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就活会議
CREATED ON 2025.12.02 | UPDATED ON 2025.12.25

人材業界に向いてる人の特徴とは? 内定者164名の傾向から紐解く

業界研究
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内定者データから分析! 人材業界に 向いてる人 4つのタイプを解説

こんにちは。就活会議編集部の望月です。 「人が好きだから人材業界に向いてるはず」。 人材業界を望む多くの学生がこのように考えています。しかし、内定を勝ち取る人は単純な「好き」に留まるコミュニケーション能力や思いやりを持っているだけではありません。 他者の人生に携わるには、「その人の価値を引き出すコミュニケーション能力」や「誠実に人に向き合う姿勢」などの踏み込んだ視点が必須。 内定者164名のデータをもとにして紐解いた「人材業界に向いてる人」について、この記事で詳しく確認しましょう。

この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。

人材業界に向いてるタイプは大きく分けて4つ

就活会議に寄せられた人材業界内定者164名の口コミを確認すると、人材業界に向いてるタイプは大きく分けて以下の4つということがわかりました。

しかし、単純にこれらの能力だけを兼ねそろえている人が「人材業界に向いてる」とは言い切れません。詳しくはどのような能力なのか、それぞれのタイプを確認していきましょう。

人材業界に向いてる人の特徴① 「コミュニケーション能力」がある

コミュニケーション能力は、一般的に「他者と円滑に話ができる」という能力とされています。このことはもちろん重要です。

しかし、就活会議に寄せられた内定者の声を確認すると、人材業界に向いてる人の持つコミュニケーション能力はもう一歩踏み込んだものであることがわかりました。

果たしてどのような能力なのか、詳しく確認してみましょう。

自分の意見を論理的に伝えられる

人材業界では、求職者や企業の希望をヒアリングしながら、相手の希望を実現することが求められます。言わば、「他者の人生の選択を預かっている」重大な側面を持つ仕事です

そのようななかで相手の意見や要望ばかり聞いていては、それが本当にその人にとって正しい選択と限らない場合に人生を狂わせかねません。人材業界で働く「その道のプロ」として、自分の意見をわかりやすく話せてこそ、最適なアドバイスができるのです。

そのため、自分の意見を遠慮せず、論理的に伝える能力が備わっている人は「向いてる」と言えるでしょう。

内定者のなかには、選考で論理的に話すことの重要性を実感していた人もいました。

内定者からのアドバイス

論理的に話すことが強く求められると感じたので、そこを練習した方が良いと思う。

具体的には、回答を文字で書き起こして、話の流れに不自然な部分がないかどうかを確認することで、話す練習をしていた。 (2025年卒 大阪大学大学院 レバレジーズ 企画・セールスコース 内定)

内定者からのアドバイス

しっかりと論理的に話すことができるか。自分のことをわかりやすく話すことができるかの基本的なコミュニケーション能力があるかどうかが大事だと思います。 (2023年卒 関西大学 パーソルキャリア ビジネス職 内定)

選考では、自分が話したいことの流れを意識しながら、わかりやすく説明できる力が「自分の意見を論理的に伝えられる」ことの表れとなってアピールできそうです。

どのような人にも対峙できる

人材業界では、就活初心者の学生から企業の社長クラスまで、幅広い人が「顧客」となります。そのため、どのような立場の人に対してもきちんと向き合えるコミュニケーション能力が発揮できる人は「向いてる」と言えるでしょう

内定者のなかには、さまざまな人とコミュニケーションを取って課題を解決したことをガクチカとして話し、「どのような人にも対峙できる」ことをアピールしている人もいました。

内定者の回答

職場では、商品の提供が遅れることが問題であり、原因は従業員の配置がランダムに決められたこと、適切な指導がおこなわれていなかったことだと考えた。

そこで、提供時間を縮める目標を掲げ、リーダーを担当した。私が工夫したのは、従業員一人ひとりの業務理解度や性格を細部まで把握した点である。そのために、多くのコミュニケーションを取り、わからないことを聞ける雰囲気づくりを心掛けた。

以上の工夫から、把握した従業員の特性をもとに、最も業務効率の良い人材配置を毎度提案して実行した。

これを半年継続することで商品提供時間を半分まで短縮し、それ以降も約3年間キープし続けた。 (2025年卒 大阪大学大学院 レバレジーズ 企画・セールスコース 内定)

このように、アルバイトやサークル、ゼミなどでさまざまな立場の人とかかわり、「自分の意見を言えた」「議論を交わせた」経験などを思い返してみてください。

さまざまな人と対峙できるエピソードには、以下のようなものがあります。これまでの経験で似たようなものがないか参考にしてください。

「聞く姿勢」が備わっている

コミュニケーション能力というと「話す」ことに意識が向きがち。しかし、「聞く」こともコミュニケーションの一環です。

求職者や企業の人の話を聞いて、その人の求める潜在的なニーズまでを汲み取るのが人材業界で働くうえで必要不可欠。そのため、「入念に相手の話を聞ける」姿勢が備わっている人は、人材業界に向いてると言えます。

内定者のなかにも、傾聴力や、他者の話を聞く姿勢が見られていることを実感していた人がいました。

内定者からのアドバイス

パソナの面接時に大切なことは「他の学生の話を聞いている姿勢を見せること」「素直に話すこと」であると感じました。

私はパソナの選考時、本当に面接慣れをしておらず、全ての面接で緊張してしまい、全く上手に話すことができず言葉に何度も詰まりました。しかし通過させていただけたということは、話す上手さではなく、人柄や聞く姿勢をみておられたのだと思います。 (2021年卒 同志社大学 パソナグループ 総合職 内定)

内定者からのアドバイス

相手が抱える人事課題やキャリアに徹底的に寄り添う仕事内容であることから、課題解決力と傾聴力についても見られていたと思う。 (2024年卒 パーソルキャリア ビジネス職 内定)

面接では、「自分が何を話そうか」で頭がいっぱいになりがち。誰かほかの人が話しているときも油断せずに傾聴している姿勢を見せられると、人材業界への適性を表せるでしょう。

人材業界に向いてる人の特徴②「課題解決力」がある

課題解決力は、その名のとおり課題を解決する能力ですが、ただ「解決できる」ことを伝えるだけでは不十分です。

人材業界で向き合うべき課題は「人のキャリアや人生」になります。就活会議の口コミを分析してわかったのは、「人の課題を分析できる」「解決の過程でぶつかった困難にも向き合える」などといった、「人の課題に対しアプローチできる力」がある人が内定を獲得しているということ。

これらについて、詳しく見ていきましょう。

自らで課題を分析できる

求職者の面接の合否と向き合ったり、企業の求人獲得数を確認したりと、常に「結果」が付いて回るのが人材業界の仕事。そのようななかで、思うように結果が出ずにうまくいかないこともあります。

そのような時「その原因は何なのか」と考えることを顧客にゆだねてばかりではいけません。たとえ自分自身の課題でなくても自分事のように考え、分析できる人こそ、顧客の課題解決につなげられるのです

内定者のなかにも、自身の強みやガクチカを問われた際に、他者の課題に対し向き合い、分析したことが語られている回答がありました。

内定者の回答

私の強みは、課題の原因を分析し、具体的な解決策を立案する課題解決力です。この強みを活かせた経験として、予備校で異なった理由から学習意欲が低かった2人の生徒の学習量を増加させることに注力したことが挙げられます。

私は学習意欲が低いという問題点を持つ2人の生徒を担当していた。当初、私はこの問題を解決するためにどちらの生徒も細かく計画を立てるという指導方法を取ったが、それでは改善できなかったため、潜在的な課題を探るべく対話を重ねた。

すると、学習意欲が低い原因が「苦手な科目の勉強方法がわからない」と「夢や志が定まっていない」という異なったものだと判明した。

よって、私は三者面談で、前者には勉強方法を学習できる映像授業を、後者には夢を考えることができるイベントの紹介をおこなった。この提案は深い納得を得られ、結果的にどちらの生徒も学習量が向上した。

この経験から、お客さま一人ひとりのニーズを満たすためには、深い対話による潜在的な課題発見が重要であることを学んだ。 (2024年卒 パーソルキャリア ビジネス職 内定)

内定者の回答

私は視野の広さと責任感の強さは誰にも負けないと自負しております。これは主に部活のコーチの経験から養われました。

50人以上の生徒たちの状況を限られた時間の中で把握すること、それに加えて最大限成長させることを求められてきました。それぞれ実力も性格も違う中、一人ひとりとのミーティングやビデオを用いたフィードバックをおこない、根気よく生徒たちと向き合ってきました。

そして元々区大会での入賞が難しかった状態から、区大会優勝、さらにその上のレベルの大会の出場権を得るまで成長させることができました。

この経験から、目標達成のために素早く現状を把握し、最後までやり遂げ貢献する人材になれると考えています。 (2024年卒 青山学院大学 ディップ 営業職 内定)

学習塾で受け持っていた生徒や、部活の生徒など、一人ひとりをしっかりと見て、分析し、アプローチができたからこそ結果につながっていることがわかります。

自分の課題でなく、他者の課題を分析し、良い方向に進めた経験があれば、そこをアピールしてみると良いでしょう。

他者のために自らで課題を分析できるエピソードには、以下のようなものがあります。これまでの経験で似たようなものがないか参考にしてください。

困難に対しても粘り強く取り組める

仕事の場面で、困難は付き物です。特に人材業界の場合は、顧客の課題を顧客と一緒に解決しなければなりません。だからこそ、意見の食い違いや、顧客のモチベーション低下などの課題に向き合い、解決に向かわせる必要があります

自分の課題でなく、顧客の課題であっても真剣に粘り強く取り組める人は、人材業界に向いてると言って良いでしょう。

内定者のなかにも、自身の強みを聞かれた際に「粘り強さ」をアピールしている例が見られました。

内定者の回答

私の強みは、他者貢献が原動力で、それに伴う実行力の素早さや粘り強さが誰にも負けないことです。

実際に、吹奏楽部の部長経験や、アルバイト経験で活かされたと感じています。 (2025年卒 レバレジーズ 企画・セールスコース 内定)

内定者の回答

最後まで粘り強く取り組むという強みを高校時代の卓球部の主将の時に活かしました。

私たちのチームは一戦も勝てない状況が続いていたチームでしたが、主将として2点取り組みをおこないました。

1点目は、自分たちの実力を客観的に把握する「試合後の振り返りシートの作成・配布」。2点目は、練習メニューを考える月1回のミーティングの開催です。

この取り組みを1年半続けた結果、最終的にはベスト〇〇という結果を残すことが出来ました。 (2024年卒 レバレジーズ 企画・セールスコース 内定)

これらの回答は、ただ「粘り強く頑張った」だけではありません。他者やチームなど、自分以外の課題に対し向き合い、粘り強く努力できることをアピールしています。

粘り強さが強みだと思う人は、「他者やチームに対して粘り強く取り組んだ経験」を伝えられると、再現性の高い強みとして伝えることができるでしょう。

他者やチームに対して粘り強く取り組んだ経験の例は、以下のようなものが挙げられます。これらのような経験が思いつく人は、ここを強みとしてアピールできるかもしれません。

人材業界に向いてる人の特徴③「他者のことを考えられる力」がある

「人材業界=他者のことを考えて仕事をする」というイメージが強い人は多いはず。しかし、どのような仕事でも他者がかかわるものであり、この能力は必須です。

人材業界では、他者を考えるのみならず「他者に向き合い、行動を起こす」ことまでが求められます。実際に就活会議の口コミのなかでも、これらが備わっているからこそ、人材業界の内定を獲得できた例が見られました。

具体的にどのような力がある人が向いてると言えるのか、詳しく解説します。

他者のことを考えて行動できる

働くうえで、必ず他者はかかわってくるものです。そのなかでも人材業界での他者を考えた行動は、信頼関係の向上にもつながります。

「顧客同士の最適なマッチングの提供」「面接後の迅速なフォロー」など、その行動の質が高かったり、対応が早かったりするほど、顧客に対し「この担当者は親身に向き合ってくれる」という印象を与えることができるでしょう

他者のことを考えられても、行動に移すのはハードルが高い場合があります。だからこそ、そのハードルを乗り越え、行動にまで移せる人は、人材業界で活躍できるのです。

実際に、下記のように相手のことを考えて行動できることを強みとしてアピールしている学生も見られました。

内定者の回答

私の強みは相手の立場に立って行動する力です。この力を発揮したのがカンボジアの学校での日本語講師のボランティア活動だと思います。

観光が盛んなカンボジアでは語学能力により所得に大きく差があり、子供たちにたくさんの選択肢を知ってほしいと活動を始めました。

授業をおこなってみると、生徒ごとの授業に対する意欲のばらつきを課題に感じ、そこで生徒たちにヒアリングをおこない生徒の学習目的に応じて授業内容を変更しました。

日本語を楽しみたいという生徒にはかるたや折り紙など文化交流の時間を、日本語ガイドを目指す生徒にはガイドに必要な説明力を養う授業をおこないました。

また、目標を持って日本語を学んでもらいたいと日本語コンクールの参加を現地の方に粘り強く交渉し、結果、1人の生徒が朗読部門で2位を獲得することができました。

この経験から自分が何をしたいかだけでなく、相手が何を求めているかを考え、行動することの大切さを学びました。 (2018年卒 南山大学 パーソルテンプスタッフ 総合職 内定)

この学生は、生徒ごとに最適な学習方法を提案し、学習環境を整えるべく行動を起こしています。一度に多くの顧客を抱える人材業界の仕事において、どのような顧客に対しても手を抜かずに向き合い、行動ができることの表れと言って良いでしょう。

他者のことを考えて行動した経験には、以下のようなことが挙げられます。些細なことでも良いため「自分ではなく他者」に対し行動したことを思い出してみてください。

誠実に人に向き合える

人材業界で何よりも必要なのは「誠実さ」であり、誠実でないと顧客に不信感を与えかねません。そうでないと、現状を話してもらったり、そこから潜在的なニーズを引き出すべく関係性を築いていったりするのも難しくなるでしょう。

だからこそ、誠実に人と向き合える人は、人材業界で活躍できるフィールドがあると言えます。

内定者のなかには選考を通して「誠実さを見られていた」と感じている人も見られました。

内定者からのアドバイス

面接では誠実さが重要視されます。

嘘をついたらばれると思うので(他の会社よりも人をよく見ている)能力をアピールするよりも、誠実さをアピールしてください。 (2021年卒 早稲田大学 パーソルキャリア ビジネス職 内定)

内定者からのアドバイス

私の肌感では「誠実・チャレンジ精神旺盛・明るい・素直」である方が評価されていると感じた。 (2022年卒 東洋大学 エン 総合職 内定)

誠実さをアピールするには、自分のことを偽らず正直に答えるのが一番です。ありのままのあなたについて話し、誠実な人柄を感じてもらいましょう。

人材業界に向いてる人の特徴④「成長意欲」がある

年ごとに就活トレンドが異なったり、トレンドに伴い学生の雰囲気も異なったりと、人材業界は変化の多い業界でもあります。

また、変化のなかにあるさまざまな困難に対し、タフに向き合えることも重要な要素のひとつです。

これらすべてを「成長の機会」と前向きに捉えられる人こそ、人材業界に向いてると言えます。詳しくはどのような人なのか、確認していきましょう。

変化を楽しみながら対応できる

前述のように、人材業界は変化の多い環境です。注意したいのが、変化をただの「変化」として捉えるだけでは不十分だということ。

人材業界のなかにも、変わりゆく社会に対して「企業自体の変革」をおこなっている企業も見られます。たとえばパーソルキャリアでは、副業が当たり前になっている社会に対して、「働く選択肢の拡充」に取り組んでいます。

実際にパーソルキャリアの内定者が話した志望動機には、「変化」に対する言及がなされているものもありました。

内定者の回答

私にはありがとうを社会に増やしていきたいという目標があります。

具体的にどのようなものかというと口から出る言葉がごめんなさいからありがとうに変わるのは心の余裕に左右されると考えており人の心から余裕を奪っている要因にアプローチして、改善し、自分は勿論人々が心に余裕を持ち、互いを思いやれる社会づくりの一端になりたいと思っています。

この目標を念頭に置きながら私は公私問わずに多くの人とかかわり、たとえ小さな話であろうとその人と向き合い、いざというときに互いに支えあえるようにとコミュニケーションを重ねるうえで飾らず等身大で向き合ってきました。

御社はヒューマンリソースに対して多角的に向き合い働く環境・働く人々を含めて人々の人生の三分の一を費やす「働く」を社会変化と共に変えていこうとしています。このことは見方を変えれば「働く」が人々にとって前向きなものに、つまり人々の心の余裕の創出の柱となり私の目標と繋がると考えました。

そのため御社を志望しました。 (2021年卒 明治大学 パーソルキャリア ビジネス職 内定)

業界のみならず、それに応じて企業もめまぐるしく変化するなかで、楽しみながら適応できる人こそが、人材業界への適性があると言えます。

変化をいとわない姿勢を見せるために、好奇心旺盛な性格や、適応力などがアピールできると、「人材業界に適性がある」と判断されやすくなるでしょう

困難にも向き合えるタフさがある

人材業界に向いてる人の特徴②「課題解決力」がある」のなかで、困難に「粘り強く取り組める」ことを解説しました。それももちろんですが、「困難を受け止められる」ことも人材業界では重要なスキルのひとつです。

人材業界は「人とかかわる」業界です。ときには心無いことを言われたり、なかなか納得のいくマッチングができなかったりと、心を痛めてしまうタイミングもあるでしょう。そのようななかでも、タフな精神を持っていられる人こそ、困難を乗り越えられるとみなされ、人材業界で活躍できると言えるのです。

内定者のなかには、「困難を乗り越えた経験」が内定につながったと言及している人もいました。

内定者からのアドバイス

内定が出る人の特徴は自分についてよく理解しており、かつ過去困難なことに直面しそれを乗り越えた経験がある人だと思います。

私が内定をもらえたのは、長期インターンシップできついことがあっても諦めず辛抱強く続けた過去があるからだと思います。 (2025年卒 九州産業大学 ディップ 営業職 内定)

このように、困難から逃げずに辛抱強く向き合った経験は、仕事での再現性が高いとみなされ評価につながりやすいと考えられます。

たとえ成果が出ていなくても、「逃げずに向き合える」ことが大切です。下記のような、困難に向き合えた経験を思い返し、アピールにつなげてみてください。

人材業界に向いていない人の特徴4選

人材業界に向いてる人の特徴がわかったところで、次は反対に「人材業界に向いていない人」の特徴を確認してみましょう。

「向いていない人」の特徴を把握することで、あなた自身が改善すべき側面の確認や、入社後のミスマッチを防ぐことにつながります。

向いてる人の特徴のみに目を向けるのではなく、あえて向いていない人の特徴にも目を向け、あなたの特性を振り返る機会にしてみましょう。

①目標達成意欲が低い人

人材業界と聞くと、「学生一人ひとりと丁寧に向き合い、最適な就職先を提案する」など、思いやりや丁寧さが重視される仕事だと思っている人も多いでしょう。

しかし、詳しく見ていくと、学生の内定承諾率や面談設定数など数値で成果を測る側面も多く、目標に貪欲にならないといけません

人材業界において目標とされるのは、以下のようなものがあります。

人の気持ちに寄り添いながら数値を追い求めるなかで目標に貪欲になれない人は、「学生と向き合う仕事かと思っていたら違った」「顧客への思いやりと数値の大切さをどうしても結び付けられない」と入社後にミスマッチを感じてしまうかもしれません。

②決まった作業を好む人

人材業界で扱う情報は、人の感情や企業の採用戦略など、変化しやすいものです。そのため、「人によって悩みが違う」「同じ人でも話すタイミングで考えが変わる」ことも当たり前。

採用要件の変更、学生の急な志望企業の変化など、常にイレギュラーなことが起こるのが人材業界の仕事です。そのなかで、マニュアル通りの作業を好む人は、予期せぬ変化に対応しきれず、疲れてしまうことがあるでしょう。

③根本の原因への深掘りができない人

人材業界で求められるのは、ただ会話をするだけの能力ではありません。顧客との会話を深掘りし、「本音と建前のギャップ」を埋めていく必要があります。それには、会話を通して顧客が本当に望むことや、奥底にある思いを引き出さねばなりません。

潜在的なニーズを深掘りできないと、いつまでも就職先が決まらなかったり、求職者が企業へ集まってこなかったりする可能性があります。

そのため、会話のキャッチボールを意識せず、「表面的な会話」として終わらせてしまう人は、根本の原因へアプローチができず、顧客の要望をうまく実現できないかもしれません。

④「人のため」という思いが強すぎる人

「人のため」という思いは、人材業界で何よりも欠かせないものと思われがち。もちろん欠かせないものですが、この思いが強すぎると、「仕事」としての側面で結果を出せない可能性があります。

人材業界の仕事は、慈善事業ではなく「利益を追求するビジネス」です。求職者や企業の気持ちに寄り添いすぎてしまうと、市場価値を考えた厳しい判断ができなくなったり、冷静な判断をすべき場面で精神的に疲弊してしまったりするでしょう。

そのため、「人のため」という思いと、「ビジネス目線」の両立ができずに、仕事だという目線感を失いがちな人は、人材業界には向いていないと考えられます。

人材業界への適性を見極める際に問いたい3つのこと

ここまでの内容を踏まえて、「コミュニケーション能力があるから向いてる!」「定量的な作業のほうが好きだから向いていないかも」と、目の前の適性だけ見て決めつけてはいませんか。

このように決めつけてしまう前に、人材業界への適性を見極める際に問いたいことを3点解説します。この質問を自分に問いかけてから、本当に適性があるのかを慎重に判断していきましょう。

①自分語りでなく「相手の話を引き出す」ことができるか

求職者や企業が人材業界のプロに頼るのは、最適な提案を求めているからであり、「自分で気付けない思いまでも引き出してほしい」と願っています。

しかし、もしあなたが「提案をしたいから」「なんとか契約を取りたいから」という気持ちが先行するあまり、顧客の真のニーズを引き出す前に自分語りをしてしまうと、結果に結びつけることは難しくなってしまうでしょう。結果、顧客との信頼関係を構築できず、キャリアのミスリードを招いてしまう可能性も考えられるのです。

だからこそ、「コミュニケーションが得意だから向いてる」と決めつけずに、「相手の話を聞き出す」という点に注目してみてください

普段の会話でも、一方的に話すのではなく、相手の話に耳を傾けつつ、「会話のラリー」ができているかを振り返ってみましょう。

②「人のため」が自己満足で終わらないか

「人のため」という思いがあるのは良いことですが、人材業界で働くには、その思いがあなた自身の思いの押し付けになっていないかの注意が必要です。人材業界の顧客は多岐にわたり、その全員があなたの意思を「良い」として受け取ってくれるかはわかりません。

特に、求職者が不安を感じている際に、あなたの思いを押し付けてしまうと、かえって不信感を抱かれてしまい、その後の契約にも響いてしまう可能性があります。

そのため、誰かを思って起こした行動が、本当にその人のためになっているかという視点を持って他者と向き合ってください。

③「人のため」と「営業利益」のバランスを保てるか

人材業界で働くうえで難しいのが、「人のため」という思いと、「利益を追求する姿勢」のバランスを保つことです。特に人材業界を目指す学生は、「人のために働きかけたい」という思いが強くなりがち。しかし、いくら求職者に向き合うといっても、これが仕事の一環であることを忘れてはいけません。

このバランスを保てず、どちらかに偏ってしまっては、顧客に最適な提案ができなくなったり、利益を生み出せなくなったりします

そのため、人材業界を目指す理由が「人のためになりたい」だという人は、「利益の面でどのような貢献ができるか」「どのように利益を生み出していきたいか」という「利益」の側面に焦点を絞り考えてみてください。

人材業界はどんな業界? 基本事項を解説

人材業界に向いてる人、向いていない人などの特徴がわかったところで、一度基礎的なところに立ち返ってみましょう。

ここでは、人材業界がどのような業界なのかを解説していきます。「そもそもどのような業界なのかあまり理解できていなかった」という人は参考にしてください。

業種

人材業界の業種は、大きく分けて以下の4つがあります。

業種 内容
人材紹介 正社員やパートを獲得したい企業と、求職者を結び付ける
人材派遣 働き手を必要とする企業に人材を派遣。その後派遣社員の業務支援をする
求人広告 企業から求人広告の設置依頼を受け広告の設置、作成をおこなう
採用コンサルティング 企業の採用課題を解決すべく、戦略立てから実行までを支援する

どの業務内容も、必ず「求職者」や「企業」がかかわります。このことから、いかにして顧客と向き合い、課題解決のために動けるかが重要になることが伝わってくるでしょう。

あなたの特性がどの業種に向いてるか、どの業種なら強みを活かせそうかなどを考え、挑戦してみたい業種を選んでください。

職種

人材業界の職種は、大きく分けて以下の7つです。

職種の理解ができると、あなた自身がやりたいことが明確になったり、将来のキャリアパスが描きやすくなったりします。内容を確認し、興味のある職種を探すところから始めてみましょう。

職種 内容
キャリアアドバイザー(CA) 求職者のキャリア設計から就職後の支援までをおこなう
リクルーティングアドバイザー(RA) 企業の課題をヒアリングしながら採用活動を支援し、最適な人材を紹介する
コーディネーター/営業担当 派遣スタッフを求める企業へ営業をし、採用から就業後のフォローまでをおこなう
登録スタッフの労務管理担当 派遣社員が安全かつ適正に就業できるようサポートする
広告営業 求人サイトやSNS向けの広告を提案する
広告制作(ライター、ディレクター) 企業の要望を汲み取り、広告作成から、スタッフの指揮・掲載までのスケジュール管理を一貫して担う
採用コンサルタント 企業が抱える採用活動全般の課題に対し、戦略の立案から実行までを支援する

どの職種も、顧客の要望を汲み取り、最適な提案をすることが求められます。顧客と二人三脚で仕事を進める必要があるため、「どのように顧客とかかわっていきたいか」を考えると、あなたに向いてる職種が見つかりやすくなるでしょう

年収・初任給

働くにあたって、「給料のことも考えたい」という人もいるでしょう。ここでは、主な人材業界の企業の年収・初任給を紹介します。

企業名 年収・月給
レバレジーズ 年収:5,000,000円〜
パーソルキャリア 年収:~5,500,000円

(応募コースにより異なる)

パソナグループ 初任給:245,000円
ディップ 初任給:296,027円
パーソルテンプスタッフ 初任給:282,600円~301,700円

(首都圏・近畿エリア勤務のモデル給与)

エン 初任給:280,000円~

(勤務地・応募コースにより異なる)

※これらの情報は各企業のホームページ(2025年11月時点)を参照にしています。

厚生労働省が発表した「令和7年3月 新規学校卒業者の初任給情報」によると、大学卒業者の平均初任給は259,000円となっています。

企業により年収や初任給は異なりますが、入社後の頑張りによってはさらに給料を上げることも可能です。一つの目安として参考にしてください。

将来性

人材業界は、日本の社会構造の変化や技術の進歩により、今後も成長が期待される業界の一つです。

人材業界の将来性を語るうえで、今後重要になるのは「労働人口の減少」「デジタル化によるビジネスモデルの変革」「『働く』ことへの多様化に対応する流れ」の3つです。下記の表で、これらの現状と将来性を確認してみましょう。

現状 将来性
労働人口の減少 ・少子高齢化により労働人口が減少している ・企業が必要な人材を確保するための競争が加速するため、

 人材業界のサービスのニーズが高まる

デジタル化によるビジネスモデルの変革 ・仕事選びの際にAI(人工知能)がさまざまな選択肢を提示し、そこから職を選ぶ

・デジタルへの投資段階から成長、収益化の段階へ移行しつつある

・デジタル技術を活用し、業務の自動化を図るだけでなく、

 高い付加価値をもたらすものにすることで、収益性向上が見込める

『働く』ことへの多様化に対応する流れ ・シニアや外国籍の人、子育て中の人材など、多様な人たちが就業を求めている

・副業、フリーランスなど、働き方の多様化が進んでいる

・従来の「正社員」「派遣社員」などの枠に留まらない、

 柔軟な雇用形態に対応した分野(副業や専門職など)の強化をすることで、新たな市場を確立できる

顧客に対するアプローチ方法が広がりを見せていることから、特定の市場に対する求人数の増加や、新たな市場獲得が見込めそうです

また、どの業界でも見られているデジタル化の流れに乗って付加価値のあるサービス提供をすることで、収益性の向上も期待できるでしょう。

働く魅力

「働くなら、自分なりのやりがいを見出して働きたい」。こう思う人向けに、人材業界で働く魅力を解説します。人材業界で働く魅力は、おもに下記の5点です。

大きな魅力は、「自身の経験をもとにさまざまな人や企業にアドバイスをしつつ、自身も顧客も成長できること」と言えるでしょう。

あなた自身の成長のみならず、誰かの成長を自分事のように喜べる人や、他者の人生を動かす覚悟がある人はやりがいを持って働けるかもしれません

人材業界に興味を持った人は、こちらの記事も参考にしてください。

人材業界の志望動機の作り方|大手内定者が伝えた回答17選付き

「人材業界に向いてる人」に近づくためにすべきこと

人材業界に向いてる人」に近づくためにすべきこと


ここまでの内容を踏まえて、「人材業界で活躍してみたい」と考えるようになった人もいることでしょう。

そのような人は、ここで解説することを押さえ、どのような点が不足しているのか、どのような強みを伸ばせば良いのかを確認してみましょう。

自分の経験と「向いてる人」の特徴を照らし合わせる

まずは、「方向性を確認する」ところから始めてみましょう。これまでのあなたの経験と、「人材業界に向いてるタイプは大きく分けて4つ」以降で解説している「人材業界に向いてる人」の特徴を照らし合わせ、重なる点が無いかを確認してみてください。

各項目で解説している内容は、ただの「コミュニケーション能力」「課題解決力」などから一歩踏み込んだものです。これらの経験と似たようなものがあれば、あなたは人材業界への適性があるかもしれません。

サービスを利用して「向いてる人」の解像度を高める

人材業界に向いてる人がどのような人かを知るには、身を持って体験するのもひとつの手段です。実際に各企業の就職支援サービスなどを使用して、どのような人が働いているのか、働く人にはどのような特徴があるのかを感じてみましょう。

新卒向けサービスには以下のようなものがあります。これらのなかから気になる企業が提供するサービスを利用してみてください。もちろん、一通りのサービスを利用して比較してみても構いません。

また、これらのサービスを利用する際に「人材業界について教えてください」と直接聞いてみるのも「向いてる人」を知る近道になります。リアルな声から解像度を高めていきましょう。

「向いていない人」の特徴に当てはまる点を解消する

「向いてる人」ばかりに目を向けるのではなく、あえて「向いていない」人の特徴を確認してみるのもおすすめです。「人材業界に向いていない人の特徴4選」で解説した内容のなかから、あなた自身に当てはまるものが無いかを確認してみましょう。

もし当てはまる特徴がある場合は、それらを解消するために働きかける必要があります。下記の例を参考に、どのように解消に向け働きかければ良いのかを見て、実行に移してみてください。

向いていない人の特徴 解消方法
目標達成意欲が低い ・まずは小さな目標を立てて一つひとつ達成に向けて動いてみる

・タスクを見える化してモチベーションを上げる

・意欲が湧く環境を整える

決まった作業を好む ・毎回違う作業を「変化」ととらえ楽しむようにする

・小さな変化から挑戦し、変化へのハードルを下げる

・変化に対し、成功体験を積み重ねる

根本の原因への深掘りができない ・物事に対して「なぜ」を5回問いかけてみる

・起きた事象に対し、さまざまな人から情報収集をする

・起きた事象の原因を自分なりに言語化してみる

「人のため」という思いが強すぎる ・感情的な「優しさ」と「ビジネス」を切り分けてみる

・「成果につながる行動」に優先的かつ効率的に取り組んでみる

人材業界に向いてる人には4つの特徴がある! これらを理解して自分の向き・不向きを考えよう

この記事では、人材業界に向いてる人には大きく4つの特徴があることや、これらの詳細な説明、向いていない人の特徴などを解説してきました。

ここで大切にしてほしいのは「向いてる特徴に当てはまるから人材業界への適性がある」「向いていない人の特徴に当てはまるから人材業界には向いていない」と決めつけてしまわないことです。

これらの特徴と向き合い、向いてる人の特徴をどう「強み」として伸ばせるか、いかに「向いていない」点を解消できるかが、人材業界で活躍する人材になるカギです。

ここで解説した内容を踏まえて、あなたなりの「人材業界に向いてる人」像を明確にしてください。そして、人材業界へ就職できるよう、準備を進めましょう。

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この記事の編集担当者

望月 晨生

新卒で寝具・家具メーカーに入社後、大手ECサイトの販売を担当。寝具や家具にまつわるオウンドメディアの立ち上げに携わる。自分で何かを作り上げることに魅力を感じ、ライター職に転職。現職では就活会議のコラム立ち上げに携わり、ライター・編集ディレクターを担当。

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編集責任者

江副 裕斗

大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める

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