【就活ガイド】株式会社デンソーの企業研究〜企業分析で選考突破〜
就活をする上で絶対に欠かせないのが企業研究です。この記事ではデンソーの基本情報や、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。デンソーの選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。
【企業研究】デンソーはどんな会社?
まずはデンソーについて理解しましょう。 ここではデンソーの選考に通過した先輩たちが行った企業研究と、その社風などをお伝えします。
デンソーの会社概要と社風
まずはデンソーの企業概要と社風をみていきます。
デンソーの基本情報
会社名 | 株式会社デンソー |
---|---|
業界 | 自動車部品 |
本社所在地 | 愛知県刈谷市昭和町1-1 |
事業所 | 拠点数:65社 |
設立 | 1949年12月16日 |
売上高 | 28,841億円(2020年3月) |
従業員数 | 45,280人(2020年3月) |
資本金 | 1,875億円(2020年3月) |
平均年齢 | 43.6 |
初任給 | 不明 |
福利厚生・社内制度 | 福利厚生:選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)、フレックス制度、在宅勤務制度、社外語学スクールや社内での自己啓発語学講座、社外eラーニング、産前産後公休/育児休職/子の看護休暇/育児のための短時間勤務制度/配偶者出産休暇/子の看護・家族の介護時の在宅勤務/事業所内託児施設(刈谷、幸田、大安エリア)/介護休暇/介護休職、社員食堂 個別制度:住宅資金貸付、財形貯蓄、持ち株制度等 施設:独身寮、社宅、保養所、研修センター、各種文化・体育施設等 |
採用実績 | 不明 |
企業理念 | デンソー基本理念 私たちは「デンソー基本理念」を行動の指針とし、世界中の人々から信頼され、期待される企業であり続けます。 |
代表者 | 取締役社長 有馬 浩二 |
事業内容 | 自動車用製品の開発・生産 |
部門別の事業
デンソーの事業内容についてみていきましょう。
分野 | 事業 | 業務内容 |
---|---|---|
自動車関連分野 | パワトレイン事業 | ハイブリッド車および電気自動車用製品、ガソリン・ディーゼルエンジンの制御システムと関連製品、駆動系製品、オルタネータやスタータなどの電源供給・始動システム製品の開発・生産。 | 電子事業 | 半導体センサ、ICなどのマイクロエレクトロニクスデバイス、エンジン制御コンピュータなどのエレクトロニクス製品の開発・生産。 | 熱事業 | 自動車用エアコンシステム、ラジエータなどの冷却用製品の開発・生産。 | 情報安全事業 | カーナビ、ETCなどのITS製品、テレマティクス、エアバッグ用センサ・制御コンピュータなどの走行安全関係製品、ボデー系制御コンピュータ、メータなどの開発・生産。 | 小型モータ | ワイパシステム、パワーウィンド、パワーシート、スライドドア、パワーステアリング、エンジン制御用などの各種モータの開発・生産。 | 生活関連機器分野 | 生活関連機器 | 自然冷媒CO2家庭用ヒートポンプ給湯機、住宅用全館空調、ホーム・エネルギー・マネージメント・システム(HEMS)などの開発・生産。 | 産業機器分野 | 産業機器 | 産業用ロボット、プログラマブルコンピュータなどのFA機器、バーコード、QRコード、ICカードなどの自動認識関連機器 (株式会社デンソーウェーブが担当)。 | 新事業分野 | エネルギーマネジメント | HEMS・蓄電池・充放電スタンドなど、クルマと家がツナガル時代の創・蓄・省エネ技術や製品を通じ、低炭素社会の実現に貢献する。 | フードバリューチェーン(農業生産) | ハウス環境制御システム・省エネ技術を通じ、効率的・安定的な野菜の栽培と、農業の競争力向上に貢献する。 | フードバリューチェーン(コールドチェーン) | 省エネ型の冷凍・冷蔵技術と鮮度維持技術を通じ、産地から消費地までの食の安心・安全な輸送・供給に貢献する。 | セキュリティ | センシング技術を応用し、顧客サービス向上や暮らしの安心・安全に貢献する。 | 自治体向けICTサービス | コミュニティ内の情報配信のサポートを通じ、安心・安全・快適な暮らしに貢献する。 | ヘルスケア | 工場で培ったロボット・IoT技術や自動車のセンシング技術を活用して、誰もが安心で信頼できる医療を享受できる世界の実現に貢献する。 | バイオ(微細藻類) | 藻の高効率な培養プロセスを通じたCO2の吸収固定と、バイオ燃料など脱化石燃料による地球環境保護に貢献する。 | 橋梁点検・測量サービス | 自動車分野で培ったモータ・センサー・制御技術を応用した次世代ロボットの開発を進め、インフラ点検や測量サービスなどの分野で人々が安心・安全に暮らせる社会の実現に貢献する。 |
参考元:https://www.denso.com/jp/ja/about-us/corporate-info/profile/
事業規模
売上高 | 28,841億円(2020年3月) |
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従業員数 | 45,280名(2020年3月) |
資本金 | 1,875億円(2020年3月) |
デンソーの売上高は28,841億円です。資本金は1,875億円で、従業員数は45,280名です。デンソーの製品別売上を見ていくと、サーマルシステムとパワトレインシステムがそれぞれ全体の4分の1を占めています。サーマルシステム事業の主な製品は、カーエアコンやコンデンサです。パワトレインシステムの主な製品は、ガソリン直噴インジェクタや高圧ポンプです。
デンソーの社風
デンソーは、社員を大切にする社風です。社員が安心して働くことができるように公正な人事制度の構築を実施しています。またキャリア形成支援を行なっており、リーダーに必要な知識やスキルを習得する機会を用意しています。「モノづくりは人づくり」の考えのもと、社員が成長することで企業としても成長していくとの考えがあります。
「モノづくりは人づくり」。デンソーが考える人材育成はここから始まります。長期的視点で人を育成することが、新たな技術革新や高い品質、継続的な改善を生み出す原動力となる。この考えを実践することで、企業としての成長を実現してきました。
デンソーの人材育成の基本は、仕事を通じた成長です。仕事における挑戦こそが最高の成長機会だと捉え、意欲ある社員にはよりレベルの高い業務を任せ、節目節目で上司がコーチング・フィードバックを行いながら、長い目で社員の成長を後押しします。また、仕事だけでは学び得ない知識・スキル・経験を得る豊富な研修プログラムも多数用意されています。
引用元:https://www.denso.com/jp/ja/careers/policy/your-development/
福利厚生・社内制度
デンソーは柔軟な働き方を実現する人事制度として、フレックス制度や在宅勤務制度があります。子どもの看護・家族の介護時の在宅勤務制度など、育児や介護との両立を支援する人事制度も充実しています。デンソーカフェデリアプランとして、会社から付与されるポイントで旅行や食事、介護、自己啓発など豊富なメニューから個人に合わせた福利厚生を受けられる制度もあります。
- 福利厚生:選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)、フレックス制度、在宅勤務制度、社外語学スクールや社内での自己啓発語学講座、社外eラーニング、産前産後公休/育児休職/子の看護休暇/育児のための短時間勤務制度/配偶者出産休暇/子の看護・家族の介護時の在宅勤務/事業所内託児施設(刈谷、幸田、大安エリア)/介護休暇/介護休職、社員食堂
- 個別制度:住宅資金貸付、財形貯蓄、持ち株制度等
- 施設:独身寮、社宅、保養所、研修センター、各種文化・体育施設等
募集職種・募集要項
2021年卒募集要項は下記の通りです。
募集職種 | ●技術系総合職 ・電動化エンジニアコース ・モビリティソフトエンジニアコース ・モノづくりエンジニアコース ・パワトレインエンジニアコース ・サーマルエンジニアコース ・半導体エンジニアコース ・ポテンシャルコース ●事務系総合職 ・セールス&マーケティングコース ・ポテンシャルコース ●生産関係職 ・製造人材コース ●開発技能職 |
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業務内容 | (1)技術系総合職 研究、開発、設計、生産技術、SE、技術営業、営業、知的財産、品質管理 等 (2)事務系総合職 営業(国内・海外)、事業企画、調達、人事、経理、広報、法務 等 (3) 生産関係職 (製造人材コース) 量産、保全、TIE、生産管理、改善企画(生産現場・工程・物流) 等 (4) 開発技能職 試作、試験実験、評価 等 |
応募資格 | 以下の条件を全て満たす方 <総合職> 1.2022年4月に入社可能な方 2.2019年4月~2022年3月末までに高等専門学校専攻科、 大学または大学院を卒業・修了または卒業・修了見込みの方(博士課程を含みます) 3.正社員として就労経験のない方、または新卒者としての採用条件を了承いただける方 <生産関係職(製造人材コース)> 1.2022年4月に入社可能な方 2.2019年4月~2022年3月末までに大学を卒業・終了または卒業・終了見込みの方 3.正社員として就労経験のない方、または新卒者としての採用条件を承諾いただける方 <開発技能職> 1.2022年4月に入社可能な方 2.2019年4月~2022年3月末までに高等専門学校本科、専攻科(それに準ずるものを含む)を卒業・終了または卒業・終了見込みの方 3.正社員として就労経験のない方、または新卒者としての採用条件を承諾いただける方 |
給与 | (2020年4月実績) ■総合職 ・大卒、高専卒(専攻科)|月給208,000円 ・修士了|月給230,000円 ・博士了|月給264,000円 ■生産関係職 ・大卒|月給193,000 円 ■開発技能職 ・本科卒|月給176,900円 ・専攻科卒|月給193,000円 (参考) |
諸手当 | 通勤手当、家族手当、時間外勤務手当 等 |
勤務地 | 本社、および、国内・海外の事業所及び機能分社会社 |
勤務時間 | フレックスタイム制度あり、在宅勤務制度あり ※新入社員については、入社時はフレックスタイム制度適用外(配属日の翌月1日より利用可能) ※フレックスタイム制度適用職場の運用は以下のとおり <フレックスタイム制度> 業務の繁閑に柔軟に対応できるように、各人がフレキシブルタイム内で始業時間と終業時間を決定する制度 ● コアタイム:全員が必ず勤務しなければならない時間帯 ※各拠点によって異なる 10時10分から14時25分 ● フレキシブルタイム: 各人が始・終業時刻を決定できる時間帯(15分単位) 始業 7時25分から10時10分 終業 14時25分から21時55分 |
保険 | 不明 |
参考元:https://job.mynavi.jp/22/pc/search/corp21/employment.html
デンソーの強み・競合他社・業界分析
デンソーの当期純利益は-845億円です。自動車部品メーカーにおいて、売上高とシェアは高くなっていますが、当期純利益は-845億円と低いことがわかります。デンソーは為替や新型コロナウイルスの影響による市場減速の影響を受けています。北米や欧州、アジア地域など海外の市場も減速しているため、その影響も大きいといえるでしょう。また、デンソーの部品を搭載した車両のリコール関連費用がかさんだことが、業績悪化の理由と考えられます。
競合他社の当期純利益(単位:億円)
参考元:https://www.chunichi.co.jp/article/144473
IR読み解き!深堀り研究〜事業規模・資本構成・ビジネスモデル〜
ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。
経営方針・ビジョン
1.魅力ある製品で お客様に満足を提供する 2.変化を先取りし 世界の市場で発展する 3.自然を大切にし 社会と共生する 4.個性を尊重し 活力ある企業をつくる
引用元:https://www.denso.com/jp/ja/about-us/corporate-info/philosophy/basic-philosophy/
デンソーは、経営の方針として上記を定めています。世界2位の売上規模を誇るデンソーは、研究開発に力を入れており特許保有件数は39,700件に上ります。経営方針から、魅力のある製品を開発し、グローバルに事業を展開するデンソーの特徴が分かります。自然を大切にし社会と共生するという方針にもある通り、地球温暖化防止や大気汚染防止といった社会課題のための取り組みも行っています。
売上・財務状況
売上(収益)と利益
デンソーの2020年の売上高は28,841億円で、前年とほぼ横ばいです。しかし、経常利益と当期純利益は減益となっています。新型コロナウイルスの影響により、自動車市場が縮小したことが影響していると考えられます。また、北米・欧州・アジア地域の市場の減速も減益の理由のひとつです。
2020年3月 | 2019年3月 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | 28,841億円 | 28,612億円 | 1% | 経常利益 | -678億円 | 1,620億円 | -142% | 当期純利益 | -1,297億円 | 2,085億円 | -162% |
対処すべき課題
世界的な人口増加や高齢化、都市化が拡大する中で、CO2排出による地球温暖化や交通事故は、ますます大きな社会課題となっています。加えて、社会は情報化・知能化の飛躍的な進展により、ビジネスモデルの変化や、人々の価値観・消費行動の多様化が起こっています。
モビリティ領域においても、IoTやAIの進化により、電動化、自動運転、コネクティッド、シェアリングの動きが加速しており、当社を取り巻く環境は大変革期を迎えています。
このような大変革期においても持続的に成長し続けるために、当社は2017年10月に、2030年の目指す姿を描いた、2030年長期方針を策定しました。従来注力している「環境」「安心」の提供価値を最大化することに加え、社会から「共感」していただける新たな価値の提供を通じて、笑顔広がる社会づくりに貢献していきたいと考えています。
デンソーは、社会課題の解決と持続的な社会の実現に貢献するための取り組みを進めています。国連のSDGsを含む様々な社会課題に対してデンソーが貢献できる分野を「環境・安心・企業基盤」の3つとし、優先取り組み課題として全社で共有しています。
地球にやさしい電動車両システムの提供や、交通事故のない安心・安全なモビリティ社会を目指すことで、豊かな環境と安全な社会の実現を目指しています。
先輩たちが行った企業研究とそのポイント
デンソーの選考では、なぜ完成車メーカーではなく自動車部品メーカーを志望するのか問われます。そのため、企業研究を通してその違いを理解し、回答できるようにしておくことが大切です。また、企業研究としてインターンシップに参加するのも良いでしょう。インターンシップに参加すると、社員の生の声を聞くことができます。デンソーで実現したいことを明確にし、実際にその取り組みに関わりのある社員に話を聞くようにしましょう。
実際に選考通過した先輩の声
HPに記載されている「求める人材像」を大事にしていると、選考を通じて感じました。その内容を踏まえて、私は国内だけでなく世界と戦っている企業なので、主体性をもってグローバルに、を主張できるように意識しながら選考に臨みました。また、多くの部署の社員訪問を通して感じたのは、合理的、論理的な社員の方が多く、そこを重視しているという情報も聞いたので、合理的、論理的を意識しました。 特に、技術系総合職の場合、作りたい製品や作りたい未来について、目を輝かせて話すことは最も大事だと思いました。選考を通して、エンジニアの方と接する機会があり、そういう時に「一緒に仕事してみたい」そう思わせるような「少年のような気持ち」を持つことで、エンジニアの方の食いつきも違います。
実際に選考通過した先輩の声
企業研究のやり方は、まずインターンシップに参加をすることである。インターンに参加することで、デンソーの業務内容を一通り体験することができる。また、デンソーのカルチャーを体験することができて、思ったよりも自由でフランクな社風を感じ取れると思う。インターンの中で座談会を何度も行って、生の声を聴くことができるだけでなく、インターンの後にもイベントや座談会などインターン生限定でイベントに参加できる。なので、インターンに参加することが一番の近道だと思う。また、この会社は一次情報をとても大切にしていて、社員の生の声を聴いて根拠にすべき。やりたいことが明確であれば、それをやっている社員に話を聞くのをお勧めする。
実際に選考通過した先輩の声
企業研究で行ったこと ・完成車メーカーと部品メーカーの違いを具体的に説明できるようにすること。 完成車メーカーと部品メーカーは100年に1度の変革期と呼ばれる自動車業界の中で大きな役割の違いを持っています。 完成車メーカー ・・・ 今後のクルマのコンセプトを作っていく。CASEをどう活かすかを考える。 部品メーカー ・・・ CASE領域の技術開発がメイン。 これらをよく研究し、調べられないと選考を突破することは難しいかと思います。 ・他の部品メーカーとデンソーの違いを調べ、具体的に説明できるようにすること。 デンソーと他の部品メーカーは大きな差があります。デンソーはボッシュ、コンチネンタルと戦える唯一の「メガサプライヤー」です。この特徴を捉えて、具体的に説明できるようになると良いと思います。 もっと調べておけば良かったこと ・実務レベルの業務理解を深めるために、OB訪問を申し込むこと 私が自動車業界に絞り込んだ時期が遅かったため、OB訪問の経験をあまり積むことができませんでした。 早い段階からこの会社を志望されている方はインターンシップへの参加やOB訪問をされることをおすすめします。 有益だった情報源 ・就活会議 ・One Career ・Unistyle ・大学のキャリアセンター ・みんしゅう
この記事を書いた人: 就活会議編集部
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