【SIerとは】業界大手8社を徹底比較|元NRI社員が仕事内容・将来性まで解説
こんにちは。就活会議編集部の望月です。 「SIerという言葉は聞いたことがあるけど、実際にはどんな業界なんだろう」。 今後重要になるだろうという、なんとなくのイメージはあるかもしれませんが、SIer業界に対して具体的な知識がないという人もいるでしょう。 この記事では、野村総合研究所(NRI)の元社員にSIer業界についてインタビューした動画を元に、SIer業界について解説します。現役でその業界にいるプロだからこそわかる視点も盛り込まれているため、業界への知識を深めていきましょう。
この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
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AI要約
1分でわかる「SIer業界とは」
SIerとは、企業のシステム構築や運用を請け負い、ITの力で社会の仕組みを支える業界です。私たちの身近な例では、証券会社の株取引アプリやコンビニの在庫管理システムなど、目に見えない「裏側の土台」の多くをSIerが構築・運営しています。
仕事内容は、単にプログラミングをおこなうだけでなく、顧客の課題を解決する「コンサルティング・営業」から、プロジェクト全体を管理する「マネジメント(PM)」、安定稼働を守る「メンテナンス」まで多岐にわたります。そのため、技術力だけでなく、多くの関係者と協力して物事を進める力が不可欠な業界です。
主要な企業は、その成り立ちによって特徴が分かれます。富士通やNECなどの「メーカー系」は堅牢なインフラ基盤に強みを持ち、NTTデータやNRIなどの「ユーザー系」は親会社の知見を活かした金融や流通分野での圧倒的な実績が特徴です。また、戦略から開発までを一貫して手掛けるアクセンチュアのような「外資系」や、機動力の高い「独立系」など、志向に合わせた選択が可能です。
深刻なIT人材不足が続く現代において、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支えるSIerは、もはや社会のインフラといえます。マクロなトレンドで見ても、SIerの重要性がなくなることは考えにくく、今後も高い将来性が期待できる業界です。
※動画と記事の概要を生成AIでまとめています。
どこから読み始めますか?(リンクを押して飛ぶ)
・SIer業界がどんな業界なのかを知りたい
・SIer業界の仕事内容を知りたい
・大手SIerの企業比較が知りたい
・SIer業界の将来性を知りたい
※なお、この記事では就活会議のYouTubeチャンネルで公開している「SIer業界研究! 各社の違いをSIer社員が徹底解説!(富士通・NEC・NTTデータ・NRI・アクセンチュア・大塚商会)」のインタビュー内容をベースに、インタビューの書き起こしから再構成・編集をおこなったものです。
インタビューには、NRIの元社員であるMさんが登壇。新卒時から一貫してSIer業界に携わり続けているプロ目線で、SIer業界について伺いました。現役就活生とともにSIer業界に関する疑問を解明していきましょう。
SIer業界とはどんな業界?
就活会議:SIerは結構、広範囲に事業領域を展開しており、身近そうで抽象度が高いので若干とっつきづらいイメージもあると思うんですけれども。身近な例でいくとどんなものがありますか。
Mさん:「世の中を支える仕組みは大体SIerが作ってます」っていうのも極論言えるかなと思ってまして。
たとえば僕が初めに勤めていた、NRIであれば、証券業界の株取引におけるシステムを運営していたりとかしますので。投資しようと思ったときに触れるアプリであったりとか。Webサービスを提供してるのは証券会社かもしれないけど、後ろでそのシステムを作ったり運営してるのはSIerだということもありますし。
これもNRIの話ですけども、コンビニ向けのビジネスも得意としていたりするので「おにぎりを何秒に何個作って、それをどのコンビニに何個入荷すれば良いか」みたいなものを計算するシステムであったりとか、その在庫を管理するシステムだったりとかも作っているんですよね。
それをサービスとして実際に提供しているのはコンビニの会社であり、コンビニの店舗である。そういうふうにいろいろな人たちがいろいろな役割で登場しているので「僕らの身の周りにあるものをSIerがや支えている、作っている」というシーンは今のような例も含めてたくさんあるのかなと思っています。
SIer業界の仕事内容

就活生:お仕事の内容についてちょっと伺いたいなと思いまして。少しだけSIerのことを調べたときに、「工程によっていろいろ担当が決められている」っていうのを知ったんですけれども、実際どういった仕事の方たちがいらっしゃるんですか。
Mさん:SIerの企業によっても、役割の考え方とか分担の仕方はいろいろあるんですけども。ただ、一般的なビジネスのプロセスは踏んでるのかなと思っています。
どういうことかと言うと、「エンジニア」っていうキーワードが目立ちがちではあるんですけど、そうではなくて、仕事を作らねばいけないので、営業のような役割を担っている人も当然いるかなと思います。
それが「THE 営業」みたいな人もいますし、一方でコンサルタントのようにお客様の課題を解決するようなコミュニケーションを通して、実際のプロジェクトにしていく、そういう「お客さんの目の前に立ってプロジェクトを立ち上げていく」という人がいて。
「では実際にやりましょう」となったとき、プロジェクトを成功させるために「プロジェクトマネージャー」と呼ばれる役割の人が出てくる。それが「PM」とか「プロマネ」とか言われる人かと思います。そのプロジェクトのなかで、システムを実際に作る必要があるので、「どんなシステムを作れば良いのか」というのを設計する人であったり。
実装する、「コーディングをする」って いう言葉ですね。これを「エンジニア」って言いがちなんですけど。実際にはエンジニアってのはもっと幅広くって。「実装する」っていうところがコーディングをするような業務の部分であったりとか、あとは実際にでき上がったものの品質を確認するためにテストをするっていう人であったりとか。
そういったものを一連の工程と呼ばれる業務の流れでやっていって、プロジェクトというものが完成していくという流れになるので。いろいろな工程と、それによって「かかわる人がいる」というのはその通りです。
プロジェクトが実際に「終わりました」となった後にも、システムはやはり「動かしたら止められない」ものでもあって。ずっと使われていくものにもなるので、使っていただいている間、動いてる間にシステムをメンテナンスするような人も当然います。
そういう営業的な一番最初の案件・プロジェクトを立ち上げる人から、プロジェクトを実装に向けて開発する人、それをマネジメントする人、その後のメンテナンスをしていく人。そういうふうなかかわり方をしていくことが多いかなと。それがシステムを開発しようという一連のプロセスにかかわる役割の人たちかな、というふうに思います。
大手SIer8社の企業比較|現役社員が分析
業界についてある程度理解できたら、企業についても気になるところですよね。
ここでは、SIerの大手企業を業界地図2025を参考に下記4つの区分に分けて、プロの目線で企業比較をしてもらいました。
メーカー系SIer(富士通・NEC)

就活会議:各社を見ていきたいなと思ってるんですけども。今回は大手の有名どころだけをピックアップさせていただければなと思っております。
まず「メーカー系」みたいなところで代表企業、富士通とNECが挙げられるかなと。この2社に関しては「どう違う」とかっていうのはありますかね。
富士通
Mさん:富士通さんに関して言うと、昔からの印象で「サーバー」と呼ばれるシステムが動く基盤というか、そういったものにすごい強みを持っている印象、そういう製品を持ってビジネスを展開している印象があります。
しっかりした土台を持っている、ソリューション提案ができるので、今も金融機関さんであったりとか、観光庁さんであったりとかっていうところに「土台がしっかりした、安定したシステムを提供する」っていうところで強みを持っていたり。
あと、最近よく話題に挙がるスーパーコンピューターとかもですね。研究開発含めて取り扱ってらっしゃってる企業なので、それもインフラ基盤と呼ばれるものの強みがあるから実現できるものなので。昔の強みを活かしながら、今の世の中に必要とされてるものを作ってらっしゃるんだなって印象を持っていますね。
NEC
Mさん:NECさんに関しては、すごく規模が大きい会社さんになるので、いろいろなことをやってらっしゃることは大前提ではあるんですけれども。もともと観光庁などの「国にかかわるようなお仕事」をやってるようなところであったりとか、それもあってNTTさんともつながりが強いってところもあって、やっぱりネットワーク系の強みであったりとかは特にあるのかなって印象があります。
あとは昨今「IoT(Internet Of Things)」と呼ばれる「モノとITがつながる」という事業において、すごく強みがある印象があって。これも、もともといろいろな製品を取り扱ってらっしゃるから、その製品をさらにネットワークに乗せたら何が実現できるのかというふうに、「インターネットに乗せると何ができるのか」ということを考えてらっしゃったからこそ実現している機能もある。顔認証みたいな話もそうですし、もっと大きいモノもたくさんやっているので。
そういう「世の中に必要とされているモノを使った技術」というところに長けている印象で。それに必要な研究開発をやっているような会社さんだな、と思っています。
ユーザー系SIer(NTTデータグループ・伊藤忠テクノソリューションズ・野村総合研究所)

就活会議:「ユーザー系」。今挙げている3社(NTTデータグループ・伊藤忠テクノソリューションズ・野村総合研究所)でいくと違いはどうですかね。
Mさん:この3社で言うと、「もともとの親会社だけの仕事をしてるわけではない」SIerのグループになるかなと思います。
NTTデータグループ
Mさん:NTTデータさんはもう売上高も先ほどまでの2社よりもさらに大きな企業になってらっしゃるというとこもあって。加えてグループ会社含めてすごい数の企業群になってらっしゃるなと認識をしております。
たとえば海外で仕事をしていくであったりとか、そういう機会も非常に幅広くあるのかなと思いますし。あと何より、金融系とかもそうなんですけども、NTTデータさんが長年支えてきている領域ってがあったりするので。金融とか公共が強いんですけども、その領域におけるイニシアチブを好んで入られる方も当然いるかなと思います。
ただ、この規模になっても売上や利益を伸ばし続けていらっしゃる企業でもあるので。新しいチャレンジも当然しているところになるかなと思います。規模から見て取れる通り、総合的に見て魅力的な企業の一つだと思います。
伊藤忠テクノソリューションズ
Mさん:伊藤忠テクノソリューションズさんについては、伊藤忠商事からの出資率100%というようになってるので、完全に「子会社」という位置付けではあります。実際には、伊藤忠商事という商社そのものの規模がそもそも大きいので、伊藤忠商事の仕事をしてるというよりか「伊藤忠商事を含めた商社グループの仕事を大きくやっているし、それに限った仕事をしているわけでもない」というところがあります。
そのため、文化的な部分で、商社のお客さんであったりとか、商社の関連会社さんの仕事をする可能性は高いかなと思います。
商社の業務に興味がある方や、「商社関連の仕事をデジタルシステムの力で支えたいんだ」って方には、魅力的な部分が強いのかなと思います。やはり、商社にかかわる部分なので、通信やIoTというところにも強みを持ってらっしゃいます。その部分の良さはあるのかなと思いますね。
野村総合研究所(NRI)
Mさん:NRIは、証券とか流通に強みがあるんですけれども。もともとシンクタンクの機能 や、コンサルの機能を持っていて、そこからシステム開発の機能と合流してお客さんをビジネス含めて支援していくというところから事業を展開しているような会社なので。
そのあたりの、コンサル・シンクタンクの強みを含めたところは、最近のIT企業・DX企業においても、コンサル部門とIT部門の両方を持っている企業が増えている印象はあります。NRIはそこの歴史がとても長いところが特徴的だと思います。
独立系SIer(TIS・大塚商会)

就活会議:「独立系」みたいな企業さんはたくさんあるとは思うんですけども、代表企業としてTISと大塚商会についてお聞きしたいです。
TIS
Mさん:TISさんとかで言うと、最近テレビのCMとかもやっているので、認知度も高まってきているかなと思います。
やはり金融系の強みを持っている会社であって、金融のお仕事を「幅広くかつ根深く」という強みを持ってビジネスを展開している印象が強い会社さんですね。
大塚商会
Mさん:大塚商会さんに関しては、僕の印象で言いますと、痒いところに手が届くというか。中堅、中小企業向けと言いますか、本当に多種多様なソリューションを自社で開発したり、提携したりしていまして。
どうしてもそのSIerって、「大きな規模の案件を作るところに意義がある」と、僕は感じているんですけども。大塚商会さんに関しては、すでにあるソリューションを上手に組み合わせて、中小企業や中堅企業に対してソリューションを積極的に提供している会社さん、というイメージがあります。
そういう柔軟性であったりとか、機動力みたいなところにおいては、痒いとこに手が届くと言いますか、強みとして持ってらっしゃるのかなと思います。
外資系SIer(アクセンチュア)

就活会議:外資系も1つだけ。アクセンチュアは採用人数も相当多そうかな、というところと、学生さんからの人気もかなりあるかなと思うので、ほかの会社さんとの違いを伺いたいです。
Mさん:アクセンチュアさんに関しては、コンサルと言ってもお客様の戦略であったりとか、お客さんが今後どういう経営戦略を実施していくべきなのかだったり、構想レベルから一緒に伴奏できるところが強みだと思います。
NRIのコンサルみたいな話も似てるところがあるかもしれませんが、アクセンチュアの場合にも戦略の部分からしっかりコンサルとして入っていって、「新しい事業を作ろう」とか「新しい何かをチャレンジしよう」と思った場合には、デジタル・ITの力ってのは必要になってくるところですので。
そこの戦略で構想した部分を実際に「作る」部分まで含めて、自分たちでワンストップでやってらっしゃるっていうところは、強みというか特徴としてあるんじゃないかなと思っています。
SIer業界の将来性|現役社員が分析
就活会議:将来性について触れていければなと思うんですけども。結構SIer業界を見ていくと、意見として分かれるなという印象で。「伸びる」と言ってる一方で、「なくなるかも」みたいな。実際これってどうなんですかね。
Mさん:まず、本当の世の中的なトレンドで言うと、やはり人材不足であって、その人材不足を解決するためにデジタルの力を使う必要があって。その「デジタルの力を使うためのシステム」を作るエンジニアが足りない、という難しい構造になるであろう、というのがマクロのトレンドかなと思っています。
そう捉えたときに、このSIerっていう業界が、「自分たちの中でエンジニアを採用するのか、外に専門チームを持つのか」というときにどちらの選択肢を取るかは企業によって異なると思うんですね。ですが、「一定効率的な経営をしていこう」と思うと、やっぱり外に出す部分っていうのもうまくコントロールしていかないと、事業としてコストのコントロールができないってところがあって。必要になってくるのかなと思っています。
なので残るか残らないか、みたいな話で言うと、今のトレンド的な話から言ってもやっぱりなくなるっていうのは考えにくいかなと思います。何より、社会のインフラになりつつある業界でもあるので。それがなくなるというのは、よほどの社会的な変革が起きない限りは難しいのかなとも感じますね。
SIer業界を十分に理解して選考に挑もう
SIer業界は、私たちの生活に幅広くかかわり、世の中の仕組みを支えています。デジタルに関する仕事がしたい人にはもちろん、「暮らしやすい世の中にしたい」という、社会貢献の意欲が高い人にもおすすめの業界です。
この記事から業界の特性や仕事内容などを学んで、あなたの業界研究に役立ててください。業界のことを十分に理解したうえで選考に臨み、内定獲得に向け一歩踏み出しましょう。
【関連動画】SIer業界に関する動画をチェック
本記事では、「SIer業界」に焦点を当て、以下のインタビュー動画をもとにその極意を凝縮して解説しました。
動画本編では、SIer業界に対しさまざまな観点からMさんの言葉で詳しく語られています。より深い対策を進めたい人は、ぜひ動画もあわせて活用してみてください。
また、以下の動画ではSIer業界に刺さる志望動機について解説しています。対策を進めるうえで活用してみてください。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。

この記事の編集担当者
望月 晨生
新卒で寝具・家具メーカーに入社後、大手ECサイトの販売を担当。寝具や家具にまつわるオウンドメディアの立ち上げに携わる。自分で何かを作り上げることに魅力を感じ、ライター職に転職。現職では就活会議のコラム立ち上げに携わり、ライター・編集ディレクターを担当。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める