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就活会議
CREATED ON 2025.08.07 | UPDATED ON 2025.11.28

志望動機の「書き出し」5つの型|内定者ESから差がつくコツを解説

書類選考
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大手内定者は何て書いた?志望動機の「書き出し方」

こんにちは。就活会議編集部の佐藤です。 志望動機は、入社への熱意を最もストレートに伝えるものだからこそ、その内容は徹底的に練り上げる必要があります。 ただし、内容がどれだけ素晴らしくても、読んでもらえなければ意味がありません。読まれるかどうかは「書き出し」で決まります。 そこで、この記事では就活会議に寄せられた内定者の志望動機を分析。実回答をもとに、多くの内定者が共通して使う書き出し「5つの型」を紹介します。採用担当者が釘付けになるような書き出しを一緒に考えていきましょう。

この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。

前提を押さえよう! 志望動機の書き出しを練るべき理由

「書き出し」は基本的に志望動機の最初の1~2文を指します。この最初の数行が、採用担当者があなたに抱く印象を大きく左右するのです。

ここで端的でわかりやすい表現でまとめられていれば、「その後の内容も読み進めたい」「もっとあなたのことを知りたい」と思ってもらえるでしょう。

逆に言えば、支離滅裂な文章や冗長な文章だと読み進めるのに負荷を感じてしまいます。場合によっては、その後の文章を読んでもらえない可能性もあるでしょう。

つまり、志望動機の書き出しはあなたの「顔」と言っても過言ではないのです。

志望動機の「書き出し」の基本ルール

志望動機の書き出しを考える前に、基本的なルールも押さえておきましょう。なお、基本が押さえられている人は、「内定者の回答を分析! 志望動機の「書き出し」5つの型」まで読み進め、具体的な書き出し例を確認してください。

①結論として簡潔にまとめる

大前提として、志望動機に限らず就活で聞かれるすべての質問に対する回答は、結論を先に述べることが非常に重要です。志望動機の「書き出し」は、まさに志望動機全体の結論に当たります。

採用担当者は多くの応募書類に目を通すため、冒頭の文章で要点や概要が明確に伝わることで、最後まで読んでもらえる可能性が高まります。はじめに何が言いたいのかを明確に伝え、簡潔にまとめることを意識しましょう

②理由が複数ある場合は最初にその旨を述べる

「応募企業の社員に惹かれているし、企業理念にも深く共感している」など、志望理由が複数ある場合も多いでしょう。その場合は、書き出しの部分で最初にその旨を伝えることが重要です。

そうすることで、採用担当者は志望動機の全体像をつかんだうえで読み進めることができ、あなたの伝えたいことが理解しやすくなります。

具体的には「貴社を志望する理由は、〇つあります。一つ目は~。二つ目は~」といったイメージです。これにより、文章をわかりやすく組み立てられる論理的思考力もアピールできます。

内定者の回答を分析! 志望動機の「書き出し」5つの型

志望動機の書き出しの基本ルールは理解できても、具体的にどんな内容にすれば採用担当者に刺さるのかがわからないという人もいるでしょう。

そこで、実際に人気企業の内定を獲得した学生がどのような書き出し方をしていたのかを紹介します。5つのパターン別に解説するので、どんな書き出しが自分の志望動機に合っているかを考えながら読み進めてみてくださいね。

①目標や将来ビジョンを伝える

実際に選考通過した回答

私は、御社で日本企業の海外支援をして日本ブランドを海外に広めたいと思っています。

日本ブランドを海外に広めたいという想いは、アメリカに留学をしている時に日本のお菓子やボールペンの質の高さを会話の初めとして多くの外国人と仲良くなることが出来て、日本製品に誇りを持ったことが理由です。 (2018年卒 早稲田大学 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)

この書き出しにすることで、手当たり次第に選考を受けているのではなく、明確なビジョンのもと、その企業を志望している理由を具体的に示すことができます。これにより、説得力のある根拠が伝わり、採用担当者はあなたが自社で何を成し遂げたいのかをしっかりと理解できるでしょう。

②就活の軸との合致を伝える

実際に選考通過した回答

就職活動をする上で掲げている軸と致しましては、グローバルカンパニーであるかどうか、自身が成長するために挑戦する環境があるかどうか、自身が企業理念やCSRに共感できるかどうかといった点を掲げております。

企業情報を拝見したり、社員の方々への訪問をした上で、御社は、世界中に事業を展開するグローバルカンパニーであり、挑戦し成果を得た際に正当な評価制度があり、また、自身が企業理念に惹かれ、共感したため、御社を志望致しました。 (2023年卒 慶応義塾大学 ソニーグループ セールス&マーケティング 内定)

この書き出しにすることで、あなたが明確な目的意識と企業への深い理解を持ってその企業を志望していることが採用担当者に伝わります

結果として、企業とのマッチ度が高く、長期的に活躍できる人材であるという印象を持ってもらえるでしょう。

就活の軸との合致を伝えるためには、まずは企業理解を深めることが不可欠です。以下の手順に沿って、自分ならではの書き出しを考えましょう。

①企業研究をする

事業内容、業務内容、具体的な働き方、企業文化・社風、今後の展望・将来性をそれぞれ調べ、ノートやパソコンのドキュメントなどに書き出す

②自身の就活の軸を定める

自身の過去の経験と紐付ける
(例)軸→人々が楽しく働ける社会を実現する、過去の経験→大学の授業で、日本人の働くことへのモチベーションが低下している現状を学び、深刻な課題だと感じたため

③企業研究の内容と自身の軸の「共通点」を探す

(例)ある企業の「人材紹介、派遣、求人広告など幅広い人材サービスを提供している」という特徴と、自身の軸の「人々が楽しく働ける社会を実現する」は共通点になる

なお、両者の共通点を探す際は、それぞれ箇条書きにまとめ、線でつないでみるとよりわかりやすくなります。

③企業理念や社風への共感を伝える

実際に選考通過した回答

わたしが貴社を志望する理由は2つあります。まず1つ目は、「好働力」という貴社の理念に強く共感するからです。仕事、同僚、そして会社それぞれに愛着を持ちながら働ける環境は、私の能力を存分に引き出し、大きく成長させると信じています。 (2025年卒 Sky インフラエンジニア 内定)

「企業理念に共感した」という表現だけだと、ほかの多くの就活生でも言えてしまう一般的な志望動機になりかねません。単なる共感で終わらせるのではなく、その理由をあなたなりのエピソードとともに伝え、マッチングの高さを示す必要があります

たとえば、「これまでの人生で『新たなことに果敢に挑戦すること』を大切にしてきたため、貴社の若手から挑戦できる社風に共感している」といった形で、自分ならではの理由を明確に伝えることであなた独自の書き出しに仕上がります。

④企業の強みや特徴を伝える

実際に選考通過した回答

まず、マルチベンダーなため、多様な顧客の要求に、オーダーメイドのサービスを提供できる点に魅力を感じました。国内メーカーの他社に比べて、自社のハードウェアを持っていない分、縛りがないため、より顧客の要望に柔軟に答えられると感じます。さらに、コンサル会社は上流工程を主に担当しているが、御社はコンサルティングからシステムの運用保守までを一気通貫ででき、どちらかに特化しているわけでもなく、それぞれに強みを持っている。

二つ目として、人を大切にしている会社だとインターンを通じて感じた。不安な中、担当の社員の方がついてくださり、何か困ったことがあればすぐに対応してくださったり、丁寧にかつ親身にアドバイスを下さった。誰と会っても皆さんがそうだったので、「クライアントファースト」という社風が生きているのだなと感じた。 (2024年卒 早稲田大学 NTTデータ 総合職 内定)

「同じ業界のなかでも、その企業独自の強みや特性」を指す「競合優位性」を理解し、書き出しでその内容について言及することで、「ほかの企業ではなく、なぜその企業を志望しているのか」を明確に伝えることができます

この際も、自身の原体験をもとに伝えるのが重要です。たとえば、「ゼミ活動で日本食の多様な魅力を学んだからこそ、世界中に日本食をさまざまな方法で広めている点に魅力を感じた」といった形で、具体的なエピソードとともに明確に伝えましょう。

⑤自身の強みが活かせることを伝える

実際に選考通過した回答

私がソニー特許部を志望した動機は、エンジニアのサポートから、事業部との連携まで幅広い業務に携わりたいと感じたからです。またそれらの業務のなかで自分の性格や強みが最も活かせると考えたからです。 (2024年卒 ソニーグループ 技術職 内定)

企業は、自社で活躍し、売上向上に貢献してくれる人材を求めています。そのため、この書き出しでは、自分の強みやこれまでの経験を活かして、その企業で活躍できることを伝えられます。

なお、この後の流れとしては、「自分のどのような性格や強みをどのような場面で活かせるのか」といった点を明確に示しましょう。そうすることで、採用担当者はあなたの活躍イメージを具体的に想像することができます。

業界別! 内定者の志望動機の「書き出し」実回答7選

志望動機の「書き出し」の型を理解したところで、「選考を突破する『書き出し』がどのようなものなのか知りたい」と感じる学生も多いでしょう。

ここからは、就活生に人気企業の内定者による志望動機の「書き出し」を見ていきましょう。業界別でそれぞれ紹介するので、志望動機を書く際に参考にしてください。

①食品

人々の生活に密接にかかわる「食」。非常に多くの就活生が志望する人気業界であり、採用倍率が500倍以上になる企業も珍しくありません。

だからこそ「食べるのが好きだから」「その商品が好きだから」といった消費者視点の理由だけでは、ほかの就活生と差別化が難しく、採用担当者には響きません。人気企業の内定者はどのような内容を企業に伝えていたのか、見ていきましょう。

実際に選考通過した回答

圧倒的な技術力で食品業界をリードする御社でこそ、自身の「品質が約束された食を世界中に提供し、人々の健康に貢献したい」という思いを実現できると考え、志望しました。

この思いは旅行で東南アジアを訪れた際に生まれました。きれいなショッピングモールで口にした食事でさえ、それが原因となり体調を崩すことがしばしばありました。世界における食の品質のばらつきを痛感したと同時に、本来人々に笑顔や健康をもたらすはずの食が苦しみの原因になってしまうことを非常に残念に思いました。この経験から、「品質が約束された食を世界中に提供し、人々の健康に貢献したい」と強く思うようになりました。

そのうえで、御社は世界一のアミノ酸メーカーとして培ってきた高い技術力をコアとし、そこから派生した技術を駆使してほかのどの企業様よりも多角的な視点から美味しさを追求しています。また、そのような技術力だけでなく、独自の品質保証体制も構成し、世界中に「美味しさと健康」に貢献する高品質な製品を提供し続けています。そのような御社でなら、ASVの観点にもあるように社会的価値と経済的価値の両輪を回し続けながら、人々の心を動かす食と健康に貢献するイノベーションを起こせると確信しているため、志望しました。 (2024年卒 味の素 R&Dコース 内定)

この回答では、企業の特徴と自身の目標を端的に伝えています。

就活会議のデータを分析すると、食品業界の企業の志望動機として、「食を通じて人々の健康に貢献したい」と伝える就活生が多い傾向が見られます。しかし、この内定者の回答は「品質が約束された食」と、より限定的な表現を用いています。

これにより、「世界一のアミノ酸メーカーとして高い技術力を持っている」味の素を志望する理由が具体的に示せており、採用担当者に入社への熱意が明確に伝わるでしょう。

また、ただ限定しているのではなく「東南アジアで旅行した際に現地食が原因で体調を崩すことがあった」というこの学生の具体的な原体験に基づいています。このような原体験とともに伝えることで、より説得力が高い志望動機をまとめられています

②IT

スマートフォンやインターネットといった情報技術は、年々著しく発展し、現代社会に新たな価値をもたらしています。日常生活のなかでITの利便性を実感して、IT企業を志望する学生も多いでしょう。

数多くの学生が志望するからこそ、「なぜIT企業で働きたいと思ったのか」という理由を冒頭で明確に示すことが重要です。

実際に選考通過した回答

私がNTTデータを志望する理由は大きく分けて2つある。一つ目が、私が取り組みたい「インフラごと巻き込んだ事故ゼロ社会の実現」という夢が、御社でしかかなえられないと感じているからである。二つ目が、御社のTGという職位が、私の考えるキャリアプランと非常にマッチしているからである。

一つ目の方は、御社がスマートシティやコネクティッドカーのプロジェクトを抱えていらっしゃる点と、官公庁と非常に密接な関係を保有されている点において、私の掲げる夢を遂行する会社として一番適していると感じたからである。

二つ目の方は、最終的に技術を武器にしたエンジニアになりたいと考えているが、そこに対し正当な評価、報酬を受けられる職位があるということ自体が貴重であり、目指すべき道が明確である点が魅力的であったからである。 (2024年卒 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)

この回答では、理由が二つあることを冒頭で示しているため、採用担当者はそれを踏まえたうえで読み進めることができます。読み手への配慮が感じられ、好印象につながるでしょう。

自身の夢を伝えたうえで「御社でしかかなえられないと感じている」と述べることで、思わずそのように感じている理由を知りたくなる書き出しです。この書き出しは、特に「採用担当者に興味を持ってもらう」という点で優れていると言えるでしょう

なお、IT業界についてさらに理解を深めたい人は、こちらの記事を確認してみましょう。IT業界の業種・職種から向いている人の特徴まで徹底的に解説しています。

3分でわかるIT業界|職種・将来性・向いている人など徹底解説

③薬品・化粧品

人々の健康と美にかかわるものの一つが「薬品・化粧品」です。日常において非常に身近な存在だからこそ、これらに携わりたいと考える学生も多いでしょう。

食品業界などと同様に、薬品・化粧品業界も採用倍率が非常に高いことが特徴です。大手企業の内定者は、どのような志望動機で高倍率の選考を突破したのか見ていきましょう。

実際に選考通過した回答

志望した理由は、世界中の人々に「美と健康」を提供し続ける企業として、その歴史と革新の両立に強く惹かれたからです。

私は大学でマーケティングを学び、特に消費者心理とブランド戦略に関心を持ってきました。そのなかで、資生堂が国内外で築いてきたブランド価値の高さや、消費者との深い信頼関係を築くためにおこなっている取り組みに魅力を感じました。

特に、資生堂が推進しているデジタルトランスフォーメーションやサステナビリティへの取り組みに共感し、自分もこれらの分野で貢献したいと考えています。私は、マーケティングの知識とデジタル技術の理解を活かし、資生堂が持つブランド力をさらに高め、次世代の顧客との強固な関係を築くために尽力したいと思っています。

さらに、資生堂が多様性を重視し、グローバルな視点で事業を展開している点も、私が貴社を志望する大きな理由の一つです。異なる文化や価値観を尊重しながら、世界中の人々に「美」を届けるというミッションに共感し、私もその一員として成長し、貢献したいと強く思っています。 (2025年卒 資生堂 Sales 内定)

この回答の書き出しでは、企業が持つ独自の魅力や強みを端的にわかりやすく伝えています。これは企業への理解をしっかりと深めているからこそ言えることです。

その後の文章で自身の実体験と、企業の魅力点を具体的に述べています。企業のどのような点に魅力を感じているのか、正確に理解できる回答です。

④金融

経済の血液とも言える「お金」を扱い、人々の生活の基盤を支えるのが金融業界です。業界の安定性はもちろん、職種によっては企業・個人の未来を創るスケールの大きい仕事ができることが魅力となっています。

書き出しでは、このような金融業界ならではの特徴や、「金融業界のなかでも、特にこの企業ならでは」と感じる志望企業の特徴や強みに魅力を感じていることを伝えるのが効果的です

実際に選考通過した回答

銀行の提案できるソリューションの広さと行員の方の魅力に惹かれたからです。

私は、個別指導塾のアルバイトの経験から「人を支えることに」やりがいを感じるようになりました。そこで、様々な業界の企業を支えることができる金融を志望していましたが、保険や証券よりも銀行の方が様々な会社を巻き込んで活動できることを知り、魅力を感じるようになりました。

また、私は、夏のインターンシップ以降イベントを通じて様々な行員の方とお話をさせて頂きました。そこで、行員の方々がご自身の今後成し遂げたいビジョンを明確に教えてくださったことに感銘を受けたため志望しました。 (2021年卒 早稲田大学 三菱UFJ銀行 総合職 内定)

この回答では、「銀行の提案できるソリューションの広さ」と「行員の方の魅力」という、他行にはない三菱UFJ銀行ならではの具体的な強みを最初に伝えている点が効果的です。

これにより、採用担当者はまず、「この学生は当行の特徴を理解している」という印象を抱くでしょう。さらに、学生が持つ「人を支えることにやりがいを感じる」という価値観と、「さまざまな会社を巻き込んで活動できる銀行」という事業内容を論理的に結び付けており、なぜ金融業界のなかでも銀行を選んだのかという理由が明確に伝わる回答です。

⑤商社

国内外の商品やサービスの売買を仲介し、架け橋となる商社業界は、グローバルに活躍したい就活生を中心に人気の業界です。

なかでも「五大商社」と呼ばれる5つの商社は、例年就活生から高い人気を誇ります。五大商社のうちの一つの三菱商事の内定者の志望動機を見ていきましょう。

実際に選考通過した回答

長い歴史のなかで培われた「総合力」と、それを基盤にしながら日本の再生に向けて本気で取り組む「攻めの姿勢」の2点に惹かれています。

まず総合力に関しては、人材、知的資産、ブランド、資金力において、他商社より優位性を持っており、それらを活かしながら御社は、政府や行政と一体となって大規模なプロジェクトに携わってきた実績があります。

またこのような歴史的背景から、エネルギーや食料自給の問題、また人口減少など、現代日本が抱えている問題に対して真摯に向き合う責任を意識し、「地方創生」をテーマに新たな投資をおこなっているものと推察します。

私自身、◯◯県の田舎出身であり、地方創生には強く関心があると同時に、◯◯◯◯◯で働いた経験のなかで、国全体としての勢いの無さを痛感し、強い課題感を持っています。総合商社のなかでも特に「日本の国力」「地方創生」といったテーマに注力されている御社で、私もその一員となり、グローバルネットワークや知見・事業をつなぎ合わせ、社会の課題を解決に取り組みたいです。 (2024年卒 東京外国語大学 三菱商事 総合職 内定)

この回答では、その企業のどのような点に魅力を感じたのか鍵括弧を用いて端的に述べています。書き出しの部分で「2点に惹かれている」と具体的な数字を出しているため、採用担当者は今後の文章構成を想像することができます。

このように「」を効果的に活用すると、視覚的にも読み手に伝わりやすい表現でまとめることができます

なお、以下の記事では五大商社のうちの一つである、三菱商事に就職するための対策について解説しています。

三菱商事就職ガイド|エントリーシートの深掘りと企業の展望理解が鍵

⑥広告・マスコミ

テレビや新聞などさまざまな広告媒体を通じて、多くの人々に影響を与えられるのが広告・マスコミ業界です。これらの業界は人々に娯楽や感動をもたらす側面もあるため、その点に魅力を感じる就活生も多いでしょう。

内定者の実回答から、一歩踏み込んだ志望動機の書き出しにするための秘訣を学びましょう。

実際に選考通過した回答

私が惹かれたのは「モノやサービスの魅力を伝える手段の幅広さ」と「他者の価値観を尊重する社員の方々の人間性に惹かれたこと」の二点だ。

前者に関しては、何が行動を変えるトリガーになるかは人によって異なると思うので、手段に縛られずさまざまな切り口からアプローチできるという点は目標を実現するために欠かせない強みだと考える。

後者は、社員訪問や選考を通して感じたことであり、御社の社員さんは非常に個性豊かで性格や大切にされている価値観はまったく異なったが、どの社員さんも私の話を丁寧に聞き、会話のなかから私の価値観や生き方を理解しようとしてくれた。そのような姿勢があるからこそ、多種多様に存在する個々の個性が最大限に活かされ社会全体を動かす大きな力になっているのだと感じる。 (2025年卒 電通グループ 総合職 内定)

この回答は、志望企業に魅力を感じた理由として、サービス面と働く環境面という2つの視点から、具体的かつ明確に言及できている点がポイントです。企業の魅力を一つだけ挙げるよりも、複数個挙げることで企業理解の深さや志望度の高さをより強くアピールできるでしょう

また、社員訪問や選考で感じた具体的なエピソードが盛り込まれており、その経験から学生が何を感じ、何を考えたのかが詳しく理解できます。

⑦不動産

土地や建物などの不動産を扱うのが不動産業界です。たとえば、一軒家の購入は人生で最も高額な買いものの一つです。このような人生の重要なターニングポイントに直接的にアプローチできる点が、不動産業界の魅力として挙げられます。

なかでも都市開発や街づくり、大規模な不動産開発の企画や推進を総合的におこなうディベロッパー業界は、就活生に非常に人気です。内定者はただ「街づくりに携わりたい」といった理由だけでなく、さらに踏み込んだ理由を伝えることで、ほかの就活生との差別化に成功しています。

実際に、ディベロッパー業界の内定者の回答例を見てみましょう。

実際に選考通過した回答

まず、不動産デベロッパーとして、本当の意味での街づくりができるのは御社を含めて数社のみだと考えています。それは、保有する土地の広さやこれまでの実績、社会的な認知度が関連していると捉えています。

御社は大丸有というエリアを資産として保有し、明治時代以来長い時間をかけて、この場所を世界に通用するビジネスエリアに育て上げてきました。そのような歴史ある大規模な開発、そして広いエリアでの連続性のある開発ができるのは御社だけだと考えています。

また、御社のインターンにお世話になった際に、多くの社員さんと交流する機会を得、そのお人柄や優秀さに心から惹かれました。私は御社に入社し、社会的に重要な仕事をしながら、目標とする先輩社員の方々のような人間になりたいと考えています。 (2018年卒 早稲田大学 三菱地所 総合職 内定)

この回答は、単なる「街づくり」という抽象的な理由ではなく、志望企業が持つ「保有する土地の広さ」「大丸有というエリアでの歴史」という具体的な強みを書き出しで明確に示しています

これにより、採用担当者は、学生が企業を深く研究し、競合他社と比較したうえで、「なぜこの企業でなければならないのか」という、論理的で説得力のある志望動機を持っていることを瞬時に理解できるででしょう。

さらに、「インターンでの社員との交流」を通じて、企業の社風や働く人への共感という感情的な理由も付け加えることで、論理と感情の両面から入社への強い熱意を効果的に伝えています。

職種別! 内定者の志望動機の「書き出し」実回答5選

ここからは、職種別に大手企業で内定を勝ち取った先輩たちの実回答を紹介します。自分が志望する職種の志望動機の「書き出し」を確認してみましょう。

①営業職

営業職には、商材の形(有形・無形)や顧客相手(BtoB・BtoC)、営業スタイル(新規開拓・既存営業)など、多種多様な種類があります。志望動機の「書き出し」を考える際に、その企業の営業が具体的にどのような種類の営業なのか、業務内容の解像度を上げることが不可欠です

実際に選考通過した回答

私が貴行の法人営業を志望する理由は大きく3つある。

1つ目は顧客の人生に長く寄り添える仕事であるということだ。自身の父親が銀行に勤務しており、実際に20年以上前に取引のあった顧客と異動後の現在でもときおりご挨拶に行く姿などを見ており、無形商材を販売し自分自身が商品になれるからこそ自分の強みである傾聴力から生まれる問題発見力、明るさのコミュニケーション力が発揮できると考える。

2つ目に現在日本人の5人に1人が貴行の口座を持っており、国内法人取引では国内上場企業の7割と取引をしている、さらには40の国、地域に120拠点を展開し海外ネットワークも充実していることから顧客の基盤・ネットワークを活かせること、銀信証といった横のつながりに魅力を感じた。

最後に、就職活動で企業研究を進め、貴行の人事部○○さんをはじめとする行員さんとのお話のなかでチームで仕事をやっていこうという姿勢の強さがほかの銀行よりも強いと感じた。このようなそれぞれのスペシャリストの強い横のつながりによって、顧客にとってもワンストップで提案ができ、私自身も多様な経験を積んだ方々に刺激を受けながら成長していけると考える。 (2024年卒 みずほフィナンシャルグループ 基幹職(総合) 内定)

この回答では、営業職を志望する理由を「無形商材の営業への適性」「事業規模に関する魅力」「社員の人間性への共感」の3つの要素からわかりやすく伝えています。

特に、自身の原体験や実際に志望企業の社員と話した経験を盛り込むことで、ほかの人には語れない「あなたならでは」の志望動機に仕上がっています。

なお、営業職志望の人は、こちらの記事で営業職の志望動機の作り方も確認してみましょう。

営業職の志望動機の書き方|営業内定者の回答12選付き

②エンジニア職

IT業界や製造業など、幅広い業界で活躍できるのがエンジニア職です。エンジニア職は、専門知識を習得し、手に職を付けられる点が大きな魅力の一つだと言えるでしょう。

学生時代に開発経験がある人もいますが、開発経験がない人は「なぜ未経験のエンジニア職に挑戦したいのか」を明確に伝えることが重要です

実際に選考通過した回答

2点ございます。

1点目が開発の上流工程から下流工程まで携わることができるという点です。能力の高いエンジニアになるためには、下流のプログラミングだけゴリゴリやるのであったり、逆に上流だけやるのではなく、下流も上流も幅広い経験をして知識を得ることが必要だと思っています。御社は上流から下流まで年次を問わず携わることができるということを座談会でお聞きし、若手のうちからいろんな経験をして成長できるという点に魅力を感じました。

2点目はチームで協力する働き方に魅力を感じたためです。「Skyなう」などの社内インフラが充実していて、ほかの社員さんや部署の方との連携がとりやすく、それによって働きやすくかつ効率よく業務を進められるような環境が整っていることに魅力を感じました。これまでの自身のチーム活動と照らし合わせた時、チームで働くことを大切にしている御社ではやりがいをもって働けるのではと思い、御社を志望しています。 (2025年卒 Sky 開発職 内定)

この回答では、能力の高いエンジニアになるために必須な条件を考えたうえで、志望企業がその条件に当てはまることを論理的に示しています。「能力の高いエンジニアになりたい」という向上心や主体性も感じられます。

③研究職

研究職は、大学で培った専門知識を活かせるため、特に理系学生に人気の職種です。しかし、「研究が好き」という熱意だけでは、志望動機でほかの就活生と差を付けるのは難しいでしょう。

ほかの就活生と差を付けるためには、自身の専門性と強みを明確に提示することや、研究への情熱と貢献意欲を示すことが重要です

実際に選考通過した回答

私が働くうえでかなえたいと思っている、「働くなかで成長する」、「自分の研究成果を商品として社会に届け、手に取った方々の生活を豊かにする」の2点を貴社でなら実現できると考え、志望いたします。以下にお示しする貴社の3点の特徴からそのように考えました。

(1)研究開発に非常に力を入れている。そのため、良い商品を作るための基盤となる研究に十分に取り組むことができると考えました。 (2)マトリックス運営をおこなっている。そのため、それぞれの専門性を発揮し、融合させることで他社では真似できないユニークな商品を生み出すことができると考えました。 (3)研究員の方々が熱い思いを持って研究開発に取り組んでいる。インターンシップを通して、働く皆様が綺麗事なしに社会貢献への熱い思いを持ち、社会に必要とされる商品を作るべく日々研究に励んでいることを知りました。

このように、熱い思いを持つ方々と、研究開発に力を入れる貴社で働きながら、自らの専門性を伸ばし、さまざまな分野と融合させることで人々の生活を豊かにする商品を生み出したいと考えています。 (2022年卒 大阪大学 花王 技術系 研究職 内定)

この回答では、自身の目標をその企業でなら実現できる理由を、箇条書きでわかりやすくまとめています。

「自分の研究での経験を活かしながら、人々の生活を豊かにする商品を生み出したい」といった目標から、研究への情熱や貢献意欲なども合わせてアピールできています。

④コンサルタント職

企業や組織の悩みに対して戦略的な解決策を提示するコンサルタント職は、おもにコンサル業界やIT業界などで活躍が期待される職種です。

コンサルタント職として活躍するうえで、論理的思考力は極めて重要な能力です。志望動機の書き出しを考える際にも志望動機全体の文章構成や論理展開を意識し、論理的思考力が備わっていることを示しましょう。

実際に選考通過した回答

私がコンサルタントという仕事に興味を持ったのは、大学時代に立ち上げた慈善団体活動のなかで、自身が持つ知識を活かしながら他者の問題解決を支援していくことにやりがい、自己成長を感じたからです。そこで、将来は「人々が抱える問題に対して当事者意識を持ち、ともに解決していくことで他者の成功・成長を形成すること」を仕事にしたいと思い、コンサルタントを志望しています。

大学二年時、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている飲食店を見て、私は微力でも支援したいと考え、飲食店を取材しSNS上で宣伝する慈善団体活動を創設しました。開設当初は掲載店舗の少なさや記事の内容の質によるメディアとしての信頼性の欠如により、取材を断られることがほとんどでした。まずは知人の飲食店から取材をしていくことにし、掲載店舗数を増やすことに注力しました。取材の際に別の経営者を紹介していただくことで、継続的に取材をおこなえる環境作りを徹底すると同時に、インサイトの分析を通した需要の特定、競合媒体との差別化などに取り組むことで高品質な記事を作ることを心掛けました。結果、創設三カ月で支援者三千人、平均閲覧数を一万人を達成し、地域で一番のSNSメディアを作ることができました。

メディアとしての信頼性を獲得していくなかで、経営者からSNSマーケティングをおこなうための相談を受けるようになりました。実際に問題を要素化していくと、SNS宣伝以外にも、「競合との比較不足」や「顧客層の特定不足」などの売上向上のために必要な根本的問題点も見えてきました。SNS戦略だけでは解決しきれない問題であるため、同時にそれらの問題解決も試みました。しかし、経営者と同じ目線に立って、分析や立案をしていくことはSNSメディアの経験しかない私には困難なものでした。だからこそ、施策がうまく機能した時にはやりがいや達成感を感じました。また依頼を解決していくごとに対応できる幅が広がっていくことに自己成長、そして経営者の喜ぶ顔に幸せを感じました。

上記の経験から、幅広い業界の分析・立案を通した問題解決を通して、成長や成功を支援することを仕事にしたいと考えるようになりました。これを達成できるのはコンサルタントであり、経営目線で物事を考え、多くの問題解決にかかわっていき、かかわる業界全体の成長・成功支援をコンサルタントとしておこなうことで日本経済の成長に尽力したいと考えています。 (2024年卒 北海道教育大学 デロイトトーマツコンサルティング 経営コンサルタント職 内定)

この回答は、コンサルタント職に興味を持ったきっかけを冒頭で述べているのが特徴的です。具体的なエピソードに加え、その経験から何を感じ、どのような仕事をしたいと思ったのか、一連の過程が具体的に伝わるため、採用担当者はこの学生の価値観や志向性を明確に理解できるでしょう。

また、これまでの経験で得たモチベーションをコンサルタント職として働くうえでも活かせることを明確に示しており、この学生がコンサルタント職として活躍するイメージを採用担当者に持ってもらえるはずです。

⑤販売職

販売職は、顧客と直接コミュニケーションを取りながら、商品やサービスを販売・提供する仕事です。

「人と接するのが好き」「ありがとうと言われることにやりがいを感じる」などの理由は接客業の志望動機としてよく聞きますが、ライバルと差別化しづらかったり、どの企業の販売職にも当てはまることが多いでしょう。

そのため、あなたなりのエピソードやその企業の販売職だからこそかなえられることを書けるように意識してみてください

実際に選考通過した回答

私の就職活動の軸を御社が備えているからです。

私は将来「多くの人の暮らしを支え、豊かにする」という夢があります。この夢を設定した理由は、大学の基礎研究が人目に触れる事が少なくやりがいを小さいと感じたからです。そのため、人目に触れて人の暮らしを支えるような業務を行いたいと思うようになりました。

この夢を達成するために必要な就職活動の軸が3つあると考えており、①多くのタッチポイントがあること②人の暮らしを支えるコンテンツ・サービスを提供していおること③1人のビジネスマンとして成長できること、という3つを設定しています。御社はこれらの軸を備え、入社することで自身の夢を実現できると思い、御社を志望しました。 (2022年卒 千葉大学大学院 ファーストリテイリング グローバルリーダー候補 内定)

この回答では、書き出しで「私の就職活動の軸を御社が備えているからです」と、簡潔に結論を述べている点が効果的です。

「多くの人の暮らしを支え、豊かにする」という自身の明確な夢を起点とし、その実現に必要な3つの軸を論理的に提示しています。これにより、採用担当者は、学生が「なぜ販売職なのか」ではなく「なぜこの企業を通じて夢を実現したいのか」という、より深いレベルの動機を持っていることを瞬時に理解できるでしょう。

特に、「多くのタッチポイントがあること」や「人の暮らしを支えるコンテンツ・サービス」といった具体的な軸は、ファーストリテイリングの事業規模や社会への影響力を理解したうえで設定されており、企業への深い理解と、個人の価値観の結び付きを効果的にアピールしています。

さらに磨きをかける! 志望動機の「書き出し」で差がつく3つのコツ

志望動機の「書き出し」」で差がつくコツ

志望動機を作成したうえで、「よりほかの就活生と差別化できる『書き出し』を考えたい」と感じる人も多いでしょう。

ここからは、志望動機の「書き出し」をさらに磨き上げるための3つのコツを解説します。コツを押さえて、あなたの「書き出し」をブラッシュアップし、一歩リードできるものに仕上げましょう。

①社会貢献への強い意欲を示す

就活会議に寄せられたデータを分析すると、冒頭の文章で社会貢献への強い意欲を示している内定者が多い傾向が見られました。

志望動機の「書き出し」として、「目標や将来ビジョンを伝える」型を解説しましたが、この際に強い貢献意欲を示すことが効果的です。

なぜなら、企業は社会全体や人々に対して何らかの価値を提供することで報酬を得て、事業を継続していくことができるからです。「企業活動を通じて社会貢献したい」という強い使命感や、目的意識を持っている姿勢は、企業からの高評価につながるでしょう

社会貢献への強い意欲が効果的に示された内定者の回答例を紹介します。

実際に選考通過した回答

人々の健康を支えたいと思っています。

私はスポーツを通して多くの怪我をしてきました。例えば〇〇でスポーツができなくなったことが本当に悲しくて人生最大の挫折経験でした。その時に食事を通して自身の怪我は減ったし、前よりも強くなることができた。食品だけではなくてアミノ酸を用いてスポーツ進行を支援している貴社だからこそ、私のような多くの人を助けることができると考えています。

入社後はアミノ酸事業部でスポーツイベントや教育現場で体づくりの手伝いをしていきたいと思っています。 (2022年卒 慶應義塾大学 味の素 Sales/Businessコース 内定)

実際に選考通過した回答

私が御社を志望する理由といたしましては、まず、ITを活用して世の中の問題を解決し、社会をより一層発展させていきたいという私の願いを叶えるのに御社が最もふさわしいと考えたからです。

御社はビジネスフィールドが広く、自分の携わりたい仕事を選択できる幅が大きいと伺いました。将来的に他の事業をやりたいと考えた時に、社内公募制度などを用いて別の事業部に移ることが期待できるというのが個人的に非常に魅力に感じております。

また、御社はNTT研究所との結びつきが強く、AIなどといった最先端の技術にも力を入れているため、御社であればこれからの社会をより便利で先進的なものにしていけるのではないかと感じ、志望いたします。 (2020年卒 東京工業大学大学院 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)

これらの内定者の回答では、社会貢献への意欲を「人々の健康を支えたい」「ITを活用して世の中の問題を解決し、社会をより一層発展させていきたい」といった自分の言葉で伝えています。

「社会人として働くうえで、社会や人々にどのような影響を与えたいか」といった俯瞰的な視点で、将来ビジョンや目標を考えてみてください。

②成長の意欲や挑戦志向を示す

内定者の志望動機のもう一つの傾向として、自己成長の意欲や挑戦志向をアピールしている場合も多く見られます。自身の目標や将来ビジョン、就活の軸を伝える際にこれら2点を意識してみましょう。

新卒採用は、「ポテンシャル採用」と言われています。これは、即戦力が問われる中途採用とは異なり、受験者の成長意欲や挑戦意欲が特に重視される傾向にあることを意味します。

だからこそ、志望動機の冒頭でこれらの志向性を明確にアピールできると効果的です。

実際に選考通過した回答

最も「挑戦」を重んじ、成長してきた企業であると確信しているからである。「やってみなはれ」精神のもと高い目標をたて、失敗を繰り返しながらも成長してきた貴社の「挑戦の歴史」には、私自身の人生と重なるものがある。 (2024年卒 サントリーホールディングス 総合職 内定)

実際に選考通過した回答

私は、貴社のICTを最大限活用し、観光を通じた街づくりに挑戦したい。日本文化に好意的な印象を持つ海外の友人が数多くいるが、言語の障壁は想像以上に大きく、日本旅行に一歩踏み出せない要因となっていることを知った。 (2025年卒 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)

これらの内定者の回答では、志望企業が「挑戦」を重視している点に魅力を感じていることや、志望企業に入社できた際に挑戦したいことを具体的に伝えています。

志望企業が若手の挑戦できる環境をどのように提供しているか、企業のホームページや選考時の逆質問などで確認し、自身のキャリアビジョンや目標と紐付けてみましょう

③「その企業でなければいけない理由」を示す

志望動機の「書き出し」を考える際には、「なぜその企業でなければならないのか」を明確に示すことが非常に重要です。この点を具体的に伝えられないと、企業は「ほかの企業でも良いのでは」と感じてしまいます。

まずは業界研究をおこない、志望業界の特徴を把握しましょう。次に、企業研究を徹底的におこないます。この際、同じ業界の他社と比較して、その企業独自の強みを理解することが重要です

以下の項目を参考に、企業独自の強みを見つけましょう。

実際に選考通過した回答

私はICTを活用して顧客や社会を支えるシステムを作りたいというビジョンを実現するにおいて最適な環境だと考えたからです。

このビジョンを具現化するためには、自身の力だけではなく、チームメンバーと主体的に取り組み、挑戦できる環境が必要だと考えました。御社はALL SKYというスタイルを持ち合わせていて、全員参加で主体的に取り組み、協力し合う環境があるので、非常に魅力的に感じました。

また、御社はフィールドが広く、二事業を大きな柱として持ち、安定と挑戦を同時に目指せるといった点にも魅力的だと考えています。御社に入社した際には、チームメンバーとともに成長し、協力しながら、期待を上回る解決策を提供できるよう努力したい。さらに、ICTを活用したシステムの構築に挑戦したいと考えています。 (2025年卒 東京理科大学大学院 Sky 開発職 内定)

この内定者の回答では、自身の将来ビジョンを実現するためには、志望企業へ入社することが最適だと考え、その理由を具体的に述べています。

多角的な視点から考えた説得力のある理由を複数個提示することで、企業を納得させることができます。

志望動機の「書き出し」を書く際の3つの注意点

ここまで志望企業の「書き出し」をより良くするさまざまなコツを解説しました。一方で、志望動機の「書き出し」で避けるべき内容や注意点もあります。それらを押さえることで、予期せぬ形で評価が下がる事態を防げるでしょう。

ここから解説する3つの注意点が、あなたの志望動機の「書き出し」に当てはまっていないか確認してみてください。

①企業の魅力のみを伝えない

志望動機の「書き出し」の型の一つとして、「企業の強みや特徴を伝える」パターンを解説しました。ただし、企業の魅力だけを羅列しないように注意しましょう。

NG例

貴社を志望する理由は、食品および調味料のリーディングカンパニーとして長年にわたり高品質な製品を提供し続けているからです。


事業展開が広く、いろいろな食品に携われることも強く魅力を感じています。また、貴社のインターンに参加して社員の人柄の良さに惹かれました。

企業の特徴や強みは、採用担当者がすでに深く理解していることでしょう。採用担当者は、志望動機を通じて学生の「なぜ魅力を感じたのか」という理由や、「自身の将来ビジョンの実現と企業の特徴がどのように結び付くのか」といった点を把握したいと考えています。

そのため、企業の魅力だけを伝えるのではなく、必ず自身の経験や考え、将来ビジョンを具体的に盛り込むようにしましょう

②待遇面の話題は避ける

企業に魅力を感じる一つの理由として、福利厚生などの待遇面やリモートワークなどの働きやすさも当てはまるでしょう。しかし、「書き出し」を含め志望動機ではそのような待遇面の話題は避けるべきです。

NG例

貴社を志望する理由は、強固な経営基盤が整えられていて、安定的に給与を得られるからです。


また、飲食店やホテルの割引制度など、福利厚生面が充実している点にも魅力を感じているからです。

上記のような志望動機では、企業から「条件面しか興味がなさそう」「待遇さえ良ければほかの企業に行くだろう」とネガティブにとらえられてしまう可能性が高いでしょう。

「研究制度が充実しているから」という内容も、志望動機として伝えるのは控えるべきです。なぜなら、会社は学校ではないからです。社会人には「学びたい」という受動的な姿勢ではなく、能動的に利益を追求し、企業に貢献する姿勢が求められます。

③抽象的な表現はしない

将来の目標やビジョンを伝えるうえで、抽象的な表現は避け、できる限り具体的に伝えることを意識しましょう。

たとえば、「多くの人とかかわれる」「人々を笑顔にしたい」といった内容は、ほかの就活生でも言えるようなよくありがちな内容であり、「あなたならでは」の価値観や貢献意欲を明確に伝えることができません。

NG例

御社を志望する理由は、働くうえでかかわる人が多いからだ。


老若男女問わず幅広い世代の顧客や他部署の人とかかわることで、幅広い知識や考え方を吸収し成長でき、多くの人と協力して働けることに魅力を感じている。

「なぜ」「どのような」という視点を意識し、自身の目標や就活の軸などを深く掘り下げることが重要です。「この文章だと多くの人が当てはまりそう」と感じた文言は、今一度考え直してみましょう。

企業に刺さる志望動機の「書き出し」で差を付けて選考突破の第一歩にしよう

志望動機の「書き出し」の部分は、採用担当者が抱く第一印象を大きく左右し、その後の文章を読み進めてもらえるかどうかが決まる極めて重要な部分です。だからこそ、練り直して完成度を高めていく必要があります。

この記事で解説したコツや、内定者の実回答を参考にして、自分ならではの志望理由を明確に示した「書き出し」を考え、選考を突破しましょう。

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この記事の編集担当者

佐藤 美空

大学卒業後、就活会議のグループ会社であるポートに新卒入社。約1年間キャリアアドバイザーとして文系学生の就職支援をおこなう。就活生時代にポート運営の就活メディアを活用した経験から、「今度は私が就活生の役に立つメディアを創りたい」という思いでライターに転身。現在は就活会議のライターを担当している。

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編集責任者

江副 裕斗

大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める

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