ESの自己PR20選|強み・文字数・職種別に通過ES回答を紹介!
こんにちは。就活会議編集部の飯塚です。 就活の最初の関門、エントリーシート(ES)。その通過率は決して高くはなく、中には応募学生の9割を落とす企業もあります。……と聞くと、「自分のESは大丈夫かな」と不安になりますよね。 特に定番質問である自己PRは「どうしてもありきたりになってしまう」と私自身も頭を抱えていた時期がありました。 そこで、この記事では、口コミメディア「就活会議」に寄せられた大手企業の通過ESを分析。通過者の共通点を深掘りし、会いたいと思わせる自己PRの書き方を徹底解説します。
この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
ESで自己PRを求める企業の意図
- 文章でわかりやすく伝える力があるか知りたい
- 強みを自社の環境で活かせるのかを確認したい
- 自社で活躍してくれる人材かを見極めたい
就活初心者にありがちな失敗が、「とりあえず書き始める」ということです。それでは採用担当者を惹きつける自己PRにはなりません。
まずやるべきなのは「なぜ自己PRを求めているのか」という企業側の視点を持つこと。企業が一番知りたいと考えているのは、あなたの強みが自社で活かされるのかという点ですが、ほかにも企業によってさまざまな視点で自己PRを見ています。
ここから解説する企業の主な3つの意図を押さえて、選ばれる自己PRの土台を固めていきましょう。
文章でわかりやすく伝える力があるか知りたい
採用担当者は、あなたの強みそのものだけではなく、「自分の強みを言語化して、わかりやすく伝えることができるか」も知りたいと考えています。会社という組織のなかで円滑にコミュニケーションを取るためには、わかりやすく報告や連絡ができるかが重要になるからです。
また、採用担当者は日々多くのESに目を通さなければならず、要点のわからない文章だと、内容を判断する前に評価対象から外れてしまう可能性もあります。わかりやすく伝えられるかは、いわばスタートラインに立つための必須条件と言えるでしょう。
強みを自社の環境で活かせるのかを確認したい
どれだけ素晴らしい成果や実績があったとしても、自己PR欄にそれらを羅列するだけでは、採用担当者には響きません。採用担当者は自己PRを通して、単純な能力の優劣を見ているのではなく、自社の環境でも同じように活躍できるかを見ているのです。
素晴らしい強みも、土台があって初めて活かされます。企業の文化や価値観に馴染めなければ、本来の力を発揮することはできないからです。だからこそ、自己PRを作成する前に企業について徹底的に調べましょう。「強みの活かし方がわからない人は業界・企業分析をしよう」で詳しく解説するので、参考にしてください。
自社で活躍してくれる人材かを見極めたい
採用活動をおこなう以上、当然ながら企業は自社で活躍できる学生を見つけたいと考えています。自己PRはそのポテンシャルを判断するための重要なヒントとなります。
中途採用では、今までの業務のなかで培ったスキルや実績をアピールできますが、社会人経験のない学生は、それらをアピールすることはできません。そのため、ただやみくもに強みをアピールするのではなく、企業での活躍を明確にイメージさせられるレベルまで、根拠を持って伝えることが求められます。
ESの自己PRの書き方|回答構成4ステップ
- 結論:自分の強み
- 根拠:強みを裏付けるエピソード
- 成果:経験から得られたこと
- 展望:企業での強みの活かし方
自己PRを求める企業の意図が理解できたら、いよいよ自己PRを作成してみましょう。
あなたの強みとポテンシャルを最大限アピールするための王道とされる構成があります。まずはこの「型」をしっかり押さえて、読みやすい自己PRを作成しましょう。
①結論:自分の強み
まずは「私の強みは〇〇です」と結論部分を最初に伝えましょう。結論部分から伝えることで、採用担当者は内容の全体像をつかみやすくなります。
このとき、「私の強みは粘り強さです」ではなく「私の強みは、成果が出るまで改善を続けられる粘り強さです」など、具体的に伝えられると、ほかの就活生と差別化された興味深い導入になります。
そもそもまだ自分の強みが見つけられていない人はこのまま読み進め、見つかっている人は「②根拠:強みを裏付けるエピソード」に進みましょう。
強みが見つかっていない人は自己分析をしよう
魅力的な自己PRを作成するためには、その核となる「自分の強み」を明確に定めることが必要です。そのために欠かせないのが自己分析です。
自己分析に役立つ代表的な2つの方法を紹介します。
- 自分史
自分の年表を作るイメージで時系列に沿って過去の経験を書き出す方法。幼少期・小学生・中学生・高校生・大学生など一定期間で区切り、出来事を整理することで、自分の考え方が形成されたルーツなどを発見しやすくなる - モチベーショングラフ
縦軸をモチベーションの高低、横軸を時間とし、人生におけるモチベーションの浮き沈みを曲線のグラフで可視化する方法。自分の人生を客観視しやすい
上記の方法で経験が書き出せたら、そこから自分の強みを導き出し、ESに書くために言語化していく必要があります。この言語化の精度が自己PRの質を決めます。
言語化は以下の手順で進めましょう。
①経験のなかで重複して出てくる言葉を探す
書き出した経験を俯瞰し、繰り返し出てくる言葉をピックアップしましょう。複数のエピソードに共通することが、あなたの強みの核となります
②強みを深掘りして具体化する
①で共通する言葉が「挑戦」だったとすると、あなたの強みとして「挑戦意欲の高さ」が挙げられるかもしれません。そこからさらに深掘りし、どんな挑戦を得意とするかまで考えておくと、ゆくゆくほかの学生との差別化につながります。「ゼロから新しいことを始める挑戦」が得意なのか「現状からさらなる高みへの挑戦」が得意なのか、言語化していきましょう
どうしても過去の経験から自分の強みが浮かんでこないという人は、自分が起こした行動の背景に目を向けてみてください。「自分を突き動かした理由はなにか」を考えていくと、自分の強みが見つかるでしょう。
②根拠:強みを裏付けるエピソード
あなたが伝えた強みにより説得力とリアリティを出すために、強みを裏付けるエピソードを述べましょう。
強みはほかの学生と被りやすいものの、背景の部分は一人ひとり違います。採用担当者が一番知りたい部分でもあるため、単なる状況説明や自慢話とならないように注意しましょう。
③成果:経験から得られたこと
あなたが起こした行動の結果、何が得られ、どのように成長したかを示しましょう。行動の成果を示すことで、あなたの強みが実際に「価値を生み出す力」であることを伝えられます。
可能であれば、「売上を〇%上昇させた」といった客観的な成果と「〇〇する力が身に付いた」といった内面的な成長の両方をアピールできると、あなたの人柄がより伝わります。
④展望:企業での強みの活かし方
最後に、これまで述べてきた強みを企業でどのように活かしたいのかという展望を伝えましょう。ここまで伝えることで、採用担当者に入社意欲や企業理解度をアピールすることができます。
注意点は抽象的な内容にしないことです。企業研究で得た情報と自分の強みをうまく結びつけ、「貴社の〇〇の事業の発展に、私のこの強みは〇〇という形で貢献できると考えています」などと具体的にアピールできると良いでしょう。
そもそも強みの活かし方がわからない人はこのまま読み進め、見つかっている人は「文字数別|大手ES通過者の自己PR回答3選」で実際に大手企業に通過したESを読んでみましょう。
強みの活かし方がわからない人は業界・企業分析をしよう
あなたの強みがどれだけ優れていても企業が求めていなければ「的外れなアピール」になってしまいます。強みが応募企業でどのように活かせるのかわからない人は、業界・企業研究をしてみましょう。
まずは、あなたの強みが活かせる「働く現場」を具体的にイメージするために、企業の公式情報をチェックし、企業の全体像を把握してみてください。
- 企業の採用ページ
企業が学生に伝えたいメッセージがわかる - 中期経営計画やIR情報
企業の今後の戦略や課題がデータでわかる - 社長や役員メッセージ
企業の方向性や大事にしている指針がわかる - ニュースリリース
企業の最新の取り組みなど、企業の「今」がわかる
上記の情報源を基に、企業の事業内容についてさらに理解を深めましょう。事業内容は以下の3つの視点を意識すると理解が深まります。
①ターゲット層
ターゲット層を知ることで、企業が「誰のどんな課題を解決したいのか」がわかる
②主力サービス
企業の収益を支える主力製品やサービスは何かを知ることで、企業の強みがわかる
③収益モデル
企業がどのような仕組みで利益を上げているのかを知ることで、ビジネスの全体像や戦略の方向性がわかる
企業の事業や戦略に対する理解が深まったら、次に「企業が求めているもの」を理解しましょう。「自分の強み」と「企業が求めているもの」が重なったときに、初めてあなたの自己PRが企業に刺さります。
企業が求める人物像を把握するには、以下の情報源をチェックしてみましょう。
- 募集要項
- 人事メッセージ
- 企業理念
- 社員インタビューページ
業界・企業研究のなかで得た情報をもとに、上記で語られている人物像が、具体的に社内で「どのような行動」として評価されているのかまで考えられると良いでしょう。
さらに一歩進んで、企業が抱える課題や未来の戦略に対し、自分の強みをどのように活かせるかを考えられると、自分を効果的に売り込むことができます。
文字数別|大手ES通過者の自己PR回答3選
自己PRの書き方について解説してきましたが、ここからは実際に大手企業の選考を通過したESの自己PR回答を紹介していきます。
ESでは自己PR回答の文字数を指定されるケースがあるため、どんな文字数でも対応できるよう、まずは文字数別の自己PR回答を紹介します。
①200文字
実際に選考通過した回答
私の強みは行動力である。
私が研究室に所属した時点では、先行研究を行なっていた研究室の先輩方が既に卒業していた。そのため、研究内容や研究の課題の理解が困難であった。そこで、その先輩方に連絡を取り、助言をいただくことでこの問題を解決した。加えて、現在でも定期的に助言をいただき研究をより良いものとしている。その行動力および周囲を巻き込み課題解決する力は私の強みである。(182文字) (2025年卒 東京理科大学大学院 ニトリ 夏インターン技術職 通過)
200文字という制限の中で魅力的にアピールするには、単に文章を削るのではなく「最も伝えたいことを際立たせること」を意識する必要があります。
200文字の自己PRを作成する際の文字数配分は以下を参考にしてください。
- 結論:30文字
- エピソード:100文字
- 成果・展望:70文字
例文では、まず冒頭で強みを端的に表して、具体的なエピソードでその根拠を補強しています。最後は単なる「行動力」だけでなく「周囲を巻き込み課題解決する力」と伝えることで、成果にコミットできることを印象的にアピールしています。
②300文字
実際に選考通過した回答
私の強みは、複数のタスクに対する柔軟な対応力だ。
大学4年時、金融の知識を深めたいと考え、FPの取得を目指した。しかし当時、1ヶ月後に大学院入試を控えており、FPの試験日はその2週間後だったため、FPの勉強は次のように工夫した。
友人の中に金融の知識に関心を持つ人がいたため、FPの魅力を伝えることで、共に資格取得を目指す勉強仲間を作った。友人とは勉強の範囲と期限を設け、週に一度会ってその範囲の知識を確認し合うことで、知識の定着を図った。
その結果、院試では上位10%の成績を収め、友人と共にFPの資格も取得した。この経験を糧に、入社後は困難な状況でも任された仕事を確実に遂行し、結果を出したい。(296文字) (2025年卒 大阪大学大学院 日本航空 エアラインエンジニアプログラム インターン選考通過)
200字よりも自由度は上がり、行動をおこした背景や具体的なアクションが詳しく書ける反面、「具体性」と「簡潔さ」のバランスをうまく取れるかがポイントとなります。
300文字の自己PRを作成する際の文字数配分は以下を参考にしてください。
- 結論:30文字
- エピソード:150文字
- 成果:50字
- 展望:70文字
例文のように、背景、目標、困難、それに対する努力、結果というように、エピソードを一本のまとまったストーリーのように構成すると、文章が格段に読みやすくなるだけではなく、あなたの人柄や思考のプロセスが生き生きと伝わります。
③400文字
実際に選考通過した回答
大学1年生から現在まで続けている個別指導の塾講師のアルバイトである。
私は生徒5人の勉強意欲を上げ、点数を20点向上につなげた。私の生徒はテストの点数が平均点以下だったり、授業に遅刻したりしていた。そこで生徒情報を確認するため「雑談の多い講師」を目指し、生徒との親睦を深め、勉強に対する苦手意識を改善することにした。具体的には生徒のプライベートの話をしたことだ。生徒の関心を授業外でも調べて知識をつけることや授業時間外でも話す時間を増やした。
また話した内容を次の授業でもすることで、親近感を与えた。その結果、生徒が私に関心を持ち始め、話の流れから積極的にコミュニケーションをとれた。また塾を遅刻することがなくなり、授業がない日でも来塾するようになり、テストの点数も20点上がり平均点を超えることができた。
この経験から人を動かすには相手に関心に寄り添い、柔軟にアプローチをかけることを学んだ。(394文字) (2025年卒 東京海上日動火災 エリア総合職 本選考通過)
400字の自己PRは、さらに自由度が上がる分、完成度に差が生まれやすくなります。文章量が増えても、採用担当者に響くものを作るには、情報を詰め込むのではなく、一つのエピソードをしっかり掘り下げることが大切です。
400文字の自己PRを作成する際の文字数配分は以下を参考にしてください。
- 結論:30文字
- エピソード:200文字
- 成果:100字
- 展望:70文字
例文では、塾講師のアルバイト経験を挙げていますが、その中で「雑談の多い講師」という採用担当者の目を引くユニークな目標を掲げています。このように、採用担当者に「この後の文章も読みたい」と思わせるようなフックの役割となる言葉を入れるのもテクニックです。
文章量が多いからこそ、推敲を重ねることで魅力的な切り口を見つけ、ライバルと差を付けましょう。
強み別|大手ES通過者の自己PR回答12選
次に、強み別の自己PR回答を12選紹介します。自分がアピールしたいと考えている強みと同じ回答はもちろん、さまざまな回答を参考にして、あなたの人柄を最も魅力的に語るヒントを探してみてください。
①課題解決力
実際に選考通過した回答
私の強みは、仮説を立て試行錯誤をし、最善策を選び出すことです。
働くうえで、お客様に最適な課題解決を提供するためには、多角的な視点で検討して選んでいく事が重要だと考えています。私は、小売店でお中元などギフトを承るアルバイトをしています。
年に3ヶ月しかない短期アルバイトのため、過去に経験のある私は新しく入ってくる新人に業務を教える必要がありました。その際に、新人に業務を教える際には付き添いで教える方がいいのか、それともマニュアルを作成して教えればいいかなど、選択肢の中からメリット・デメリットを考え、どの教え方をするのが一番効率よく確実に伝えられるか試行錯誤を重ねました。日常の些細なこともこのような考え方をするようにしています。
社会に出た際にも、物事を多角的な視点から考えることを続けていきたいです。 (2023年卒 日鉄ソリューションズ 総合職営業 本選考通過)
どんなに優秀な人でも仕事では困難にぶつかるもの。だからこそ、自ら課題を乗り越えた経験は再現性をアピールするうえで効果的です。例文では、課題解決に向けた思考・行動のプロセスがわかりやすく描かれています。
②コミュニケーション能力
実際に選考通過した回答
私の強みは周囲の状況を把握し、チームの成果を最大化する行動を取れるフォロワーシップだ。
従事している長期インターンシップ先では新規事業の立ち上げをしている。その過程でチーム内のコミュニケーション不足やモチベーションのばらつきから、業務に遅れが出たり、事業がうまく進まないことがあった。
事業を進める上で重要なのは、各メンバーの事業への想いやモチベーションだと考え、コミュニケーション不足なメンバーと個別に連絡を取り、個々の状態を把握した。チーム内で中間的なポジションを取り、常に前向きにリーダーのサポート役に回ることで、チームの雰囲気を改善し、事業を再度軌道に乗せることに成功した。 (2023年卒 Sky 開発職 本選考通過)
コミュニケーション能力は多くの学生がアピールする強みですが、この例文では「フォロワーシップ」と言い換えることで見事に差別化に成功しています。どのようなコミュニケーションを得意とするのかも一目でわかります。
③傾聴力
実際に選考通過した回答
私の強みは相手に寄り添う傾聴力である。
45名の野球部の主務として部内の課題解決に尽力し、目標の全国大会ベスト4を達成した経験で発揮された。当時の下級生の練習参加者数は23名中11名だった。これにより連携練習が出来ずミスに繋がると考え、主将や後輩に聞き込み調査を実施した。その結果、上級生の一方的な指導やメニューのマンネリ化に伴う意欲低下が原因だと判明した。
そこで私は上下関係の撤廃とメニューの改善が必要だと考え、2点の施策を実行した。1つ目は「バディ制度の導入」だ。学年間の距離を近づけたことで相手目線で助言ができる関係を目指した。2つ目は「外部コーチの招聘と新メニューの導入」だ。新風を吹き込み、メニューに楽しさを加え「練習に参加したい」という動機を与えた。
その結果、下級生の練習参加者は20名に増加し、実施可能な練習の幅も広がり、総合力が向上し、全国大会ベスト4を成し遂げた。 (2025年卒 日本航空 業務企画職 本選考通過)
傾聴力と聞くと「人の話を聞くだけ」という受け身な姿を想像しがちですが、この例文では聞き込みで得た情報から原因を分析し、具体的な改善提案まで伝えたことで、「聞いた情報を基に原因分析と行動ができる」という良いギャップを生み出しています。
④提案力
実際に選考通過した回答
私の強みは、【相手の話の意図を捉え、それを生かす提案力】だ。これは、アパレルの販売アルバイトで活かされた。
私はお客様に最適な提案ができるように心がけている。そのためにはお客様の質問に答えるだけではなく、ニーズを正確に捉える必要があると考え、接客スタイルを変更した。具体的には、お客様の求める商品の予算やデザインなどを質問し、実際に商品を持って来て相違点を確認することで引き出している。そして、把握したニーズに一番近い購入方法や商品の提案を意識して接客した。
その結果、以前よりお客様に接客を褒められることが増えた。この強みを活かして、入社後も社内外の声に耳を傾けて課題解決に貢献したいと考えている。 (2024年卒 國學院大学 花王 事務系 本選考通過)
顧客一人ひとりのニーズを見極めて、その場に応じた提案ができるスキルは営業職や販売職で必須のスキルです。例文では、ニーズを見抜くだけでなく、潜在的なニーズを引き出すための工夫をしていることがわかり、人柄の魅力も伝わります。
⑤継続力
実際に選考通過した回答
目標向かって努力を続ける、継続力と行動力です。
幼い頃より英語を話せるようになりたいという夢がありました。しかし、中学の頃は英語が苦手で、それを克服したいと思い高校で1年間の留学を決めました。英語力の低さに、ホームシックにかかった時期もありましたが、最後まで目的意識を失わず頑張りました。帰国後、英検準1級に合格することができました。
英語に対して少し自信も付き、大学も英語を学ぶ道を選びましたが、入学後の英語クラス分けで1番下のクラスになりました。再び留学する機会に恵まれ、日本語に触れない環境を作りに専念し、帰国後のTOEICでは学部の平均点を越えました。
目標に対して、諦めずに行動できる姿勢が私の強みです。 (2021年卒 同志社大学 Sky 総合職 本選考通過)
客観的な成果(英検準1級・TOEICスコアなど)や具体的な行動を示すことで、強みが単なる自己評価ではなく、実績に裏付けされていることがわかります。また、長期的に努力をするなかで経験する挫折に対しても、自分なりに向き合った努力が伝わり、一貫性のある内容となっています。
⑥主体性
実際に選考通過した回答
私の強みは主体性と向上心です。何事にも楽しさを見出して主体的に物事に取り組むことができます。
私は大学二年生から現在まで続けている居酒屋でのアルバイトの経験があります。当時、混雑時にコミュニケーションが足りずお店が回らず、売上と満足度に課題を抱えていました。そこで私はより効率的な提供方法や役割分担を意見として出したり、スタッフ間のコミュニケーションを促すことをしました。
常に複数のタスクをこなし続けるためにはコミュニケーションが必須であり、臨機応変なお互いのサポートにもつながります。また忙しいお店ではなく活気のあるお店にしたかったので、混雑時でも明るく笑顔のある対応を心掛けました。
結果として、私たち自身も効率的に働けるようになり、売上と満足度もどちらも約1.5倍になりました。さらに前のような殺伐とした雰囲気が変わり、お客様もスタッフも笑顔と活気のある雰囲気を作り出すことができました。貴社に入社後もこの主体性と向上心を活かして、常に前を向き積極的に行動していきたいと思っています。 (2025年卒 明治大学 明治 事務営業系 本選考通過)
主体性という抽象度の高い言葉を、裏付けるエピソードによって明確なアピールに変えた例文です。特に、周りを巻き込みながら成果を出している点は、仕事現場でも求められる主体性であることの証明につながります。
⑦柔軟性
実際に選考通過した回答
私の強みは相手のニーズに応える柔軟性です。
現在個別指導塾で小学生から高校生まで様々な目的や夢を持った生徒への指導を行っています。ただ勉強を教えるのではなく、生徒一人ひとりに合わせて話し方や指導方法を変えています。また、適性を見てテキスト選びを行っています。
その結果、前期・後期ともに生徒からの指名率100%、満足度アンケートでは90%を頂くことが出来ています。自分の行動がしっかり数字に表れることが働く上でのモチベーションになっています。 (2023年卒 Sky 営業職 本選考通過)
生徒一人ひとりに合わせて話し方まで意識できていることから、仕事においても細やかで柔軟な対応ができることが伝わります。さらに、「何が自分の働くモチベーションになるのか」も言語化できているため、採用担当者は自社との相性を判断するうえでも説得力が増します。
⑧協調性
実際に選考通過した回答
私は協調性があり、人と人との関係を大切にできる人間です。
小学生から高校生まで野球に取り組んでおり、そこで仲間とともに共通の目標に向かって努力する経験をしてきました。この経験から周りの人と連携を取りながら物事を進めることは得意であり、良好な人間関係を築くことができます。
しかし高校時代の部活動において、全員が同じ考えではなくチーム内の雰囲気が悪い時もありました。この時に、目標を改めて確認し全員が同じ方向に進んで行くために話し合いを行いました。この話し合いの際に一人一人の話に耳を傾け、時には間を取り持ちながらチームのために尽力しました。
その結果チームは良い雰囲気で最後の大会を迎えることができました。目標には届きませんでしたが、この時のメンバーとは今でも交流があり、かけがえのない仲間です。
このように周囲の人々と良い関係を築き、相手のことを考えて行動できる力が、私にはあります。 (2025年卒 日鉄ソリューションズ 総合職 本選考通過)
組織で働く以上、協調性は必須の能力です。例文では、対話を通じて課題解決を図った経験を具体的に示すことで、その能力を証明しています。さらに、チームの雰囲気の改善や、今も続く仲間との関係を「成果」として語る部分からも、誠実な人柄が伝わります。
⑨責任感
実際に選考通過した回答
私の強みは、責任感を持って行動できるところです。
私は研究室で同期や後輩達のまとめ役を行い、後輩に研究器具の使い方や研究室内のスライドの作り方などの指導活動を主体的に取り組みました。作成したスライドの添削を複数回重ね、完璧な状態になるまで指導しました。特に、自分が指導してもらった際に躓いた点を重点的に指導しました。
こうした結果、先輩達から来年度以降の研究室は私に任せたと言ってもらえるまでになりました。また、先輩に指導して頂く側と、後輩に指導する側を経験できました。このため、双方の求める指導方法が理解でき、相手の立場を考えることが重要であると学びました。
貴社に入社してからも責任感を持って仕事に取り組み、当たり前のことはもちろん行い、求められている以上の成果を出すことで、周りの期待に答えることができる人でありたいと思います。
(2024年卒 日鉄ソリューションズ 総合職 本選考通過)
責任を持って仕事に臨むことは、新人時代から求められる重要な素養の一つ。例文では、「後輩育成」という、自身の役割以上の責任を担った経験を伝えることで、責任感の強さを示せています。その土台があるからこそ、「求められている以上の成果を出す」という意欲的な一文が、単なる意気込みではなく、説得力のある目標として響きます。
⑩挑戦意欲
実際に選考通過した回答
私の強みは【貪欲で粘り強い姿勢】です。
中学時代、成績上位者になるという目標に向けて努力を継続したことをきっかけに、この強みを培いました。大学では、ダンスサークルの振付師になるという目標達成のため、圧倒的な練習量に加え、サークル外のイベントにも挑戦し、その結果、60人を率いる振付師に選出されました。
同時に、希望大学への交換留学を勝ち取るため、自分に合った勉強法と時間の使い方を見つけ出し、地道な努力を続け、学業とサークル活動を両立させました。
結果として累計GPA 3.5、TOEFL10点向上を果たし、希望していたテキサス大学への交換留学を勝ち取ることができました。 (2025年卒 花王 化粧品事業 本選考通過)
ダンスサークルと学業という、領域の違う2つのことにおいて高い目標を掲げ、両方を達成していることが、挑戦意欲が高いことの証明となっています。さらに、その挑戦を具体的な「行動」と客観的な「成果」の両面から語ることで、完成度の高い自己PRとなっています。
⑪リーダーシップ
実際に選考通過した回答
私は、柔軟なリーダーシップを発揮することができます。
私は大学2年から3年の後期までサークルの責任者を務めておりました。年に一度、大学祭があるのですが、そこで私達のサークルは部員の作ったゲームや作品を一年の成果として展示します。加えて、サークルの知名度向上を図るべく毎年、食品販売を行います。私が責任者として関わった年は焼きそばを販売しました。
大学祭当日、昼時に焼きそばは大盛況となりました。そのため、事前にシフトを組んでいたのですが、焼きそばを売る人手が足りないという事態に陥りました。その時、私はすぐ展示の方を行っている部員に声をかけ焼きそばを売る人員を増やし、両方の催しを無事最後まで問題なくやりきることが出来ました。
社会人になり、トラブルに見舞われたときは、この経験を生かし柔軟に対応することで、そのトラブルを仲間たちと乗り越えていきたいと考えています。 (2022年卒 明治大学 日鉄ソリューションズ 総合職 システムエンジニア 本選考通過)
「チームをまとめた」「チームを引っ張った」といったアピール内容で終始しがちなリーダーシップ。この例文では、「柔軟なリーダーシップ」という言葉を使い、計画通りにいかないトラブルに対して、冷静で素早い判断で成功に導いた本質的なリーダーシップのアピールができています。仕事でも自らの行動と結果でチームを引っ張る姿が想像できます。
⑫臨機応変さ
実際に選考通過した回答
私は考え抜き、あらゆる物事に適応する力がある。
私は高校時からアメリカンフットボール部に所属し、自身の脚の速さを活かせるポジションについた。だが、このポジションではスピードだけでなく、瞬時の判断力などが必要で及ばずポジション変更となり、自分よりも20キロ以上重い敵に押し勝たなければいけなかった。そして私は体重差をカバーするために人よりも多い時間トレーニングに注ぎ、筋力増加を図った。またプレーでは脚力を活かし、敵に当たる前の助走を誰よりも意識した。
結果、試合で活躍できた。この経験で私はどんな場面でも最善を考え、適応する力を得た。貴社でも様々な場面で臨機応変に対応し、顧客に寄り添う業務を行いたい。 (2025年卒 花王 ビジネスプロセスエンジニア職 本選考通過)
この例文では、「適応する力」を単にアピールしているのではなく、不利な状況でこそ真価を発揮する「臨機応変な課題解決力」をアピールできています。また、不利な部分を冷静にカバーしている点や、今ある手札を使って最大限の成果を出している点は、ポテンシャルを重視する新卒採用だからこそ高く評価されるでしょう。
職種別|大手ES通過者の自己PR回答5選
自己PRの説得力を上げるには、あなたの強みを応募する職種で求められるスキルとリンクさせることがポイントです。ここからは、より実践的な視点として職種別の自己PR回答を紹介します。
①総合職
実際に選考通過した回答
私の強みは課題を発見し、プラスになるよう行動できることだ。
この強みは高校時代、サッカー部の練習メニューを改善した経験で活かすことができた。そこでは、「単調な練習」と、「休憩時間の不統一」という二つの課題があった。
そこで、各部員と個別に面談したところ、大半の部員も潜在的に不満を感じていたことを知り、「公式戦を意識した強度の高い練習」と、「休憩時間の統一」を実現させた。改善した練習メニューの導入により、練習の効率化とチームメイトの話し合いによる信頼関係向上という結果を残し、チームの成績向上につながった。
この強みを活かして、貴社で働く際にはお客様の潜在的なニーズを明確にし、的確な提案を行いたい。 (2024年卒 Sky 総合職 本選考通過)
総合職は、幅広い業務を経験したのち、将来の幹部候補として期待される職種です。だからこそ、どんな環境でも自ら課題を見つけ、周囲を巻き込みながら課題解決する姿勢が求められます。
例文では、課題に対して「直接的な解決策(=練習メニューの改善)」と「間接的な解決策(=話し合い)」という2つの側面からアプローチができており、課題解決力だけでなくリーダーシップのアピールもできている完成度の高い自己PRとなっています。
②営業職
実際に選考通過した回答
私の強みはマネジメント力です。
アルバイトでの統括リーダーや、学生団体でのインターンシップの参加者を集める集客の統括の仕事を通して、どちらも従業員や仲間同士の仲が良くなく、仕事に取り組む姿勢の低さからアルバイトでのクレームの多さや学生団体での集客実績の低さが問題となっていました。
そこで皆の仲を良くするための活動として、食事会やオンラインで行うゲーム大会を企画し、皆の交流ができる活動に取り組んだ結果、皆の仲が良くなって仕事に率先して取り組むようになり、クレーム数が約60%減少し、集客実績も13人しかいない状況から39人集まりました。
この経験からチームで成果を出すためのマネジメント力を身に付けました。 (2023年卒 日本生命保険 営業総合職 本選考通過)
営業職は企業にもよりますが、厳しい数値目標を達成することが求められる仕事です。そのため、自分だけでなくチーム全体のリソースを活かして、成果を最大化する力が不可欠です。
例文では、チームの連携が目標達成に不可欠なものであると理解し、自ら「0→1」のアクションをおこしたことが伝わります。これは、指示をされたことをただこなすだけではなく、主体的に考えて成果を出しにいける人材であることを裏打ちできています。
営業職を目指している人は、以下の記事で内定者の志望動機を紹介しているので、あわせて確認してみてください。
営業職の志望動機の書き方|営業内定者の回答12選付き③開発職
実際に選考通過した回答
私の強みは、目標や課題に対して努力し続けることです。
私は、高校生の時にC言語を用いた組み込みシステムの開発を行いました。このようなシステム開発は初めてであったため、最初はエラーが多く出てしまいとても苦戦しましたが、私は諦めずサイトや専門書を細かく調べ、システムの理解に尽力しました。
その結果、約9ヶ月かけて完成させることができました。このように目標や課題に対して努力し続ける中で問題解決能力を身につけることができます。
従って、貴社の業務においても、改善点の提案など自分なりの発想力を活かして貢献できると考えています。 (2024年卒 Sky 開発職 本選考通過)
開発職とは、新しい技術を生み出したり、活用したりすることで、商品を実用化させる仕事を担います。そのため専門知識や、今持っている知識に甘えず学び続ける力が求められます。
例文では、実際にシステムの開発をした経験から、エラーが出ても何度でも取り組む姿勢や、必要な知識は自分で補おうとする意欲の高さをアピールできており、将来の活躍を期待させる内容となっています。
④研究職
実際に選考通過した回答
ものづくりを通して、人々のより良い生活に貢献したいです。
ものづくりに携わる上で、私には2つの「強み」があると考えています。1つ目は、学部時と大学院において、テーマや環境が大きく異なる研究室で学ぶことができていることです。この経験から、多くの研究者と関わり、研究に対する取り組み方や様々な分野の知見が得られています。この知識的な「強み」は、幅広い事業領域で活かすことができると確信しています。
2つ目は、人のためを思い行動することが好きであり、目標達成に向け努力を惜しまないことです。私は周りの人々の役に立つことができたと実感し、その喜びを共有できた際に自身の喜びを感じます。そのため、消費者のニーズに対して細部にまで気を遣い、人のためとなる研究開発ができると考えます。これは私の性格的な「強み」であります。これらの特徴を活かして、人々の暮らしに新たな価値をもたらすものづくりに貢献したいです。 (2017年卒 大阪大学大学院 明治 技術系/研究開発 本選考通過)
研究職は、民間企業や大学などで特定の分野を研究し、新しい技術を発見したり、既存の技術から新たな価値を創造したりする仕事です。チームで研究をおこなうことが多いため、上手く連携が取れるかも非常に重要となります。
例文では、幅広い分野の研究に携わったからこそ、多くの研究者から多くの知見を得られたことがわかります。また、専門的なスキルのアピールだけではなく、「消費者のため」という視点を持ったものづくりができることを感じられる説得力の高い例文になっています。
⑤エンジニア職
実際に選考通過した回答
私の強みは開発力と提案力です。
私は大学弓道部に所属し、リーグ昇格のため的中率47%を62%に向上させました。上位リーグの平均的中率が60%という確率で、数値目標として62%を設定しました。今までは記録を紙で管理していてデータとして活用しにくい環境にあったため、数値を可視化することで部員の競争性が向上すると考え、独学で的中率を自動計算するシートを作成しました。このシートの活用とノルマ制を設けることを幹部に提案し、実装となりました。
これにより記録の手間が省けたうえ、いつでも記録を管理できる状況を作り出し、部員の競争性を創出されました。結果的中率は13.4%向上し、リーグ昇格を達成しました。 (2024年卒 Sky エンジニア職 本選考通過)
エンジニア職は、ツールやシステムの開発から保守対応までをおこなう技術者を指します。専門的な技術はもちろん、その技術をいかに形にできるかという思考力も問われます。
例文では「チーム全体の競争性を強めてスキルの底上げを図る」という目的のもと、的中率を可視化できるシートを作成し、導入まで一貫してやり遂げている点が、説得力のあるアピールにつながっています。
大手内定者のESから分析! 通過する自己PRの3つの共通点
さまざまな例文を紹介してきましたが、選考を通過したESに共通することは一体何なのか、気になる人もいるでしょう。
ここからは、就活会議に寄せられた大手内定者のESから、選考を通過する自己PRに共通する「3つの秘訣」を解き明かしていきます。
①再現性のある強みを伝えている
記事の冒頭でも解説しましたが、企業が自己PRを求める意図として「自社で活躍する人物か見極めたい」というものがあります。
そのため、特定の状況下でのみ発揮される強みではなく、ビジネスの場でも通用する強みのアピールをすることが大切です。再現性をいかに感じてもらえるかが合否の鍵となるのです。
実際に選考通過した回答
私の強みは現状を打破するために積極的に行動することができる点です。
IT企業のインターンシップに参加した当初は、自分のIT知識の乏しさから社員の方と話す内容に困ってしまい、うまくコミュニケーションが取れない日々が続きました。そこで私はその日の疑問点や興味がある事を全てノートにまとめ、次の日に質問できるように備えました。あらかじめ質問を考えておくことで社員の方とスムーズにやり取りができると考えました。
その結果インターン途中からは社員の方とフランクに話すことができるようになり、さらにこの事が自信につながり、グループディスカッションなどで積極的に意見を言うことができるようになりました。
インターン最終日のフィードバックではその姿勢が評価された為、大きな達成感を得ることができました。貴社のSEとして働く際はこの強みを最大限に活かして課題を解決し、貴社の一員として社会に貢献したいと考えています。 (2023年卒 日鉄ソリューションズ 総合職 内定)
この例文は前提として、実際に企業で働いたインターンの経験が述べられているため、働くイメージがしやすく、それだけで説得力があります。
さらに疑問をまとめてメモする学習意欲や新人でも臆せずチームに意見を伝えられる積極性は、入社後の早期キャッチアップを想像させ、ほかの学生と差を付けることができるでしょう。
②「課題解決」のストーリーになっている
エピソードが「課題解決力」のストーリーになっているかも重要です。ただの状況説明よりも、一連のストーリーで描かれる方が印象に残りやすいからです。
実際に選考通過した回答
私の強みはリーダーシップだ。現在勤めている飲食店では、バイトリーダーを任されている。
当初、私のアルバイト先は食事の提供が遅く、20分を超過することが多々あった。この問題を放置すると、お客様満足度の低下や機会損失の増加に繋がるため、私はこれをすぐに解決すべきだと考えた。ゆえに私は、他のバイトメンバーに以下2つのことを呼びかけた。
第1に、提供時間を計測し可視化すること。第2に、手が空いている人は人手の少ない業務に入り無駄をなくすこと。結果、提供時間は20分以内に収まるようになった。
貴社へ入社した際は、この強みを活かし、現場の改善のため周囲を巻き込めるPMを目指したい。 (2025年卒 Sky 開発職 内定)
たとえば、上記の回答ではアルバイトのリーダーを担うなかで、何が課題で、そのために具体的にどんなアクションをしたのかが数字を用いてわかりやすく提示されています。端的ながらも構成が整っていることで、印象に残ります。
課題解決のストーリーにするためには、「改善すべき課題」「具体的な行動」「行動によって至った結果や学び」という順番で伝えることを意識してみてください。
③成果や結果を数字で表している
あなたがどれだけすごいことを成し遂げたとしても、採用担当者はそれが本当なのか確認する術がありません。だからこそ、あなたの行動によってもたらされた成果が数字で表せるものであれば、積極的に数字を活用しましょう。
実際に選考通過した回答
私の強みは、課題を捉え地道に取り組む課題解決力である。
この強みは、○○の営業の長期インターンで発揮した。当初、○○を提案するテレアポ業務において、目標のアポイント獲得率○%に全く届かない状況であった。これは、○○の売り込みに意識が向きすぎていたことが要因であった。
そこで、相手の現状や要望を十分に把握することが課題であると考え、2つの取り組みを行った。1つ目に、ニーズを引き出すための質問力を磨いた。他のインターン生と実例などの情報を共有し、効果的な質問方法を分析した。2つ目に、既存顧客の実例を徹底的に調査した。様々な顧客との商談へ積極的に同席し実際のニーズを聞くことで、新規見込み客に対してより説得力のある提案が可能となった。
結果、○カ月でアポイント獲得率○%上昇を達成した。これは、課題に対して粘り強く取り組み成果を上げることができた経験であると考える。 (2025年卒 日鉄ソリューションズ 総合職 内定)
たとえば、上記の回答では「〇ヵ月でアポイント獲得率〇%の上昇を達成」と、期間と成果を数字で示すことで、情報の信頼性が各段に上がっています。
これがもし「アポイント獲得率の目標を達成した」だと、その難易度や貢献度が正確にわかりません。あなたが成し遂げた成果の「大きさ」を採用担当者に正しく届けられるように、なるべく客観的な指標を用いて伝えるようにしましょう。
読みやすい自己PRを作成するための4つのポイント
- 一文は60~80文字以内を意識する
- 適度に改行をする
- 同じ文末の繰り返しは避ける
- 一番伝えたい部分は「」で強調する
自己PRが完成したら、必ず読み直してみてください。この自己PRを初めて読む、多忙な採用担当者の視点に立つことで、さらにブラッシュアップできます。
読みやすい自己PRにはいくつかのルールがあります。上記の4つのルールが押さえられているかを最終チェック時に確認しましょう。
①一文は60~80文字以内を意識する
一文の長さは60〜80文字がベストです。一文が長くなりすぎると、主語はどこか、接続詞が示す関係性は何か……と処理しなければならない情報が多くなります。
情報が多くなると、その文章の中で「一番言いたい部分」もぼやけてしまいます。一文が長くなりすぎないよう注意しましょう。
NG例
私の強みは、広い視野で多角的に物事を捉え、最適な判断を下せることですが、それは、中学時代から続けているアイスホッケークラブでの活動を通して培われました。
OK例
私の強みは、広い視野で的確に状況を見極める力です。この力は、中学時代から続けているアイスホッケークラブでの活動を通して培われました。
②適度に改行をする
企業から指定がない限りは、適度に改行を入れましょう。文字がびっしりと並んでいると、読み手に圧迫感を与えます。
改行は内容をスムーズに読み進めるための「息継ぎ」のような役割を果たします。改行を入れるタイミングがわからないという人は、この記事で解説した自己PRの4ステップ構成「結論」「根拠」「成果」「展望」の各要素の区切りで改行するようにしましょう。
③同じ文末の繰り返しは避ける
同じ文末が繰り返されると、自己PR全体の抑揚がなくなり、リズムを単調にします。やや稚拙な印象も与えるため注意しましょう。
NG例
私の強みは計画力です。陸上部での短距離走のタイムを縮めるために、まずは過去の自分の記録を整理しました。平均は〇秒で、ベストタイムと〇秒乖離がありました。原因はスタートダッシュの遅さにあるとわかりました。平均を上げるために、大会までの期間から逆算した計画書を作りました。
OK例
私の強みは計画力です。この力は、陸上部で短距離走のタイム向上に取り組んだ際に培われました。記録が伸び悩んでいた際、過去の記録を整理したところ、課題は「スタートダッシュの遅さ」にあると判明。そこで、私は大会までの〇カ月から逆算し、オリジナルの計画書を作ることに決めました。
上記の例からもわかるように、文末を使い分けることでリズムが生まれ、話の展開がわかりやすくなります。
④一番伝えたい部分は「」で強調する
ESに蛍光マーカーは引けませんが、同じような役割を果たすのが「」(鍵括弧)です。「私の強みは『〇〇』です」など、一番伝えたい部分につけることで、採用担当者の目を効果的に引くことができます。
特に人気企業や大手企業では、応募者の数も多く、こういった少しの工夫が勝敗を分ける一因となる可能性があるため、細部までこだわってESを提出しましょう。
「会いたい」と思わせる自己PRでES通過を目指そう
この記事では、就活会議に寄せられた大手企業や人気企業の通過ESを紹介しながら、選考突破できる自己PRの書き方を解説してきました。
自己PRは定番の質問だからこそ、ありきたりな内容では膨大なESに埋もれてしまいます。今の自己PRで満足するか、ここからさらに磨き上げるかで合否が変わってくるのです。
ぜひこの記事で紹介した埋もれないための工夫を実践し、面接選考への切符をつかみとってください。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。

この記事の編集担当者
飯塚 千弘
横浜市立大学国際教養学部卒。新卒で介護・保育領域の人材紹介会社に入社。人材コンサルタントとして従事したのちに、経営企画部にて集客及び登録者データの分析を担当。記事のチェックや訴求内容の提案等を行う中で記事制作に関心を持ち、ライターへと転身。現在は就活会議の編集ディレクターを務めている。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める