営業職の志望動機の書き方|営業内定者の回答12選付き
こんにちは。就活会議編集部の望月です。 業界・職種問わず、就職先として定番の営業職。「目標達成がやりがいになる」「コミュニケーションが得意」「高いビジネススキルが身に付く」などありきたりな志望動機になりがちです。人事に響く志望動機にするには、もう一歩踏み込んだ内容に仕上げる必要があります。 この記事では、口コミメディア「就活会議」の口コミやデータをもとに、営業職の「受かる」志望動機のポイントを解説します。営業職に対して熱意が伝わる志望動機の作成方法を学び、内定へつなげましょう。
この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
営業職の仕事内容|志望動機を考えるなら理解必須!
志望動機を考える前に、仕事内容を理解するのは必須のこと。たとえば、ただ「営業をしたい」と答えるより「ルート営業を通して、地域の人と関係性を構築し、地域活性化に寄与したい」と回答したほうが、企業理解度が伝わり、説得力がある志望動機になることがわかるでしょう。
一方で「そもそも営業職の仕事がどのようなものなのかわからない」という人もいるのではないでしょうか。簡潔に言うと「商品を顧客に提案し、売る仕事」です。そのなかでは、顧客の悩みを引き出す「コミュニケーション能力」や、ニーズを的確につかむ「傾聴力」、商品を買ってもらえるように働きかける「プレゼン力」などが必要になります。
「営業職」とひとくくりにしても、業界によって商品を売る対象や営業のスタイルなどが異なるものです。深みのある志望動機作成のために、まずはどのような営業職があるのかを知っておきましょう。
営業形態の基本分類
基本の分類として、「個人営業」と「法人営業」が挙げられます。この2つの大きな違いは「商材を売る対象」です。詳しい違いを次のリストで確認してみましょう。
| 個人営業 | 「一般客」に対して商材を売る |
|---|---|
| 法人営業 | 企業や団体といった「法人」に対して商材を売る |
対象の違いはあれど、「顧客が求めることを適切に理解し、要望に合うものを売る」という仕事のスタイルはどちらにも共通していることです。
「1対1で話すことが得意」「生活に根差した悩みを解決したい」という人は個人営業に適性があるかもしれません。一方、「企業という大きな組織の課題解決をしてみたい」という人は法人営業にやりがいを感じられるでしょう。
スタイル別の分類
商材を売る対象の違いだけでなく、さまざまな営業スタイルが存在します。まず押さえてほしいのが、「インサイドセールス」と「フィールドセールス」の2つの営業形態で分業をしているということです。詳しい違いは、下記の通りです。
| インサイドセールス | 電話やオンライン、メールなどの「非対面」でおこなわれる営業 |
|---|---|
| フィールドセールス | 顧客に実際に会い、「対面」でおこなわれる営業 |
一般的に、インサイドセールスで新規の顧客を獲得したのちに、フィールドセールスで案件を獲得し、売上につなげる役割を果たしています。業務の効率化や、専門スキルの向上のために分業制が取られていることがあると押さえておくと良いでしょう。
また、形式の違いだけでなく、営業の方法もさまざまです。どのような方法があるのか、内容を詳しく確認してみましょう。
| 新規営業 | 取引の無い新規顧客に対して営業する |
|---|---|
| ルート営業 | すでに取引のある顧客に対して営業し、関係性を構築しながら商品の提案やフォローをおこなう |
| 反響営業 | 広告やSNS、自社メディアなどから集客し、見込み客の反応を作る |
| メール営業 | 見込みがある顧客に対し、メールで営業する |
| 飛び込み営業 | 事前に連絡をせず企業や個人宅に訪問し、商品の提案をする |
| 代理店営業 | 代理店を通して自社製品を販売する |
顧客に対していきなりアプローチをする方法もあれば、関係性を強くすることが求められる方法もあります。また、直接顧客と顔を合わせるのではなく、訴求物を通してアプローチをかけていく方法もあるのです。
自分の得意不得意やこれまでの経験から、「どのような営業をしてみたいか」「どのような営業なら強みを活かせるか」を考えてみてください。
業界別の分類
営業スタイルや種類の違いはもちろんのこと、「どのような業界で営業をするか」も重要な判断ポイントになるでしょう。業界が違うことにより売る商材が異なるため、必然的に学ぶべきことややりがいも変わってきます。業界別の仕事内容ややりがいも確認してみましょう。
- メーカー営業
自社製品やサービスを顧客に販売する。展示会やテレアポを通じて新規顧客にアプローチすることもあれば、顧客と関係性を築いて長期的な付き合いを構築することもある。 製品の開発、改善のために技術部門や開発部門とも連携して仕事をおこなえる。 - 商社営業
売り手のサービスや製品を、買い手に対し仲介役として販売する。国内のみならず海外にも売買の幅が広がることが特徴。扱う商材も多く、さまざまなジャンルの知識を身に付けられる。 - 医療(MR)営業
おもに製薬会社でおこなう営業。自社の医療品を医療従事者に提供する。モノの販売よりも、医薬品に関する情報提供が中心のため、医薬品への高度な専門知識が要される。 - 人材営業
求職者に対し、就職支援をおこなう。また、企業の採用課題解決にも向き合うことがある。求職者や企業のニーズをうまく組み取り、最適な勤め先、人員を提案する力が求められる。 - IT営業
IT製品やサービスを企業などに販売し、導入、運用までの手助けをおこなう。ITに関する企業の悩みを引き出すための力はもちろん、ITへの深い専門性も求められる。 - 金融営業
銀行や保険会社などで、個人または法人に対し融資や保険、資産運用などの提案をおこなう。顧客の将来にかかわる「金銭」を扱うため、信頼性を築いたうえで適切な商品の提案をするのが何よりも重要。
たとえば、これらのような企業で営業職が存在します。どの業界でも「顧客のことを考える大切さ」は変わらないため、「どのような商品を売りたいか」という観点で興味のある企業を選ぶのも一つの手です。
4ステップで完成! 営業職の志望動機の書き方

仕事内容を理解し、どのような営業をしてみたいかが固まってきたら、いよいよ志望動機を作成する段階に入りましょう。ここでは、下記にあるSMBC日興証券に内定した学生の実際の志望動機を例に挙げながら、基本の志望動機の構成について解説します。
実際に選考通過した先輩の回答
自分自身にしか生み出せない付加価値を見出し、人々や企業が抱える悩みを解決したいからだ。
長期インターンシップの経験から、メンバーそれぞれに理解を深めることで業績の向上に導いたことやバレエ教室でアシスタントを経験したことから、一人一人に寄り添うことにやりがいを感じた。特に証券業界では、1つのニーズに対して幅広い商品を扱い、人によって複数の解決策があるため、自分自身の付加価値を見出すことができると考える。
中でも、銀証連携によりお客様の幅広いニーズに対応できるという明確な強みを持つ、貴社に魅力を感じた。入社後は営業として、私の強みである寄り添う力を活かし、投資家のお金や企業の規模をともに大きくしたい。 (2025年卒 SMBC日興証券 総合コース[オープン採用] 内定)
ポイントは、「なぜこの企業で営業職を志望しているのか」をあなたならではの経験に基づいて説明することです。そうすることで、オリジナリティが生まれ、面接官の心を惹きつけられる可能性がグッと上がります。
企業だけでなく、営業職を志望するきっかけとなった出来事を思い返しながら、ここで解説するステップに沿って志望動機を作成してみましょう。
①営業職を志望している理由を簡潔に述べる
まずは、「〇〇だから」と、営業職を志望する理由を簡潔に述べましょう。
実際に選考通過した先輩の回答
自分自身にしか生み出せない付加価値を見出し、人々や企業が抱える悩みを解決したいからだ。
いきなり営業職を志望するきっかけとなったエピソードを話した場合、面接官にとっては「なぜ営業職を志望しているのか」という根本の部分がわからないまま話が進んでしまいかねません。
この例のように、始めに結論を示すことによって「これから何について話すか」がわかりやすくなるのです。
②理由の裏付けとなるエピソードを述べる
次に、「なぜ営業職をしたいと思ったのか」を明確にしましょう。
実際に選考通過した先輩の回答
長期インターンシップの経験から、メンバーそれぞれに理解を深めることで業績の向上に導いたことや、バレエ教室でアシスタントを経験したことから、一人ひとりに寄り添うことにやりがいを感じた。
ただ「一人ひとりに寄り添うことにやりがいを感じる」というだけでは、面接官から「一般的な志望動機だ」と思われかねません。
このように、自分ならではの経験や、経験を通して感じた思いをプラスして述べることで、志望する理由に対して説得力が生じるのです。
③企業とエピソードの結びつきを述べる
単に営業職を志望するきっかけを話しただけでは、「どこの企業でも良いのでは」と思われてしまうでしょう。そうならないように、志望企業と自分のエピソードの結びつきを述べることが大切です。
実際に選考通過した先輩の回答
特に証券業界では、1つのニーズに対して幅広い商品を扱い、人によって複数の解決策があるため、自分自身の付加価値を見出すことができると考える。中でも、銀証連携によりお客様の幅広いニーズに対応できるという明確な強みを持つ、貴社に魅力を感じた。
このように、企業独自の魅力と、あなたが共感する理由を結び付けることで、「なぜこの企業なのか」ということの裏付けになります。同時に企業理解が十分なこともアピールできるでしょう。
加えて、業界の志望理由を簡潔に述べるのも、志望動機に付加価値を与えることとつながるためおすすめです。
④営業職としての今後の展望を述べる
ステップ③までで志望動機を締めても問題ありません。しかし、最後に営業職としての今後の展望を述べることで、より一層志望度が伝わりやすくなります。
実際に選考通過した先輩の回答
入社後は営業として、私の強みである寄り添う力を活かし、投資家のお金や企業の規模をともに大きくしたい。
将来の展望を述べることは、キャリアプランを考えられていることのアピールになります。明確なキャリアプランがあることは、「自身の成長に向き合っている」ことの表れでもあり、面接官が入社後のあなたの姿を想像しやすくなるでしょう。
営業職の志望動機でアピールになる4つの強み

「『志望動機』だからその企業を志望する理由だけを述べれば良いのではないか」と考える人も多いでしょう。もちろんそれでも構いません。
しかし、強みを志望動機に入れ込むことで、面接官に「あなたが入社することでどのように貢献できるか」を明確に示すことができ、ほかの学生とは一味違う志望動機にできるのです。
ここでは、営業職の志望動機でアピールになる強みについて解説します。近しい強みを発揮した経験がないか思い返してみましょう。あなたなりの志望動機を作成したい人は必見です。
①目標達成のために行動できる力
営業職では、ほとんどの場合「月内売上〇〇円以上」「契約数〇件以上」などのノルマや目標が発生します。そのため、目標への意欲や行動力は不可欠。ノルマという目標に向かって何ができるかを考え、行動できる人材は営業職として活躍するイメージを持たれやすいでしょう。
実際に、目標達成力や行動力を活かした志望動機としては、以下のような回答が見られました。
実際に選考通過した回答
私がdocomoを志望する理由は3点あります。
1点目は、「+d」という付加価値協創の姿勢に引かれたからです。今後ますます少子高齢化が進み、ニーズが多様化・複雑化していく中では、他社と競い合うのではなく、互いの強みを活かし補い合いながら人々のより豊かな生活を目指すことが必要だと考えます。そのため、ドコモの持つ技術を用いて、パートナ企業と競う「競争」から協力する「協創」し、新たなビジネスと時代を創りあげていく姿勢に強く惹かれています。
2点目は、「あたりまえ」を生み出すドコモの技術力と国内屈指の会員基盤です。IoT化により移動通信の役割と可能性が高まる中、貴社の会員基盤とそこから得られるビッグデータは、新しい価値・サービスを創造する上で重要なツールになります。貴社の強みである顧客基盤や技術力を活かし、幅広いニーズに応えた価値を提供することで社会課題の解決に広く貢献したいです。
そして最後は、私が何事においても大切にしてきた姿勢を活かせると考えたからです。座談会を通し、貴社には社員のやる気や挑戦を尊重し、若いうちから責任ある仕事をできる風土があり、私が大切にしてきた「目標に向かって妥協せず、やり抜く姿勢」を活かせると感じました。 (2021年卒 東京理科大学 NTTドコモ 総合職 内定)
目標をやり抜くという学生の強みと、NTTドコモの社風がマッチしていることが伝わります。座談会を通して「若いうちから責任ある仕事をできる」ことに魅力を感じたと述べていることから、大きな裁量権が降りそそぐ仕事や高いノルマに対しても貪欲になれそうな姿勢が期待できるでしょう。
アルバイトやサークル活動などで、自ら目標を立てて努力した経験を具体的に思い返してみてください。そして「仕事ではどのような目標を掲げ、行動できるだろう」ということを考えられるとより実践的なアピールができるでしょう。
②顧客と良好な関係を築ける力
営業職は顧客に向けて商品やサービスを提案し、契約に結び付ける仕事です。しかし、提案者であるあなたが顧客から信頼を得られなければ、いかに良い商材でも顧客は契約を結んでくれないでしょう。契約を勝ち取るためにも、顧客と良好な関係を築ける力が重要になるのです。
就活会議に寄せられた営業職の志望動機のなかでは、このような回答が見られました。
実際に選考通過した回答
私が貴社で成し遂げたい夢は、世界で通用する人間になる事です。具体的には、海外の未開拓地へ行き、新しい海外拠点をつくり、新しいマーケットを確保することです。
留学で身に付けた新しい環境へ飛び込む挑戦力を活かし、真っ先に未開拓地へ足を運び、事業に貢献したいです。また、海外生活で得た異なる文化や環境に柔軟に適応する自身の強みを活かし、現地の企業や人々と良好な関係を構築し、ビジネスに繋げたいと考えています。
そして、世界中の企業の人から「君が売るなら」「君が言うなら」と言って取引をしてくれるようになる人間性を身に付ける事が私の夢です。そしてその人間性を持っている人達が貴社には数多くいらっしゃると座談会で感じました。
貴社の方々と共に成長し、夢を叶えたいと強く思っています。 (2019年卒 滋賀大学 阪和興業 総合職 内定)
一口に顧客といっても、さまざまな人がいることでしょう。この学生は、留学経験によりさまざまな人種の人と良好な関係性を築いてきた経験を語っているため、どのような顧客に対しても適応し、関係性を確かに築いてくれそうなことが伝わります。
「悩みを解決した」「良い方向に導いた」というのは、信頼関係が築けていないと実現できないこと。このように、これまでの経験で「良好な関係を築けていないと実現できなかったこと」を思い出してみると、営業職へ活きる関係構築力を見つけやすくなるでしょう。
③相手のニーズを汲み取る力
顧客に商品やサービスを提案するとしても、それらが顧客にとって不必要なものでは売上につながりません。そのため、「顧客が本当に欲しているもの」をよく理解したうえで、商材を提案する必要があります。
顧客が本当に欲しているものが何かを引き出すためにも、相手のニーズを的確に汲み取り、提案につなげることが大切なため、このような強みは活きそうです。
内定者のなかには、「必要とされていることを察知できる」という強みをアピールしている例が見られました。
実際に選考通過した回答
貴行を通してお客様に寄り添い、そして生活を支えられると考え、志望しています。
私は所属しているサークルの〇〇で、〇〇といった役割を担っており、常に必要とされている事を察知し行動を起こすことを心がけながら、信頼関係を築いていくことに強いやりがいを感じておりました。
私はこの強みを貴行で活かし、幅広い層の利用者の一人ひとりに寄り添い、それぞれのニーズに合った価値を提供し続ける貴行で、お客様のご要望に沿ったご提案ができるよう尽力していきたいです。 (2025年卒 早稲田大学三菱UFJ銀行 総合職(カスタマーサービス) 内定)
「常に必要とされている事を察知し行動を起こす」のは、相手の求めていることが何かを理解できているからこそできること。さらに信頼関係をも築けることを話しているため、営業職で活かせる強みが存分に備わっていることをアピールできています。
「誰かの潜在的な思いを引き出した経験」を振り返ることで、おのずと「ニーズを汲み取った経験」としてつなげられそうです。
④課題を見つけ解決する力
営業職では「顧客の課題解決」がそのまま「契約」や「売上」となって現れます。顧客が抱く根本の課題がわからなければ、一向に営業も進みません。そのため、課題を見つける力は非常に重要であり、解決ができるとなると「売上につなげられる」とみなされるでしょう。
この学生は、部活動で選手の強みを引き出したエピソードを志望動機に入れ込んでいました。
実際に選考通過した回答
自らの発見や提案によってお客様の挑戦や前進を支えたいという想いが実現出来ると考えているからだ。
○○部でのスタッフ活動において、怪我中の選手にそれぞれの強みを活かすトレーニングを提案し選手の向上心を高めた経験がある。この経験から自らの行動が相手の成長に繋がることにやりがいを感じており、お客様の前進の支えとなれる生命保険業界を志望している。
その中でも貴社は、株式会社化の推進や健康増進アプリによるリスクの未然予防など、変革を武器に生命保険の枠を超えたサービスを提供しており、多方面からお客様の安心を支えている。
入社後は課題解決力と傾聴力を活かしながら全てのお客様に前向きな人生を提供したい。
また、ライフプロフェッショナル職はお客様と直接関わることができ、長期的に信頼関係を築いていくことが出来るという点で、私の就活の軸と一致している。さらに、女性に理解のある職場であり、長く働き続けることが出来ると感じ、志望している。 (2025年卒 第一生命保険 ライフプロフェッショナル職 内定)
「選手がケガをしている」という課題を抱えた状況でも、選手の向上心を上げられたのは、的確に課題を見つけられたからこそでしょう。
重要なのは、「誰かの課題を解決したこと」ではなく、「課題を見つけて解決した」という経験です。「自分の中の課題」を見つけ出し、解決できた経験を思い返してみても、立派な強みとしてアピールできるでしょう。
業界別! 内定者が話した営業職の志望動機例文12選
内定を獲得した人がどのような志望動機を作成したのか、気になる人もいるでしょう。就活会議に寄せられた営業職の志望動機を、業界ごとにまとめました。
それぞれの業界でどのように営業職の志望度をアピールすれば良いのかをつかみ、作成時の参考にしてください。
メーカー営業
メーカーを志望するにあたって、「志望企業の製品が好き」という思いはもちろん必要。しかし、「その製品を通して顧客にどのような影響をもたらしたいか、どのようなことを実現したいか」という視点は忘れてはなりません。
内定者たちは、どのようにして顧客へ影響をもたらしたいかを述べたのか、確認してみましょう。
実際に選考通過した回答①
私は御社で海外営業に携わることで、多様な文化を受け入れ、現地のニーズをモノづくりに反映することで、社会の発展に貢献したいと思っています。
私はこれまで様々な場所に移り住んだ経験から、「人との繋がりを大切にしたい」という想いがあり、製品を通して自分と社会やお客様との繋がりが目に見える仕事にやりがいを感じると考えメーカーを志望しています。なかでもクルマという商材の社会性や公共性の大きさ、そして地域によってニーズや使われ方が全く異なるという特徴を持っている点に興味を持ち、これまで様々な文化を受け入れてきた経験から、私は地域の一番の理解者となって人々の生活を支えたいと思うようになりました。
自動車業界の中でも私は御社の「町一番の会社」を目指す姿勢に共感しました。御社の多様なニーズに対応するためにお客様やディーラーの方々との関係性を大切にする姿勢は私が行ってきた周囲の人々の関係性づくりと合致していると考えます。 (2020年卒 慶應義塾大学 トヨタ自動車 事務職 海外営業 内定)
実際に選考通過した回答②
「現場を変えるような、感動的なモノ・サービスを提供すること。これに関して、自分だからできたと言えるような貢献をすること。」
最もやりがいを感じることができるからです。仕事をしていく上で、やりがいというのは非常に大切だと考えています。私は、誰かの役に立つとき、また、それが自分だからできたと言える時に最もやりがいを感じると考えています。これを実現するには、現場を変えるような、感動的なモノやサービスを提供する、ということが大切であると考えました。
御社は、営業利益率54%という数字が示すように、非常に高付加価値の製品を世の中に送り出しており、実際私が使った御社の機器も、非常に感動する性能を持ったものでした。将来私もこういった製品を世に送り出したいと考え、御社のビジネス職を志望しています。 (2021年卒 大阪大学 キーエンス ビジネス職 内定)
例に挙げた内定者の回答は、「車を通して地域の一番の理解者となって人々の生活を支えたい」「高付加価値の製品を世の中に送り出したい」と、製品と顧客の結びつく点がきちんと提示されています。
「製品と顧客をどのようにつなげたいか」「そのために自分ができることは何か」という視点で志望動機を展開してみましょう。
商社営業
商社の営業職は、通常の「売り手」となる営業職とは少し違い、「売り手と買い手の仲介役」を担っています。そのため、「仲介」をするからこそ必要となる能力を、自分なりに分析し、志望動機に入れ込むことが重要です。
それでは、内定者が思う「仲介に必要な能力」はどのようなものだったのでしょうか。
実際に選考通過した回答③
誰かのために挑戦する環境で、事業創造に貢献したいと考えている。
私の人生は、他者への共感とそれに対する責任感が、常に前進するための原動力となってきた。この想いを活かし、大学では、インドネシア人向けの日本語教育メディアを立ち上げた。活動の中では何度も挫折の瀬戸際に立ったこともあったが、熱心な留学生たちを思い出し、初めにこの挑戦を選んだ理由や、それが如何に他者の幸福に繋がるかを再考することで、困難を乗り越え、結果が出るまで活動をやり抜いてきた。
これからの人生においても、人々の人生に寄り添い続けるという信念を大切にし、多くの人の笑顔を追求する情熱と共に事業創造に挑戦したい。 (2025年卒 慶應義塾大学 阪和興業 総合職 内定)
実際に選考通過した回答④
私が伊藤忠商事を志望する理由は「貴社の企業理念である【豊かさを担う責任】が自分の信念と同じであり、強く惹かれたから」です。成長が見込めるビジネス、特に再生可能エネルギー事業を通して、社会を豊かにしていきたいです。
商社は大規模公益事業に長けており、貴社は「豊かさを担う責任」を企業理念としています。私は、発展途上国での生活を通して、恵まれた環境に生まれたものとして、自らの学びや経験を社会に還元したいと考えるようになりました。
また、高校時代、大学時代と風力発電事業について研究し、実地調査を通して、事業に取り組む方々の熱い想いに触れてきました。この分野は、需要が高まっていることから、今後成長していくと考えられます。
貴社で、これまで触れることが多かった再生可能エネルギーを通して、世界に新たなビジネスモデルを定着させ、社会を豊かにするべく、自らの学びや経験を還元していきたいと思います。 (2019年卒 上智大学 伊藤忠商事 総合職 内定)
内定者はそれぞれ、仲介に必要な能力を「人々の人生に寄り添い続けるという信念」「自らの学びや経験を社会に還元すること」と解釈しています。その理由や裏付けとなるエピソードを自分の言葉で述べているため、唯一無二の志望動機になっていることがわかるでしょう。
もちろん、これらだけが仲介業務で必要な能力ではありません。しかし、「なぜこの能力の大切さを実感したか」「なぜこの能力が商社で必要だと感じたか」を提示できると、商社の営業職に特化した志望動機になります。
医療(MR)営業
MRとは、医療従事者に対し、医薬品の営業をする事業です。単に医薬品を売るのみならず、商材に対しての情報共有もおこない、医療の質の向上にも寄与しています。高い専門性が求められる仕事であるため、医療に関する知識や関心を示すのは必要不可欠です。
内定者の回答から、どのように医療に対する関心を示していたのかを確認してみましょう。
例文⑤
私が第一三共を志望する理由は、3つある。
一つ目は、研究開発力が高いことである。企業として、そしてMRとして働く際には、新薬を生み出す力というものが非常に大切である考えている。御社は、売り上げ高に対する研究開発費の割合が約3割と、他者平均の約2割と比較すると高く、力を入れていると感じた。
二つ目は、オンコロジー領域に注力している点である。研究活動で、がんの診断に用いられる医薬品の合成技術に関する研究を行っている経験から、医薬品、そしてオンコロジー領域に興味を持っているため、魅力的である。
三つ目は、御社のMRが病院市場で1位の評価を得ている点である。私が目指している「選ばれるMR」というものに近づけると確信しているため志望している。 (2025年卒 東京工業大学大学院 第一三共 MR職 内定)
例文⑥
私の御社への志望動機は「究極の患者思考」の実現ができると考えるからです。主に3点理由があります。
1点目は「製品力の高さ」です。御社は物真似をしない創薬研究を推進しており、より革新的な創薬が実現できています。
2点目は「精神科領域でのプレゼンスの高さ」です。精神科領域での評価がNo.1であり、精神病患者様に最大限貢献できるという点に惹かれています。
3点目は「地域密着型」であるという点です。以上の3点より、御社であれば患者中心の医療の実現を叶えることができると認識しました。 (2025年卒 大塚製薬 MR職 内定)
1人目の内定者は、「がんの診断に用いられる医薬品の合成技術に関する研究をおこなっている」経験がアピールされています。2人目の泣いて者は、自信の研究などについて言及していなくても、この学生なりに医療にかかわっていきたい姿勢を示せています。
「なぜその企業なのか」「どのような強みを活かせるか」などの基本事項はもちろん、「医療への関心がどれほどあるか」「どれほど医療業界を理解しているか」もしっかりとアピールしてください。
人材営業
人材営業は、法人や個人に対し、最適な企業や求職者を提案する仕事です。「将来どのようになりたいのか」という点を引き出したうえで、最適なものを提案する必要があるため、「誰かに寄り添いたい」「選択肢を広げたい」という姿勢が欠かせません。
しかし、これだけではありきたりになってしまうため、「なぜそう感じたのか」の裏付けになる経験もしっかり提示する必要があります。内定者はどのような経験を入れこんでいたのか、2つの回答を見てみましょう。
例文⑦
私がマイナビを志望する理由がマイナビが若い世代を中心に将来の人生を身近に考えることができるきっかけを生み出し、人生の選択肢を広げる取り組みをしている姿に魅力を感じたからです。特にマイナビが行っているlocus事業でそう感じました。
私は学生時代の頃、学校側で用意された実際に働かれている人のお話や職業体験などがあったのですが、自身の将来の人生について身近に考えることができておらず、本当にやりたいことにつながるきっかけにはなりませんでした。
そんな経験があったからこそ、若い世代に向けて将来自己実現できるように支援をしているマイナビでなら、私の人生の選択肢を広げて生活を豊かにするという想いを実現することができると考え志望させていただきました。 (2024年卒 法政大学 マイナビ 総合職コース 内定)
例文⑧
私が貴社を志望する理由は、私の就職活動の軸とマッチしていると感じたためです。
貴社の営業同行インターンシップに参加した際、貴社の社員の方が、目の前のお客様の潜在的なニーズを引き出し、解決しようとしている姿を拝見し、これこそが私がしたい仕事であると感じました。
私も貴社の人材紹介部門等に就き、一人でも多くの求職者の方が自分の強みを最大限に活かすことができる企業に納得感を持って入社してもらえるように、また求人している企業様とマッチする人材を紹介し、双方にとってメリットになるように、一人一人と真剣に向き合うことに挑戦したいです。
また貴社には、しっかりとした芯を隠し持っている方が多いと伺いました。貴社の選考において出会った社員の方や他の学生を見ていても、そのような方が多いと感じました。貴社においてそのような方達と共に働き、辛いことや逆境も皆で切磋琢磨し、支え合いながら乗り越えていきたいです。 (2021年卒 同志社大学 パソナグループ 総合職 内定)
<例文⑦>では、内定者自らが後悔した経験があったからこそ、人の選択肢を広げたいという思いにつながっています。<例文⑧>では、インターンで間近で社員の働く姿を見たことが、人材業界への志望度を上げたことが読み取れます。このように、自分ならではの経験と思いを結び付けることにより、ありきたりな志望動機から脱却できるでしょう。
「自分が誰かに向き合った経験」はもちろん、合わせて「誰かに相談に乗ってもらった経験」や、「それを通じてどのように感じたか」なども思い返してみてください。そうすることで、志望動機に説得力を持たせることができます。
IT営業
「顧客がどのような課題を抱えているのか、ITを用いることでそれをどう解決できるのか」を提案するのがIT営業の仕事。顧客の課題に向き合うのはIT営業以外でもできるため、「なぜIT企業で課題解決を図りたいのか」の視点が必要不可欠です。
内定者が「なぜIT企業で働きたいのか」に着目しながら、回答を見ていきましょう。
例文⑨
IT技術を活用した課題解決を通して、企業の成長を後押ししたいという想いから、貴社を志望する。
長期インターンでは、ベンチャー企業の営業支援を行っており、企業の成長に携わることにとても大きなやりがいを感じた。将来は、IT技術を活用して企業のかかえる課題を解決していくことで、成長に貢献していきたい。
その中でも御社は、ALL SKYというチームで協力しながら仕事を進めており、職種や事業部を超えて協力することで、会社全体の技術革新にもつなげていく点が強み。今後多様化していくお客様の課題に対しても柔軟に対応できる御社であれば、私の想いを実現できると考えて、御社で働くことを強く志望しております。 (2024年卒 明治大学 Sky 総合職 内定)
例文⑩
システムの力を通じて企業全体を包括的に支えるという役割に強く魅力を感じたためである。
企業のITインフラの中核を担うシステムは、事業活動の根幹を支え、ビジネスの成長や効率化において欠かせない存在である。
NTTデータは、幅広い分野で先進的なソリューションを提供しており、そのスケールの大きさと高度な技術力によって、企業や社会に与える影響力も非常に大きい。このような環境で、私はシステム構築を通じて多くのクライアントの課題解決に貢献し、自らの専門性を深めながら社会に価値を提供したいと考えている。
そのため、NTTデータでキャリアを積み、企業全体を支えるシステム構築に取り組みたいと強く志望している。 (2025年卒 明治大学 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)
IT企業の将来性や、ITが仕事に与える影響など、ITを社会全体から見て欠かせないものだと捉えて志望している回答が見られました。そこから「IT業界のなかでもとくにその企業を志望する理由」につながっており、志望動機に説得力が増しています。
「現在不便に感じていること」と「ITの導入で現在の生活をどう改善できるか」を合わせて考えると、IT業界への深い関心を示すことができるでしょう。
金融営業
金融営業では、個人のライフプランや、法人の経営状況に対しての金銭的課題の解決をおこないます。金銭面にかかわることのため、専門的な知見で最適な提案をすることはもちろん、顧客とじっくりと話し合いを重ねて最適なプラン提案をする必要があるのです。
だからこそ、「なぜ顧客の人生や事業の節目にかかわりたいのか」をきちんと示し、責任を持って事業提案ができる姿勢を見せましょう。
例文⑪
私が貴行を志望する理由は、お客様と信頼関係を築き二人三脚でサポートすることで、企業や産業の発展に寄与できると考えたためだ。
母校の野球部で学生コーチを務めた経験から、相手に寄り添ってともに課題を乗り越える銀行の業務に魅力を感じた。
中でもお客様に寄り添う姿勢が徹底されている貴行でこそ、私の「共感力」が発揮されると確信している。そして貴行の強大な企業基盤やグループ力を生かして、お客様に最適なソリューションを提案していきたいと考えている。 (2025年卒 明治大学 三菱UFJ銀行 オープンコース 内定)
例文⑫
私が三井住友信託銀行を志望する理由は2点あります。
1点目は、日本で唯一の専業信託銀行という強みを活かし、高度な専門性と幅広さをもってお客様の課題に対して最適な提案をすることが出来ると考えたからです。
実際に大学においてボランティア活動をしているときに、とある事情で子どもを助けた際に、大学の方にお母さまからお手紙が届いたという経験がありました。このような経験から得た喜びもあり、お客様の課題に対して最初から最後まで一貫して自分の提案でお客様のことを支援したいという気持ちがあります。
このような点から、御社であれば、ワンストップで最初から最後までお客様のライフステージ、ライフイベント毎にご支援していくベストパートナーになっていくことが出来ると思い、御社を志望いたします。
2点目として、今までのインターンシップ、座談会、3回のリクルーター面談、人事面談を通して、本当に学生のことを想って話してくださる社員の方がたくさんいらっしゃることが印象的でした。
特にリクルーター面談では、皆さんフランクに話をしてくださって、私の話たことに興味を持って聞いて下さったり、自分が学生時代の話をしてくださったりなど、心の底から本当に感謝することばかりで、こんなに学生想いなのに対お客様でしっかりと業務もされていることを想うと、社員の方へのあこがれがすごく強くて、自分もこのような社員の方々と一緒に働きたいと思いました。 (2025年卒 青山学院大学 三井住友信託銀行 Aコース(地域限定型) 内定)
どちらも、自分が人に寄り添った経験や、活動を通して感謝された経験を述べています。丁寧に相手に向き合ったことも汲み取ることができ、「これならば責任感を持って誰かの人生を支えてくれるだろう」と面接官が思えるような回答です。
これまでの経験の中で「誰かのためになりたいと強く思ったこと」や、「自分の思いを実現するためには、なぜ金融業界でなければならないのか」を考えてみると良いでしょう。
受かる志望動機の4つの共通点|営業職内定者の志望動機から分析!
実際に営業職の志望動機を考えるとなった際に、「どのような志望動機にすれば内定に近づけるのだろう」と感じる人もいるでしょう。
就活会議に寄せられた営業職の志望動機を分析すると、「受かる志望動機」には以下の共通点があることがわかりました。
- ①なぜ顧客の課題解決をしたいのかが原体験を通して記されている
- ②営業職を通じて実現したいことが明記されている
- ③自分の強みを営業職にどう活かせるのかが提示できている
- ④志望企業の営業法や商材の独自性を入れ込んでいる
この4点について実際の回答と合わせて解説するため、「自分の志望動機が内定に近づけるクオリティなのかが不安」という人は、これらの要素が自分の志望動機に入っているかを今一度確認してみましょう。
①なぜ顧客の課題解決をしたいのかが原体験を通して記されている
営業の基本は「顧客の課題解決」です。「課題解決をしたい」と思う学生は多いですが、その理由が原体験を通じたものになっていると、面接官にとってより説得力があり、納得できる志望動機にできます。
実際に選考通過した回答
「自身のスキルを最大限に活かした他者の成長を支援する」という夢が貴社でこそ叶えられると確信したためである。
バイトリーダーの経験から、身につけた知識や経験をもとに相手に寄り添い信頼関係を構築することで、他者の成長を支援することに喜びを感じてきた。
顧客の成長を後押しすることができ深い信頼関係を求められる証券業界の中でも、共存共栄を掲げ、銀証連携に基づく圧倒的な顧客基盤・組織力から幅広いソリューション提供を叶える貴社が社会にもたらす意義は非常に大きいと感じる。
私は、そのような環境で、自らの強みである「相手の立場に寄り添う力」を活かし、様々な顧客に寄り添って問題を解決し、共に成長することで活躍したい。 (2025年卒 同志社大学 SMBC日興証券 総合コース[オープン採用] 内定)
バイトリーダーの経験から、他者の支援をすることに喜びを感じたエピソードが、顧客の課題解決の裏付けとなっています。さらに、そこで信頼関係を構築できるスキルを身に付けたことや、それが証券業界で活きることを示せているため、面接官のなかでこの学生の活躍イメージを湧かせやすくなったのも、内定を勝ち取った要因ではと予測できます。
②営業職を通じて実現したいことが明記されている
「営業職を通じて実現したいこと」は、「営業職に対するやる気の表れ」とも捉えられます。たとえ営業職の志望動機であっても、実現したいことに関する記載が無ければ、「本当に営業職を志望しているのだろうか」と疑問視されてしまうかもしれません。
実際に選考通過した回答
私が御社を志望する理由といたしましては、他社と比べても最もお客様本意が強く、自身にマッチしていると考えたからでございます。
私は「人のためになる」のであればそれがモチベーションになりますし、やりがいを感じます。そのような自身に最もマッチしているのは、「お客様第一」を掲げる御社であると考えます。
また、冬のインターンシップに参加させていただき、私は絶対にここで働きたいと思ったことが2点ございます。1点目は御社の変革に厭わない社風、2点目は社員様の人柄でございます。
1点目に関しまして、インターンシップにて、お客様のためなら絶えず「変革」に挑戦する御社の風土に魅力を感じました。一人ひとりに合った提案が可能な「ジャスト」の存在や、株式会社化していることなど、全てお客様のための変革だという理解をしております。そのような挑戦的な社風に惹かれております。
また社員様の人柄につきまして、インターンシップ中にお世話になった社員様から衝撃的なお話をお伺いしました。「お客様にとって最適な商品がもし自社でなかったら、迷わず他社の商品を推薦する」という話を聞き、衝撃を受けました。目先の数字だけでなく、真にお客様に寄り添うことができる社員様の存在、そしてそのような社員様がたくさんいらっしゃるのが御社なのだという感覚を得ました。
以上より、私は御社の一員として、一生涯のパートナーを目指したいと考え志望しています。 (2025年卒 同志社大学 第一生命保険 基幹総合職 内定)
「一生涯のパートナーを目指したい」という実現したいことが明記されている例文です。意思だけでなく、その裏付けとなるエピソードが豊富に述べられていることが、この学生ならではのポイント。インターンでの経験やそこからの感想、社員の人柄に惹かれたことを述べることで、面接官もその学生にしかない考えを汲み取ることができるでしょう。
③自分の強みを営業職にどう活かせるのかが提示できている
強みがどう活かせるのかを提示することで、面接官に入社後の活躍イメージを湧かせることができます。ただ強みを述べただけでは「強みがある」としか思われないかもしれません。
しかし、「どう活かすか」が志望動機に入っていることで「このように強みを発揮して働いてくれるだろう」という想像がしやすくなるのです。
内定者の実回答
「自分ならではの価値提供を通じて資金面からお客様の成長を支え、信頼関係を築く」という目標を実現したいからです。
アルバイトでの接客経験からお客様に感謝されることにやりがいを感じ、より深くお客様に関わる仕事をしたいと考えました。そのため、自身の知識や経験の重要性が増し、最もお客様との信頼関係が必要になる金融業界を志望しています。
中でも貴社では併営業務・信託に特化し、お客さまに対して専門性や質の高いソリューションを提供することができます。入社後は自身の強みである傾聴力を活かし、お客様のニーズを汲み取り、最適な提案をする事に挑戦したいです。 (2025年卒 法政大学 三井住友信託銀行 Gコース(全国転勤型) 内定)
この学生は「傾聴力」が強みだと述べています。傾聴力を強みとしている学生は多くいるかもしれませんが、「お客様のニーズを汲み取り、最適な提案をする」との記載があることで「丁寧に顧客と接し、最適解を導けるのだろう」と想像することができるでしょう。
また、この裏付けとして、アルバイトの接客経験が述べられているため、学生の強みが口だけでなく、事実に基づいたものであることがわかります。
④志望企業の営業法や商材の独自性を入れ込んでいる
企業について深く調べ上げていないと、志望企業独自の営業法や商材の独自性は提示できません。そのため、これらを入れられると、志望企業に対する理解が深いことのアピールになります。
内定者の実回答
トヨタ自動車を志望した理由は2つです。
1つ目は、世界進出に向けて巧みな戦略をとっているからです。2つ目は、きたるべき自動車の未来を創出しているからです。
トヨタ自動車は、インド進出の為にスズキと提携、アメリカでの雇用創出の為に1兆円の投資、アフリカ進出の為に豊田通商を通して赤字覚悟で道を切り開くというように、国に合わせて戦略を使い分けていることに魅力を感じました。
また、未来を見据えてグーグル・ウーバーテクノロジー・NTTと提携し、リスクを恐れずに投資しているチャレンジ精神に共感を得ました。
トヨタ自動車に入社させて頂けた場合には、渋滞緩和と自動安全をインフラと結び付けることに挑戦したいと考えております。 (2018年卒 東洋大学 トヨタ自動車 事務職 営業 内定)
トヨタ自動車が他社と提携した事例や、関連会社である豊田通商のことまでも述べられています。詳しく事業内容を調べていないと反映できない内容です。そのぶん、企業理解度の深さや志望度の高さが感じられる例文になっています。
このように、その企業ならではの商材を入れることで「その企業で営業がしたい」ことの表れになるのです。
営業職の志望動機の書き方や差別化のコツを押さえて内定を勝ち取ろう
この記事では、前提となる「営業職」についてや、志望動機の書き方、差別化のコツなどを解説してきました。
なんとなく「営業をしてみたい」と思っていたとしても、「なぜ営業なのか」「なぜこの種類の営業か」「なぜこの企業か」「どのように貢献できるのか」がわかっていないと、「なんとなくの志望動機」で終わってしまうかもしれません。
内定に近づくためにも、基本的なことはもちろん、「もっと詳しく、魅力的に表現できないか」という視点で志望動機を見直してみてください。あなたの熱い思いを志望動機に入れ込み、グッと内定に近づく営業職の志望動機を目指しましょう。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。

この記事の編集担当者
望月 晨生
新卒で寝具・家具メーカーに入社後、大手ECサイトの販売を担当。寝具や家具にまつわるオウンドメディアの立ち上げに携わる。自分で何かを作り上げることに魅力を感じ、ライター職に転職。現職では就活会議のコラム立ち上げに携わり、ライター・編集ディレクターを担当。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める