教員はブラック? 現役教員が語る長時間労働の実態や役職別の忙しさ
こんにちは。就活会議編集部の佐藤です。 子どもたちの成長を間近で支え、次世代を育む教員。「子どもが好きで教育に携わりたい」「恩師のような先生になりたい」といった情熱を持ち、この道を志す人もいるでしょう。 一方で、過酷な労働環境から「教員はブラック」という声が聞かれるのも事実です。そこでこの記事では、現役高校教員へのインタビューにもとづき、多忙の背景にある実態を深く掘り下げます。厳しい現状を知ったうえで、後悔のないキャリア選択をするために。現場の視点から「教員の真の姿」を解き明かしていきましょう。
この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
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AI要約
1分で読める! 現役教員と元教員が語る「教員はブラック?」の真相
現役教員へのインタビューにもとづき、教職が「ブラック」と呼ばれる構造的な理由と、役職ごとの業務実態が理解できる記事である。
まず、労働環境の過酷さについては、以下の3点が具体的な根拠として挙げられている。
①長時間労働:持ち帰り業務を含めると残業が月150時間を超えるケースがあり、国の過労死ラインを大幅に上回る実態がある
②休憩の欠如:法的には休憩時間が定められているものの、実際は生徒対応や授業準備に追われ、平均休憩時間はわずか5〜7分程度である。
③残業代ゼロ:半世紀前の基準にもとづく「教職調整額(給料の4%)」が適用されるのみで、どれだけ残業しても追加の手当は支給されない。
次に、キャリア段階による多忙さの質の違いがわかる。若手が担う「担任」は、生徒や保護者への対応、事務作業、部活動など学校内部の業務に忙殺される一方、これを経て就く「管理職」は、対外的な折衝や学校経営の責任を負うという異なるプレッシャーが存在する。
結論として、教員は個人の献身に依存した労働環境にあるが、生徒の成長にかかわるやりがいは大きいとされる。一方で、心身の健康を守るためには、管理職への相談や休職制度の利用、あるいは転職といった選択肢を冷静に持つ必要性も示唆されている。
※動画と記事の概要を生成AIでまとめています。
どこから読み始めますか?(リンクを押して飛ぶ)
・「教員はブラックと言われる理由」を知りたい
・多忙の実態を「役職ごと」に知りたい
・現場経験のある人からの「アドバイス」がほしい
・ブラックな環境に悩む人が「取るべき選択肢」を知りたい
※なお、この記事では就活会議のYouTubeチャンネルで公開している「超激務...!現役高校教員で部活動顧問を担う先生の1日のスケジュールが多忙すぎる...【授業/ルーティン】」、「残業代ゼロ!? 高校教員が語る教師の働き方の実態が過酷すぎた...」、「超激務な働き方に絶句! 元高校教員に1日の過ごし方を直撃!」「教師になるには〇〇が必要! 元高校教員が語る教師に向いている人」のインタビュー内容をベースに、インタビューの書き起こしから再構成・編集をおこなったものです。
インタビューでは、現役高校教員のSさん、行政への出向も経験している元高校教員のTさんが登壇。就活生からは想像しにくい、「教員ならではの働き方の実態」を伺いました。
登壇者のプロフィール
| 氏名 | Sさん |
|---|---|
| 学歴 | 都内の私立大学 卒業 |
| 経歴・活動内容 | 高校教諭として4年目を迎える。専門は社会科で、「政治経済」「倫理」を担当。現在は高校2年生の担任を務める。 野球が好きで、硬式野球部の顧問としても活躍 |
| 氏名 | Tさん |
|---|---|
| 経歴・活動内容 | 大学卒業から定年まで、長きにわたり高校教諭として教卓に立ち続ける。専門は理科で、おもに「化学」を担当。内15年間、県教育委員会や県庁などの行政への出向も経験。 顧問としての実績も幅広く、放送部からヨット部まで多岐にわたる部活動を歴任 |
現役教員が語る! 「教員はブラック」と言われる理由
近年、SNSやニュースで「教員の働き方改革」が大きな議論を呼んでいます。「学校の先生」という職業に憧れを持つ人がいる一方で、現場からは「働き方がブラック」「休みがあまりにも少ない」といった声も多く聞かれます。
なぜ、次世代の育成を担う公共性の高い仕事でありながら、これほど過酷な労働環境が常態化されているのでしょうか。ここからは、現場で働く現役社員のリアルな視点から、教員が「ブラック」と言われる3つの理由を紐解いていきます。
① 「残業150時間超え」の長時間労働
就活会議:何時に起きて、何をはじめにやってというところから教えてください。
現役教員Sさん:朝は大体6時くらいに起きて、本当に身だしなみを整えるだけで、着替えてすぐ学校に行く感じですね。7時半ぐらいには学校に着きます。
そこからは大体授業の準備とホームルームで話すことがあればその準備をして、8時35分から始まるホームルームの時間を待っています。
就活会議:たとえば1~4時間目と授業が続く場合は、授業の間の時間で準備というのはなかなか難しいと思うのですが、事前にきちんと準備をして臨んでいるのですか?
現役教員Sさん:そうですね、間の休憩時間は10分間しかないので、授業が終わり、職員室に戻って道具を取り、すぐに行かなければいけないぐらいなので、プリントの印刷や授業づくり自体はその前の時間に終わらせています。
「若手ほど早く出勤すべき」という文化はないものの、経験が浅いうちは授業準備に時間がかかることもあるため、Sさんは早めの出勤を心掛けているそうです。
就活会議:午前・午後の授業をして、19時頃に部活が終わった後は、どんなスケジュールで動いているのですか?
現役教員Sさん:基本的にはその後に授業の準備や、残っているプリントのチェックなど授業に関する仕事をしています。そのため、家に帰るのは大体20時ぐらい、遅いと21時ぐらいになることもあります。
就活会議:家に持ち帰って仕事をすることもあるのですか?
現役教員Sさん:基本的に個人情報が外に出ないようにプリントなどは持ち出しが禁止になっているので、家でやる際には許可を取って持ち帰ることもあります。
もしくは授業の準備、たとえば本を読んで勉強するなどは(教員として授業をおこなううえで)どこまでもやらなくてはいけないものなので、そういうものは勤務時間外に家ですることはあります。
就活会議:ちなみに眠るのは何時頃になるのですか?
現役教員Sさん:最近は23時ぐらいには寝るようにしています。

就活会議:残業時間はどれくらいですか?
現役教員Sさん:私の場合だと月に130~150時間とかになることもあります。
就活会議:とても多いですね……!
文部科学省の「教員勤務実態調査(令和4年度)」によれば、中学校教諭の1日あたりの平均校内勤務時間は11時間1分にのぼります。Sさんのように、自己研鑽を含めた「持ち帰り業務」まで加味すると、教員の残業時間が月100時間を超えるケースもめずらしくないことが推察されます。
厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定」では、業務による過重負荷の基準として、「発症前1ヵ月間におおむね100時間」または「2〜6ヵ月平均で月80時間」を超える時間外労働を規定しています。
しかし、前述の文部科学省の調査結果から算出すると、月80時間以上の残業に相当する働き方をしている教員の割合は、中学校で36.6%、小学校で14.2%に達します。
これらのデータから、校種を問わず、教員の長時間労働は当たり前になってしまっていると考えられるでしょう。
②「休む暇がほとんどない」休憩時間
就活会議:4時間目が終わった後のお昼ご飯、どこで何を食べているのですか?
現役教員Sさん:基本的には職員室で家から持ってきたお弁当だったり、買ってきたものを食べる人が多いですね。
就活会議:先生同士で学校の外にランチに行ったりということはないのですか?
現役教員Sさん:たまにありますが、昼休みは一応休憩時間にはなっているものの、生徒が訪ねてくるのも休み時間であることが多いので、休み時間も職員室から離れる時間を少なくしています。
生徒が相談しやすい環境を常に整えている姿勢からは、Sさんの教育活動に対する強い責任感が伝わります。しかし、その献身的な姿勢が、結果として自身の休憩時間を削る要因となっているとも言えます。
本来、「労働基準法」の第34条では、労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩時間を与えることが義務付けられています。
しかし、文部科学省の同資料によると、実際に「休憩時間内に取れた休憩」の平均は、小学校教諭で5分、中学校教諭で7分というきわめて短い実態が浮き彫りになっています。
このことからも、教員の休憩時間は、生徒の対応や次の授業の準備に追われる「事実上の業務時間」になっており、実際には休む暇がほぼないのが現実だと言えるでしょう。
③ 「残業代ゼロ」の給与体系
就活会議:残業代はどのくらい出るのですか?
現役教員Sさん:残業代に関してはゼロです。そもそもの給料体系のなかにプラスで4%付いているらしく、それがその残業手当とかの代わりということになっているみたいなので、完全に定時で出勤・退勤しても同じプラス4%で、どれだけ残業しても4%です。
就活会議:たとえば、テスト期間にテストの作成から採点までの業務で発生する残業に関してもゼロなのですか?
現役教員Sさん:そうですね、どの業務にかかわるところも残業だけの名目でお金が付くことはないです。
就活会議:それは私立の場合も同じですか?
現役教員Sさん:私立の場合は一つの企業みたいなものなので、給料体系や手当については学校ごとにばらばらになりますね。
Sさんが指摘するように、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」の第3条では、教育職員に対して「時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない」と明記されています。
しかし、この「4%」という教職調整額は、1966年におこなわれた「教員勤務実態調査報告書」が根拠となっています。当時は月平均の残業時間が約8時間であったことから算出された数字であり、半世紀以上が経過した現代の労働実態とは大きく異なります。
文部科学省が発表した「「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について」では、「教師がより魅力ある職となるよう、教職調整額を少なくとも10%以上に引き上げるべき」との方向性が示されました。
この動きからも、現状の「4%」という水準は現代の教員の働き方とは完全に見合っておらず、制度の抜本的な見直しが不可欠であると言えます。
元教員が解説! 役職ごとに異なる「忙しさ」とは?
一口に「教員」と言っても、校内での役割によって「何に時間を奪われ、どのような責任を背負うのか」という忙しさの質は大きく異なります。
ここからは、教育現場の最前線に立つ「担任」と、学校運営の指揮を執る「管理職」それぞれのリアルな実態を紐解いていきます。
担任
元教員Tさん:正直、担任は忙しいと思います。
たとえば、朝会や玄関指導の後にはホームルームがあります。それまでの間は、担任のない先生方はゆっくりお茶などを飲むわけですよ。
一方で、担任はクラスに行って名簿チェックや1日の日程の説明、休んでいる子がいると職員室に戻ってきて、ご家庭と連絡を取り、生徒の安否確認をして、そして初めて授業に入ると。
授業時間の合間を縫って、いろいろな方といろいろな連絡を取り合うのも担任の仕事です。
当然、担任は毎日日誌を書かなきゃだめだし、通信簿の成績を付けるのも結局は担任が全部やるので、担任の仕事量は結構多いなという気がします。
加えて、部活動だと遠征する際に宿泊場所に行って切符を取る、生徒から遠征費用を集めるなども含めて全部担任がやっていくので。
だから、その分だけやっぱり大変ですけども。ただ担任を経験しないと、やがて管理職になるのはあり得ないので。若いからこそ経験値が少ないので、忙しく感じますけども、経験をしっかり積むことで、ゆとりのある、学校全体を見渡せる管理職になれるのだと思います。
このことから、担任は生徒の生活や学習に直結する、多岐にわたる業務を一手に担っていることがわかります。
こうした現場での多忙な経験こそが、将来的に学校全体を俯瞰できる管理職へとステップアップするための重要なプロセスとなるのです。
管理職(校長・教頭など)
就活会議:校長や教頭といった管理職だと、担任とはまた違ったジャンルの忙しさになってくるのでしょうか?
元教員Tさん:そうですね、担任はどちらかというと学校、生徒、保護者に(ベクトルが)向いて。
そこから管理職になってくると、外に向きます。学校外からいろいろな資料が来て、企業との就職も進学も含めていろいろな方につながっていくので、そのような目線や仕事の質が違ってくる。
いろいろな問題があると学校長が受けることになるので、(担任として)大きく積み重ねてきた経験、その学校の内部をしっかりと知りつつ、そのうち、外に向いていろいろな情報を得ながらやっていく。
それをもって、人と学校の経営が成り立っていくというふうな気がします。
これらの内容から、管理職は視点を「学校外部」へと広げ、組織全体を動かす役割を担っていることがわかります。
学校で起こるあらゆる問題の最終責任を負いながら、現場で培った知見を活かして学校経営を牽引する、きわめて重い責任を背負う立場だと言えるでしょう。

教員を目指す学生へ|現役教員・元教員からのエール
教員の働き方の実態を知ったうえで、それでも熱意を持って教育の道を志す人もいるでしょう。ここでは、現場で多くの生徒たちと向き合ってきたSさん・Tさんからの、前向きなメッセージを紹介します。
教育実習や採用試験の勉強などで、ふと心が折れそうになったとき、自分自身の「原点」を思い出すためにもぜひ読み返してみてください。
現役教員Sさん:採用試験は大変だと思いますし、最近はいろいろなところで「働き方がブラック」だとか言われています。
教員は大変な仕事ですし、朝から晩まで学校や生徒のことを考えていないといけないというところは特に大変です。
しかし、本当にすごくやりがいがあって楽しい仕事なので、やりたいなと思う人はぜひ頑張って目指してもらいたいなと思います。
元教員Tさん:今から約30年前に武田鉄矢がテレビに出てたときの話ですけども、そのときに不良の子が武田鉄矢に向かって「僕は全然ダメな人生だった、全然うまくいってない」と言いました。
すると、武田鉄矢が、「お前最高の人生を過ごしてるんだ。自分は過去に失敗したんだろ?自分を支えているのは誰か知ってるか? 自分を支えてくれるのは過去の自分なんだよ。
過去の自分が失敗してることにおいて、失敗すれば失敗するほど経験が豊富なんだ、その分だけ今の自分がしっかり生きれる証拠なんだ。お前は最高の人生を過ごしているんだ」って話をしていました。
私も、武田鉄矢の「過去の自分が自分を支える」という言葉を聞いて、「自分の失敗があって今がある」って思っています。
まさにこれから自分の未来をどんどん切り開いていくためにも、「今の自分が何をすべきか、常に行動していくこと」が大事かなと思ってます。頑張ってください。
ブラックな環境で悩む教員へ|自分を守る「4つの選択肢」
最後に、過酷な労働環境で悩む教員が、今すぐ取り組める4つの選択肢を紹介します。
- 管理職に適切なマネジメントを求める
- 教員業務支援員と積極的に業務を分担する
- 病気休暇・休職制度を使い心身を休める
- 転職を視野にキャリアを見直す
教員という仕事は責任感が強い人ほど「自分が頑張らなければ」と一人で抱え込みがちです。しかし、心身を壊してしまっては、元も子もありません。
今の環境が苦しいと感じたときは、管理職への相談や外部リソースの活用といった「環境を変えるアクション」、あるいは休暇や転職といった「心身の健康を最優先に守るアクション」を検討してみてください。
「誰に相談して良いかわからない」「周囲に知られたくない」というときは、以下の外部相談窓口を利用してください。専門家があなたの状況を客観的に聞き、サポートしてくれます。
子どもたちと健やかに向き合い続けるためには、まずはあなた自身の健康を整えることが不可欠です。最善の道を見つけるために、今の自分に最も必要な選択肢を選び取っていきましょう。
「教員はブラック」と言われる実態を知ったうえで納得のいく意思決定をしよう
本記事では「教員はブラック」と言われる理由や、役職ごとの多忙な実態を紹介しました。解説したとおり、学校現場が多くの課題を抱えているのは事実です。
しかし、「憧れの先生の背中を追いかけたい」「子どもたちの人生に伴走したい」という情熱を持って向き合う日々は、何物にも代えがたい喜びをもたらしてくれるでしょう。厳しい側面も理解したうえで、それでも教職を目指したいと考えるあなたにとって、教壇はきっと「あなたが最も輝ける場所」になるはずです。
この記事で得た情報と、自身の価値観をじっくりと照らし合わせ、納得のいく形で自分らしいキャリアを歩んでいってください。
【関連動画】教員に関する動画を紹介
就活会議のYouTubeチャンネルでは、教員にインタビューをしています。
動画本編では、残業時間や業務時間以外についても詳しく語られています。進路を考える際に、ぜひ動画もあわせて活用してみてください。
以下の動画では、教員採用試験のフローなどを詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。

この記事の編集担当者
佐藤 美空
大学卒業後、就活会議のグループ会社であるポートに新卒入社。約1年間キャリアアドバイザーとして文系学生の就職支援をおこなう。就活生時代にポート運営の就活メディアを活用した経験から、「今度は私が就活生の役に立つメディアを創りたい」という思いでライターに転身。現在は就活会議のライターを担当している。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める