【就活ガイド】キリンホールディングス株式会社の企業研究〜企業分析で選考突破〜
就活をする上で絶対に欠かせないのが企業研究です。この記事ではキリンホールディングス株式会社の基本情報や、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。キリンの選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。
【企業研究】キリンはどんな会社?
まずはキリンについて理解しましょう。 ここではキリンの選考に通過した先輩たちが行った企業研究と、その社風などをお伝えします。
キリンの会社概要と社風
まずはキリンの企業概要と社風をみていきます。
キリンの基本情報
会社名 | キリンホールディングス株式会社 |
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業界 | 飲料 |
本社所在地 | 東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス |
事業所 | 不明 |
創立 | 1907年2月23日 |
売上高 | 1,388億円 |
従業員数 | 1,117人 |
資本金 | 1,020億円 |
平均年齢 | 42.56歳 |
初任給 | 基本給 学部卒 232,000円 / 修士卒 252,000円/ 博士卒 301,000円 |
福利厚生 | 寮・社宅制度、育児休業、介護休業、ワークライフバランスサポート休業 など |
過去の採用人数 | 不明 |
企業理念 | コーポレートスローガン よろこびがつなぐ世界へ |
代表者 | 代表取締役社長 磯崎 功典(いそざき よしのり) |
事業内容 | 飲料の製造・販売 |
参考元:https://www.kirinholdings.co.jp/company/overview/
部門別の事業
キリンの事業内容についてみていきましょう。キリンは、製粉事業を中心に、プレミックス、パスタ、冷凍食品など様々な食品の生産・開発を行っています。また、健康食品や自然化粧品を扱うヘルスケア事業、ペットフード事業など多角的に事業を展開しています。安心安全な商品サービスを提供する企業として、日々挑戦を続けています。
事業 | 事業内容 |
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国内ビール・スピリッツ事業 | 飲みやすく、飲み飽きない味わいの「キリン一番搾り生ビール」をはじめ、糖質70%オフですっきり飲みやすい「淡麗グリーンラベル」、 「キリン のどごし<生>」「本麒麟」「キリン 氷結®」シリーズなど豊富なラインアップで、新しい価値を持つ商品を展開しています。 また、クラフトビール市場でもスプリングバレーブルワリーや「Tap Marché(タップ・マルシェ)」を展開するなど、ビール類市場の魅力化を図っています。 | 国内飲料事業 | 1986年の発売の「キリン 午後の紅茶」、火にこだわったうまさが特長の「キリン ファイア」、低温抽出と微粉砕茶葉で苦みを抑えた 緑茶の「キリン 生茶」など数多くの有力ブランドを揃えています。また、キリンの独自素材であるプラズマ乳酸菌を配合した、日本初の 免疫機能の機能性表示食品「iMUSE(イミューズ)」ブランド、史上初の特定保健用食品のコーラ系飲料「キリン メッツ コーラ」、 世界の家庭料理の知恵からインスピレーションを受けた「キリン 世界のKitchenから」など、提案性の高い商品を展開しています。 | オセアニア酒類事業 | ライオン社はオセアニアのリーディングカンパニーとして、北米と英国でも事業を展開しており、ビール・ハードセルツァー・ワイン・ スピリッツといった酒類のほか、コーヒー・コンブチャといった大人向けプレミアム飲料など、幅広いブランドを保有しています。 オーストラリアとニュージーランドでのビールカテゴリーの活性化を図るとともに、クラフトビールの海外展開を加速しています。 | 医薬事業 | 高度な技術とユニークな視点で独自の研究・開発を進め、高品質な製品をグローバルに提供しています。がん、腎、免疫疾患等の領域を 中心に画期的な新薬を創出し、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。 | その他 | ワインのメルシャン社やビールのミャンマー・ブルワリー、コカ・コーラ ビバレッジズ ノースイーストなどの商品の製造・販売事業を 展開しています。また、協和発酵バイオ社にて、医薬品や乳幼児食品などの各分野へ高品質な原材料を提供するファインケミカル事業(BtoB) と直接お客様に健康食品等を届けるコンシューマープロダクト事業(BtoC)などを行っています。 |
参考元:https://www.kirinholdings.co.jp/company/business/others.html
主力事業とシェア
【セグメント別事業利益(2020年)】
キリンの主力事業は、国内ビール・スピリッツです。そのなかでもキリンビールは国内ビール・スピリッツ事業を支えるブランドのひとつとして支持されています。「一番搾り」や「本麒麟」を主力ブランドとして強化にするとともに、中長期的視点でグローバルブランドに育成しています。
参考元:https://www.kirinholdings.co.jp/irinfo/private/global.html
キリンの社風
キリンは、良いアイディアであればキャリアや実績に関係なく受け入れる社風です。新人であったとしても、良いアイディアであれば自分の意見を取り入れてもらえるチャンスがあるため、やりがいを持って働くことができます。チャレンジした結果、成功を収めることができれば高く評価される企業であることも魅力のひとつです。
「のどごし〈生〉」の発酵改善において、麦芽の代わりに大豆でも安定的に発酵可能な条件を確立する仕事に携わりました。未知の領域ではありましたが、新人だったために前例にとらわれずに発想することができ、幸運にも自分自身の手により適切な発酵条件を見出すことができました。良いアイデアであればキャリアや実績に関係なく受け入れてもらえることを知り、技術者として歩んでいくにあたっての大きな自信と励みになりました。
引用元:https://www.kirin.co.jp/company/recruit/freshers/career/02/
キリングループでは最近、史上最年少の執行役員が誕生しました。「一番搾り」のリニューアルと「本麒麟」を大ヒットに導いた、中途入社の社員です。経歴や年齢に関係なく、果敢にチャレンジし、成功を収めれば大きな評価が待っている。そんないまのキリングループを象徴する出来事ではないでしょうか。もちろんその扉は、これから入社する方にも大きく開かれています。
引用元:https://www.kirin.co.jp/company/recruit/freshers/career/01/
福利厚生・社内制度
キリンは、ワークライフバランスへの取り組みとして、育児・介護支援の施策を充実させています。また、配偶者転勤・ボランティア・自己啓発を理由として会社に籍を置いたまま、一定期間休職できる制度などがあります。社宅や育児休業など、一般的な福利厚生も一通り揃っているといえます。
- 寮、社宅:転勤その他の業務上の必要が認められる場合に勤務場所に応じて会社が用意、社宅料は会社規定に基づいて一部補助あり
- 外部厚生システム:育児・介護・家事代行・宿泊のメニューを利用できる
- 出産:産前6週間・産後8週間の休業
- 育児:子供が2歳に達するまでの育児休業、子供が小学校3年生の学年末まで短時間勤務が取得可能※育児休業と短時間勤務を合算して48ヵ月以内
- 介護:介護休業(通算12か月)、短時間勤務は3年間取得可能
- その他:財形貯蓄(住宅・年金)、財形住宅融資、団体保険(希望グループ生命保険他)、キリングループ従業員持株会、キリングループ福祉会(互助会)
参考元:https://www.kirin.co.jp/company/recruit/freshers/recruitment/faq/
募集職種・募集要項
2022年卒募集要項は下記の通りです。
募集職種(コース) | ・研究コース(ヘルスサイエンス事業) ・生産研究コース(酒類・清涼飲料事業) ・エンジニアリングコース (酒類・清涼飲料事業) ・デジタルICT戦略コース ・事務・営業コース |
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職務内容 | ■研究コース(ヘルスサイエンス事業):キリングループの未来に繋がる医と食をつなぐ事業領域において、競争優位性を担保する探索的研究および健康機能性などに関する基礎から応用までの研究に携わるコース ■生産研究コース(酒類・清涼飲料事業):主に、飲料事業(酒類、清涼飲料)のモノづくり(技術開発・商品開発・生産管理・品質保証)、および知財活動に携わるコース ■エンジニアリングコース (酒類・清涼飲料事業):主に、飲料事業(酒類、清涼飲料)の生産設備の新規導入、維持・管理に携わるコース ■デジタルICT戦略コース:キリングループのIT・情報戦略・DX推進の関連部門で早期に専門性を高め、酒類・清涼飲料事業からヘルスサイエンス事業にわたる幅広い領域で、デジタルテクノロジー・ICT技術を活用し、価値創造するコース ※初配属のみ、上記関連部門へ配属。その後は本人の適性や志向と、会社が求める期待役割に応じて、専門性を軸にしながら柔軟にキャリアを開発していきます。 ※採用人数は若干名の予定です。 ■事務・営業コース:酒類・飲料事業の営業・営業企画・マーケティング・経営企画・広報・人事労務・財務・経理・法務・SCM・デジタルICTなど幅広い業務を通じて、自らキャリアの可能性を切り拓くコース ※SCM:需給、物流、調達など |
募集資格 | ■研究コース(ヘルスサイエンス事業):2022年3月から2023年3月までに大学または大学院を卒業見込みの方、全国転勤可能な方 ■生産研究コース(酒類・清涼飲料事業):2022年3月から2023年3月までに大学または大学院を卒業見込みの方、全国転勤可能な方 ■エンジニアリングコース (酒類・清涼飲料事業):2022年3月から2023年3月までに大学または大学院を卒業見込みの方、全国転勤可能な方 ■デジタルICT戦略コース:2022年3月から2023年3月までに大学または大学院を卒業見込みの方、第二新卒(2023年3月時点で、大学または大学院卒業後社会人経験3年未満)の方、全国転勤可能な方 ■事務・営業コース:2022年3月から2023年3月までに大学または大学院を卒業見込みの方、全国転勤可能な方、普通自動車免許をお持ちの方、もしくは入社までに取得可能な方 |
給与 | 基本給 学部卒 232,000円 / 修士卒 252,000円/ 博士卒 301,000円 |
諸手当 | 時間外勤務手当、休日出勤手当、通勤手当 など |
勤務地 | キリングループ(キリンホールディングス・キリンビール・キリンビバレッジ・メルシャンなど)の全国各事業所 |
勤務時間 | 勤務地により異なる(一部フレックス勤務あり) |
保険 | 不明 |
参考元:https://www.kirin.co.jp/company/recruit/freshers/recruitment/data/
キリンの強み・競合他社・業界分析
飲料メーカーの競合他社として、サントリー、アサヒグループ、サッポロと比較してみましょう。当期純利益で見てみると、アサヒグループHDが1位、キリンHDは3位となっています。 国内市場は多くの飲料メーカーが存在するため競争が激しく、人口減少による市場の縮小も見込まれるため、海外市場で売上を伸ばそうと各メーカーが取り組んでいます。また、飲料だけでなくサントリーやアサヒは食品、サッポロは不動産、キリンは医薬など、飲料以外の分野にも取り組むことで売上を伸ばそうとしています。
競合他社の当期純利益:単体(単位:億円)
競合他社の売上収益:連結(単位:億円)
(2020年)
参考元:https://gyokai-search.com/3-syokuhin.htm
IR読み解き!深堀り研究〜事業規模・資本構成・ビジネスモデル〜
ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。
経営方針
キリン企業サイトのIR情報を基に、経営方針をみていきましょう。
基本方針 ■ 「再生」からステージを上げ、「新たな成長を目指した、キリングループの基盤づくり」を行う。 ■ 株主還元の更なる充実を図り、企業価値を最大化する。 重点課題 ■ 長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」実現に向けた第1ステージの3ヵ年として、成長に向けた3つの戦略を実行します。
既存事業の利益成長 食領域:収益力の更なる強化 医領域:飛躍的成長の実現 「ヘルスサイエンス領域:医と食をつなぐ事業」の立ち上げ、育成 イノベーションを実現する組織能力の強化
引用元:https://www.kirinholdings.co.jp/irinfo/policy/medium.html
キリンは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」を発表しました。食から医にわたる領域で価値を創造するため、「食領域(酒類・飲料事業)」と「医領域(医薬事業)」に加え、キリングループの強みを活かした「ヘルスサイエンス領域」を立ち上げています。また、KV2027の実現に向けた最初の3カ年計画が、「キリングループ2019年-2021年中期経営計画」です。ビジネスモデルや収益構造を改革し、高まる健康意識に応える事業で成果を上げることで、持続的な成長に繋げていくとしています。
売上・財務状況
売上(収益)と利益
キリンの業績をみてみましょう。キリンの2020年の売上高は1,388億円で、2019年と比べてほぼ横ばいです。経常利益、当期純利益では、それぞれ減益となっています。新型コロナウイルスの影響を受ける中であっても、キリンビールは発泡酒等の販売が好調であり、限界利益が増加しています。ただし、ミャンマー・ブルワリーは政情が激変した影響などを受けて、販売数量が大きく減少しています。
2020年12月 | 2019年12月 | 前年同期比 | |
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売上高 | 1,388億円 | 1,386億円 | 0.1% | 経常利益 | 720億円 | 777億円 | -7.2% | 当期純利益 | 793億円 | 1,472億円 | -46.1% |
対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界中で社会、経済、人々の生活が激変し、価値観も大きく変わる中、キリングループはCSV経営を加速します。「健康」、「地域社会・コミュニティ」、「環境」への取り組みがより一層重要になる中、キリングループは、KV2027で目指す「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」という『2027年目指す姿』をぶらさず、一層スピードを上げて社会課題の解決に取り組むことが使命だと考えています。2021年は、新型コロナウイルスの影響でますます顕在化した環境変化を新たな成長の機会と捉え、各事業でビジネスモデルや収益構造の大胆な改革を実行します。そして、「食領域」、「医領域」、「ヘルスサイエンス領域」の3領域に事業領域を拡大し、グローバル化を強力に推し進める中で、経営の柔軟性や多様性、ガバナンスを一層強化する事により、キリングループの持続的な成長を確固たるものにしてまいります。 新型コロナウイルスの影響に鑑みて、2019年中計で掲げた定量目標は見直しますが、各事業における重要機能の維持と成長に必要な投資をしたうえで、配当後フリー・キャッシュ・フローがプラスとなるよう財務面での規律を図ります。また、CSVコミットメントの各種目標の達成に向けて取り組みます。さらに、キリングループ各社の「ものづくり」を支える品質保証・SCM、エンジニアリング体制について、中長期的に目指す姿と重点課題を設定し、実行します。
キリンの課題は、主に
①「ヘルスサイエンス領域の立ち上げ、育成
②既存事業の利益成長
③組織能力の強化
の3つです。
①「ヘルスサイエンス領域」の立ち上げ、育成とは、ビール事業によって培った技術を最大限に活かし「食領域」「医領域」「ヘルスサイエンス領域」の3つを連携させて、社会課題を解決していくことを指します。
②既存事業の利益成長とは、「一番搾り」や「本麒麟」の主力ブランドを強化すると共に、ノンアルコール飲料などの健康志向に応える商品を提案するなど、顧客にとってより高い付加価値のある商品やサービスを提供することです。また、クラフトビールやワインなどの市場も強化していくとしています。
③組織能力の強化とは、キリングループの全事業で「品質保証・SCM(サプライチェーンマネジメント)への取り組み」、「働きがい改革」、「DX(デジタル トランスフォーメーション)の推進」を進めていくことです。「品質保証・SCMへの取り組み」で安心安全な商品を届けられる体制を構築し、「働きがい改革」で社員一人ひとりが活躍できる場づくりをすることでキリンの持続的な成長に繋げ、「DXの推進」でセキュリティ対策を行っていきます。
先輩たちが行った企業研究とそのポイント
キリンの企業研究をする上で、サントリーやアサヒなど同業他社の特徴についても知っておくことが大切です。業界研究をして、キリンとその他の企業の違いを理解しておきましょう。企業研究には、ニュースサイトの情報が役に立ったとの先輩の声もあります。企業研究をしっかり行い、「なぜキリンに入社したいのか」具体的な志望動機を答えられるようにしましょう。
実際に選考通過した先輩の声
入社後デジタルを用いてどのような戦略企画を行いたいかという点について詳しく聞かれるため、そもそもキリングループの中でどのようなデジタル戦略が行われているのか、グループ内にはどのような部署が存在するのか、どのような業務を行っているのかなどの情報を予め収集して、整理しておく必要がある。 最終面接になると、更に詳しく志望動機について聞かれる。 そのため同業他社との違いについても話せる必要がある。私はサントリーやアサヒの選考を受けていないが、キリンの良さについて語った。その上で更に深掘りされた。しかしここでキリンについて述べるだけなく、同業他社を深く理解した上でキリンを志望する理由を言うことが出来たら、より一層説得力が増すと思う。
実際に選考通過した先輩の声
企業研究においては、Newspicksが大変役立った。というのも、ニュースピックスの編集者が独自の見解でキリンの経営についてまとめられているため、IR等を読み込んで自分の見解を出すための近道ができる。それを読んだうえで、企業のホームページやIR資料等を読み込んだ。そして、面接直前に関しては、openworkで社員の方々の口コミをしっかり見るようにした。これを読むことで、より面接官にリアルな志望動機や企業の魅力を伝えられたように考える。これらの媒体を参考にした上で、大手飲料3社の強みと弱みをまとめた。これをやることでなぜキリンなのかという質問に関して、他社の視点からも論理的に伝えることができた。
実際に選考通過した先輩の声
新卒採用のwebサイトがとても充実しているので、1次面接までの面接であれば、そこを読み込むだけでも通ると思います。キリンに対する愛・志望度を重視する企業なので、OB訪問やインターンシップなどで自分だけの体験を作っておくと、のちの面接で生きると思います。あとは、自分の人生にどうキリンが関わっていたか、「高校の部活の帰りによくキリンレモンを飲んでいた」など、今までの体験を振り返って話のネタを作っておくことをおすすめします。普段行う「どういった企業でどういった取り組みをしているか」という方向の企業研究より、「キリンの製品がどう自分の人生に結びついているか」といった、自己分析と半ば同化した方向での企業研究がおすすめです。
この記事を書いた人: 就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録 すれば見放題! YouTubeチャンネル も配信中です!