーストリテイリングのポジションを競合他社と比較しつつ確認しました。また、ファーストリテイリングの強みと弱みを自分なりに整理し、自分の意見を言えるようにしておきました。 (2023年卒 ファーストリテイリング グローバルリーダー候補 内定)

これらの口コミからわかるのは、成功する企業研究には「比較分析」と「独自性の発見」という2つの要素が欠かせないということです。まずは志望企業の基本情報を把握したうえで、同業他社と比較して何が違うのかを明確にする必要があります。

多角的な企業研究をおこなうことで、面接で「なぜその企業がいいのか」を具体的に説明できるようになり、ほかの就活生との差別化にもつながるでしょう。

③具体的なエピソードで志望動機の説得力を高める

志望動機においては、実体験に基づいた具体的なエピソードも必須です。抽象的な理由だけで独自性のある内容に仕上げるのは難しいうえに、採用担当者の印象にも残りにくくなってしまいます。

口コミを寄せてくれた内定者の回答からも、エピソードの重要性がよくわかります。

実際に選考通過した回答

私がアパレル業界を志望している理由は洋服屋を経営していた父の影響で、幼い頃から洋服に興味がありました。そんな中で、成人式の前に洋服の青山の店舗で初めてスーツを購入したのですが、スーツを買うのが初めてで、緊張していた私に、販売員の方は私にあったスーツを丁寧に提案してくださり、安心したのを覚えています。その経験からお客様の人生の節目・転機に携わることのできるビジネスウェア業界に対する興味が強くなりました。

特に御社はビジネスウェア業界のリーディングカンパニーで、リブランディングと称してオーダースーツやDX戦略に果敢に挑戦していて、私の就活の軸でもある「新しいことに挑戦して成長していく」ことのできる企業だと考え志望しています。 (2024年卒 青山商事 総合職 内定)

上記の回答が示すように、面接では単にエピソードを話すだけでなく、それをいかに深掘りできるかが差別化につながります。青山商事内定者の例からは、個人的な体験が企業との接点になっていることがはっきりと伝わってきます。

ただし、単なる思い出話で終わらせないよう注意しなければなりません。「体験→学び→未来の目標」と論理的につなげることで、一貫性があり説得力のある志望動機になります。その体験から得た気づきや価値観を、志望企業でどう活かしていきたいかまで語れるよう準備しておくことが重要です。

④将来のキャリアビジョンを描く

志望動機では、入社後の具体的なキャリアプランを示すことで、企業への本気度と計画性をアピールできます。漠然とした目標ではなく、段階的で実現可能なビジョンを描くことが重要です。

以下の内定者のアドバイスからも、キャリアビジョンの重要性がよくわかります。

内定者からのアドバイス

ファーストリテイリングを選択する理由、キャリアプランについて、またそのキャリアプランが実現できなかった時にどうするのか、という質問に対してしっかりと回答できるかどうかが重要だと感じた。その他に関しては、面接を楽しめるかどうかだと思う。 (2024年卒 ファーストリテイリング グローバルリーダー候補 内定)

この体験談が示すように、選考が進むにつれてキャリアプランについてより詳しく質問されるようになります。そのため事前に、3年後、5年後、10年後にどんな職種でどのポジションについていたいか、どんな役割を果たせる人材になっていたいかを具体的にイメージしておく必要があります

実際に働いている人たちのキャリアを調べるには、以下のような方法がおすすめです。

リサーチを通じて得た情報をもとに、志望企業の実際の昇進制度や研修体系と照らし合わせ、現実的な目標を設定してみましょう。

なお、志望動機の回答構成や伝え方のコツについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認してみてください。

面接の志望動機の答え方とコツ4選|内定者回答10選付き

例文6選|職種別のアパレル企業内定者の志望動機

ここまで志望動機の作り方について解説してきましたが、実際に選考を通過できる志望動機はどんな内容なのか気になる人も多いでしょう。

そこで、ここからは職種別のアパレル企業内定者の志望動機を紹介します。内定者の志望動機にはどんな共通点があるのか探っていきましょう。

①販売職

販売職では、顧客との直接的なかかわりを通じてブランド価値を伝える役割が期待されます。そのため、現場で活躍しているイメージがわきやすいように、接客経験やコミュニケーション能力、顧客満足への意識を具体的にアピールしましょう。

実際に選考を突破した先輩がどのような志望動機を作成しているか、具体例を見てみましょう。

実際に選考通過した回答

私が御社を志望する理由はアルバイト経験で培った、接客において重要なコミュニケーション力を生かしたいと思い、接客業を目指すようになりました。

また、その中でも御社のスーツを販売したいと思った理由は、私はスーツを買うときに、他社様の店舗も訪れて一番気に入ったものを買うようにしていますが、その中で一番素敵だなと感じるスーツはいつも青山商事さんの店舗にありました。

その素敵なデザインと着心地の良さを素敵な接客を通してより多くのお客様に体感していただき、社会で活躍される皆様の後押しをしたいと考え、御社を志望しました。 (2024年卒 学習院女子大学 販売職 青山商事本選考通過)

上記の志望動機は、個人的な体験から企業への共感を生み出し、それを販売職としての具体的な目標につなげられています。

販売職の志望動機では、過去の経験から具体的なスキルを抽出し、それを志望企業の製品やサービスと論理的に結びつけることが重要です。個人的なエピソードと将来の展望をバランス良く盛り込むことで、説得力のある志望動機を作成できるでしょう。

②MD・バイヤー職

MD・バイヤー職では、市場分析力、トレンド予測能力、数値管理スキルが重要視されます。ファッションセンスだけでなく、データに基づいた論理的思考力と戦略的な商品企画能力をバランス良くアピールしましょう。

実際にMD・バイヤー職を志望する学生がどのような志望動機を作成すべきか、例文という形で紹介します。

MD・バイヤー職志望者向けの例文

私が御社を志望する理由は、学生時代の古着販売経験を通じて実感した「商品選定の面白さ」を、将来MD職として活かしたいからです。最初は直感で商品を選んでいましたが、売れ残りが続いた際に販売データを分析し始めました。

季節感、価格帯、ブランドの組み合わせを検証した結果、売上が大幅に向上しました。特に印象的だったのは、一見地味なアイテムが、SNSでのコーデ例と組み合わせることで予想以上に売れたことです。

この経験から、商品の魅力は単体ではなく、顧客にどう提案するかで大きく変わることを学びました。まずは販売の現場で経験を積み、お客様のニーズを深く理解したうえで、将来的にはMD職として御社のようなマルチブランド企業で、データに基づいた戦略的な商品展開に携わりたいと考えています。

この例文の良い点は、古着の販売という実際の体験から「直感→データ分析→戦略的思考」という成長の過程をコンパクトに示しつつ、現実的なキャリアパスを描いている点です。

MD・バイヤー職を将来志望する場合の志望動機では、このように現在の能力と将来への具体的なビジョンを両立させることが重要です。数値やデータに基づいた分析経験を盛り込めば、論理的思考力とビジネス感覚の両方をアピールできるでしょう。

③デザイナー職

デザイナー職では、創造性と技術力、そしてブランドコンセプトを理解したうえでのデザイン提案力が求められます。作品制作経験やデザインへの情熱を具体的に示すとともに、商業的な視点も持ち合わせていることをアピールしましょう

デザイナー職志望者向けの例文

私が御社のデザイナー職を志望する理由は、美術大学での学びを通じて培った創造力を、実際の商品開発で活かしたいからです。

卒業制作では、現代女性をターゲットにした機能性とデザイン性を両立させたワンピースを制作しました。制作過程で友人たちにヒアリングを重ね、「オフィスでもプライベートでも着られる服」というニーズを発見し、それをデザインに反映させました。結果として学内コンテストで最優秀賞を受賞し、実用性の高いデザインを評価していただきました。

この経験から、デザインは美しさだけでなく、使い手の生活に価値を提供することが重要だと学びました。御社の顧客に寄り添うファッションという理念に共感し、ユーザー視点を大切にしたデザイン提案で貢献したいと考えています。

この例文では、美術系学生らしい創作活動の具体性と、ユーザーニーズを理解するビジネス感覚の両方をアピールできています。作品制作から得た学びを企業での実務にどう活かすかまで明確に述べることで、実践的なデザイナーとしての適性を効果的に伝えられるでしょう。

④プレス・広報職

プレス・広報職では、ブランドの魅力を効果的に発信する能力と、メディアや顧客との関係構築スキルが重要です。志望動機においても、コミュニケーション能力とマーケティングセンスをバランス良くアピールすることを心掛けましょう。

プレス・広報職志望者向けの例文

私が御社のプレス職を志望する理由は、大学のファッションサークル運営を通じて実感した「情報発信の影響力」を、プロフェッショナルな環境で活かしたいからです。私はサークルのInstagramアカウント運営を担当し、メンバーのコーディネート投稿やファッションイベントの告知をおこなっていました。

特に印象的だったのは、プチプラアイテムを使った「就活コーデ特集」の投稿が予想以上に反響を呼び、他大学からも問い合わせが来たことです。この経験から、ターゲットに刺さるコンテンツ作りの重要性と、SNSを活用したブランディングの可能性を実感しました。御社の多様なブランドラインナップを活かし、各ターゲット層に最適化された情報発信を通じて、ブランド認知度向上に貢献したいと考えています。

この例文では、具体的なコンテンツ企画と実際の成果を示すことで、企画力と影響力を効果的にアピールしています。個人レベルでの学びを企業戦略に応用する視点も含まれており、プレス・広報職に必要な戦略的思考を示している点もポイントです。

⑤EC・デジタルマーケ職

EC・デジタルマーケティング職では、デジタル技術への理解とマーケティング戦略の立案・実行能力が重要視されます。データ分析スキルと創造性の両方をバランス良くアピールし、アパレル業界のデジタル変革に貢献できる人材であることを示しましょう。

デジタル関連職種を志望し、実際に内定を獲得した先輩の志望動機を紹介します。

実際に選考通過した回答

二つございます。

一つ目は私が御社の製品の愛用者であることです。

私が就職活動を始める際スーツを購入するため、洋服の青山の店舗に伺ったことがあるのですが、その際にスーツ選びを手伝ってくださった店員さんの接客がとてもよく、明るい気持ちで店舗を後にした経験があります。そんな販売員さんを支援することでより、御社の製品を広めていきたいという思いを抱いています。

二つ目が業界トップの御社を、システムエンジニアとして支えることができる点です。

大学時代、ドラッグストアでの接客アルバイトにて、自分でお客様のためにできることを考えて行動した結果、感謝された経験から人のために働くことのやりがいを知りました。また、コロナウイルスの蔓延により経済活動が抑制されていた中で、日本のIT化を推し進め、社会を支えるSEの存在を知り、技術によって身近な生活の変化を目にした経験からSEを志すようになりました。

これら二つの理由から御社であれば人のために働き、多くの店舗の従業員を支えるSEとして活躍できると考え、志望します。 (2025年卒 青山商事 企画コース(社内SE) 内定)

アパレル業界の未来像を具体的に描き、そこに自分の専門性を戦略的に位置づけている点がポイントです。上記の例文では、顧客体験と社内ITインフラを軸に志望動機を構築しています。

単にデジタルスキルがあることをアピールするのではなく、それをアパレル業界の課題解決にどう活かすかまで言及できれば、さらに説得力のある内容になるでしょう。

⑥生産管理・品質管理職

生産管理・品質管理職では、効率性と品質へのこだわり、そして問題解決能力が重要です。論理的思考力とモノづくりへの情熱を示せると良いでしょう。

生産管理・品質管理職志望者向けの例文

私が御社の生産管理職を志望する理由は、大学の研究活動を通じて学んだ「品質向上と効率化の両立」を、アパレル業界で実践したいからです。卒業研究では、製造プロセスの最適化をテーマに取り組み、実験データの分析から工程改善提案をおこないました。また、アパレル関連の工場見学で目にした生産現場の複雑さと、品質管理の重要性に強い関心を持ちました。

特に印象に残っているのは、一つの工程改善が全体の品質向上につながるという気づきです。御社のように海外でも生産をおこなう企業では、各拠点での品質基準の統一が重要になると考えています。学んだ品質管理手法と分析スキルを活かし、持続可能で効率的な生産体制の構築に貢献したいです。

この例文では、大学での研究と実際の業界見学体験を組み合わせ、理論と実践の両面での理解を示すことができています。とくに「一つの改善が全体に影響する」という気づきは実際の業務にもリンクしていることから、効果的なアピールにつなげられていると言えます。

例文11選|大手アパレル企業の内定者の志望動機

アパレル業界は多くの学生に人気がある一方で、企業ごとに求める人材像や企業文化が大きく異なるため、志望動機の作成に悩む人も多いでしょう。

効果的な志望動機を作成するには、各企業の独自性と事業戦略を正確に理解したうえで、自身の価値観や経験と結びつけることが重要です。

ここからは、アパレル大手の内定者が実際に書いた志望動機からとくに秀逸なものを編集部で厳選し、そのまま紹介します。それぞれの特徴を分析し、効果的なアプローチ方法についても解説するため、ぜひ参考にしてみてくださいね。

※本記事で紹介している企業に関しては、業界動向リサーチ「アパレル業界 売上高ランキング(2022-2023年)をもとに、アパレル業界の主要6社を就活会議編集部で厳選しています。

ファーストリテイリング

ファーストリテイリングは、ユニクロやGUなどのブランドを展開するアパレル企業です。「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」という理念のもと、20以上の国や地域で事業を展開し、アパレル業界では世界有数の売上規模を誇ります。

完全実力主義の組織文化で知られ、若手でも能力次第で責任者や海外赴任などの重要なポジションを任される環境が特徴です。

ここでは、ファーストリテイリングの内定を勝ち取った3名の志望動機を紹介します。

実際に選考通過した回答

志望動機は、大きく分けて二つあります。

一つ目に、「世界中の文化交流をもっと気軽に」するという目標が達成できるからです。〇〇での9カ月間の留学中に、自分と友人たちを最も近づけてくれたのは映画、洋服、食などをはじめとする文化の力でした。日本のカルチャーを伝えることも、相手のカルチャーを知ることも、どちらも非常にやりがいを感じるため、世界中の文化交流をもっと気軽にすることができる、「世界でも活躍する、文化を扱う企業」という軸で企業を選んでいます。世界トップのブランドであるユニクロでは、それが実現できると考えます。留学中、さまざまな国を旅行する中で、大都市(パリ、ロンドン…など)にあるユニクロに入り人気ぶりを見たことや、友人がユニクロ製品を着ているのを見たことがきっかけで、日本の誇れる文化だと感じました。また、パリの店舗などでは特にカルチャーに力を入れていることも見てとれました。

ファーストリテイリングの商品を通じて日本の技術力を海外に伝え、ユニクロをもっと世界で当たり前の存在にするだけでなく、UTなどの商品を通じてアートやポップカルチャーの交流の場を作りたいです。

二つ目に、自発的に挑戦できる環境があることです。私は、高校時代や、留学生活を通して得た「自分の興味や関心を行動に移す力」があると自負しています。社会に出てからも、誰かに任された仕事をこなすだけではなく、自分の意志をもって取り組みたい、と思う仕事をしたいと考えています。

ここまで、社員の方と話をする機会は多くありませんでしたが、1公募制度があることや、2店長を若手から務めることができる点、3インタビュー記事から、「社員が挑戦をする環境がある会社」だと感じました。以上の理由から、貴社を志望します。 (2023年卒 ファーストリテイリング グローバルリーダー候補 内定)

実際に選考通過した回答

私が御社を志望する理由は、「服を変え、常識を変え、世界を変える」といった理念に魅力を感じたからです。

私は、大学時代を通して行ったディスカッションを通して、固定概念にとらわれず、常にある行動を行う目的、根本を見据える事を大事にしています。しかしながら、現在の社会には、「そうやる事が当たり前だから」という固定概念により、問題に目を向けずに、思考を停止してしまっている人が多くいると感じています。

しかし、今ある社会問題を解決し、より良い世界を作り上げる為に、良い意味で当たり前を覆していく事が真に実現できるのが御社だと感じました。また、アパレル業界世界3位といつ規模感で事業行っているという事、一人一人の社員が世界に目を向けて取り組んでいる御社でこそ、良い意味で世界を変えるという事が実現できると感じました。

二つ目は、実力主義風土に魅力を感じたからです。向上心を持って働き、それが結果に出る事が私の仕事のやりがいでもあり、生きがいでもある為、成長できる環境があるかを就職活動の軸の一つにしています。御社の若手であっても能力次第で活躍できる環境こそ、自分が求めている社風だと感じました。 (2023年卒 ファーストリテイリング 総合職 内定)

これらの内定者の志望動機を見ると、内容自体は「グローバル展開に魅力を感じる」「実力主義の環境で成長したい」といった多くの学生と共通するものです。

しかし差がついたのは、具体的な体験でその理由を裏付けている点にあります。留学中にパリやロンドンのユニクロで感じた驚きや、大学でのディスカッション経験など、自分だけのエピソードを盛り込んでいます。

また、企業理念を丸暗記するのではなく「文化交流の促進」「固定観念を覆す」といった自分なりの解釈を加えている点も印象的です。

志望動機を作成するにあたって、特別な経験や奇抜なアイデアは必要ありません。重要なのは、一般的な志望理由を自分の体験と結びつけて語ることです。企業理念に対する自分なりの解釈を示し、深い企業理解をアピールしましょう。

しまむら

しまむらは、「ファッションセンターしまむら」を中心に全国約1,400店舗を展開するファストファッション企業です。「自前主義」を掲げ、企画から販売まで一貫して自社で手がけることで、多様な商品を低価格で提供しています。

また、しまむら、アベイル、バースデイなど複数の業態を展開し、幅広い年代の顧客ニーズに対応している点も特徴です。郊外を中心とした出店戦略により、地域に密着したファッション小売業として確固たる地位を築いています。

実際に選考通過した回答

御社の商品を通じて、人々に自信や勇気を届けたいからです。

私は昔から容姿に自信がなかったのですが、ファッションに出会ったことで、見た目が変わり、自信が持てるようになりました。この経験から、今度は私がファッションを通じて、お客様に自信と勇気を提供したいと考えています。

そのうえで、なぜ御社ではならなければいけないかと言いますと、御社の商品は値段以上の価値をお客様にお届けすることができるからです。高くて品質が良いというのは当たり前ですが、御社は業務のいたるところでローコストオペレーションを徹底し、低価格でも高品質で高感度な商品をお客様にお届けすることができています。このように、高い商品力を持つ御社の商品を通じて、人々の生活を豊かにしていきたいです。
(2024年卒 しまむら 総合職 内定)

実際に選考通過した回答

御社は、世の中の移り変わるニーズに柔軟に対応し、お客様が思う「今欲しい」を実現しています。また、ファッションが身近に感じられる商品をリーズナブルな価格で提供するとともに手軽にお買い物ができる店舗を全国に展開し、生活必需品である衣料品を、地域のお客様に安定供給している御社であれば、実現できると確信しております。

また、御社は、婦人服に加え、紳士服や子供服など、世代・性別を問わず、幅広く展開しているだけでなく、デザイナー様を持たないことで、より多くのデザインを実現しているので、より多くの人に感動を届けられるのではと大変魅力に感じております。

2点目は、自分自身を成長させることができる環境であると感じたからです。ジョブローテーションを通じて様々な部署で働けることで、多角的な視点と幅広い視野を獲得するとともに知識や経験を積み、自分自身を成長させることができると考え、御社を志望いたしました。 (2024年卒 しまむら 総合職 内定)

しまむらの内定者に共通するのは、「生活に密着したファッション」という同社のポジショニングを正確に理解している点です

たとえばある内定者のケースでは、「『今欲しい』を実現している」「低価格でも高品質で高感度な商品をお客様に届ける」という表現で、ファストファッションでありながら顧客ニーズに真摯に向き合う同社の姿勢を的確に捉えています。

しまむらを志望する際は、低価格だけでなく「顧客の日常生活を支える」という価値提供の本質を理解し、それに対する共感を具体的に表現することが効果的です。

アダストリア

アダストリアは、グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファームなど20以上のブランドを展開するマルチブランド型のアパレル企業です。

「Play fashion!」をミッションに掲げ、カジュアルブランドを中心に幅広いテイストのブランドを通じて、多様な顧客のライフスタイルに寄り添う商品を提供しています。

全国約1,400店舗を展開し、各ブランドが独自のコンセプトと世界観を持ちながら、異なるターゲット層にアプローチしている点が特徴です。

実際に選考通過した回答

私が御社を志望する理由は二つございます。

一つ目は、「ファッションを通して、多くの人に喜びを届け、人生を楽しむサポートがしたい」からです。お気に入りの服を着ると自分に自信が持てたり行動の仕方が変わったりするなど、ファッションには人の気持ちや行動を変える力があると感じています。その力を通じて、「なりたい自分になる」という経験を多くの方にしていただき、人生をより楽しくするためのサポートをしたいという願いを持っています。中でも、マルチブランドという強みを持つ御社であれば、性別や年齢を問わず、多様なニーズに寄り添う提案を行うことができると考えております。

二つ目は、成長できる環境があることです。社会人として活躍するためには、主体的に考えてチャレンジを繰り返すことで、自身のスキルを高めていくことが重要だと考えています。御社には、スタッフボードなど、自分で考えて行動できる仕組みがあり、また社員のチャレンジを応援して下さる社風があると感じています。

そのような環境の中で、自己成長を感じながら、多くのお客様に楽しさを提供できる仕事がしたいと考え、御社を志望致しました。 (2025年卒 神戸大学 アダストリア 総合職 内定)

実際に選考通過した回答

ファッションによって、自分らしいライフスタイルの充実を提供したいという強い想いから志望致しました。ライフスタイルの多様化に伴い、自分らしさを反映したライフスタイルを実現することへの需要は継続的に存在するのではないかと考えています。

その中で、ファッションは個性を反映しやすく、古着文化もあるため、色々な人の生活に長く寄り添い、彩りを与えられるものであると感じています。そんなファッションを通じてなりたい自分を実現し、生活を豊かにするお手伝いをしたいと考えています。

その中でも貴社は、私自身好きなブランドも多く、ファッションから生活雑貨まで、バラエティ豊かな数多くのブランドを展開されており、流行に対応しつつも、幅広いターゲットに向けて、生活の豊かさを提供している点が大変魅力的に感じ、志望致しました。 (2020年卒 千葉大学 アダストリア 総合職 内定)

内定者の志望動機からは、ファッションへの基本的な想いを丁寧に語りつつ、同社のマルチブランドという特徴を活かした価値提供への共感を示していることが伝わります。

「性別や年齢を問わず、多様なニーズに寄り添う提案ができる」「幅広いターゲットに向けて生活の豊かさを提供」といった表現で、アダストリアだからこそ実現できることを自分なりに言語化しているのが印象的です。

アダストリアの志望動機では、ファッションに対する抽象的な憧れではなく、自分の実体験や身近な人の変化といった具体的な体験を盛り込めると良いでしょう

ワールド

ワールドは、アンタイトル、インディヴィ、エドウインなど多数のブランドを展開する老舗アパレル企業です。

近年は従来のアパレル事業に加えて、BtoBプラットフォーム事業にも力を入れており、他社向けにデジタルマーケティングや物流サービスなどを提供しています。

「衣料品を最後まで無駄なく活かすこと」を掲げてサステナビリティにも積極的に取り組み、アパレル業界全体の課題解決に向けた事業展開をおこなっている点が特徴です。

実際に選考通過した回答

私が御社を志望する理由は主に二つあります。

一つ目は、ファッション業界全体の課題解決ができると考えたからです。近年SDGsの採択もあり、環境に配慮した取り組み、商品がファッション業界にも求められています。そこで、御社はBtoBのビジネスであるプラットフォーム事業があるため、物を作るだけでなくサステイナブルな取り組みのノウハウを他社に提供してファッション業界の課題解決に繋げることができると考えました。

二つ目は、社員の方に魅力を感じたからです。インターンシップや選考に参加する中で、いち学生の私の話を真摯に聞いてくださり、フィードバックもくださいました。目の前にいる人に対して、誠実に接するという企業の風土を感じ、この方々と一緒に働きたい!と心から感じました。

このような御社で、私は「高い目標にむかって行動に移せる」という強みを生かして貢献したいと考え志望しております。 (2022年卒 立命館大学 ワールド 総合職 内定)

この志望動機は、ワールドの事業を単なる情報として羅列するのではなく、「業界全体の課題解決につながる」という自分なりの視点で解釈し、その考えへの共感を示している点が印象的です。

また、インターンシップでの社員とのやり取りを具体的なエピソードとして織り込むことで、企業への関心の高さを自然に表現できています。

志望動機を作成する際は、企業の取り組みをただ理解するだけでなく、それに対する自分なりの解釈や感想を加えることが重要です

ワコール

ワコールは、女性用下着を中心とした国内最大級のインナーウェアメーカーです。「ひとりひとりが 自分らしく美しく いられるように」という経営理念のもと、女性の美と健康をサポートする商品開発に取り組んでいます。

ワコールの特徴は、創業以来培ってきた人間科学研究所での身体データ分析や、高い技術力に基づく商品設計により、機能性とデザイン性を両立したインナーウェアを提供している点です

また、海外展開も積極的に進めており、世界中の女性の美しさと自信をサポートする事業を展開しています。

実際に選考通過した回答

私がワコールを志望する理由は、女性の輝く笑顔で社会をより明るくしていきたいと考えたからです。

私は居酒屋アルバイトで忙しい状況にも関わらず常に笑顔を振りまく先輩の女性スタッフを見て、力強い美しさに感動した経験があります。今日、社会における女性の存在感は強くなってきていて、女性達の自信の一つにはインナーウェアの存在があると考えています。インナーウェアを通じて、女性の快適な着心地と美しさを提供する貴社の事業内容、企業理念に強く共感しました。

そのような貴社で私の強みである主体性を活かし、社内外問わず多くの方々から信頼されるようなビジネスパーソンになり、顕在的なニーズだけでなく潜在的なニーズに応えていきたいです。 (2022年卒 立命館大学 ワコール 総合職 内定)

実際に選考通過した回答

私が志望する理由は二つあります。

1つは好きな下着に関われることです。好きな商品をおすすめすることで、お客様に嘘がなく接客できるので、誠実な接客ができると感じました。

2つは、自分がアルバイトで培ってきた「1人1人に寄り添う接客」を活かすことが出来るからです。化粧品と比べて、デリケートな商品の販売のため、お客様も不安になると思いますし、一人一人に担当できる時間が、他の企業よりも長くできると考えたからです。 (2025年卒 ワコール 販売職(ビューティーアドバイザー) 内定)

1つ目の回答は、居酒屋バイトで出会った先輩女性の「力強い美しさ」という身近な体験から、女性の自信とインナーウェアの関係性を見出している点が印象的です。周囲の人を観察して気づいた価値を、社会全体の女性の存在感という大きな視点まで発展させています。

2つ目の回答は、インナーウェアだからこ高いレベルの接客技術が必要なことを理解し、効果的に自分のスキルをアピールできている点が特徴的です。

これらの例から学べるのは、インナーウェアの「見えない価値」を自分なりの視点で発見し、それを自分の言葉で表現することの有効性です。

仮に同社の商品を使った経験がなくても、身近な人の魅力や自分の気持ちの変化からインナーウェアの価値を自分なりに発見し、言語化することによって、効果的な志望動機につなげられる可能性は十分にあります。

青山商事

ワコールは、「洋服の青山」「SUIT SQUARE」などのブランドを展開する国内最大手のスーツ専門店チェーンです。ビジネスウェア事業における国内の店舗数は約700店舗に上ります。特に「洋服の青山」は47都道府県すべてに店舗を構えています。

ビジネスパーソンを中心に幅広い顧客層にスーツやフォーマルウェアを提供している青山商事ですが、近年はデジタル化にも力を入れており、オンライン接客サービスやAI(人工知能)を活用した商品提案システムなど、ITを駆使した新しい接客スタイルの構築を進めています。

また、オーダーメイドスーツの強化やレディーススーツの拡充など、多様化する顧客ニーズに対応した事業展開をおこなっている点も特徴です。

実際に選考通過した回答

お客様のためにを追求しながら、向上心を持って働ける社風に魅力を感じたためです。

私はアルバイト経験を通し、お客様のご希望に添えなかった時にやるせない気持ちになったことから、お客様の満足度を高めることが私の仕事のやりがいに直接繋がっているということに気が付きました。御社では、オーダーメイドスーツや提案のブランド化などを通して、お客様の満足度を高めることに注力しているので、自分の就活の軸と御社が一致していると感じました。

また、プレセミナーでのパネルディスカッションを通して社員の方々が明確な目標を持ち、生き生きと仕事をしているという印象を受けました。これは、明確なキャリアパスを設定し、若手や女性であっても能力次第で活躍できる社風があるため、向上心を持って働けるのだと感じました。御社のような社風の中で、同期や先輩社員の方と切磋琢磨しながら働くことで自分を高める事ができると考えた為志望いたしました。 (2023年卒 青山商事 総合職 内定)

実際に選考通過した回答

御社で行われたインターンシップに参加し、接客・提案のロールプレイングを体験し、アドバイスやフィードバックも頂くことができ、実際に働くイメージが湧いたからです。

洋服に興味があり、アパレル業界に興味を持ったのですが、普通のアパレルブランドだと、特に目的がなく来店される方やウィンドウショッピングという形で来店される方が多くいらっしゃると思います。そういった際になかなか購入まで繋がらないのではないかと思いました。また、店員さんが居なくても一人で決められると思います。

しかし、スーツの販売という部分では、目的を持って来店されるお客様が多く、自分の接客・提案で購入まで導くことができる点や、店員がいるからこそ決めることができるので、頼られるという点でやりがいを感じると思っています。 (2024年卒 青山商事 総合職 内定)

これらの内定者に共通しているのは、自分の体験を通じて青山商事ならではの価値を発見し、それを具体的に言語化している点です。

1人目の内定者はアルバイトでの失敗体験から「顧客満足への追求」という価値観を見出し、2人目の内定者はインターンを通じて一般的なアパレル販売とは異なる「スーツ専門店ならではの性質」を発見しています。どちらも実体験をもとに、なぜ青山商事なのかという理由を説得力を持って表現できています。

青山商事の志望動機では、アルバイトやインターンシップなどの体験があれば、そこで感じたことや気づいたことを素直に語ることが効果的です。経験を通じて見出した青山商事の独自性を自分の言葉で表現し、印象的な志望動機を作成してみましょう。

アパレル業界の志望動機作成時の3つの注意点

アパレル業界の志望動機作成時の3つの注意点

志望動機を作成する際には、求められる内容を盛り込むのと同じくらい「落とし穴」を避けることも重要です。

多くの就活生が無意識に陥ってしまうミスを事前に把握し、最後に自分の志望動機が当てはまっていないかを確認するだけでも、選考突破の可能性を高めることができます。

ここからは、アパレル業界の志望動機で特に注意すべき3つのポイントについて解説します。志望動機を完成させた後に、これらの落とし穴に該当していないか確認してみてください。

①「製品やブランドのファンだから」だけを理由にしない

製品やブランドが好きという気持ちは大切ですが、それだけで志望動機を終わらせてしまうと採用担当者には「浅い」「物足りない」という印象を残してしまいます。

実際に内定を獲得した学生も、この点を強く意識していたと言います。

内定者からのアドバイス

アダストリアのお洋服が好きだというアピールも大切ですが、ただのファンになるのではなく、社員になったら会社にどう還元できるかまでアピールすることが重要だと思います。 (2020年卒 千葉大学 アダストリア 総合職 内定)

もちろんきっかけは「ファンだから」でも構いません。ただ、好きになったポイントやきっかけを丁寧に分析し、その企業の特徴を深く理解しながら、ビジネス的な観点からその企業の魅力を語れる状態まで仕上げておきましょう

②アパレル業界のどの企業にも当てはまる内容にしない

志望動機を作成する際には、その企業独自のキーワードや戦略を積極的に盛り込みましょう。「ファッションを通じて人々を幸せにしたい」といった抽象的な表現は、どの企業でも使い回せる内容になってしまい、その企業への本気度が伝わりません。

効果的なのは、志望企業と競合他社を比較して、その企業だけが持つ特徴を見つけ出すことです。企業理念、事業戦略、商品特徴を一覧表にまとめると、各社の違いが明確に見えてきますよ。

企業独自のキーワードを取り入れるのもおすすめです。たとえば、ユニクロの「LifeWear」コンセプトに共感するなら、「機能性とデザインの両立」という考え方が、自分のどのような経験や価値観と結びつくのかを具体的に表現しましょう。

③キャリアビジョンを曖昧にしない

「将来的には店長になりたい」といった漠然とした目標だけでは、採用担当者に計画性が伝わりません。志望動機の中では、具体的かつ段階的なキャリアプランを示し、あなたの本気度をアピールしましょう。

リアルな内容にするためには、志望企業の先輩社員がどんなキャリアを歩んでいるかを事前に調査するのが効果的です。たとえば採用サイトの「社員紹介」などを読めば、入社1年目、3年目、5年目の社員がそれぞれどのような業務を担当しているかが見えてきます。

ポイントは「自身の成長が企業にとってどう役立つのか」という目線を持つことです。自分が成長したいというだけでは自己中心的に見えてしまうため、「成長を通して◯◯に貢献したい」まで述べられるようにしておきましょう。

内定者データを分析! アパレル業界に求められる力

アパレル業界に求められる力

就活会議に寄せられた内定者の口コミデータを分析すると、アパレル業界への就職に成功している学生には共通点があることがわかってきます。

業界を問わず重要とされる基本的なスキルに加えて、ファッション業界ならではの特徴として、上記の5つの力を身に付けているケースが多いのです。ここからはその5つの力についてそれぞれ解説します。

顧客を魅了するコミュニケーション能力

アパレル業界では、入社後まずは店舗に配属されるケースが一般的です。現場では「どんな提案が喜ばれるか」を瞬時に判断し、商品の機能性から着心地やムードといった魅力まで幅広く伝えられる、高度なコミュニケーション能力が求められます。

最適なコミュニケーションを成功させるためには、以下のような能力が必要となるでしょう。

企画職やマーケティング職においても、この現場感覚は商品開発や販売戦略を考える上で重要な基礎となります。実際にお客様と向き合った経験があることで、データだけでは見えない顧客心理を理解した提案ができるようになるのです。

店舗を牽引するリーダーシップ

アパレル企業では、企業によるものの入社2〜3年目で副店長、3〜5年目で店長を任されるなど、入社後比較的早い段階で店舗運営やチーム管理を任されることが多く、メンバーを巻き込んで成果を上げる推進力が求められます。

必要なのは、上司然とした権威的なリーダーシップではなく、チームを高める協調型のリーダーシップです。以下のようなスキルがあれば、現場の活躍ができそうだと判断されやすくなります。

店舗運営において特に重要なのは、スタッフそれぞれの接客スタイルや得意な客層を把握し、お客様との最適なマッチングを瞬時に判断する能力です。顧客満足度とスタッフのエンゲージメントの両方に直結するため、マネージャーには必須のスキルだと言えます。

また、忙しい時間帯でもチーム全体が連携し、質の高い接客をすべてのお客様に提供できる体制づくりが求められます。このような現場感覚を持つ人材であれば、将来的に本社の企画職やエリアマネージャーとしても重宝されるでしょう。

高みを目指して挑戦し続ける向上心

ファッション業界は変化のスピードが速く、トレンドや技術が日々進化しています。そのため、現状に満足せず継続的に学び続ける姿勢と、新しいことにチャレンジする積極性が求められます。

アパレル業界ならではの傾向としては、「トレンドの2歩先を読む探求心」が求められます。今季のトレンドを追うだけでなく、SNSの傾向、海外のストリートスナップ、アーティストのスタイリングなどから次の流行を予測し、いち早く商品企画や売り場づくりに活かす姿勢が評価されるでしょう

また、デジタルとリアルそれぞれの価値を追求する意欲も重要です。現代では、バーチャル試着技術やAI活用といったデジタル領域が拡大する一方、実際に商品を手に取る感動やスタッフとの会話といったリアル店舗ならではの価値にも一定の需要があります。

それぞれの良さを把握し、双方の改善に挑戦し続ける意欲を示せれば、業界への理解の深さや情熱のアピールにもつながるでしょう。

企業理念への共感とブランドへの深い洞察

アパレル業界では、単に商品を売るのではなく「ブランドの世界観」を顧客に伝える役割が求められます。そのため、企業理念やブランドコンセプトに心から共感し、それを自分の言葉で表現できる力が重要です。

特にアパレル業界では、同じ商品でも「なぜこのブランドで買うのか」という理由づくりが売上を大きく左右します。価格や機能だけでは差別化が難しい中、ブランドストーリーや価値観への共感が購買の決め手となることが多いのです。

この共感力があると、接客時にも「このブランドらしい提案」ができ、企画職でも「ブランドアイデンティティに沿った商品開発」が可能になります。

SNS運用や販促活動においても一貫性のあるブランドメッセージを発信する力が必要なため、現代のアパレル業界では欠かせない能力と言えるでしょう。

トレンドの変化に適応する対応力

ファッション業界では、消費者の嗜好や市場環境が急速に変化するため、既存のやり方に固執せず、変化を敏感に察知し柔軟に対応できる適応力が不可欠です。

近年のファッション業界では、さまざまな社会情勢の変化の影響を受け、以下のような劇的な変化が次々と起こっています。

このような状況に対応するために、アパレル各社もそれぞれ独自の工夫を凝らしています。

たとえば、ZARAはSNSを含む膨大な量のデータをAI分析してトレンド予測し、商品展開に活用する仕組みを構築しました。ワークマンは作業服メーカーから一般向け機能性ウェアブランドへと転換し、需要変化を捉えて大幅な売上拡大を実現しています。

このように変化を「脅威」ではなく「新しい価値創造のチャンス」として捉え、素早く行動に移せる柔軟性こそが、現代のアパレル業界で最も求められる力です

志望動機においても、業界の変化に対する理解とそこへの適応意欲を示すことで、企業への本気度をアピールできるでしょう。

アパレル企業に刺さる志望動機を作成して内定を勝ち取ろう

本記事では、アパレル業界の志望動機作成について、自己分析から企業研究、具体的なエピソードの構築まで、内定者の実例をもとに効果的な志望動機作成のプロセスを解説しました。

重要なのは、表面的な「憧れ」や「ファン心理」をじっくり突き詰めて分析し、その企業独自の魅力や文化を言語化することです。自分がなぜその企業を志望したいと思ったのか、きっかけとともにわかりやすく説明できる状態を目指しましょう。

まずは自己分析や業界研究から始め、採用担当者が「この人と一緒に働きたい」と感じるような魅力的な志望動機を完成させ、理想のキャリアを手に入れましょう。

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この記事の編集担当者

飯塚 千弘

横浜市立大学国際教養学部卒。新卒で介護・保育領域の人材紹介会社に入社。人材コンサルタントとして従事したのちに、経営企画部にて集客及び登録者データの分析を担当。記事のチェックや訴求内容の提案等を行う中で記事制作に関心を持ち、ライターへと転身。現在は就活会議の編集ディレクターを務めている。

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編集責任者

江副 裕斗

大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める

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