【就活ガイド】日本郵便株式会社の企業研究〜企業分析で選考突破〜
毎年多くの就活生が選考を受ける日本郵便株式会社。日本郵便は、郵便窓口業務や国内物流事業を通して、社会の多様なニーズに合った製品・サービスを提供しています。 この記事では日本郵便の基本情報や業界内での立ち位置をもとにお伝えするとともに、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。日本郵便の選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。
日本郵便の会社概要
まずは日本郵便について理解しましょう。 ここでは日本郵便の選考に通過した先輩たちが行った企業研究と、その社風などをお伝えします。
日本郵便の基本情報
会社名 | 日本郵便株式会社 |
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業界 | 流通 |
本店所在地 | 〒100-8792 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 TEL 03-3477-0111(日本郵政グループ代表番号) |
事業所 | 支社13、郵便局24,311(注)、お客様サービス相談センター2、研修センター5、給与・厚生事務センター1、債権管理センター1、会計センター1、郵便審査事務センター1、物流センター4、東京ロジスティクスセンター1、ゆうパック決済センター1、国際郵便業務品質管理センター1、コンサル育成センター13、資金管理センター2 |
設立 | 2007年10月1日 ※日本郵便株式会社法(2005年10月21日法律第100号)に基づく |
経常収益 | 20,718億円 |
従業員数 | 194,842名(2021年3月31日現在) |
資本金 | 4,000億円 |
初任給 | ■総合職 修士了/220,500~246,960円 大学卒/212,500~238,000円 ●地域基幹職 修士了/177,200~198,460円 大学卒/174,800~195,780円 短大・高専・専門卒/172,300~194,880円 ■一般職 修士了/167,400~197,530円 大学卒/165,800~195,640円 短大・高専・専門卒/163,400~194,700円 |
福利厚生 | 各種社会保険完備、財形貯蓄制度、保険料払込団体、社員持株会、社宅(世帯用・独身用)、レクリエーション施設、付属医療機関(逓信病院) |
過去の採用人数 | 不明 |
企業理念 | 郵便、貯金、保険の郵政の基幹サービスを将来にわたりあまねく全国で提供します。 社会の変化に的確に対応し生活を豊かにする革新的なサービス提供に挑戦します。 企業ガバナンスを確立し、コンプライアンスを徹底することにより、企業としての社会的責任を果たします。 お客さまから愛され、地域から信頼、尊敬されるよう、社員一人ひとりが成長し続けます。 |
代表取締役 | 代表取締役社長兼執行役員社長 衣川 和秀(きぬがわ かずひで) |
事業内容 | 郵便業務、銀行窓口業務、保険窓口業務、印紙の売りさばき、地方公共団体からの受託業務、前記以外の銀行業、生命保険業および損害保険業の代理業務、国内・国際物流業、ロジスティクス事業、不動産業、物販業など |
参考元:https://www.post.japanpost.jp/about/
事業内容
日本郵便の事業内容についてみていきましょう。日本郵便は、国内物流事業、路地ティクス事業、国際物流事業の3つを中心に事業を展開しています。ドローンや配送ロボットの導入、郵便局のみまもり訪問など、物流や地域に密着した事業運営を活かしてサービスを提供しています。
事業 | 業務内容 |
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国内物流事業 | 手紙・はがき等の郵便物や、ゆうパックやゆうメール等の荷物の運送サービスを提供しています。また、郵便物や荷物をお預かりし、お届けするだけでなく、Webサービスと連携し、郵便物等のデザインから印刷・投かんまでインターネット上で完結するサービスの提供など、アナログなサービスをデジタル技術と融合させることにより新たな価値を提供しています。 | ロジスティクス事業 | 企業からの委託を受けて物流業務の改善に係るコンサルティングを行うとともに、荷物の輸送・保管・荷さばき等、一連の物流業務を一括受託するサービスを提供しています。 | 国際物流事業 | 新たな貨物分野における国際物流事業を展開し、増大する国際物流ニーズに対応しています。荷主ニーズの大きいアジアを中心に、小口貨物から大口貨物まで、国内外での総合物流事業の展開による一貫したソリューションを提供しています。 |
引用元:https://recruit.japanpost.jp/jpgroup/jp-post/
IR読み解き!日本郵便の売上・競合比較
ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。
売上・業績
下記は、日本郵便の直近の業績です。
▼日本郵便の業績(単位:億円)
経常収益 | 20,718(前期比563億円減) |
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経常利益 | 1,265(前期比225億円減) |
日本郵政の2021年3月期決算短信によると、郵便・物流事業において経常収益と経常利益は前年を比べて減少していることが分かります。新型コロナウイルス感染症の影響による巣ごもり消費増大などに伴ったEC利用の拡大によって荷物が増収となったものの、国際郵便/普通郵便の減少を補うには至りませんでした。
セグメント別の取り扱い数量売上
セグメント別取扱量単位:億円
日本郵便の取扱数量は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて累計で6%減少しています。ただし、ゆうパックは巣ごもり消費の増加により通販などのEC利用の拡大で前年より11%増加しています。メールやSNSなどの普及により、手紙などのアナログな通信手段を使う人が減り続けているため、郵便事業の取扱量は今後も減少傾向にあるといえるでしょう。
競合他社
運送業界における2020年から2021年の売上高は下記の通りです。
電気機器業界売上高
※日本郵政は郵便・物流事業の売上高です。
日本郵便の競合としては以下の企業が挙げられます。
- 日本通運
- ヤマトHD
日本通運は、自動車輸送や鉄道輸送、国際海上輸送、国際航空輸送など陸/海/空と多様な物流網で事業を展開しています。日本の物流を牽引しながら海外にも計744の拠点を持ち、国内で培ってきた強みを活かしたグローバルな物流サービスを提供しています。
ヤマトHDは、日本初となる路線物流事業や個人間荷物の取り扱いを始めた企業です。宅配便サービスの国内シェア1位の企業であり、国内のあらゆる個人・法人のお客様に高品質な小口輸送サービスを提供しています。個人のお客さまが5,000万人以上登録している「クロネコメンバーズ」など、利用者数の多さはトップクラスです。
業界の動向
運送市場は、ネット通販市場の拡大やフリマアプリによる個人間取引の増加により、取り扱い件数が増加しています。新型コロナウイルス感染症の影響で、通販サイトの利用率はさらに高まっているため、運送事業の需要が伸びています。ただし、運送業界は人手不足が続いており、ドライバーや作業員が不足しています。そのため、労働環境の改善に着手する動きがあるようです。 国内の運送事業は伸びを見せていますが、将来的には人口減少による市場の縮小が考えられます。それを受けて、大手運送会社はアジアなどの海外進出を強化しているようです。
国内の運送業界は、宅配便需要の伸びにより堅調な推移を見せていますが、将来的には人口減少などを背景に国内のネット通販も成熟、需要は頭打ちを迎えることになるでしょう。輸送大手では、今後を見据え成長著しいアジア市場への海外進出を強化させています。
引用元:https://gyokai-search.com/3-riku.htm
日本郵便の強み
ここからは、日本郵便の強みを見ていきましょう。
強み・特徴「全国に張り巡らされたネットワークとブランド力」
日本全国に、郵便局ネットワークが張り巡らされています。郵便局の数は24,341局となっており、地域社会に密着したサービスを提供していることが強みです。また、どこにでもある「郵便局ブランド」として、身近な存在であることも特徴のひとつです。生活の中で配達やATMなどを通して郵便を利用する人は多く、従業員数も約19万人と大規模な企業となっています。日本郵便の属する日本郵政グループは、郵便局ネットワークを通じて、郵便/貯金/保険の3つの事業を中心とした商品・サービスを「トータル生活サポート企業グループ」として提供しています。
引用元:https://www.japanpost.jp/ir/investor/index02.html
日本郵便の社風
ここからは、日本郵便の社風を見ていきましょう。
社風「デジタル技術の活用で新しいサービス作りに挑戦する」
日本郵便は、地域社会の課題を新技術を活用して解決しています。少子高齢化や過疎化に伴う人材不足、コロナ禍における「非対面・非接触」での受取へのニーズに対して、ドローンや配送ロボット、自動運転車などの技術を活用しています。また、スマートフォンで年賀状を作成できるサービスや、LINE上のやり取りだけで荷物の配達を依頼できる公式アカウント「ぽすくま」の運用など、利便性向上に取り組んでいます。アナログからデジタルに移行した新たな取り組みに挑戦するなど、現代のニーズに合わせたサービス作りを行なっています。
参考元:https://recruit.japanpost.jp/jpgroup/jp-post/
日本郵便の新卒採用
ここからは、2022年卒の新卒採用の応募条件や待遇について見ていきます。日本郵便は、企業の採用サイトで募集要項を公開していません。リクナビに記載されている募集要項を元に見ていきましょう。
募集要項
日本郵便の2022年卒募集要項は下記の通りです。
募集職種 | ■総合職 ■地域基幹職(窓口コース、郵便コース、コンサルタントコース) ■一般職(窓口コース、郵便コース) |
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仕事内容 | ■総合職 営業企画・推進、商品開発、経営企画、店舗管理、不動産業務、国際事業展開、ロジスティクス、オペレーション、情報システム等の企画・運営など多様な業務に携わります。 ■地域基幹職 【窓口コース】 郵便局の窓口で、商品・サービスの提供やお客さまのニーズに合わせたご提案などの営業活動を行うことが主な仕事です。 【郵便コース】 お客さまからお預かりした郵便物や荷物を住所ごとに仕分けし、お届けするほか、郵便局間の輸送のために仕分け等をする「郵便業務」や、切手・年賀はがきなどの郵便商品をご案内する「営業活動」を行うことが主な仕事です。 【コンサルタントコース】 個人のお客さまのお宅・職場や法人のお客さまの元にお伺いして、郵便局で取り扱うかんぽ生命保険の保険商品や資産運用商品を中心に、さまざまな金融商品の中から、お客さま一人ひとりのニーズに最適な商品を提供することが主な仕事です。 ※応募エリア内での転勤があり、将来の管理者・役職者候補としての活躍が期待されています。 ■一般職 【窓口コース】 郵便局の窓口で、商品・サービスの提供やお客さまのニーズに合わせたご提案などの営業活動を行うことが主な仕事です。 【郵便コース】 お客さまからお預かりした郵便物や荷物を住所ごとに仕分けし、お届けするほか、郵便局間の輸送のために仕分け等をする「郵便業務」や、切手・年賀はがきなどの郵便商品をご案内する「営業活動」を行うことが主な仕事です。 ※役職への登用や、転居を伴う転勤がありません。 |
応募資格 | ■総合職 2018年4月から2022年3月までに大学院・大学を修了・卒業(見込み)の方 ■地域基幹職 ■一般職 2018年4月から2022年3月までに大学院・大学・短大・高専・専門学校(専門課程)を修了・卒業(見込み)の方 |
給与 | ■総合職 修士了/220,500~246,960円 大学卒/212,500~238,000円 ■地域基幹職 修士了/177,200~198,460円 大学卒/174,800~195,780円 短大・高専・専門卒/172,300~194,880円 ■一般職 修士了/167,400~197,530円 大学卒/165,800~195,640円 短大・高専・専門卒/163,400~194,700円 ※月給制 ※配属地域等によって異なります。 ※このほかに、諸手当が支給されます。 ※既卒者の場合、最終学歴を基に初任給を算出します。 |
諸手当 | 扶養手当、通勤手当、住居手当、超過勤務手当等 ※住居手当は、一般職を除きます。 ※上記のほか、営業・勤務実績に応じて手当が支給されます。 |
勤務時間 | 1日8時間、1週40時間※なお、勤務種類により始業時刻・終業時刻は一定ではなく、また、勤務場所により変形労働時間制の適用となる場合があります。 |
保険 | 各種社会保険完備 |
求める人物像 | 「誠実」で、「情熱」と「高い志」を持ち、失敗を恐れず「チャレンジ」する人材 |
参考元:https://job.rikunabi.com/2022/company/r136130006/employ/
リクナビにて、求める人物像が次のように記載されています。
●求める人物像 “「誠実」で、「情熱」と「高い志」を持ち、失敗を恐れず「チャレンジ」する人材” ●選考基準 上記「求める人材像」を基本に人物重視の選考を行っております。
引用元:https://job.rikunabi.com/2022/company/r136130006/employ/
日本郵便は、人柄重視で選考を行っています。選考体験記でも「人柄が重視されているように感じた」との先輩の投稿があるため、明るく応対することを心がけながら誠実さやチャレンジ精神をアピールすることが大切です。
福利厚生
日本郵便は、基本的な福利厚生が整っています。社宅が利用できるため、入社後に引っ越しを考えている人も安心です。各種社会保険(健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険、雇用保険)が完備されており、財形貯蓄制度も用意されています。日本郵政グループは貯金事業や保険事業を取り扱っているため、金融関係について相談しやすくサービスを利用しやすいといえるでしょう。
●制度 ・各種社会保険完備 ・財形貯蓄制度 ・保険料払込団体 ・社員持株会 ●諸施設 ・社宅(世帯用・独身用) ※所定の入居要件あり ・レクリエーション施設 ・付属医療機関(逓信病院)
引用元:https://job.rikunabi.com/2022/company/r136130006/employ/
企業研究のポイント
日本郵便の企業研究について、下記の先輩はサマーインターンシップに参加することで業務内容や企業の雰囲気を掴んだとのことです。サマーインターンの職業体験に参加することで、志望動機や入社後にやりたいことを具体的に話せるようになります。インターンシップ参加者は全員リクルーターを付けてもらえるため、選考対策を有利に進められるでしょう。
実際に選考通過した先輩の声
まずは夏開催の6DAYS(2022年度はコロナウイルスの影響で4DAYSでした)のサマーインターンシップに参加することで会社全体の業務内容や雰囲気を掴みました。いくつかの部署で職業体験をさせていただけるので、志望動機や入社後やりたいことを面接で話す際に役立ったと思います。多くの社員さんと直接お話することができるので、日本郵便で働くリアルについても詳しくお話を伺うことができました。初期配属やキャリアプランのことについて確かな情報を仕入れるには多くの社員さんにお話を伺うのがベストだと思います。また、インターンシップ参加者には全員リクルーターを付けていただけるので、何か個人的に質問がある場合にも対応していただけます。
実際に選考通過した先輩の声
少なくとも会社の採用ページは隅から隅まで目を通し、自分なりにノートにまとめた。また、採用ページのみならず、ESGデータ集なども見て、女性の活躍や新卒社員の定着率、育休・有給取得率等もチェックした。 また、選考中に必ず逆質問の時間が設けられており、そのウエイトも多い方だと思うので、その時間を活用し、自分の気になったことは正直に質問した。例えば、「民営化したとはいえお堅い雰囲気が残っているのではないか」や「公務員として入社した人と、民営化後に入社した人が一つ屋根の下で働く際の働きにくさはあるか」など。各社員の方に異なる質問を投げかけた方が多くの情報を聞けるかもしれないが、私は質問をいくつかに絞り、それぞれの社員さんに同じ質問をし、別々の回答になるのか、同じ答えになるのかを確かめていた。
ここで紹介したのは先輩が投稿してくれた口コミの一部です。更に詳しい口コミもあるので、ぜひ読んでみてくださいね。
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