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CREATED ON 2021.06.30 | UPDATED ON 2023.09.27

【就活ガイド】豊田通商株式会社の企業研究〜企業分析で選考突破〜

商社・卸
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この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
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就活をする上で絶対に欠かせない企業研究。この記事では豊田通商株式会社の基本情報や業界内での立ち位置をもとにお伝えするとともに、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。豊田通商の選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。

【企業研究】豊田通商はどんな会社?

豊田通商の会社概要と社風

まずは豊田通商の企業概要と社風をみていきます。

豊田通商の基本情報

会社名 豊田通商株式会社
業界 総合商社
本社所在地 名古屋本社(本店)
〒450-8575 名古屋市中村区名駅四丁目9番8号(センチュリー豊田ビル)
電話:052-584-5000(代表)

東京本社
〒108-8208 東京都港区港南二丁目3番13号(品川フロントビル)
電話:03-4306-5000(代表)

大阪支店
〒542-8550 大阪市中央区南船場四丁目3番11号(大阪豊田ビル)
電話:06-6244-5000(代表)
グループ会社数 豊通鉄鋼販売(株)/グリーンメタルズ(株)/豊田スチールセンター(株)/豊通リサイクル(株)/豊通マテリアル(株)/(株)豊通マシナリー/豊通エネルギー(株)/(株)ユーラスエナジーホールディングス/(株)TDモバイル/(株)ネクスティ エレクトロニクス/(株)トーメンデバイス/豊通ケミプラス(株)/豊通物流(株)/O-RUSHインターナショナル(株)/関東グレーンターミナル(株)/豊通食料(株)/第一屋製パン(株)/豊通ファッションエクスプレス(株)/豊通保険パートナーズ(株)/福助(株)/Toyota Tsusho America, Inc./Toyota Tsusho Europe S.A./Toyota Tsusho Asia Pacific Pte. Ltd. 他 計約1,000社(2020年3月31日時点)
設立日 1948年7月1日
売上高 6兆6,940億7,100万円(2020年3月期/連結/IFRS基準 )
従業員数 単体 3,439名(出向者を含み、受入出向者を除く)
連結 66,067名
資本金 649億3千6百万円
初任給 ■グローバル職
大学卒 :235,000 円(2021年3月時点) ※既卒者含む
大学院(修士)了 :270,000 円(2021年3月時点) ※既卒者含む
※2020年4月より適用
※既卒者につきましては最終学歴からの職歴が2年未満の方とさせていただきます
※試用期間3カ月あり(期間中も待遇は変わりません)
福利厚生・社内制度 独身寮・社宅、保養所、提携先施設(宿泊施設・スポーツクラブ 他)、社内クラブ活動、各種チケット割引、カフェテリアプラン制度 他
採用人数 51~100名
経営理念 人・社会・地球との共存共栄を図り、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指す。
代表者氏名 取締役社長 貸谷 伊知郎(カシタニ イチロウ)
事業内容 各種物品の国内取引、輸出入取引、外国間取引、建設工事請負、各種保険代理業務 等

部門別の事業内容

豊田通商では下記の7つの事業を展開しています。

主な商品・サービス 内容
金属 普通鋼、特殊鋼、建設鋼材、非鉄金属地金、貴金属地金、軽圧品、伸銅品、鉄くず、非鉄金属くず、合金鉄、銑鉄、使用済み自動車・部品、廃触媒、レアアース・レアメタル 他 自動車分野をはじめとして、国内外で各商品の加工を含めた総合物流ニーズに応じた事業で、日々お客さまの生産活動をサポートしています。
グローバル部品・ロジスティクス 自動車用構成部品、物流事業、タイヤ組付事業 他 世界各国の自社物流拠点を活用し、受発注・在庫管理などの需給管理機能を付加した最適一貫物流を提供することで、部品安定供給、輸送コストの低減、納期短縮、在庫削減を実現しています。用品・資材分野では、商品企画・設計開発から部材供給・生産準備・品質管理までさまざまな付加価値を提供しています。
自動車 乗用車、商用車、二輪車、トラック、バス、産業車輛、車両部品、販売周辺事業(小・中規模生産、架装、中古車、販売金融等) 他 これから本格的なモータリゼーションを迎える新興国を中心に46カ国で総輸入販売代理店や販売店などの事業経営を展開し、オペレーションの充実化に取り組んでいます。
機械・エネルギー・プラントプロジェクト 自動車産業向けを中心とした製造・物流設備、部品・工具類、建設機械等の国内外取引および付帯する設計・修理・据付工事等の一貫したサポート機能の提供
風力・太陽光、水力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギー発電を中心としたエネルギー関連事業開発およびその運営従来燃料に加え、バイオ燃料等の国内外取引および空港・港湾等のインフラ整備と事業運営
各種機械・設備を調達・販売するだけでなく、企画・提案や技術開発、品質管理、効率的な物流、据え付け、アフターサービスに至るまでトータルにサポートし、お客さまの生産体制の構築に貢献しています。
化学品・エレクトロニクス 自動車用構成部品、半導体・電子部品、モジュール製品、自動車用組込みソフト、ネットワーク構築・保守・運用・ヘルプデスク、情報通信機器、海外ITインフラ輸出、パソコン・周辺機器および各種ソフトウェア、ITS(インテリジェント トランスポート システムズ)機器、合成樹脂、ゴム、電池・電子材料、精密無機化学品、油脂化学品、添加剤、医薬品および医薬品原料 他 自動車材料事業では、原材料の調達、コンパウンド、在庫・物流、部品加工まで一貫した機能をグローバルに展開しており、化学品事業では幅広い商品群で川上・川中・川下のバリューチェーンを構築しています。電子デバイス事業では、国内と海外の拠点を駆使して新技術提案とQCDS(品質・価格・デリバリー・アフターサービス)管理による電子デバイスの安定供給を実現。情報産業事業では各事業領域でグローバルにICTサービスを提供していきます。
食料・生活産業 飼料原料、穀物、加工食品、食品原料、農水畜産物、酒類、損害・生命保険、証券仲介、繊維製品、衣料、介護・医療関連用品、建築・住宅資材、オフィス家具、総合病院事業、ホテルレジデンス事業 他 人々の暮らしを支える商品・サービスを幅広く提供しています。Life & Community 分野を担う主力本部として、最終消費者を常に念頭に置きながらビジネスを進めています。
アフリカ 自動車、ヘルスケア、消費財、リテール事業などを中心に製造・販売・サービスを行う他、電力インフラ、農業、 ICTなどアフリカの課題解決につながる分野で新規事業の開発に取り組んでいます。 「WITH AFRICA FOR AFRICA」という理念の下、アフリカの人や社会と共に成長することを目指し、事業基盤のさらなる強化と拡大に取り組んでいます。アフリカにおける真のリーディング企業となるべく、事業創造のみならず、人材育成や社会貢献活動を通じてアフリカの自立的発展に貢献しています。

やはりトヨタ自動車のグループ会社である豊田通商は自動車事業だけではなく、他つの事業それぞれの中でも自動車に関連する製造や加工、販売などを手掛け、自動車関連事業を主軸としています。その他の事業は、2000年に加商、2006年にトーメンと合併することでインフラ分野や化学品分野、食料分野など領域を広げてきました。

また、豊田通商はアフリカ事業にも力を入れて取り組んでいます。アフリカとは1922年に手掛けた綿花の輸入から始まり、ほぼ1世紀の関わりの中で自動車の取り扱いや発電関連で事業を拡大することで存在感を高めていました。そんな中、2012年にアフリカを中心に自動車や医薬品を取り扱う、フランスの商社CFAO S.A. へ資本参加を実施し、2016年に完全小会社化したことがアフリカで事業基盤を固める大きなきっかけになりました。

豊田通商は「WITH AFRICA FOR AFRICA」という理念の下、現地に深く根付きながらアフリカの人々と共に成長していくという長期的視野で、事業創造に取り組んでいます。アフリカにおける真のリーディング企業となるべく、「事業創造」のみならず、「人材育成」や「社会貢献活動」を通じてアフリカの自立的発展に貢献しています。

引用元:https://www.toyota-tsusho.com/about/guide/

主力事業とシェア

豊田通商のセグメント別の売上総利益を見てみましょう。

2020年度セグメント別営業収益(億円)

引用元:https://www.toyota-tsusho.com/ir/library/briefs/upload_files/2021034Q_KessanTanshin%28J%29.pdf

自動車関連事業を主軸に事業を展開してきた豊田通商ですが、2020年度の売上の内訳は、「化学・エレクトロニクス」と「アフリカ」のシェアが高くなっています。「化学・エレクトロニクス」は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け前年度比では減収となっていますが、「アフリカ」と「食料・生活産業」の二つは影響がある中でも成長しており、今後の豊田通商の売上をサポートする事業となっていくでしょう。

豊田通商の社風

新卒採用サイトにある社長メッセージでは、社風について「人を大切にし、チャレンジを後押しする風土・文化が根付いている」と明記されています。

2つ目は、人を大切にし、チャレンジを後押しする風土・文化が根付いていることです。私自身、当社の5つの本部を経験しています。スペシャリストとして1つの分野を極めていくだけではなく、チャレンジをしたい人は、さまざまな経験を積みながら、プロとしての多様性を身に付けられる環境があります。 豊田通商は減点主義ではなく加点主義、勉強の機会や伸びる機会を与えられる企業であると思っています。

引用元:https://www.toyota-tsusho-recruit.com/saiyo/topmessage/ 豊田通商にはチャレンジポスト制度やチャレンジローテーション制度など、社員のキャリア志向と意欲を尊重し応援する制度があります。この制度や、社長が5つの本部で経験を積んできたように、豊田通商には個人のキャリアプランに合わせて、幅広い事業の中で必要な経験ができる環境が整っているという点で、人を大切にする風土があると言えます。チャレンジを後押しする風土に関しては、社員インタビューで下記のような声がありました。

豊田通商が行う石油ビジネスは、一人が担当する範囲が広く、何でもやれる面白さがあると感じています。エリア軸や商品軸を越えて、私自身、挑戦しよう、開拓しようと取り組む時に、今まで上司から「ダメだ」と言われたことは一度もありません。原油担当ですが、重油の話が出ればそのビジネスを形づくることもできます。自らの意志で訪問した国も21カ国におよびます。ビジネスの芽を自ら探し、形にしていく面白さ、若手のうちからチャレンジしていける面白さが、豊田通商にはあふれていると思います。

引用元:https://www.toyota-tsusho-recruit.com/saiyo/chuuzai/sp13/ 「挑戦しよう、開拓しようと取り組む時に、今まで上司から「ダメだ」と言われたことは一度もありません」という言葉からも、豊田通商には社員の勉強の機会や伸びる機会を妨げず、チャレンジを後押しする社風があることがわかります。

福利厚生・社内制度

豊田通商では、2014年から「Diversity & Inclusion 」の考え方を導入しており、多様な人材が活躍できる職場づくりを推進しています。そのため結婚・妊娠に対する制度だけでなく、介護やキャリア開発に関する多様な制度が充実しているのが特徴です。様々な属性の社員が互いの「違い」に関わらず、組織に平等に参加しその能力を最大限発揮できるような環境が整っています。

キャリア支援に関する制度 新入社員導入研修・フォローアップ研修
若手・中堅社員向け階層別研修
マネジメント向け階層別研修
実務知識講座
コーポ各部主催 ビジネススキル研修
OJTリーダー研修
語学研修制度
海外赴任前研修
自己啓発
キャリアロードマップ
チャレンジローテーション制度
チャレンジポスト制度
表彰制度
ワークライフバランスをサポートする制度(抜粋) 産前産後休暇
育児休業
育児短時間勤務制度
子の看護休暇
その他 母性保護制度
フレックスタイム制度
在宅勤務制度
キャリアブリッジ制度
配偶者の海外転勤帯同による休職制度
福利厚生(一部) 借上げ独身寮・社宅
保養所
提携先施設(宿泊施設・スポーツクラブ ほか)
社内クラブ活動
各種チケット割引
カフェテリアプラン制度

募集職種・募集要項

2022年卒募集要項は下記の通りです。豊田通商は、総合職と一般職という分け方ではなく、グローバル職と地域限定職という分類をしています。転勤の有無で差があるだけで、担当可能な業務範囲は共通しています。2022年卒採用では地域限定職の募集予定はないそうなので、応募する際は注意しましょう。

募集職種 グローバル職
給与 四年制大学卒 月給 235,000円+住宅手当 20,000円(※2021年3月現在)
大学院・六年制学部卒 月給 270,000円+住宅手当 20,000円(※2021年3月現在)
※住宅手当は支給要件に該当する場合のみ
諸手当 住宅手当(20,000~50,000円 支給条件有)、通勤手当、残業手当、国内・海外出張手当 他
勤務地 国内、海外の各拠点
勤務時間 就業時間9:00~17:45
フレックスタイム制:コアタイム11:00~14:00
保険 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険、財形貯蓄制度、確定拠出年金制度、従業員持株会制度 他

豊田通商の強み・競合他社・業界分析

豊田通商は総合商社の業界に分類され、競合としては、7大商社と呼ばれている三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、双日があげられます。総合商社は幅広い事業を手掛けていることが特徴です。

「ラーメンから航空機まで」という言葉で表されるように、総合商社は、身近な食料品から産業の根幹をなす石油や天然ガスなどの資源、さらには金融から宇宙開発まで、あらゆる事業を手掛けている。欧米には存在しない日本独特の業態であり、海外においても「Sogo Shosha」と呼ばれている。

引用元:https://job.mynavi.jp/conts/2022/keyword/gyoukai/g11.html

総合商社業界売上高(単位:億円)

(2019 - 2020年) 参考元:https://gyokai-search.com/4-syosya-uriage.htm

総合商社業界の2020年度の売上高では、豊田通商は5位という結果になりました。2019年度の売上高と比較して、住友商事が資源価格の下落やボリビア銀・亜鉛・鉛事業で減益となったことが原因で売上高が大幅に下がったことにより、豊田通商が5位に上昇しています。

ワンキャリアのインタビューの中では、豊田通商の中で収益の柱である「自動車関連事業」とアフリカでのプレゼンスNo.1を目指している「アフリカ事業」の2つが豊田通商の最大の強みであると答えています。

豊田通商は「本籍地:トヨタグループ 現住所:商社」として、トヨタグループの一員でありながら、グループのビジネスを超えた役割を果たすことを目指しています。再生可能エネルギー事業や穀物インフラ事業など、幅広く事業を展開していますが、中でも、「自動車関連事業」と「アフリカ事業」の2点が、他の総合商社から一線を画す強みです。

引用元:https://www.onecareer.jp/articles/1185 自動車関連事業ではトヨタグループ各社を中心に、日本国内で生産された自動車や、トラック・バス、産業車輌、二輪車、補給部品などの輸出と、海外生産車の第三国への輸出など、世界46カ国に事業経営を展開しています。自動車分野で培ったバリューチェーンを強みとしており、今後は自動車以外の領域にも展開することで収益増加につながる事業構築を進めていくようです。また、市場開拓を積極的に進めるとともに、新たなモビリティサービス領域での知見を獲得することで、ヒトやモノの移動に関するさまざまな課題解決に取り組んでいくとしています。

このように、営業本部別のタテ割りの組織をベースとしながらも、各機能という横軸をしっかりと通すことで、各本部の機能を一連の流れ(=バリューチェーン)として結び付け、当社独自の強固なバリューチェーンを構築しています。そして、その中で現地・現物・現実を見て、付加価値の向上にコミットしていくことが当社の最大の強みとなっています。

引用元:https://www.toyota-tsusho.com/about/project/10/ また、アフリカ事業では1922年の東部アフリカにおける綿花の輸入のあと、1964年には自動車輸出業を開始、1991年には自動車販売業が開始、2000年に南アフリカへ統括拠点を設置し2001年には英国商社より東南部アフリカ6カ国の自動車事業を買収するなどして事業を拡大させてきました。自動車関連だけでなく、電力需要が急増したことへの対応としてインフラビジネスの投資活動を活発化させるなど、アフリカ現地に根付いた事業を展開することで「WITH AFRICA FOR AFRICA」という理念を体現しながら活動を広めています。

IR読み解き!深堀り研究〜事業規模・資本構成・ビジネスモデル〜

ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。

経営方針

2024年3月期に向けた豊田通商の中期経営計画より経営方針を読み解いていきます。

豊田通商は「人・社会・地球との共存共栄を図り、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業を目指す」という企業理念とともに「Be the Right One」というビジョンを掲げています。

豊田通商は「Be the Right One」となる事を追求し続け、実現を目指します。 The Right ONE for you ステークホルダーの現場ニーズに応え、最適な安全・サービス / 品質・信頼を提供しますThe Right ONE for us 一人ひとりの力の最大化に努め、組織・地域・性別・国籍を超えて結束し、総合力を発揮します The Right ONE for future 我々の強みや知見を培い、発揮することで、持続可能な社会と未来を切り拓きます

引用元:https://www.toyota-tsusho.com/company/vision.html[https://www.toyota-tsusho.com/company/vision.html]() 中期経営計画では、このビジョンと豊田通商のグループウェイである「現場・現物・現実」「商魂」「チームパワー」の3つを基礎として、下記の重点分野への取り組みを強化しながら、お客様にとって“唯一無二の存在”になる事を目指していくとしています。

重点分野 施策
ネクストモビリティ 安全で快適なモビリティ社会の実現に貢献
・リチウムの生産能力増進
・CASEへの挑戦
※Connected(つながる化)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、 Electric(電動化)の頭文字
再生可能エネルギー 脱炭素社会移行に貢献
・北海道北部地域における事業展開
・ベトナム ノイファット水力発電所
・秋田県沖洋上風力発電事業の共同開発に向けたコンソーシアム組成
アフリカ 開発途上国の社会課題の解決
・モビリティのバリューチェーン拡大と強化
・KD(ノックダウン)事業の推進
・商品ラインアップ強化
・モビリティ以外の事業領域の拡大
・現地生産/地産地消の促進
循環型静脈事業 循環型社会に貢献
・国内ELVシュレッダー/海外ELV解体事業
・バッテリー3Rビジネス(リビルト、リサイクル、リユース)
保険 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険、財形貯蓄制度、確定拠出年金制度、従業員持株会制度 他

また、ビジョンに関連して、豊田通商はサステナビリティの考えも重要視しています。経営の中で、優先的に取り組んでいくものをサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)として位置付け取り組みを強化することで、「Be the Right One」の実現を目指しています。重要課題は以下の6つです。

・安全で快適なモビリティ社会の実現 ・脱炭素社会への移行 ・循環型社会の構築 ・アフリカをはじめとした開発途上国の成長と社会課題の解決 ・安全とコンプライアンスの遵守による社会に信頼される組織であり続ける ・「社会に貢献する人づくり」への取り組み

豊田通商にとってのサステナビリティは、「経営そのもの」であり、グループの存在意義とあるべき姿を示し、経営に取り組む意志を明らかにした「企業理念」を実現する中で、環境や社会を前提条件としながら経済的価値を創出し、豊田通商グループが社会と共に持続的に成長し続けることと定義しています。

引用元:https://www.toyota-tsusho.com/csr/ttc/philosophy.html

売上・財務状況

売上(収益)と利益

豊田通商の2021年度3月期の決算をもとに、売上と利益における傾向をみていきます。 2020年度の決算では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が自動車生産関連の取り扱いや販売に影響し、通年の業績結果としては減益となりました。細かく見てみると、自動車事業では海外自動車販売会社の取扱台数減少が大きく影響しています。また、その他のセグメントごとの業績と増減要因は下記のように記載があります。

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。 (Ⅰ)金属 当期利益(親会社の所有者に帰属)については、自動車生産関連の取り扱い減少の一方で持分法による投資損益の増加等により、前連結会計年度を36億円(18.7%)上回る225億円となりました。 (Ⅱ)グローバル部品・ロジスティクス 当期利益(親会社の所有者に帰属)については、自動車部品の取り扱い減少等により、前連結会計年度を23億円(10.3%)下回る200億円となりました。 (Ⅲ)自動車 当期利益(親会社の所有者に帰属)については、海外自動車販売会社の取扱台数減少等により、前連結会計年度を46億円(23.7%)下回る151億円となりました。 (Ⅳ)機械・エネルギー・プラントプロジェクト 当期利益(親会社の所有者に帰属)については、前期電力事業における関連会社株式売却益の影響等により、前連結会計年度を121億円(34.6%)下回る230億円となりました。 (Ⅴ)化学品・エレクトロニクス 当期利益(親会社の所有者に帰属)については、エレクトロニクス及び自動車材料の取り扱い増加等により、前連結会計年度を45億円(20.0%)上回る272億円となりました。 (Ⅵ)食料・生活産業 当期利益(親会社の所有者に帰属)については、穀物事業における需要増加及び前期食品事業における減損の影響等により、前連結会計年度を24億円(40.5%)上回る82億円となりました。 (Ⅶ)アフリカ 当期利益(親会社の所有者に帰属)については、新規連結子会社の影響等により、前連結会計年度を13億円(9.6%)上回る153億円となりました。

引用元: 自動車事業と同じく豊田通商が注力しているアフリカ事業では、前連結会計年度を13億円(9.6%)上回る153億円という業績を残しています。新規連結子会社の影響等と説明がありますが、これはTOYOTA TSUSHO MANUFACTURING GHANA CO. LIMITEDの設立を指していると考えられます。

自動車の現地生産を目的に、車両生産会社TOYOTA TSUSHO MANUFACTURING GHANA CO. LIMITEDを設立し、ガーナにおいて日本企業で初となる車両組立事業者の認可を、2020年10月に取得しました。2021年半ばの稼働開始に向けて準備を進めています。

引用元:https://www.toyota-tsusho.com/business/africa/ 中期経営計画でも、アフリカ事業についてはさら力を入れて取り組み、今後の成長の鍵になっていくと発表しています。モビリティだけでなくヘルスケアやインフラなど他の事業の拡大からも成長が期待できるため、今後の豊田通商の売上や財務状況に大きく影響していくでしょう。

対処すべき課題

2019年度の豊田通商の有価証券報告書では「Global Vision」のありたい姿「Be the Right ONE」の実現を目指すために、サステナビリティ重要課題の解決を意識しながら対処すべき課題として下記の課題を挙げています。

Mobility分野 ・物流、加工などの機能軸、地域軸、パートナー軸をもとにトヨタグループ内外のお客様と の取引を推進
・自動運転技術に代表される次世代モビリティ等、「未来における利便性の高い社 会」の実現に貢献する事業への取り組みに注力
Life & Community分野 ・メディカル事業、消費財関連事業等、「快適ですこやかな社会」の実現に貢献す る事業へ注力
Resources & Environment分野 ・再生可能エネルギー事業、リチウム開発事業等、「持続可能な社 会」の実現に貢献する事業への取り組みに注力

また、その中でも、2021年に発表した中期経営計画にも記載のある「循環型静脈事業」「ネクストモビリティ」「再生可能エネルギー」 「アフリカ」の4つの戦略に注力していくことで豊田通商ならではの価値を提供していくと明記しています。

その中でも特に中期経営計画達成に向け、「循環型静脈事業戦略」では、限りある資源をグローバル規模で有 効活用するために、自動車スクラップ等の回収・リサイクル事業、使用済製品からの再生プラスチック製造事 業、中古車・中古部品のリユース事業等、廃棄物の「資源化」を通じ「循環型社会」の実現に貢献してまいりま す。 「ネクストモビリティ戦略」では、CASE(注)に代表される領域においてアライアンスを進め、当社機能を付加 しながら、日本・北米・欧州・中国を中心とした地域での取り組みを加速してまいります。 「再生可能エネルギー戦略」では、国内最大の風力発電事業者である株式会社ユーラスエナジーホールディン グスを中心とした風力発電事業、太陽光・水力発電事業等の拡大を進め、廉価で、安定的な再生可能電力の提供 を通じ、「低炭素社会」の実現に更なる貢献をしてまいります。 「アフリカ戦略」では、CFAO SASを地域統括拠点として、自動車事業、医薬品事業、リテール事業等のアフリ カ全体への展開を進め、アフリカのお客様により良い商品・サービスの提供を目指してまいります。 (注)Connected(つながる化)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、 Electric(電動化)の頭文字

引用元:https://www.toyota-tsusho.com/ir/library/securities-report/upload_files/99th_yuho_ALL.pdf

先輩たちが行った企業研究とそのポイント

豊田通商工業の企業研究では、「なぜ豊田通商なのかを明確にするためにOB・OG訪問で業務理解を深めるといい」という声が多くありました。その中で、競合他社と比較して豊田通商ならではの強みを深堀りしておくと、より面接官を納得させられる回答ができるでしょう。先輩が強みの具体例を挙げている回答もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

実際に選考通過した回答

総合商社それぞれの違いを具体的に説明できるようにすること、なぜ豊田通商でなければならないのかを話せるようにしておくと良い。入社後、具体的に何をしたいのか聞かれるので、可能な限りOB訪問などを通じて現場レベルの業務を理解しておく必要があると思う。特に、豊田通商ではモビリティとアフリカに力を入れているため、この部門について具体的にどのようなビジネスを創っていきたいのか言えると高評価であると感じました。総合商社は会社ごとに社員の方の色が違ってくるので、コロナ禍では難しいかもしれないが社員の人と話す機会を持つと良い。面接では、非常に志望度を重視してくるのでその点は要注意しておくと良い。面接官を納得させられるだけの理由を言えるようにしておくと良い。

実際に選考通過した回答

まず企業分析で非常に大切なのが、日本にある7つの商社と豊田通商が「どのように違い」、「それぞれの強みは何か」という2点である。表面的には同じようなことをやっているように初めの頃は見えがちだが、実際調査していくと全く違いう。面接時に”他商社ではなく、なぜ自社なのか?”という質問に対する回答は必ずどこでも求められるので準備は必須であろう。また、この内容を把握しておかなければ、入社し実現したいことや志望理由などが他人と差が生まれず平凡的にものになってしまう。面接を突破し内定をもらいたいのであればやはり分析は必須だ。一応私が企業研究をし、豊田通商のCAO兼CCOでもある永井康裕さんにお伺いした 本社の強みを以下4点参考として記載しておく。

〜豊田通商の強み4点〜 ①部門間の移動が比較的に多い(配属リスクが低い) ②AGE(ゼネラルエレクトリック)のようなポートフォリオ事業戦略ではなく、自らが不得意としないところには投資せず、必ず勝利を見込める投資をする。 ③今までは部署ごとに垂直統合をした為各部署の本部長の権力が非常に高く、とても効率の悪い組織形態だった。しかし地域ごとにニーズも違えば商習慣なども違うため、今後の利益率が高いアフリカのみ「アフリカ本部」を設置し、水平統合を行っている。 ④子会社の50%以上の株を保有するマジョリティー出資を豊田通商はしており、長期的目線での企業経営をしている。そのため関連会社も他商社7社中991社と大きく差をつけて1位。子会社への出資比率も同様に1位である。

一方でこの会社の調査方法で最も有効的なのは、様々なイベントに出席し社員を捕まえ様々な話を聞くことだ。基本的に的に会社の顔である人事は決められたことしか言えず、本音を聞き出そうにもかなり難しい。そのためその会場にいる人事でない社員とコンタクトを取り、自分の疑問に思っている事などの話を聞くのが最も効果的であり、志望理由にも直結させることができる。すると何人かの社員から食事などに誘っていただくことができ、そこで強いコネクションが生まれ内定への道が取りやすくなるのだ。

実際に選考通過した回答

総合商社を目指すにあたり、志望動機と会社ごとの特徴の理解は不可欠だと思う。総合商社の中でも豊田通商でなくてはならない理由を明確に面接で語ることができればベストだと思う。志望動機以外にも、入社後に手掛けたいビジネスをより具体的に語ることができれば他の就活性との差別化という点で印象に残ると思う。これらを徹底的に準備するためには、企業研究のツールとしてOB訪問は欠かせないと思う。OB訪問で必要なことは漠然と質問することではなく、自分の中での疑問に対する考えをぶつけ、それを解決するためのヒントをもらうことだと思う。志望動機や手掛けたいビジネスを考え、それに対する意見をもらうのがいいと思う。目的を明確にしてOB訪問をすることが重要だと思う。

総合商社は競合他社との特徴や強みの違いを理解しておくことがポイントです。事業内容はもちろんですが、社風や企業理念など企業の基礎から違いを把握しておくことで理解度に差がつけられるでしょう。「なぜ豊田通商なのか」という志望動機が重要視されるため、説明会だけでなく、OB・OG訪問も活用して企業理解を深めておきましょう。

就活会議

この記事を書いた人: 就活会議編集部

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