【就活ガイド】株式会社りそな銀行の企業研究〜企業分析で選考突破〜
株式会社りそな銀行は大手金融グループや財閥に属していないものの、首都圏・関西圏を中心に地域密着型で事業を展開しており、高い知名度を誇ります。風通しが良く、立場に関わらず意見を発信しやすい社風も就活生から人気です。 この記事ではりそな銀行の基本情報や業界内での立ち位置をもとにお伝えするとともに、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。りそな銀行の選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。
りそな銀行の会社概要
まずはりそな銀行について理解しましょう。 ここではりそな銀行の選考に通過した先輩たちが行った企業研究と、その社風などをお伝えします。
りそな銀行の基本情報
| 会社名 | 株式会社りそな銀行 |
|---|---|
| 業界 | 金融・銀行 |
| 本店所在地 | 大阪市中央区備後町2丁目2番1号 |
| 事業所 | ・有人店舗数：323店 ・店舗外ATM：543ヵ所 ※共同出張所、バンクタイムを除く |
| 設立日 | 1918年5月15日（営業開始日2003年3月3日） |
| 経常収益 | 4,909億円（2021年度） |
| 従業員数 | 8,440人（2022年３月31日現在） |
| 資本金 | 2,799億円 |
| 平均年齢 | 40.5歳 |
| 初任給 | 大学院卒：230,000円 四年制大学：205,000円 短大・専門学校卒 ：175,000円 |
| 福利厚生・社内制度 | ・休暇 有給休暇（初年度16日、2年目以降20日）、連続休暇（5営業日）、半日休暇、配偶者出産休暇等 ・保険加入状況 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労働者災害補償保険等 育児・介護休業、育児・介護時短勤務など |
| 過去の採用人数 | - |
| 経営理念 | 【りそなグループ経営理念】 りそなグループは、創造性に富んだ金融サービス企業を目指し、 お客さまの信頼に応えます。 変革に挑戦します。 透明な経営に努めます。 地域社会とともに発展します。 |
| 代表者 | 岩永 省一 |
| 事業内容 | 銀行業 |
事業内容
ここでは、採用コース毎の担当業務を説明します。
| コース名 | 詳細 |
|---|---|
| ソリューションフィールド | ・コーポレーションソリューション ・コーポレートファイナンス ・国際業務 ・事業継承 ・経営コンサルティング （プライベートバンキング、企業オーナー取引、相続業務、投資商品・ローン企画、不動産有効活用） |
| カスタマーサービスフィールド | ・コンシューマーソリューション ・資産形成サポート ・資産運用相談 ・ローン相談 ・セブンデイズプラザ （プライベートバンキング、企業オーナー取引、相続業務、投資商品・ローン企画、不動産有効活用） |
| 専門職 | ・デジタルトランスフォーメーション ・IT企画 ・データサイエンスクオンツ ・アセットマネジメント ・マーケット ・アクチュアリー 不動産ビジネス |
大きく分けると、ソリューションフィールドは法人向け事業、カスタマーフィールドは個人向け業務、専門職は業界の中でよりプロフェッショナルな知識を要する業務です。専門職からは7つのコースに分かれています。
ソリューションフィールドでは法人営業、事業承継、M&A、事業戦略コンサルティングなどを主に担当し、海外業務や本部業務を担当することもあります。 カスタマーサービスフィールドではいわゆる窓口業務が中心となります。 共通した業務として、相続業務や投資商品・ローンの企画をおこなうことがあります。
IR読み解き！りそな銀行の売上・競合比較
ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。
売上・業績
りそなホールディングスの直近4年間の業務粗利益を見てみましょう。
連結業務粗利益
2019年度から2021年度にかけて業績が若干右肩下がりです。2020年度はコスト面では人件費、物件費ともに改善できているものの、国内預貸金利益や有価証券利息配当金がともに減少、コロナ長期化を見据えて引当を計上といった影響により、業績は全体的にマイナスとなりました。
2021年度は、投信・ファンドラップの資産形成サポート業務、不動産やM&Aの承継関連業務などは好調だったものの、MBS（資産担保証券）・私募債売却益の剥落などにより債券関係損益が減少しました。また、コスト面では新営業店システム関連費用の増加により物件費が増加しています。
セグメント別の売上
りそな銀行では、セグメントを下記の3つに分けています。
- 個人部門
主として、個人のお客さまを対象として、個人ローン・資産運用・資産承継等に係るコンサルティングを中心とした事業活動を展開しております。 - 法人部門
主として、法人のお客さまを対象として、企業向貸出、信託を活用した資産運用、不動産業務、企業年金、事業承継等、事業成長のサポートを中心とした事業活動を展開しております。 - 市場部門
主として、資金・為替・債券・デリバティブ等につきまして、金融市場を通じた調達と運用を行っております。
2021年度の各セグメントの業務粗利益は下記の通りです。
▼セグメント別業務粗利益（億円）
| 個人部門 | 法人部門 | 市場部門 | |
|---|---|---|---|
| 業務粗利益 | 1060 | 2162 | -17 |
法人部門での業績が高くなっています。市場部門は2020年度は業務粗利益450億円だったものの、2021年度はマイナスとなっていました。
競合他社
銀行業界内での連結経常収益を比較していきます。2021年度で比較していくと、りそな銀行は業界第6位の業績になっています。
連結経常収益
三菱UFJ銀行は3大メガバンク（三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行）の中でも圧倒的に高い業績を誇ります。業界をけん引する存在であり、日本を代表する銀行であることは三菱UFJ銀行の大きな強みです。 また、三菱UFJ銀行はグローバルな事業展開にも積極的です。2021年度の地域別セグメント情報を見てみると、国内と海外での業績の割合は約半分となっています。 今後、三菱UFJ銀行は日本のみならずアジアを代表する金融機関を目指していく姿勢です。
みずほ銀行は、約2,400万人の個人顧客を有しています。日本国民の5人に1人がみずほ銀行の口座をもっているということになります。強固な顧客基盤を築いていることが分かりますね。
ゆうちょ銀行は日本郵政グループの銀行です。全国の郵便局に窓口があることもあり、総店舗数（23,734店）とATM設置台数（31,774台）は国内随一となっています。
業界の動向
銀行業界は、2020年に業界全体の業績が落ち込みました。これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことが大きな要因です。行動規制が発せられたことで消費が低迷し、金融分野全体がマイナスの影響を受けています。貸倒引当金（※）の計上が増えたことも収益が低下した原因となっています。
※貸倒引当金（かしだおれひきあてきん）とは、貸倒損失によるリスクに備え、損失になるかもしれない金額を予想して、あらかじめ計上した引当金です。
引用元：https://freeway-keiri.com/blog/view/184
また、日本では2016年よりマイナス金利政策が導入されています。銀行の貸出金を増やすことで消費を促し、景気を良くすることがマイナス金利政策の狙いではあるものの、銀行としては収益性が低下したことで痛手となっています。
銀行業界においては、数年前よりネットバンクも注目されています。ネットで口座を開設できる手軽さや、店舗を持たない分手数料が抑えられている点がメリットとなっています。 ネットバンクがどこまで伸びてくるのかも今後着目する必要があるでしょう。
りそな銀行の強み
ここからは、りそな銀行の強みを見ていきましょう。
強み・特徴「リテールに特化した事業展開」
先の見出しで述べた通り、りそな銀行は首都圏・関西圏を中心とした地域密着型の運営をしています。知名度も高く、金融グループや財閥に属さないながらもメガバンクのような全国ネットワークを所持しています。
また、リテールのお客さまを中心とした事業展開をとっており、大企業との取引が少ないことが特徴です。大企業取引では比較的貸出利回りが低いため、リテールのお客さまがメインのりそな銀行では収益源となる預貸金利回り差が大きくなっています。
貸出金ポートフォリオの比較
預貸金利回り差の比較
りそな銀行の社風
ここからは、りそな銀行の社風を見ていきましょう。
社風「立場に関わらず意見を発信しやすい」
りそな銀行は、社歴や性別、役職に関わらず意見を発信しやすい企業です。採用サイトの社員インタビューに下記のような記載がありました。
多くのプロジェクトがある中で、私は「りそな」の魅力をより地域へ広げていく施策を考案する「伝わるプロジェクト」へ参加しました。支店・本部の垣根を越えて若手メンバーが集い、ディスカッションを行うもので、私たちは従業員調査の結果から見えてきた「りそな」の良さをお客さまに伝えていく案を企画。最終的には経営層へプレゼンテーションを行う機会にも恵まれました。支店で法人営業を担うと同時に、「りそな」の価値向上に寄与する活動に関わることができ、視野の広がりを実感。性別や役職にとらわれず、誰もが手を挙げられる風土が「りそな」の大きな魅力だと感じています。
引用元：http://www.resona-saiyo.com/shinsotsu/businessfield/01/05/
風通しが良く、若い社員も意見を言いやすい環境が「りそな」にはあります。私自身、担当役員に対して意見を伝える機会も多くあり、時には熱い議論を交わすこともあります。銀行を変えていくためには、年齢や立場に関係なく、いい意見は取り入れる、そういった社風が大事だと思っています。
引用元：http://www.resona-saiyo.com/shinsotsu/businessfield/02/09/
りそな銀行では社員が経営陣へ直接意見を言える機会を設けているため、立場に関わらず発言しやすい企業風土が根付いていると考えられますね。若手のうちからどんどんアイディアを発信していきたいという主体性のある人にマッチする環境といえるでしょう。
りそな銀行の新卒採用
ここからは、2023年卒の新卒採用の応募条件や待遇について見ていきます。
募集要項
2023年卒募集要項は下記の通りです。りそな銀行では9つのコースがあり、応募時に選択して選考を受けます。コースによって業務内容が異なるため、採用サイトを参考に、違いをよく理解したうえで応募するようにしましょう。勤務地に関しては、エリア固定や全国勤務などを選択できるようになっています。
| 募集職種 | ・ソリューションコース ・デジタルトランスフォーメーション（DX）コース ・IT企画コース ・データサイエンス・クオンツコース ・アセットマネジメントコース ・マーケットコース ・アクチュアリーコース ・不動産ビジネスコース ・カスタマーサービスコース |
|---|---|
| 業務内容 | コースにより異なります。 |
| 応募資格 | ・カスタマーサービスコース 2020年4月～2023年3月に四年制大学以上または短大、専門学校を卒業・卒業見込の方 ・その他のコース 2020年4月～2023年3月に四年制大学以上を卒業・卒業見込の方 |
| 給与 | ■初任給 大学院卒：230,000円 四年制大学：205,000円 短大・専門学校卒 ：175,000円 ■賞与 年2回（6月、12月） |
| 諸手当 | 通勤交通費全額支給（通勤交通費支給規程による） |
| 勤務地 | 株式会社りそな銀行 本支店 株式会社埼玉りそな銀行 本支店 |
| 勤務時間 | ・午前8時40分～午後5時25分（休憩1時間） ・所定勤務時間外労働：有 |
| 保険 | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労働者災害補償保険等 |
求める人物像は明記されていませんが、採用サイトの社長インタビューで下記のように発言しています。
“志”、“バイタリティ”のある若者と一緒に未来を語って 自分たちでどういう未来を切り拓いていくかに対して 一緒に考え、一緒に仕事の中で実現していきたいです。 銀行の根っこから変えていかなければならないことも あると思っています。 若い方々にとっての活躍の場面が 広がっていきますので ともに知恵を出し合って汗をかきながら 前に進んでいきたいです。
引用元：http://www.resona-saiyo.com/shinsotsu/topmessage/
りそな銀行は、若手社員のアイディアや主体的な活躍を求めていると読み取れます。選考では、躊躇せずにどんどん発言できる主体性をアピールできるといいですね。
福利厚生
りそな銀行は従業員満足度を重視しているので、福利厚生や社内制度も整っていると言われています。
ワークライフバランスを重視し、とくに妊娠出産前後や介護が必要になったときも退職せずに仕事を継続できるような環境が整っています。
その他の社内制度
キャリア面に関しては、自分で目的意識を持ってキャリアアップをしていけるように自己選択型キャリア形成の支援をしています。 基本的に働く地域も自分で「関東」「関西」「全国」など自分で選択をし、入社後2年は集合研修と現場での研修をし、しっかりと業務を身に着けます。サポート体制がしっかりとしているので、いきなり現場に出るのが不安という人に合っている環境でしょう。 3年目以降は専門性を高める研修や、役職を上げるための研修など個人の目指すキャリアに向けての研修を受けることができます。
そのほか、代表的なキャリア形成制度としては下記の3つが挙げられています。自分で手を挙げ、積極的に経験を積んでいける会社といえるでしょう。
- ポストチャレンジ制度
- FA制度
- キャリアチャレンジ制度
企業研究のポイント
りそな銀行企業研究では、業界内でも特殊なビジネスモデルであることをしっかりと理解することが大切です。
インターンでは詳しく企業説明があり業務理解がとても進むという口コミが共通して多くありました。エントリーした学生には企業理解をしてもらうためのイベントの案内があるとのことなので、ぜひ積極的に参加して情報を獲得しましょう。
「企業研究」で行ったこと、調べて役に立ったこと
本選考前に数多くのイベントが用意されている。1dayの営業体験のインターンは、銀行業務を理解するのにかなり役立ち、その中でのりそなの強みは何なのか理解することができた。また、1dayインターンにも関わらず、社員座談会の時間も多く用意してもらえる。りそなのイベントに参加する際は、事前に質問を考えておくと、有意義であると思われる。 また、本選考においても、進むと一対一で現役若手社員と話す機会が与えられる。若手社員と話して以降は、性格面のマッチングが重視される面接が続く。社員の方々と多く関われる機会を活かし、自分の人生の理想と、りそなの良いところをうまくマッチングさせれば、内定は比較的取りやすいと思われる。
「企業研究」で行ったこと、調べて役に立ったこと
企業研究をする際に、基本的には同業他社と比較することで、その企業の強みであったり、弱みであったり、人柄や社風などを自分の中に落とし込んでいきました。 調べた方法としては、インターンシップに参加するなど、OB訪問をするなど、ネットで調べるなどに重点を置いておりました。 りそな銀行を調べるにあたって、メガバンクとよく比較して企業研究をしておりました。どうしてメガバンクではなく、りそな銀行なのかをしっかりと伝え、差別化することが大事だと思っていたからです。資産や収益、ネットワーク、給与などではメガバンクには届いていなかったので、それ以外の数値化することができない人柄や社風などで差別化するにしておりました。
「企業研究」で行ったこと、調べて役に立ったこと
りそな銀行は、グループの過去の出来事が今の業務に大きく影響しているのでそれを理解しておくこと。安易に海外展開が出来ないことになっている。これを知っているだけで大きく差別化できると思う。 メガバンクと地銀の間のポジション、業務内容となっているので、メガバンクではなく地銀ではなく、なぜりそななのかを明確に説明できるようにしておくこと。りそな的にも、メガバンクに学生が逃げられるのは痛いと思うので、説得力ある説明が大切だと思う。 私はOBOG訪問をしていなかったが、社員に聞いてもらい、社員の心に刺さるか試してみるのがベストだと思う。 中期経営計画をみて、りそなが今後どのような戦略をとるのか理解は必須。特にリテールでどう差別化するつもりなのか理解できる。
ここで紹介したのは先輩が投稿してくれた口コミの一部です。更に詳しい口コミもあるので、ぜひ読んでみてくださいね。
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この記事を書いた人： 就活会議編集部
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