【就活ガイド】株式会社小松製作所の企業研究〜企業分析で選考突破〜
就活をする上で絶対に欠かせないのが企業研究です。この記事では株式会社小松製作所(コマツ)の基本情報や、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。コマツの選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。
【企業研究】コマツはどんな会社?
まずはコマツについて理解しましょう。 ここではコマツの選考に通過した先輩たちが行った企業研究と、その社風などをお伝えします。
コマツの会社概要と社風
まずはコマツの企業概要と社風をみていきます。
コマツの基本情報
会社名 | 株式会社小松製作所 |
---|---|
業界 | 機械 |
本社所在地 | 東京都港区赤坂二丁目3番6号 |
事業所 | 12ヶ所 |
創立 | 1921年5月13日 |
売上高 | 7,193億円 |
従業員数 | 11,692人 |
資本金 | 710億円 |
平均年齢 | 39.5歳 |
初任給 | 【全社採用】 学部卒・修士卒・高専専攻科卒共通 技術系:242,200円 事務系:221,200円 【事業所採用】 学部卒・修士卒・高専専攻科卒共通 技術系:221,200円 事務系:211,200円 高専本科・短大・専門卒共通 技術系:195,200円 事務系:185,200円 <高校卒共通>:175,200円 |
福利厚生 | 特別資格手当、子ども手当、住宅手当、通勤交通費等 独身寮、社宅完備 保養所及び法人会員制各種施設(全国各地) クラブ活動(野球部、バスケット部、テニス部、美術部 他) |
過去の採用人数 | 全体(全社採用+事業所採用) 2020年度 事務系39 技術系142 他74 計255 |
企業理念 | 不明 |
代表者 | 代表取締役社長(兼)CEO 小川 啓之 |
事業内容 | 建設・鉱山機械、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械など |
参考元:https://home.komatsu/jp/company/profile/
部門別の事業
コマツの事業内容についてみていきましょう。コマツは、建設機械や車両の生産・開発を行っています。品質と信頼性をテーマに、世界中に幅広い商品を提供しています。主な製品は下記の通りです。また、製品の保守やメンテナンス、修理などのサービスも行なっており、お客様へのサポート体制も整っています。
事業 | 種類 | 商品 |
---|---|---|
建設機械・車輌 | 建設・鉱山機械 | ロープショベル、コンティニュアス・マイナー、油圧ショベル、ホイールローダー、ブルドーザー、モーターグレーダー、ダンプトラック、ミニショベル、ミニ建機(ミニショベル除く)、その他鉱山機器、 分野別仕様機器、部品、アタッチメント 世界の建設現場や鉱山現場で様々な用途で活躍する機械です。 | フォークリフト | バッテリー式フォークリフト、エンジン式フォークリフト 荷役運搬作業に使用される機械です。 | 林業機械 | ハーベスター、フォワーダー、フェラーバンチャー、建機ベース 林業仕様車 コマツの100%子会社であるコマツフォレスト(スウェーデン ウメオ)を中心に様々な現場に対応した林業機械を世界各拠点で生産しています。 スウェーデンのコマツフォレスト社にてタイヤ式 林業機械 (ハーベスター、フォワーダー)、また米国のコマツアメリカ社(KAC)やTimberPro社ではクローラ式林業機械(フェラバンチャー、ログローダ)を生産しています。このほか、インドネシア(KI)や 日本の工場でも建設機械の林業仕様車(ハーベスタ、ロググラップル)も数多く生産しています。またカナダのクワドコ社やスウエーデンのログマックス社では、木材伐採用のアタッチメントを生産しています。 | 環境リサイクル機械 | 自走式破砕機(ガラパゴス)、自走式土質改良機(リテラ)、自走式木材破砕機(リフォレ) 建設現場で発生するコンクリートガラや転石、不良土、伐採材・伐根などをその場で処理し、再利用を可能にする機械です。 また建設材料、コンクリート材料として使われる砕石などの製造にも使用されます。 | 地下建機 | シールドマシン、アイアンモール、トンネルボーリングマシン(TBM) 道路、鉄道、共同溝などのトンネルを掘削したり、下水管などを非開削で埋設する機械です。 | その他 | ディーゼルエンジン、油圧機器/アクスル 、鋳造品 | 産業機械他 | プレス・板金機械 | 大型プレス、中・小型プレス、プレスブレーキ、レーザー加工機、プラズマ加工機 <プレス機械>自動車のボンネットやサイドパネルの成形に使用される大型プレス、自動車以外にも電機、航空、建設、産学向けなどの金属加工に使用される中・小型プレスがあります。 <板金機械>板金の切断加工に使用するシャー、曲げ加工に使用するプレスブレーキ、板金の曲線切抜きなどを行うプラズマ加工機やレーザー加工機などがあります。 | 工作機械 | 自動車および太陽電池・半導体の製造に欠かせない、各種工作機械・産業機械を製造しています。 トランスファーマシンやマシニングセンタは、世界の主要自動車メーカーのエンジン生産ラインに納入され、 トップクラスの高い評価を得ています。また、エンジン部品のシャフトの加工に高い生産性を発揮するクランクシャフト加工機・専用研削盤、更には工作機械で培った技術を活かした、シリコンインゴットを スライスする太陽電池・半導体製造装置も取り揃えています。 トランスファーマシン、マシニングセンタ、研削盤、クランクシャフトミラー、電池製造装置 | エキシマレーザー | 半導体製造用露光装置内で、シリコンウェーハ上に半導体の集積回路を焼き付ける光源です。 | サーモモジュール・温度制御機器 | <サーモモジュール>電流を流す方向を切り替えることにより、冷却・加熱ができ、精密な温度制御を可能にする熱電素子応用商品です。光通信用レーザーダイオードの温度制御などに使用されます。 この逆作用として、温度差から発電する機能があり、廃熱の電力回収が可能です。 <温度制御機器>半導体製造の多様なプロセスに不可欠な精密温調機器です。半導体製造装置の生産性向上・半導体性能向上に貢献しています。 | その他 | <物流>建設機械等の輸送、倉庫運営および梱包事業をおこなっています。 <防衛関連>防衛省向けに装甲車、弾薬などを生産しています。 |
引用元:https://home.komatsu/jp/products/construction-machine/
コマツは、「建設機械・車輌、リテールファイナンス、産業機械他」の3つの事業から成り立っています。建設機械・車輌の事業が全体の90%以上を占める主力事業です。
事業規模
売上高 | 7,193億円(2020年3月) |
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従業員数 | 11,692名(2020年3月) |
資本金 | 710億円(2020年3月) |
コマツの単体売上高は7,193億円です。資本金は710億円で、従業員数は11,692名です。建設機械・車両の海外売上比率は約86%とグローバルに事業を展開しています。建設機械・車両事業の地域別売上高構成は、日本・北米・欧州で50%、アジア・中南米・オセアニア・中国などで50%となっています。
コマツの社風
コマツの採用サイトには、職種と仕事を知ることができるインタビューページがあります。社風を一言で表すと、堅実・地道との声がありました。また、コマツの良さとして「思っている以上に自分の意見が通りやすいことに驚きました。」との社員の声もあり、裁量を持って働けることが分かります。
コマツの社風を一言で表すと何ですか? 堅実
引用元:https://home.komatsu/jp/recruit/newgrads/works/clerical/index03.html
コマツの社風を一言で表すと何ですか? 地道
引用元:https://home.komatsu/jp/recruit/newgrads/works/technical/index05.html
入社して分かったコマツの良さは? 思っている以上に自分の意見が通りやすいことに驚きました。
引用元:https://home.komatsu/jp/recruit/newgrads/works/technical/index07.html
福利厚生・社内制度
コマツは、独身寮と社宅が完備されています。就職を機に引っ越しをする場合でも安心です。特別資格手当や住宅手当など、諸手当も充実していることがわかります。
- 諸手当
特別資格手当、子ども手当、住宅手当、通勤交通費等 - 休日休暇
完全週休2日制(土曜日・日曜日)、祝日、夏季休暇、年末年始休暇、 年次有給休暇(20日間)、ライフサポート休暇(年5日ずつ付与)、 リフレッシュ休暇(5日間)(所定年間休日128日) - 福利厚生施設
独身寮、社宅完備
保養所及び法人会員制各種施設(全国各地)
クラブ活動(野球部、バスケット部、テニス部、美術部 他)
参考元:https://home.komatsu/jp/recruit/newgrads/recruit/requirements/
募集職種・募集要項
2021年卒募集要項は下記の通りです。
募集職種 | 技術 研究・開発、生産技術、調達、サービスエンジニア 事務 営業、生産管理、調達、経理・財務、人事・総務、法務 |
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募集資格 | 【全社採用】 2021年4月~2022年3月に大学・大学院・高専専攻科を卒業見込みの方、または、大学・大学院・高専専攻科を2018年4月~2021年3月に卒業の方 ※就労経験のない方に限る 【事業所採用】 2021年4月~2022年3月に大学・大学院・高専専攻科・高専本科・短大・専門を卒業見込みの方、または、大学・大学院・高専専攻科・高専本科・短大・専門を2018年4月~2021年3月に卒業の方※就労経験のない方に限る |
給与 | 【全社採用】 学部卒・修士卒・高専専攻科卒共通 技術系:242,200円 事務系:221,200円 【事業所採用】 学部卒・修士卒・高専専攻科卒共通 技術系:221,200円 事務系:211,200円 高専本科・短大・専門卒共通 技術系:195,200円 事務系:185,200円 <高校卒共通>:175,200円 |
諸手当 | 特別資格手当、子ども手当、住宅手当、通勤交通費等 |
勤務地 | 不明 |
勤務時間 | 本社:9:00~17:45 工場:8:00~16:45 / 8:15~17:00 / 8:30~17:15 フレックスタイム制あり |
保険 | 不明 |
参考元:https://home.komatsu/jp/recruit/newgrads/recruit/requirements/
コマツの強み・競合他社・業界分析
機械メーカーといっても、取り扱う製品は多種多様です。企業ごとに強みを持っている機械が異なり、それぞれの分野でグローバルに事業を展開しています。小松は無人ダンプトラック運行システム「AHS」などAIやICTを活用したシステムに強みがありますが、その他の機械メーカーでもAIやICTの技術を活かした開発が進められています。 クボタは自動運転を行う無人化農機、豊田自動織機は製造業の生産管理システム、日立建機は起工測量など建設現場においてICTを活用したソリューションの提供を行っています。
競合他社の当期純利益(単位:億円)
競合他社の当期純利益(単位:億円)
(2020年)
参考元:https://gyokai-search.com/3-kenki.htm
IR読み解き!深堀り研究〜事業規模・資本構成・ビジネスモデル〜
ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。
経営方針
コマツの第151期有価証券報告書に、経営の基本方針が記載されています。
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営の基本は、「品質と信頼性」を追求し、企業価値を最大化することである。企業価値とは、我々を取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和であると考えている。 2022年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」では、2021年の創立100周年とその先の成長を目指し、①イノベーションによる価値創造、②事業改革による成長戦略、③成長のための構造改革の3つの経営戦略(成長戦略3本柱)に取り組む。足元の市場環境は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱のほか、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響等により、建設機械・車両事業、産業機械他事業ともに先行きは不透明かつ不確実な状況となっている。そのような中、将来に向けて、これらの成長戦略3本柱の考えに基づいた成長分野への重点投資を費用対効果と戦略的価値を見極め、優先順位をつけながら実行し、需要の変動に左右されず、収益向上とESG(環境・社会・ガバナンス)の課題解決の好循環による持続的成長を目指す。
コマツの経営の基本方針は、「品質と信頼性」を追求することです。ステークホルダーから信頼されることが、企業価値に繋がると考えています。2022年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」は、成長戦略の3本柱である「①イノベーションによる価値創造、②事業改革による成長戦略、③成長のための構造改革」に取り組むことで実現するとしています。小松は、お客さま、代理店、パートナー、地域社会を繋ぐことで持続的成長を目指しているのです。
売上・財務状況
売上(収益)と利益
コマツの業績をみてみましょう。コマツの2020年の売上高は7,193億円で、2019年と比べて下がっています。売上高、経常利益、当期純利益でそれぞれ減収減益となっています。米中の貿易摩擦や英国のEU離脱のほか、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けていることが原因と考えられます。建設機械・車輌は海外売上比率も高いため、売上への影響は大きいといえます。
2020年3月 | 2019年3月 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|
売上高 | 7,193億円 | 9,290億円 | -23% | 経常利益 | 620億円 | 1,955億円 | -68% | 当期純利益 | 583億円 | 1,578億円 | -63% |
対処すべき課題
【イノベーション による価値創造】 ・スマートコンストラクションの海外展開 ・鉱山用新プラットフォームの開発 ・自動化・自律化・電動化・遠隔操作化の技術開発 【事業改革による成長戦略】 ・坑内掘りハードロック事業の市場ポジション向上 ・次世代KOMTRAXの導入 ・ライフサイクルサポート実現に向けたバリューチェーン改革の継続推進 ・産業機械事業改革(建設機械事業とのシナジー拡大、コア技術による成長) 【成長のための構造改革】 ・ICT・IoTによる業務改革推進 ・継続的なコスト改善活動の推進 ・グローバルな人材強化、ダイバーシティの推進
コマツは、有価証券報告書にて3つの経営戦略における次期以降の課題を挙げています。自動化・自律化・電動化・遠隔操作化の技術開発や、次世代KOMTRAXの導入など、建設現場のデジタル化に関する取り組みが多いです。最新の技術を活かして製品の機能を向上させ、顧客のニーズを満たすことが求められます。
先輩たちが行った企業研究とそのポイント
コマツの選考では、なぜコマツを選んだのかという点について深掘りされます。入社後にどんな事業に携わりたいのか、自分の強みをどのように活かしたいかなど、事業内容について理解できていることが前提の質問をされることが多いです。また、企業や職種を選んだ理由は、事業内容とからめながら説得力のある回答をすることが大切です。企業のホームページや投資家情報をチェックすることはもちろん、疑問点はリクルーターに質問するなど企業研究を徹底して行いましょう。
実際に選考通過した先輩の声
小松がどのようなところに強みを持っており、それを理解していることと、自分能力がどのように活きるのかを話せることが重要であると感じた。業界の中では国内圧倒的に首位のため、業界他社との比較は聞かれないが、他の選考企業を伝えた際に、それらの企業と比較して、どんなところが魅力に感じるかと聞かれたので、しっかりと語れる必要があると感じました。また、ガクチカや自己prの後に、その能力を入社後にどのように活かしたい?という質問がありました。それらを語るために、ホームページや座談会の映像を見ながら、どのような業務内容があり、そこにはどんな能力が必要なのかを仮説を立てることが重要。コマツはスペシャリストを育てる方針であるので、自身の成長という点でも適切な職種選びが大事。
実際に選考通過した先輩の声
競合他社との違い,社風について調べた。またリクルータの方がとっても親切だったので色々質問をした。実際の業務内容についても詳しく教えてもらえたので志望理由や面接の受け答えで非常に役に立ったと思う。私の研究分野と近い職種を志望していたので,具体的に入社したら何がしたいか,どのように活躍したいかを具体的に考えておいた。実際の面接でも聞かれたし深堀りもされたので固めておいた方が良いと感じた。 また,建設機械といつBtoBの業界なので,なんで建設機械業界を志望しているかについても調べて考えた。 建設機械の将来の展望についてもIRサイトや競合他社(キャタピラー,日立建機)のサイトから調べて聞かれてもいいようにしておいた。
実際に選考通過した先輩の声
あまり競合他社が強くない、圧倒的業界ナンバーワンの会社なので、会社のHPや投資家情報を見ることや、製品に関する情報を集めて志望動機とすることで最終選考まで進むことができた。メーカーなので、特に営業として何ができると思うか、何がやりたいかを明確にしておくことが大切。また、建設機械の業界に興味を持った理由、中でもコマツに興味を持った理由もきちんと聞かれたのでよく考えておいた方が良い。大学OBでコマツに勤める先輩がいたので一応お話を伺ったが、社員しか知り得ない情報の中で特に役に立ったことはなかったので、自分なりにインターネットなどで手に入る情報さえ頭に入れて書類や面接に臨めば十分なのではないかと感じる。
この記事を書いた人: 就活会議編集部
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