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CREATED ON 2025.12.03 | UPDATED ON 2025.12.03

面接の志望動機の適切な長さ|ベストな時間配分と内定者の回答付き

面接対策
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面接の志望動機の適切な長さ|ベストな時間配分と内定者の回答付き

こんにちは。就活会議編集部の佐藤です。 面接で志望動機を聞かれたとき、「どれくらいの長さで話せば良いのか」と悩む人は多いのではないでしょうか。私自身、話が長すぎないか、短すぎないかと不安でしたが、志望動機の適切な長さを理解したうえで準備をするようになってからは、自信を持って回答できるようになりました。 この記事では、面接で話す志望動機の適切な長さを解説します。さらに、内定者の回答から分析した、志望動機を適切な長さでまとめる4つのコツも伝授。一緒に自分の考えを過不足なく伝えられる志望動機を作りましょう。

この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。

面接で志望動機を話す際の適切な長さ

まずは基本として、面接で志望動機を話す際の適切な長さの目安を理解しましょう。これは面接の形式によって異なるため、それぞれの目安を押さえることで、伝えたい内容を的確にアピールできる志望動機を作れます。

なお、「1分以内でお願いいたします」など時間指定された場合は、その時間を厳守しましょう。時間を守れないと論理性や理解力が乏しいと判断される可能性があります。

適切な長さでない場合のリスクについては、「面接の志望動機が短すぎる・長すぎる場合の悪影響」で詳しく解説しているため、併せて確認してみてください。

指定された時間内にまとめる自信がない人は、この後解説する「1分で志望動機を話すときの最適な時間配分」や「あらゆる状況に対応! 長さ別の志望動機の最適な時間配分」を参考にし、どのような状況でも臨機応変に対応できるように準備を進めましょう。

さらに、こちらの記事では、面接での志望動機の答え方や高評価につながるコツを解説しています。あわせて確認してみてください。

面接の志望動機の答え方とコツ4選|内定者回答10選付き

個人面接:1分程度

個人面接の場合は、1分前後が適切な長さの目安です。

この時間は、あなたの志望動機を論理的かつわかりやすく伝えるために最適な長さであり、面接官に最も集中して聞いてもらえる長さです。

なお、人が1分間で話せる文字数は300~400文字だと言われているため、この文字数を基準に回答を組み立てていきましょう。

集団面接:30秒~1分以内

集団面接では、一人の学生にかけられる時間が限られています。そのため、30秒~1分以内で簡潔に志望動機を伝えましょう。

30秒の場合は150~200文字が目安となります。集団面接では、結論と最もインパクトのあるエピソードに絞り込み、簡潔ながらも入社意欲を強くアピールすることが重要です。

1分で志望動機を話すときの最適な時間配分

ここからは、1分で志望動機を話す際の最適な時間配分を解説します。この回答構成は、1分前後の時間を指定された際の土台にもなるため、志望動機を伝える際の参考として、必ず押さえておきましょう。

10秒:企業を志望する理由

まず、「御社を志望するのは〇〇だからです」というように、志望動機の「核」となる結論を簡潔に述べます。志望動機の概要を伝えるイメージで、一文にまとめるのがベターです

志望動機の結論を伝える際の具体例は以下の通りです。これらを参考にし、その企業を志望している理由の大枠を適切に伝えられる表現を考えましょう。

なお、志望動機のエントリーシート(ES)の書き出しについては以下の記事で詳しく解説しています。書き出しで採用担当者の心をつかむことで、最後まで目を通してもらえるようになります。内定者に共通する「5つの型」を紹介しているので、参考にしてみてください。

志望動機の「書き出し」5つの型|内定者ESから通過のコツを解説

30秒:根拠・具体的なエピソード

次に、その企業を志望している根拠として過去の経験を具体的に述べましょう。結論に至った理由を、あなたの経験と価値観で裏付けるイメージです。

30秒間では詳細なエピソードを網羅的に伝えることは難しいため、「課題」「自分がおこなった施策」「結果・成果」に着目してまとめることが重要です

以下の具体例を参考に、30秒で具体的なエピソードを伝えるイメージを持ちましょう。

20秒:入社後のビジョン

最後に締めくくりとして入社後のビジョンを伝えましょう。

志望動機では、企業の魅力を並べるだけでは不十分です。「自分のこのような経験を活かして、このように活躍したい」と入社後の貢献意欲を示すことで、「あなたを採用するメリット」を採用担当者に感じてもらえます

以下の具体例をもとに、20秒間で面接官に響く入社後のビジョンの伝え方をつかみましょう。

あらゆる状況に対応! 長さ別の志望動機の最適な時間配分

「以前の面接で、30秒で志望動機を求められて困った」「2~3分で伝えようとして、最も伝えたいことを的確に伝えられず冗長になってしまった」といった経験がある人は、1分の志望動機を土台にして、長さ別にそれぞれ回答を準備してきましょう。

短くするからといってやみくもに削ったり、長くするからといって情報をただ付け足せば良いわけではありません。短い時間だからこそ伝えるべき内容をより厳選したり、長い時間だからこそ付け足すべき内容を見極める必要があります。

30秒の場合:結論とエピソードの成果に絞る

項目 時間配分 役割とポイント
結論 10秒 なぜその企業を志望するのか、結論を最初に簡潔に述べる
エピソードの核と成果 20秒 結論を裏付ける最もインパクトのある経験に絞る

30秒間という短い時間は、面接官の注意を引く「フック」の役割を果たします

そのため、あなたが最も伝えたい結論と、それを裏付ける実績を簡潔に伝えることに集中し、詳細は面接官から深掘りされた際に答えるようにしましょう。

以下の具体例を参考にしてみてください。

具体例①:IT業界

結論(10秒)
私が御社を志望する理由は、ITの力で社会の非効率を解消したいからです。

エピソードの核と成果(20秒)
大学のサークルで非効率なタスク管理を課題と感じ、独学で新しい進捗管理ツールを導入しました。その結果、チームの業務効率を25%向上させることができました。この課題解決への意欲を御社で活かしたいです。

具体例②:金融業界

結論(10秒)
私が御社を志望する理由は、お客様の人生に寄り添い、長期的な信頼関係を築きたいからです。

エピソードの核と成果(20秒)
学習塾のアルバイトで、生徒一人ひとりの不安に耳を傾け、継続的なサポートをおこなった結果、担当生徒の第一志望合格率を80%に高めました。この傾聴力と信頼構築力を活かし、御社の法人営業に貢献します。

2分の場合:自分と企業の接点を加える

項目 時間配分 役割とポイント
結論 10秒 なぜその企業を志望するのか、結論を最初に簡潔に述べる
エピソードの核と成果 60秒 具体的な課題・行動・結果を詳しく説明する
自身の強みや価値観と企業の特徴との結び付け 30秒 なぜその強みがその企業で活きるのかや、競合他社との違いを説明する
入社後のビジョン 20秒 自分の強みを活かして入社後どう活躍したいかや、入社後に何を目指してどう貢献したいかを伝える

2分の場合は、1分の志望動機に「企業への結び付け」を加えるのがポイントです。この点を明確に伝えることで、「競合他社と比較したうえで、なぜその企業でなければならないのか」という説得力のある志望動機に仕上がります。

そのためには、企業理解を深めることが不可欠です。企業理解が深められたら、「自分のどんな強みが、その企業で働くうえでどう発揮されるのか」を考えましょう。これにより、あなたの強みが企業の事業や文化にどう結び付くかをアピールでき、入社後の活躍イメージを採用担当者に伝えられます。

以下の手順に沿って企業研究を進め、「その企業でなければならない理由」を言語化しましょう。

基本的な企業情報を企業ホームページやIR情報から収集する

事業内容、製品・サービス、職種ごとの業務内容、企業理念、将来ビジョンなど


競合他社とさまざまな軸で比較し、その企業独自の強みを見つける

事業モデル、企業文化、グローバル戦略、研究開発など


企業と自身の強みを結び付ける

(例)

企業独自の強み:データ分析に強みがあり、業界初となる新サービスを開発した

自身の強み:サークルでデータ分析により課題解決をした経験がある

➡私のデータ分析能力は、御社の新サービス開発を加速させることに貢献できます

企業と自身の強みを結び付けられたら、以下の具体例を参考にして回答を組み立ててみましょう。

具体例①:IT業界

結論(10秒)
私が御社を志望する理由は、ITの力で社会の非効率を解消したいからです。

根拠・具体的なエピソード(60秒)
この思いは、大学のサークルで企画運営長を務めた経験にもとづいています。約40名のメンバーがタスク管理に非効率を感じている現状を課題ととらえ、独学でプログラミングを学び、カスタム進捗管理ツールを開発・導入しました。

導入時は抵抗もありましたが、利用者アンケートをもとに機能改善を続けた結果、チームの業務効率を25%向上させることができました。

私はこの経験から、課題を自ら見つけ、テクノロジーで解決することに大きなやりがいを感じます。

企業への結び付け(30秒)
御社は、競合他社がパッケージソリューションを提供するなか、顧客ごとにカスタマイズされたシステムを設計する姿勢を徹底しています。私の課題解決への意欲は、御社のソリューションモデルで最大限に活かせると考えています。

入社後のビジョン(20秒)
まずはコンサルタント職として現場に入り、企業の隠れた課題を特定します。将来的には、培った技術知見と分析力を活かし、次世代の業務効率化ソリューション開発を主導することで、御社の事業成長に貢献したいです。

具体例②:金融業界

結論(10秒)
私が御社を志望する理由は、顧客の人生に寄り添い、長期的な信頼関係を築きたいからです。

根拠・具体的なエピソード(60秒)
個別学習塾のアルバイトで、生徒が成績不振ではなく、「将来への不安」を抱えていることに気付いたのが原体験です。私は、単に勉強を教えるだけでなく、生徒一人ひとりと向き合い、進路や将来の目標について継続的に対話するサポートに時間を割きました。

その結果、生徒は自信を取り戻し、最終的に担当生徒の第一志望合格率を80%に高めることができました。

私は、この傾聴力と信頼構築の重要性を働くうえでも活かしたいと考えています。

企業への結び付け(30秒)
御社は、競合他社が投資商品の販売に注力するなかで、地域社会や中小企業の長期的な成長支援を重視する姿勢に強く共感しています。

特に御社の〇〇支店で展開されている「地域活性化プロジェクト」は、私の価値観と完全に一致します。私の傾聴力は、御社の法人営業において、お客様の潜在的な経営課題を引き出す際に発揮できると考えています。

入社後のビジョン(20秒)
まずは法人営業で信頼を築き、その後は事業承継やM&A支援に携わりたいです。顧客の成長を金融面から支え、地域経済に不可欠な存在として御社に貢献していきたいです。

3分の場合:入社後のビジョンをより具体化する

項目 時間配分 役割とポイント
結論 10秒 なぜその企業を志望するのか、結論を最初に簡潔に述べる
エピソードの核と成果 90秒 困難や挫折、それを乗り越えたプロセスを具体的に伝える
自身の強みや価値観と企業の特徴との結び付け 40秒 経験で培った価値観が、その企業の経営理念やビジョンとどう共鳴するのかや、自分の強みを活かし、入社後どう活躍したいかを伝える
入社後のビジョン 40秒 自分の強みを活かした中期・長期的なキャリアプランと、会社への貢献像を明確に伝える

3分の場合は、2分の志望動機に加えて、入社後のビジョンをより具体的に伝えられます。「入社後3年後」・「5年後」・「10年後」にそれぞれどのようなことに挑戦したいかを伝え、企業研究の深さや熱意をアピールしましょう。

入社後の働くイメージが持てない人は、OB・OG訪問で実際の働き方を社員に聞いたり、採用ホームページの社員インタビューを確認するのが有効です。

また、エピソードで困難や挫折に直面した際の「感情の動き」や「乗り越えた際の思考プロセス」を詳しく語ることで、あなたの人間性や価値観を面接官に伝えることができます。これにより、企業とのマッチ度をよりアピールできるだけでなく、ほかの学生との差別化にもつながるでしょう。

以下の手順に沿って、過去の経験の「感情」面を掘り下げてみましょう。

心が動いた場面を特定し、その感情を具体的な言葉で書き出す:

(例)チームが分裂したとき、「このままでは終われない」という強い焦燥感を感じた


直面した困難と当時の思考を書き出す:

(例)問題の原因を「知識の不足」ではなく、「メンバー間の信頼関係の欠如」だと分析した


困難を乗り越えるための行動と、その行動を選んだ理由を明確にする:

(例)失敗を恐れる気持ちを捨て、「自分が率先して泥をかぶろう」と決意し、まずはメンバー全員と1対1で話す機会を設けた


行動の結果、どのような価値観や学びが深められたかを考える:

(例)この経験を通して、「チームで結果を出すには、まず感情的なつながりや信頼が不可欠である」という価値観が形成された

以下の具体例を見ながら、3分間で志望動機を伝えるイメージをつかみましょう。

具体例①:IT業界

結論(10秒)
私が御社を志望する理由は、ITの力で社会の非効率を解消したいからです。

根拠・具体的なエピソード(90秒)
この思いの原点は、大学のサークルでの企画運営経験にあります。

約40名のメンバーを管理する際、あまり役立たないタスク管理表が原因で、業務の抜け漏れや進捗の遅延が日常化していました。正直に言うと、「せっかくの熱意が非効率で潰れていく」ことに強い無力感と焦燥感を感じ、このままではチームの士気が下がり、運営自体が破綻すると危機感を覚えました。

そこで、私は「現状を嘆くのではなく、まず自分で解決の糸口を探ろう」と決意しました。ITの知識がなかったため、まず独学でプログラミングの基礎を学び、メンバーの業務フローに合わせたカスタム進捗管理ツールを開発・導入することを提案しました。

最初、古参メンバーからは「使い慣れない」と抵抗されましたが、私は「皆がストレスなく使えるツール」こそが本質的な解決策だと考え、夜間や休日を使って個別に操作指導や機能改善を続けました。

その結果、チームの業務効率は25%向上し、この経験から、課題を自ら見つけ、テクノロジーで解決するプロセスにやりがいを強く感じるようになりました。

企業への結び付け(40秒)
私が御社を志望するのは、この「根本解決にこだわる姿勢」を御社のソリューションモデルで最大限に活かせると考えているからです。

競合他社がパッケージソリューションを提供するなか、御社は顧客ごとにカスタマイズされたシステムを設計する姿勢を徹底しています。私の経験で培った「利用者の本質的なニーズをつかみ、粘り強く形にする姿勢」は、この御社の事業理念と共鳴しています。この環境こそが、私の課題解決力を最も発揮できると考えています。

入社後のビジョン(40秒)
まず、入社後3年間はコンサルタント職として現場に入り、顧客の真の課題を特定するスキルを徹底的に磨きます。

5年後には、プロジェクトリーダーとして中小企業のDX推進を牽引し、チームを率いるマネジメント経験を積みたいです。

そして、10年後には、培った技術知見と分析力を融合させ、次世代の業務効率化ソリューション開発を主導することで、御社の事業成長と日本企業全体の生産性向上に貢献したいと考えています。

まずは法人営業で信頼を築き、その後は事業承継やM&A支援に携わりたいです。顧客の成長を金融面から支え、地域経済に不可欠な存在として御社に貢献していきたいです。

具体例②:金融業界

結論(10秒)
私が御社を志望する理由は、顧客の人生に寄り添い、長期的な信頼関係を築きたいからです。

根拠・具体的なエピソード(90秒)
この思いは、個別学習塾のアルバイトで、生徒が成績不振ではなく「将来への漠然とした不安」を抱えていることに気付いたのが原体験です。

最初のうちは、指導がうまくいかないことに自分の力不足を悔やみました。

しかし、単なる勉強法ではなく、生徒の将来の目標について「なぜそうなりたいのか」と本気で向き合う対話を重ねました。そのとき、生徒が求めていたのは、知識よりも「安心感」と「信頼」だと気付きました。私は、単に勉強を教えるだけでなく、生徒一人ひとりと向き合い、進路や将来の目標について継続的に対話するサポートに時間を割きました。

この「信頼関係の構築」に徹した結果、生徒は自信を取り戻し、担当生徒の第一志望合格率を80%に高めることができました。

この経験を通して、「目に見えない信頼こそが、長期的な成果を生む土台である」という価値観が形成されました。

企業への結び付け(40秒)
御社は、競合他社が投資商品の販売に注力するなかで、地域社会や中小企業の長期的な成長支援を重視する姿勢に強く共感しています。特に御社の〇〇支店で展開されている「地域活性化プロジェクト」は、私の「地域社会の成長に貢献したい」という価値観と完全に一致します。

私の傾聴力は、御社の法人営業において、お客様の潜在的な経営課題を引き出し、真のニーズに応えるうえで発揮できると考えています。

入社後のビジョン(40秒)
まず、入社3年後は法人営業で確かな信頼を築き、融資を通じて顧客の事業拡大に貢献します。5年後には事業承継やM&A支援の専門性を高め、地域経済の課題解決を担うリーダーを目指したいです。

そして10年後には、地域全体に不可欠な「信頼のインフラ」として御社を代表する存在となり、顧客の成長を金融面から支え続けたいと考えています。

面接の志望動機が短すぎる・長すぎる場合の悪影響

面接の志望動機が短すぎる・長すぎる場合の悪影響を具体的に把握しておくことで、採用担当者の視点を把握し、意図しないミスや減点を防ぐことができます。短すぎる場合と長すぎる場合に分けて、それぞれ確認してみましょう。

短すぎる場合

面接で話す志望動機が短すぎると、上記のような悪影響を及ぼす可能性があります。

面接はコミュニケーションを通じて相互理解を深める場です。短すぎると経験や考えを十分に伝えられないため、採用担当者はあなたの価値観や人間性を詳しく理解できません

志望動機が短くなるおもな理由として、企業理解が浅く、抽象的な表現が多くなることが考えられます。その場合、採用担当者は「自社に興味がないため、企業研究ができていない」とネガティブな印象を抱くでしょう。

長すぎる場合

面接で話す志望動機が長すぎると、上記のようなリスクがあると考えられます。

面接で「この学生の話は冗長だ」と思われると、「自身の考えをわかりやすく論理的に伝える能力に欠けている」と思われてしまうでしょう。論理的思考力は社会人として働くうえでさまざまな場面で必要なため、ネガティブな印象を抱かれてしまうかもしれません。

また、面接官は志望動機を含めたさまざまな質問から一人ひとりの学生を見極め、合否を判断しています。志望動機が長いとほかの質問をする時間が減ってしまうため、結果的に採用担当者があなたを深く理解したうえで、適切な判断を下すことが難しくなるかもしれません

長さ別! 大手内定者の志望動機例文6選

ここからは、大手内定者が面接で伝えた志望動機を長さ別で確認し、実際の面接で伝えるイメージを持ちましょう。

「指定時間内でどのような内容をどれくらいの文量で伝えているのか」、「どんな点を企業から評価されているのか」に注目して一つずつ目を通してみてください。

30秒

30秒間では、おもに結論とエピソードの核・成果に絞って簡潔にまとめることが重要です。ここでは三井住友銀行とKDDIの内定者が伝えた志望動機を見ていきましょう。

内定者の回答

「金融のスペシャリストとして成長し、お客様の夢の実現に貢献したい」という想いからだ。

幼い頃から、祖父が遺産相続の問題を経験していることを聞かされ、その経験から金融知識を身につけ、人々を支援したいという想いが生まれた。

お客様と深く関わり、「自らの価値を提供したい」という想いから、無形商材を扱う金融業界への就職を志望している。その思いは御行なら叶えられると感じた。お客様の夢をかなえていきたいです。 (2025年卒 法政大学 三井住友銀行 グループリテールコース 内定)

この回答では、結論を簡潔に述べた後に、志望動機の「核」となる原体験を伝えています。「祖父の遺産相続問題」という具体的な原体験を端的にまとめているため、採用担当者は短い時間のなかでも、この学生が金融業界を志望するようになったきっかけを理解できるでしょう。

30秒という短い時間のなかで、「個人の体験」→「金融への興味」→「入社後の貢献」という流れを簡潔に示しています。

内定者の回答

新しい当たり前を作るのに最適な環境だと考えたからです。

というのも、私は地域にとって当たり前となるサービスを提供したい。当たり前になるためには、一過性の取り組みではなく持続的な取り組みである必要がある。

KDDIは、他社と比べても特に、「Te to Te プロジェクト」などによって、地域のベンチャー企業などと協業して地域の持続的な発展を目指しているため、当たり前となるサービスを作ることが可能だと考えた。 (2022年卒 上智大学 KDDI WILLコース アカウントコンサル(法人営業) 内定)

この回答は、「新しい当たり前を作る」というフレーズで学生のビジョンとKDDIの事業特性を結び付け、「Te to Te プロジェクト」を根拠に挙げることで、深い企業理解と事業戦略への共感を強く示しています。

「ビジョン→KDDIの強み」という流れが、学生の将来像を実現するうえでKDDIに就職することが必然であることを説得力を持って伝えているでしょう。

1分

1分間では、30秒間の場合と比較して、経験や入社後のビジョンをより詳しく述べましょう。ここでは、アクセンチュアとレバレジーズの内定者の志望動機を紹介します。

内定者の回答

私はアクセンチュアを志望する理由として、特にテクノロジーの力を駆使してビジネス課題を解決する点に惹かれています。

大学で経営学の授業を多く選択し、学ぶ中で、デジタルトランスフォーメーション(DX)が企業の成長にとって欠かせない要素であると感じました。中でも、御社はクラウド、AI、データ分析など最先端のテクノロジーを活用し、クライアントの変革を支援しており、アクセンチュアでは私が目指す「テクノロジーと経営を融合させた価値提供」が実現できると考えています。

もう一つの理由は、グローバルな規模で影響力を持つプロジェクトに携われる点です。御社は世界120か国以上で事業を展開しており、幅広い業界や地域における課題解決に取り組んでいると伺っています。私も、このような環境で、異文化や異なるビジネスモデルに触れながら、自分の視野を広げるとともに、国境を越えた価値創造に貢献したいと考えています。 (2025年卒 東京大学 アクセンチュア ビジネスコンサルタント職 内定)

志望理由を「テクノロジーによる価値提供」と「グローバルな影響力」の二軸に整理した構成と、「クラウド、AI、データ分析」「世界120カ国以上」といった具体的なキーワードが、学生の企業への理解度の高さを示している、効果的な回答です。

面接での「グローバルな環境で働きたい原体験や理由」の深掘り対策として、具体的なエピソードを準備しておきましょう。

内定者の回答

私が御社を志望する理由は、私には「世の中により多くの交流を生み出すことに貢献する」という目標があり、御社でこれを達成したいと考えているからです。私がこの目標を達成するために会社に求めている環境が2つあります。

1つ目は、自分の挑戦したい新規事業をやらせてくれる環境です。御社は、積極的に手を挙げる人には挑戦する機会を与える社風を持っているだけでなく、実際にどんどん新規事業を立ち上げているという実績があることを魅力に感じています。

そして、2つ目が早く新規事業を任せてもらえるような人材に成長できる環境です。私は、いくら新規事業に挑戦したくてもその能力やそれに必要な経験がないと挑戦する権利は与えられないと考えています。御社では、新入社員のうちから大きな裁量を持たせてチームや事業をマネジメントする機会をたくさん与えるということでこの環境もあると思っています。 (2018年卒 立命館アジア太平洋大学 レバレジーズ 企画・セールスコース 内定)

個人の目標を起点とし、「新規事業への挑戦機会」と「成長環境」の二軸で志望理由を構成することで、論理的かつ説得力のある志望動機となっています。

どちらの回答も、1分間で「結論」→「根拠」→「ビジョン」の流れで企業との適合性を効果的にアピールしている点がポイントです

1分30秒

1分30秒では、エピソードに関して「その状況で何を考えたか」といった感情面や、具体的な施策、他社にはない企業独自の強みについて、詳細に語れるようになります。

ここでは、三菱商事とNTTドコモの内定者の回答を見ていきましょう。

内定者の回答

御社で働くことが、私が人生で大切にしている2つのモットーと大きく重なるからです。一つは「異なる環境に飛び込み、そこでの学びを自分の環境に活かす」こと、もう一つは「目標達成のためなら新しい挑戦も、泥臭い仕事も厭わない」ということです。

前者に関しては小学時代から高校まで、5つの違うスポーツに取り組んできましたが、常に経験者でない自分は以前のスポーツの経験から何を活かせるかを常に考えてきました。また、高校時代でのラグビー部主将では合同チームでの経験、大学のサークル幹事長では高校時代以前やヒッチハイク、バックパックでの学びから今の環境に活かすことを常に意識していました。これは総合商社の駐在や出張で異なる環境に飛び込む特性で多いに生きると感じています。

後者目標達成においては、中学、高校、大学時代で常に置かれている環境に疑問を抱き、よりチームの目標達成に合理的な新しいルールを提案することを心がけていました。また、目上の方の呼び出しにはどこからでも駆けつけることや皆が嫌がる掃除など、他人が嫌なことでも目標に近づけることならば常に自分が率先して行動しました。この点は総合商社が利益を出すためには世界中にある幅広いネットワークやノウハウを用いていることに強い共感を覚えています。

その中でも、御社は業界を牽引する企業として常に新しい試みを行い、社員の方も泥臭い地道な仕事を大切にされる方が多いと感じ、志望しています。 (2018年卒 早稲田大学 三菱商事 総合職 内定)

この回答は、「未経験の自分が以前のスポーツ経験から何を活かせるか考えた」「チームの目標達成に新しいルールを提案することを心掛けた」と具体的な経験における思考プロセスを示しており、学生の価値観と総合商社への志向性を説得力を持って伝えています

最後に「泥臭い仕事」という表現を用いて総合商社で避けられない地道な業務を肯定的にとらえることで、企業文化との高い親和性を効果的にアピールできているでしょう。

なお、以下の記事では三菱商事の選考対策や企業分析について詳しく解説しています。商社志望の人は、あわせて確認してみましょう。

三菱商事就職ガイド|内定者が実践した選考通過のコツ3選

内定者の回答

私がdocomoを志望する理由は3点あります。

1点目は、「+d」という付加価値協創の姿勢に引かれたからです。今後ますます少子高齢化が進み、ニーズが多様化・複雑化していく中では、他社と競い合うのではなく、互いの強みを活かし補い合いながら人々のより豊かな生活を目指すことが必要だと考えます。そのため、ドコモの持つ技術を用いて、パートナー企業と競う「競争」から協力する「協創」し、新たなビジネスと時代を創りあげていく姿勢に強く惹かれています。

2点目は、「あたりまえ」を生み出すドコモの技術力と国内屈指の会員基盤です。IoT化により移動通信の役割と可能性が高まる中、御社の会員基盤とそこから得られるビッグデータは、新しい価値・サービスを創造する上で重要なツールになります。御社の強みである顧客基盤や技術力を活かし、幅広いニーズに応えた価値を提供することで社会課題の解決に広く貢献したいです。

そして最後は、私が何事においても大切にしてきた姿勢を活かせると考えたからです。座談会を通し、御社には社員のやる気や挑戦を尊重し、若いうちから責任ある仕事をできる風土があり、私が大切にしてきた「目標に向かって妥協せず、やり抜く姿勢」を活かせると感じました。 (2021年卒 東京理科大学 NTTドコモ 総合職 内定)

志望理由を3点に整理した構成と、「+d」「国内屈指の会員基盤」といった具体的な戦略への言及が、NTTドコモの事業戦略に対する深い理解と入社後の貢献意欲を伝えている、非常に説得力の高い回答です。

面接での「目標に向かって妥協せず、やり抜く姿勢」の深掘り対策として、その具体的な原体験を事前に準備しておきましょう。

業界別! 大手内定者の志望動機例文8選

志望業界が定まっている人は、業界別に大手内定者が面接で伝えた1分程度の志望動機を確認していきましょう。

ここでは、「1分間でどのような要素を盛り込んでいるか」「その業界の企業にどんな点を評価されているか」に注目してみてください。

メーカー

メーカーは競合他社の製品と同じような商品を扱うことが多くあります。そのため、その企業に対する熱意を伝えるには、具体的な商品名を挙げながら、企業理解の深さや入社後の貢献意欲を示すことが重要です

内定者の回答

【商品の魅力を効果的に伝える力】を活かし、お客様に明日への活力を提供したいです。具体的には、クラフトビールの更なるシェア拡大に挑戦したいです。

留学中、日本酒営業を経験し商品の魅力をお客様に分かりやすく伝えることで、私が勧めた商品を嬉しそうに買ってくださるお客様が増えました。そして売上が上がることを学びました。

近年若者の酒離れや健康志向により、国内ビール市場は縮小傾向にあります。しかし「量より質を求める」風潮からクラフトビール市場が拡大しています。クラフトビールは一般的なビールと比較し値段が高いですが、「頑張った自分へのご褒美」としてより多くの人に選んでもらえるよう、商品の魅力を的確に伝えたいです。

さらに次のステップとして「クラフトビールがある日常」が、人々の生活に定着するように良質な商品をお客様に提供できる営業担当を目指します。 (2025年卒 青山学院大学 キリンホールディングス 事務系 営業コース 内定)

この回答は、自身の日本酒営業の経験と業界の現状分析を起点に、「縮小市場を拡大させる」という具体的な貢献ビジョンを示しています。

原体験を簡潔に伝え、ビール市場の現状分析と結び付けた貢献意欲を明確にすることで、業界への理解度の高さと入社の熱意を効果的にアピールできているでしょう。

商社

商社の仕事は、異なる国籍や文化、専門性を持つ人々を巻き込み、長期的なプロジェクトを進めることです。その際には自ら課題を見つけ、業務を進める姿勢が求められます。

したがって、商社の志望動機を伝える際は、商社で活躍するために必須な調整力や粘り強さ、主体性を具体的な経験とともにアピールしましょう

また、商社が持つ特有の「資源」や「ネットワーク」を活用したい意欲を伝えるのも効果的です。

内定者の回答

一つ目は中心プレーヤーだからです。小学校からリーダーなり副部長など何かしらの調整係を務めることが多くて、総合商社の様々なステークホルダーの調整をしながら主体的にビジネスを行う、そういった働き方に魅力を感じています。

二つ目は、年次が高くなった時に新ビジネスを創造したいからです。こう思ったのはインフラ企業インターンで海外における新規事業を立案したことがきっかけです。

そこで新しいエネルギーバリューチェーンを構築して、優勝に選んでもらったのですが、その案の実現性を聞いたところ、まだアセットがなくて厳しいと言われてしまいまして、その時に自分が年次が高くなり、稟議を通るようなビジネスを立案できた時、広いネットワークや豊富な資源がある総合商社ならビジネスを創造できると思ったためです。 (2019年卒 慶応義塾大学 三井物産 担当職 内定)

この回答は、「調整役」と「資源を活用した事業創造」という、総合商社が持つ機能に合致する形で志望動機を述べています。どちらも過去の経験に裏打ちされているため、一貫性のある内容になっています。

小売

小売業の本質的な役割は、単に商品を並べることではなく、「顧客のニーズを現場で察知し、商品を組み合わせたトータルな生活の提案」をすることで、人々の生活を豊かにすることです。

そのため、志望動機では、「顧客の豊かな生活へ貢献したい」という貢献意欲やホスピタリティ精神を具体的な根拠を交えて伝えることが重要です

内定者の回答

私は飲食店のアルバイトと掛け持ちで行っていたアパレルのアルバイトの中でお客様にコーディネート提案をしてきました。衣食住という人間には不可欠な要素の中で、住が、一番、人の幸せを演出することができるフィールドであり、お客様の生活が豊かになり、そして笑顔になるトータルコーディネート提案が出来ると考え、インテリア業界を志望しました。

その中でもニトリを選んだ理由は二点あります。まず、一つ目に配転教育システムです。営業、物流、広告など様々な部門を経験することで、インテリア業界のスペシャリストとなり、より大きな影響力を社会やお客様に与えることができると考えました。

二つ目に御社の顧客満足度に対する姿勢です。インテリア業界の中でも、お客様のことを考えた経営理念やSPAなどの独自のシステムを用いた顧客のニーズにそった商品企画、営業に非常に惹かれたからです。 (2018年卒 関西学院大学 ニトリ 総合職 内定)

この回答は、衣食住のなかから「住」を選んだ原体験を伝え、顧客の人生を豊かにするという小売業の本質的な役割を理解したビジョンを提示しています。

さらに「配転教育システム」や「SPA」などニトリ独自の仕組みへの言及により、深い企業理解を効果的にアピールできている回答です。

なお、小売業界の一つであるアパレル業界の志望動機について知りたい人は、こちらの記事を確認してみましょう。

アパレルの志望動機の書き方|企業・職種別の例文17選付き

金融

金融業界は、社会のインフラとして「お金」というきわめて重要な資源を扱うため、ほかの業界よりも厳格な倫理観が求められます。

また、顧客の将来の資産や人生設計に大きくかかわる商材を扱うため、単なる取引ではなく、人生のパートナーとしての信頼関係の構築が不可欠です。

そのため、志望動機では誠実さや「顧客と良好な信頼関係を構築したい」といった貢献意欲をアピールしましょう

内定者の回答

理由は大きく2つあります。1つは、「雰囲気」、2つ目が「主体性」です。

プライベートセッションを通じてたくさんの行員の方とお会いさせていただいた中で、雰囲気が合うと感じました。会話を通じて、自分が将来この方たちと一緒に働いている姿を想像することができたからです。

また、メガバンクの中でも特に「主体性」を重視する風土があるとお聞きし、私の軸に合うと考えたからです。セッションでは、とても具体的にお仕事内容を聞かせていただきました。

そのおかげで、それまではなかった銀行をイメージを持つことができたし、そのイメージが私の軸、「主体的に働きかけ、信頼関係を構築したい」という想いと一致しました。

他行の行員の方にもお世話になったが、これほど雰囲気と軸がマッチすると感じたことはありませんでした。 (2018年卒 甲南大学 三井住友銀行 総合職 内定)

この回答は、志望理由を「雰囲気」と「主体性」の二つの観点で整理し、冒頭でそれらを提示しているため、論理的でわかりやすい構成になってます。

「主体性を重視する風土」が自身の「主体的に働きかけ、信頼関係を構築したい」という思いと一致したと述べることで、企業文化との適合性と貢献意欲の高さを同時にアピールできています。

サービス

サービス業界の志望動機では、さまざまなサービスを通じて「どのように自分が関与したいのか」「どのような課題を解決したいのか」などを具体的に述べることが重要です

たとえば、航空業界では「世界中の人やモノの流れを支える『グローバルな経済活動』への貢献」、人材業界では「日本の労働力不足や個人のキャリアの悩み」の解決などが挙げられます。これらのビジョンを原体験と結び付けて考えてみましょう。

内定者の回答

私は世界中を舞台とした大きなフィールドで、様々な人と関わり笑顔や感動を生み出す事の出来る仕事に就く事を目標としており、この観点からエアライン業界を志望しています。

加えて私は父親の海外転勤に加え旅行や留学で飛行機を利用する機会が多く、幼少期から今に至るまで航空業界に親しみを持ち続けてきました。

その中でも留学の本帰国の時に御社の社員の方から手厚いサービスを受け、海外で受けたぞんざいな扱いとの差に感動し、日本人である事を誇りに感じた事をよく覚えています。

そんな「日本の心」を大切にしている御社のブランド価値を世界中で向上させる事に貢献し、より多くのお客様に自分が感じたような感動を届けたいと思い、志望いたしました。 (2020年卒 早稲田大学 全日本空輸(ANA) 総合職 内定)

この回答は、海外経験をグローバル志向の強力な原体験とし、ANAが求めるホスピタリティ精神と融合させています。

自分が感動した「日本の心(丁寧なサービス)」を、今度は自分が提供する側になりたいという強い貢献意欲が伝わる志望動機となっています。

なお、サービス業界のなかでも人材業界に興味を持っている人は、こちらの記事も確認してみましょう。人材業界の志望動機の作り方や差別化する方法について、内定者の実回答を交えながら詳しく解説しています。

人材業界の志望動機の作り方|大手内定者が伝えた回答17選付き

ソフトウェア・通信

IT、インターネット、通信事業を含むソフトウェア・通信業界の役割は、複雑な課題を「技術」を用いて解決することです。そのため、常に新しい知識を取り込み、問題解決を続ける姿勢が求められます。また、多様な専門性を持つ複数人のメンバーが連携してプロジェクトを進める業界です。

したがって、志望動機では、この業界で活躍するうえで不可欠な課題解決力や協調性をアピールすると効果的です

内定者の回答

御社のClients Firstという姿勢に惹かれたからである。

私は所属しているゼミのディベート大会に向け、サブリーダーとしてリーダーとメンバー両方の立場から一丸となる組織作りを行った。この経験を通じ私は相手の立場にたち問題解決をするやりがいを感じており、御社の企業理念に親近感を覚えた。マルチベンダーだからこそクライアントの立場にたって最適なソリューションを生み出したいと思い志望している。

営業コースでチャレンジしたいことは、クライアントの気づかなかった課題を解決することだ。私は留学中に、新しく来た学生に対しコミュニケーションを積極的にとり、彼らが気づきにくい不便さを解決した経験がある。

そのことと同じように、営業で働くにあたっても、御社独自のアセットを通じてまだ見ぬ課題を発見し、自分だからこそできるソリューションの提案、および社会への価値創造をしたいと考えている。 (2021年卒 同志社大学 NTTデータ 総合職 内定)

この回答では、冒頭でNTTデータの基本精神である「Clients First」への共感を結論として述べ、「相手の立場に立つ問題解決」のやりがいを自身のモチベーションと結び付けることで企業文化とのマッチ度を示しています。

特に、サブリーダーの経験は協調性と課題解決力の証明になっているでしょう。そしてそれを根拠とした、営業コースで活躍するイメージを具体的に提示できています。

なお、IT業界について理解を深めたい人はこの記事を確認しましょう。職種や向いている人の特徴など、IT業界について網羅的に解説しています。

3分でわかるIT業界|職種・将来性・向いている人など徹底解説

広告・出版・マスコミ

マスコミ・広告業界の存在意義は、単に情報を伝えることではなく、情報やメッセージを通じて「人々の感情や思考を動かし、行動を変化させること」だと言えるでしょう。

また、この業界の仕事は、企画やアイディアが競合との競争やクライアントの事情で何度も否定されたり、練り直したりすることが日常です。

そのため、志望動機では「人々の行動を変えたい」という強い意欲や、最後まであきらめずにやり遂げるタフな精神力・粘り強さを伝えましょう

内定者の回答

PR業界を志望する理由は、人々の生活をより豊かにする方法としてPRが有効な手段と考えられたため。

どれだけ優れた製品やサービスであっても、それを必要とする人々のもとへ届かなければ、あるいは活かされなければ、無いのと同じ。使われて、人々の何かしらをプラスにして、初めて社会や生活は豊かになる。その一助になるべく、広告よりも自然に"使いたい"と興味関心を惹くことができる方法としてPRを考えるようになった。

その中でもベクトルを志望する理由は2つある。まず、企業理念に共感すること。公式サイトにあるCEOメッセージを読み、その一文目から自身の就職活動の軸をうまく言語化されてしまったようにすら感じた。

そして、PR業界のトップであること。トップ企業であるということは、クライアントもトップレベルであり、常に新しい挑戦をし続ける必要があり、そして影響力が大きいということ。そういった環境に身を置き、若くから成長したいと考えた。 (2018年卒 大阪大学 ベクトル PRコンサルタント 内定)

この回答は、「PRが人々の生活をより豊かにする有効な手段」という業界への深い洞察から話を始めています。

また「広告よりも自然に『使いたい』と興味関心を惹くことができる方法」としてPRをとらえていることから、PRという手法の本質を深く理解したうえで志望していることを示せているでしょう。

さらに、業界トップであるベクトルで「常に新しい挑戦をし続け、若くから成長したい」という高い成長意欲を効果的にアピールできています。

官公庁・公社・団体

この業界には、具体的に政府機関や地方公共団体、独立行政法人などが当てはまります。これらの組織は、利益ではなく国民全体の幸福や公共の福祉を最優先の目標としています。

また、公共機関が扱う課題は、少子高齢化や環境問題、外交など、長期にわたり利害関係が複雑に絡み合い、答えが出にくいものばかりです。

これらの特性から、志望動機では「公共の課題を解決したい」という強い使命感や責任感、粘り強さを伝えると効果的です

内定者の回答

一企業の利益のためではなく、国家全体の利益を考えて働きたいと考えたからです。私は、特に農林水産省に入省することを希望しています。

私は現在大学院でゲノム編集を植物育種に応用するための研究を行っています。ゲノム編集をはじめとした遺伝子工学技術は、農業の生産性を高められる可能性や、化学肥料や農薬の使用量低減につながる可能性があると考えられています。

一方で、なんとなくこわいというイメージがあり、多くの消費者には受け入れられていない現状があります。私が所属する農学部のオープンキャンパスが行われた際、市民団体の方から、遺伝子組み換えやゲノム編集は危ないからやめろという抗議の電話がかかってきたと言う話を聞きました。

私は、農林水産省に入省して、多くの人に正しく情報を伝え、正確な情報を基にして考えてほしいと思っています。 (2021年卒 東北大学大学院 農林水産省 一般職事務系 内定)

この回答では、「国家全体の利益を考えて働きたい」という強い志に加えて、自身の研究分野が抱える社会的な懸念点を客観的に理解している姿勢が伝わります。

そして、その課題に対し「多くの人に正しい情報を伝え、正確な情報をもとにして考えてほしい」という、行政の役割を通じた具体的な将来ビジョンを伝えることで、公務員に不可欠な強い使命感と倫理観を効果的にアピールできています。

内定者の回答を分析! 面接での志望動機を適切な長さにするコツ4選

{面接での志望動機を適切な長さにするコツ}


「実際に長さ別に志望動機を組み立てていこう」と考えた際、文章が長くなりすぎたり、逆に短くなりすぎてしまうことも少なくありません。

ここからは、内定者の回答から見えてきた、面接での志望動機を適切な長さにまとめるコツを解説します。短くする場合と長くする場合の2パターンで解説するため、自身の悩みや状況に合わせて確認してみてください。

【短くする場合】内容の優先順位を付ける

内容を短くする場合は、「企業に最も伝えたい内容」を決めて優先順位を付けましょう。特に30秒など短い時間では、あれもこれもと複数の要素を一気に伝えると、採用担当者はあなたの話の「核」を理解できません。

伝えたいことに優先順位を付けることで、話せる時間が想定より短かったり長かったりしても、状況に応じて柔軟に対応できるようになります

以下の流れや具体例を参考に、優先順位を考えて志望動機を組み立ててみてください。

志望動機として伝えたい要素をすべて洗い出す:

(例)「御社のIT技術が、競合他社にはない独自性を持っている」「海外の貧困問題に貢献したいというビジョンを実現できる」「大学のサークルで培った、チームをまとめる協調性を活かせる」


志望動機として最も伝えたい要素を決める:

(例)「『海外の貧困問題に貢献したいというビジョンを実現できる』という点を、この企業の事業内容を交えながら一番に伝えよう」


2・3番目に伝えたい要素をそれぞれ決める:

(例)「2番目には競合他社にないIT技術に魅力を感じていること、3番目には協調性を発揮できることを伝えよう」


実際の面接では、最も伝えたい内容から時間に合わせて順に伝える

【短くする場合】表現を簡潔にする

文章を削る必要がある場合、簡潔に表現できる箇所を徹底的に探してみましょう。

冗長な文章は余計な文字数を費やすことに加え、採用担当者にとって内容が理解しづらくなります。以下のリストを参考にし、あなたがまとめた志望動機で削るべき無駄な言葉がないか確認し、修正してみましょう。

【長くする場合】抽象的な言葉を具体化する

文章量が足りない場合は、抽象的な言葉を具体化することで、自身の原体験や考えがより伝わりやすくなります。抽象的な表現が多いと、採用担当者にあなたの考えや経験、競合他社と比べてその企業を志望する理由が伝わりません。

具体化する際は、「その状況で、自分がどんな行動をしたか」「どれくらいの頻度・期間でおこなったか」という点に着目してみましょう

以下の具体例は、多くの学生が志望動機で使いがちな抽象的な文章です。数値や頻度は、あなたの成果の再現性を証明する根拠となります。努力の裏付けを詳しく語ることで説得力が格段に増すため、これらの例で抽象的な言葉を具体化するイメージをつかんでみてください。

【長くする場合】行動の裏側にある思考プロセスを加える

文章を長くする場合は、行動の「事実」だけを羅列するのではなく、その裏側にある「思考プロセス」を付け加えてみましょう。

「この状況において、どんなことを考えたのか」と具体的に伝えることで、エピソードの結果だけでなく、あなたの価値観や人間性を採用担当者は深く理解できます

思考プロセスを語る際は、特に「困難な状況での感情の動き」を加えることで、あなたの人間性が鮮明に伝わります。以下の具体例を参考にし、自分の内面に潜む価値観を深掘りしておきましょう。

面接の志望動機の「長さ」についてよくある質問

ここからは、多くの就活生が悩みがちな、面接で話す志望動機の「長さ」についての質問に答えていきます。自分と同じ悩みに対する回答を確認し、解決の糸口をつかみましょう。

Q:事前に原稿を準備しても本番では時間配分がうまくできません

この記事では「長さ別に志望動機を準備しておこう」と解説してきましたが、事前準備を徹底しても本番では時間配分がうまくできないと悩む学生が多くいます。

その場合は、面接前に実際に声に出して、時間を測りながら練習を繰り返しましょう。ここで解説している文字数はあくまでも目安です。話すスピードや抑揚の付け方などによって、それぞれの時間内で話せる内容量は変わる場合もあります。

原稿をもとに声に出して練習することで、実際の面接で話す感覚を身に付けられます。自分の話し方の特徴を把握するためにも、必ず声に出して何度も練習してみましょう。

Q:面接と履歴書で志望動機の内容や長さは変えるべきですか

履歴書やESで志望動機を求められるケースも多くあるでしょう。面接で志望動機を聞かれた際に、履歴書と同じ内容を伝えて良いのか悩む学生もいます。

結論として、同じ内容を伝えて問題ありません。むしろ、核となる主張やエピソードは必ず一致させておくべきです。

履歴書は文字数が限られるため、志望動機の「核」を伝えましょう。そして面接では、履歴書で伝えきれなかった部分を肉付けするイメージを持ってください。以下の具体例を参考にしてみましょう。

具体例①

志望動機の「核」
チームの意見対立を解決し、目標を達成する粘り強さを御社の事業開発で活かしたい

面接で肉付けする部分
意見対立が起きた際の当時の焦燥感や感情、「なぜ自分が仲裁すべきか」と考えた思考プロセス、そして実行した具体的な調整方法を詳しく説明する

具体例②

志望動機の「核」
アルバイト先の非効率な業務フローを改善し、30%の効率化を実現した課題解決能力を活かしたい

面接で肉付けする部分
非効率の原因を特定するために「誰に」「何を」ヒアリングしたか、新しいフローを導入する際に周囲をどう説得したかという、周りを巻き込んだプロセスを語る

具体例③

志望動機の「核」
御社の「挑戦を通じて社会に貢献する」という理念に共感している。留学中に困難を乗り越えた経験を御社のグローバル展開で活かしたい

面接で肉付けする部分
留学中の困難な状況に直面したときの感情と、それをどう乗り越えたかという回復力を伝える。また、その企業の企業理念が自身の人生観とどう結び付くかを語る

面接での志望動機は適切な長さで伝えて選考突破を目指そう

この記事では、面接で話す志望動機の適切な長さや大手内定者の実回答、適切な長さにまとめるコツを解説しました。

志望動機は、選考の合否に大きく影響する非常に重要な質問です。いくら回答の中身が優れていても、適切な長さで伝えられなければ、採用担当者にネガティブな印象を持たれてしまう可能性があります。

だからこそ、「入れるべき要素」を適切に理解し、論理的な構成で適切な長さにまとめることが重要です。

この記事で解説した最適な時間配分や内定者の実回答を参考に、あなた独自の志望動機を具体的かつ効果的に伝え、志望企業の面接突破を目指しましょう。

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この記事の編集担当者

佐藤 美空

大学卒業後、就活会議のグループ会社であるポートに新卒入社。約1年間キャリアアドバイザーとして文系学生の就職支援をおこなう。就活生時代にポート運営の就活メディアを活用した経験から、「今度は私が就活生の役に立つメディアを創りたい」という思いでライターに転身。現在は就活会議のライターを担当している。

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編集責任者

江副 裕斗

大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める

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