【就活ガイド】アステラス製薬の企業研究〜企業分析で選考突破〜
就活をする上で絶対に欠かせないのが企業研究です。この記事ではアステラス製薬の基本情報や、先輩たちが実際に行った企業研究方法をご紹介します。アステラス製薬の選考を受ける前にどのような会社なのか、その特徴をしっかり理解していきましょう。
【企業研究】アステラス製薬はどんな会社?
アステラス製薬の会社概要と社風
まずはアステラス製薬の企業概要と社風をみていきます。
アステラス製薬の基本情報
会社名 | アステラス製薬株式会社(Astellas Pharma Inc.) |
---|---|
業界 | 製薬業界 |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋本町2-5-1 |
拠点数 | 国内5拠点 |
設立 | 2005年4月 |
売上高 | 1兆3,008億円(2020年3月31日現在、連結ベース) |
従業員数 | 15,455名 (2021年3月31日現在、連結ベース) |
資本金 | 103,001百万円 (2021年3月31日現在) |
平均年齢 | 42.9歳(2020年3月31日現在) |
初任給 | 学士4年制 月給230,000円 学士6年制、修士 月給254,000円 博士 月給288,000円 |
福利厚生・社内制度 | 【福利厚生】 財形貯蓄制度、持株会制度、共済会制度、社宅制度 等 【各種制度】 災害補償制度、育児休業制度(子供1人につき3年まで、複数回取得可能)、介護休業制度、ボランティア休業制度、在宅勤務制度、社内インターン制度 社内リクルート制度等 |
採用実績 | 2018年:大卒 38名、院了 74名 2019年:大卒 24名、院了 79名 2020年:大卒 27名、院了 38名 |
企業理念 | 「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」(アステラスの存在意義) 「企業価値の持続的向上」(アステラスの使命) 「高い倫理観、顧客志向、創造性発揮、競争の視点」(アステラスの信条) |
代表者 | 安川 健司(代表取締役社長CEO) |
事業内容 | 医薬品の製造・販売および輸出入 |
参考元:https://job.mynavi.jp/22/pc/search/corp476/employment.html 参考元:https://www.astellas.com/jp/ja/about/corporate-information
アステラス製薬の事業内容
アステラス製薬の事業は医療用医薬品の開発、生産、販売です。アステラス製薬では以下のチームに分かれ、「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」というビジョンの達成に向け日々努力しています。
研究 | 創薬の出発点となる“研究”。病気のメカニズムを解明して疾患の原因となる標的分子を明らかにし、くすりの候補物質の探索を精力的に進めています。見つけ出した候補物質は、効力、吸収、分布、代謝、排泄、毒性などのさまざまな観点から評価し、医薬品として最適なレベルまで磨き上げていきます。 |
---|---|
開発 | 研究で見出された化合物は、臨床試験を通じてヒトにおける有効性や安全性を探索、評価、確認されます。“開発”ではこの臨床試験を適切・効率的に計画・実施・評価・考察し、規制当局に承認申請を行います。必要とされるくすりを一日でも早く患者さんに届けられる開発体制を確立しています。 |
製薬技術 | 良いくすりでも、患者さんの元に安定して届かなくては意味がありません。くすりの製法・処方の設計から製造プロセスの構築、原料調達、製造、生産設備や製品の管理を行うのが“製薬技術”の役割。高品質な新薬生産ノウハウを駆使して、品質基準を満たしたくすりの安定供給を実現します。 |
MR(Medical Representatives) | くすりの価値を正確に伝え、医療現場で適正に使用していただく。そして、医療現場にあるニーズや課題をいち早くキャッチしてソリューションにつなぐ。“MR”に求められるのは、医薬品情報を提供・収集すること。情報の力で医療と創薬の最先端をつなぎ、患者さんの治療に貢献します。 |
MA(Medical Affeirs) | “メディカルアフェアーズ”は、アステラスが市販している製品の調査・試験の実施を通じて、安全性や有効性を確かにする情報を創出し、提供します。グローバルに連携して、製品の医学的な価値を拡大すると同時に、製品に対する揺るぎない信頼を築くことに貢献します。 |
参考元:https://re-jp.astellas.com/jp/recruit/newgraduates/about/teams/ このチームによって開発、生産されている主力製品は以下の通りです。
前立腺がん治療剤 XTANDI/イクスタンジ | アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害作用を有した前立腺がん治療剤 |
---|---|
急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia; AML)治療剤 ゾスパタ | 成人の再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性AML治療剤 |
尿路上皮がん治療剤 PADCEV | ・抗PD-1 抗体薬または抗PD-L1 抗体薬による治療歴があり、かつ術前または術後の補助化学療法 ・局所進行または転移した状態において白金製剤による治療歴のある、局所進行性または転移性尿路上皮がんの適応 |
過活動膀胱(Overactive Bladder;OAB)治療剤 ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ | β3アドレナリン受容体作動性のOAB治療剤 |
腎性貧血治療剤 エベレンゾ | 腎性貧血を改善する、経口投与可能なファーストインクラスの治療剤 |
免疫抑制剤 プログラフ、アドバグラフ/グラセプター/アスタグラフ | 臓器移植における拒絶反応の抑制などに使われる免疫抑制剤 |
主力事業とシェア
前期(2020年3月期) | 当期(2021年3月期) | |
---|---|---|
XTANDI/イクスタンジ | 4000 | 4586 | ゾスパタ | 143 | 238 | PADCEV | 18 | 128 | エベレンゾ | 2 | 11 | ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ | 1616 | 1636 | プログロフ | 1929 | 1827 |
2020年度の決算短信によれば、アステラス製薬の国内売上シェアはがん領域の製品が約7割を占めています。がん領域では抗悪性腫瘍剤/ALK阻害剤「アレセンサ」と抗悪性腫瘍剤/HER2二量体化阻害ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」が主力品として活躍し売上に貢献しています。 また、ロシュとの提携を活用した海外輸出の増加により2020年度は海外製商品売上高が昨年を大きく上回り、全体の売上高に対するシェアは約2.5割から約3.7割へと拡大しています。国内製商品は薬価改定や後発品の影響で苦戦していますが、海外製商品は今後も売上を伸ばし成長が期待できるでしょう。
アステラス製薬の社風
アステラス製薬には「個を尊重し、手を挙げる人を応援する」社風があります。社長メッセージでも、「Astellas Way」に基づいた「患者志向」、「主体性」、「結果」、「多様性」、「誠実」を体現することで企業の成長につなげるとしています。この中でも特に「主体性」と「多様性」が社風に根付いているようです。
私たちが社会的な責任を果たしながらビジネスを行っていくうえで、その土台となるのは健全な企業風土・文化です。アステラスには、「患者志向」、「主体性」、「結果」、「多様性」、「誠実」という5つのMessageに集約されるアステラスグループ共通の価値観 ― Astellas Wayがあります。世界中のアステラスの社員がこのAstellas Wayを共有し、自らの能力を最大限に発揮することで、新たな価値を創造し続ける組織・風土を築いていきます。
引用元:https://re-jp.astellas.com/jp/recruit/newgraduates/about/message/
社員インタビューでは、以下のような回答がありました。
アステラスには積極性を持つ人がのびのびと活躍できる土壌があり、常にやりがいを感じながらチャレンジし続けることができる会社です。
引用元:https://re-jp.astellas.com/jp/recruit/newgraduates/interview/mizokawa/
まず自らに起こる変化を自分だけで解釈しないこと。アステラスには個々人に起こり得る変化に対して柔軟な考えを持っている人が多く、上司、先輩や同僚と変化を共有し話し合える環境があります。 そして自らが「ありたい姿」を発信すれば、かならず耳を傾けサポートをしてくれます。
引用元:https://re-jp.astellas.com/jp/recruit/newgraduates/interview/kouya/ 「積極性を持つ人がのびのびと活躍できる土壌があり」という点で、主体性を持ち、積極的に手を挙げる人が活躍できることがわかります。また、「自らが「ありたい姿」を発信すれば、かならず耳を傾けサポートをしてくれます」という回答からは、社員の多様な考えや変化を受け入れ、個を尊重する社風があることがわかります。これは、グローバルに活躍し、様々なバックグラウンドを持つ社員がいるアステラス製薬だからこその社風かもしれません。
福利厚生・社内制度
アステラス製薬の福利厚生や各種制度は以下の通りです。福利厚生としては共済会制度があるのが特徴的です。共済会とは、企業と従業員で資金を捻出して福利厚生を運営する仕組みであり、財源の充実や従業員の福利厚生への関心を高めるために存在します。 また、アステラス製薬は休暇制度が充実しています。育児休暇や介護休暇の他にも特別療養休暇や母体保護休暇、骨髄ドナー特別休暇など、医療に関わる企業だからこそと言える制度が用意されています。
福利厚生 | 財形貯蓄制度、持株会制度、共済会制度、社宅制度、他 |
---|---|
各種制度 | 災害補償制度、在宅勤務制度、他 |
休暇制度 | 完全週休2日制(土・日)、祝祭日、メーデー、年末年始・夏季休暇、有給休暇(取得計画登録制度あり)、育児休暇(子供一人につき3年まで、複数回取得可能)、看護休暇、介護休暇、母性保護休暇、特別療養休暇、ボランティア休暇、骨髄ドナー特別休暇、公務休暇、他 |
その他 | FFDay(Family Friday) アステラス製薬では、2009年4月よりFFDay(Family Friday)を導入し、金曜日の所定労働時間を1時間45分短縮、営業所においては、一日15分短縮し年間の休暇日数を増やしました。 年間所定労働時間を削減し、生産性向上とワークライフバランスの追求を踏まえた働き方の推進に取り組んでいます。 |
参考元:https://re-jp.astellas.com/jp/recruit/newgraduates/job/
また、アステラス製薬は人材育成に力を入れており、「変化を先取りし挑戦する」、「多様性を尊重する」、「他者へ貢献する」、そして「誠実に行動する」という人物像を目指して以下のようなキャリア形成支援を行っています。入社後は以下の支援の1から順に受けることができ、成長段階に合わせたプログラムが各種用意されています。
1.Astellas Growth Program (AGP) | 集合研修や職場実践、メンター制度による入社後3年間の成長支援 |
---|---|
2.Astellas Professional Program (APP) | ワークショップやセルフラーニング、語学コースなどを通した成果が期待できる人材になるための支援 |
3.Astellas Career Ownership Program | キャリア形成に関する支援 |
4.Beyond Borders Program | 英語で仕事をする方向けの支援 |
5.Job Change Program | 大きな職種変更時の支援 |
6.次世代リーダー人財育成 | 選抜研修 |
参考元:https://re-jp.astellas.com/jp/recruit/newgraduates/environment/career/
他にも、「社内リクルート制度」や「社内インターンシップ制度」など、部門の枠を超えて挑戦意欲を活かすことができる制度もあるようです。「挑戦しつつ、確実に力をつけていきたい」という方には嬉しい環境ですね。
募集職種・募集要項
2022年卒募集要項は下記の通りです。職種によって勤務地が異なるため、エントリーの際は間違えないように注意しましょう。また、博士課程を修了していないとエントリーできない職種もあります。応募資格をよく読んでからエントリーへ進みましょう。
募集職種 | M&D職、製薬技術研究職、MR職 |
---|---|
業務内容 | 【M&D職】 臨床開発職では、創薬研究で創出された候補医薬品について、患者さんで有効性や安全性を評価するための臨床開発計画を立案します。また、新薬として承認・販売するため、GCPなど定められた基準に則った臨床試験を遂行し、投与方法・用法用量、使用上の注意等について調査・検討していきます。 ファーマコヴィジランス職(PV)では、有効性、安全性が保証された高品質な医薬品を患者さんにお届けする為に、アステラスグループにおける信頼性を維持向上することが使命です。その為に各国の薬事規制に遵守する体制をグローバルに構築し、新製品の開発段階から商用生産に至るまで一貫した信頼性保証体制を築いております。 【製薬技術研究職・エンジニアリング職】 製薬技術研究職は、原薬製造プロセスや製剤化に関する技術研究、環境や品質、安全性にも配慮した工業化研究、開発戦略に基づく治験開始に必要な治験薬の供給、信頼性保証との連携による承認申請取得へ向けた資料作成や工場査察への対応、営業戦略に即した製品供給のための仕組み作り、海外拠点への製造技術移転に伴う技術指導、設備設計などを実施します。高品質な新製品をスピーディに発売・供給していくための要の役割を担っています。 エンジニアリング職は研究設備の導入や、製薬技術研究から生まれた治験薬製造施設の構築、ならびに将来の商用生産に向けた製造工場の建設を担当しています。 【MR職】 くすりの価値を正確に伝え、医療現場で適正に使用していただく。そして、医療現場にあるニーズや課題をいち早くキャッチしてソリューションにつなげる。“MR”に求められるのは、医薬品情報を提供・収集・伝達すること。情報の力で医療と創薬の最先端をつなぎ、患者さんの治療へ貢献します。 |
応募資格 | ■M&D(開発職・ファーマコヴィジランス職)職・製薬技術研究職 2018年4月~2022年3月までに、理系大学の修士課程・博士課程または理系の6年制カリキュラムを卒業・修了もしくは卒業・修了見込みの方 ■エンジニアリング職 2018年4月~2022年3月までに、理系大学(学士課程・修士課程)を卒業・修了もしくは卒業・修了見込みの方 ■MR職 2018年4月~2022年3月までに、大学卒業の方 ■MSL(メディカルサイエンスリエゾン)職 2018年4月~2022年3月までに、理系大学の博士課程を修了もしくは修了見込みの方 |
給与 | 初任給(2020年度実績) 学士4年制 月給230,000円 学士6年制、修士 月給254,000円 博士 月給288,000円 試用期間(2020年度実績) 入社日より3か月間 ※MR職:入社日より5カ月間 ※処遇は基本給のとおりで、差異はありません。 MR職では固定残業代が適用されます。(但し、試用期間中は適応されません。) 月50,000円(20時間分)別途支給 固定残業代を超えた場合は、超過分の割り増し分が支払われます。 既卒者についても同条件 |
賞与・昇給 | 昇給:年1回(4月) 賞与:年2回(7月、12月) |
勤務地 | 【MR職】 全国各営業所 【M&D職、MSL職】 東京 【製薬技術研究職】 茨城(つくば・高萩)、静岡(焼津) |
勤務時間 | 月~木曜日 8:45~17:45 金曜日 8:45~16:00 ※事業所、職種によって異なります (MR職は、月~金曜日8:45~17:30) 【その他】 スーパーフレックスタイム制度、育児・介護のための短時間勤務制度 等 ※MR職に関してはスーパーフレックスタイム制度と固定残業代が適用されます。 (但し、試用期間中は適応されません。) 月50,000円(20時間分)別途支給 固定残業代を超えた場合は、超過分の割り増し分が支払われます。 |
諸手当 | 営業手当、裁量労働手当、時間外手当、通勤手当 等 ※詳細は職種により異なります。 |
参考元:https://job.mynavi.jp/22/pc/search/corp476/employment.html
アステラス製薬の強み・競合他社・業界分析
アステラス製薬が分類される製薬業界では、少子高齢化によって医療費と薬局調剤医療費が増加していることを受け、国が薬価の引き下げに動いています。そのため、薬価改定による価格引き下げにより、製薬業界市場は全体として縮小傾向にあるようです。
国内の製薬業界市場は、薬価改定による価格引き下げで縮小傾向にあります。新薬企業は収益の柱である主力薬の特許が切れ始めたことで利益が低下、さらに膨大なコストと時間をかけた新薬も薬価低下により収益を上げるのが難しい状況です。後発薬企業も開発コストは低いものの新薬の半分以下の価格になるため、薬価抑制策は企業の利益に大きな影響を与えています。
引用元:https://gyokai-search.com/3-iyaku.htm 2019年から2020年のアステラス製薬を含めた大手との売上比較は下記のグラフの通りです。
総合商社業界売上高(単位:億円)
(2019 - 2020年) 参考元:https://gyokai-search.com/4-iyaku-uriage.htm アステラス製薬は総合で2位という結果になりました。近年、薬価改定の中でも業績を伸ばすために、国内の製薬メーカーが海外企業の買収や業務提携で海外進出を進める動きがあります。武田薬品工業は2019年1月にアイルランドのシャイアーを6兆円越えで買収し、第一三共も2019年にイギリスのアストラゼネカと提携しています。アステラス製薬はアメリカのファイザー社との業務提携で注目を集めました。
また、2020年にアメリカの創薬ベンチャーであるオーデンテス・セラピューティクスを買収したのはアステラス製薬にとって約10年ぶりの大型M&Aでした。しかし新薬は開発の成功率が高くなく、成功するとは限らないという不安から株価は下落しました。これに関して、2021年4月にアステラス製薬はオーデンテス・セラピューティクスを子会社ではなく車内に統合し、新たな組織「Astellas Gene Therapies」を設置しました。統合によりオペレーションの効率化や品質・安全・コンプライアンス順守体制の強化を図り、これまで以上に遺伝子治療薬事業に注力する方針を示しています。
アステラス製薬はアンメットメディカルニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)の高い疾患に対する新薬候補を継続的に創出しています。これを実現しているのは業界トップクラスのR&D(Research & Development:研究開発)体制です。開発技術を重視しているため、上記のオーデンテス・セラピューティクスの買収も、製造設備や技術を取り入れるためでもあったと言われています。
さらにアステラス製薬は、更年期障害向けの治療薬候補について、2023年3月期中に米国と欧州で製造販売の承認申請をすることで注目を集めています。新薬候補である「フェゾリネタント」は経口薬として開発中で、特定の神経細胞に作用することで更年期障害の症状を抑えることができるようです。国内での申請も検討予定で、この新薬が実用化すれば、ピーク時の年間売上高が最大5000億円になると期待されています。 参考元:https://nk.jiho.jp/article/160232 参考元:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53047980W9A201C1000000/?unlock=1 参考元:https://re-jp.astellas.com/jp/recruit/newgraduates/about/will/r-and-d/ 参考元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC039SQ0T00C21A9000000/?unlock=1
IR読み解き!深堀り研究〜事業規模・資本構成・ビジネスモデル〜
ここからはIR資料や有価証券報告書を読み解いて企業研究しましょう。
経営方針・ビジョン
アステラス製薬は経営理念に「存在意義」と「使命」、「信条」の3つを定めています。
アステラスの存在意義 先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する
生命科学の未知なる可能性を、誰よりも深く究めたい。 新しい挑戦を続け、最先端の医薬品を生み出したい。 高い品質を確かな情報と共に届け、揺るぎない信頼を築きたい。 世界の人々の健やかな生活に応えていくために。 世界で輝き続ける私たちであるために。
アステラスの使命
企業価値の持続的向上
アステラスは、企業価値の持続的向上を使命とします。 アステラスは、企業価値向上のため、お客様、株主、社員、環境・社会など、すべてのステークホルダーから選ばれ、信頼されることを目指します。
アステラスの信条 アステラスの「信条」は、私たちが常に大事にする行動規範です。 アステラスは、これらの信条に共鳴し実践する人々の集団であり続けます。
高い倫理観:常に、高い倫理観をもって、経営活動に取り組みます。 顧客志向:常に、お客様のニーズを把握し、お客様の満足に向かって行動します。 創造性発揮:常に、現状を是とせず、未来志向で自己革新に挑戦し、新しい価値を創造します。 競争の視点:常に、視野広く外に目を向け、より優れた価値を、より早く生み出し続けます。
アステラスは、信条に則した行動を通じて、ステークホルダーの皆様への責任を適切に果たし続けるとともに、積極的な情報開示を行います。
引用元:https://www.astellas.com/jp/ja/about/philosophy この経営理念は、有用性と信頼性の高い医薬品によって世界の人々の健康に貢献し、企業価値を持続的に向上させていくことを目指す、アステラス製薬の姿勢と方針が表現されています。また、トップメッセージでは、「科学の進歩を患者さんの価値に変えて届けていくこと」を目指しているとしています。そのために業界や社会の環境変化に対する感度を高め、能力に磨きをかけ、多様な価値観を認め、社内外でのイノベーションの「芽」を組み合わせることを継続していくとしています。
アステラスは、2005 年の発足以来、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」という経営理念の下、イノベーションを継続的に創出し、患者さんのニーズに応える革新的な医療ソリューションを届けていくという一貫した姿勢で歩んできました。科学の進歩を患者さんの価値に変えて届けていくことが私たちの目指すビジョンであり、これからもその実現に向けて取り組んでいきます。
引用元:https://www.astellas.com/jp/ja/about/message
売上・財務状況
売上(収益)と利益
アステラス製薬の2021年3月期の決算短信をみていきましょう。
アステラス製薬は、2018年度以降売上収益が2年連続の減益となりました。製薬業界は新型コロナウイルス感染症拡大の影響や、薬価の改定などで厳しい環境下にあります。その中でもアステラス製薬は欧州におけるOAB治療剤ベシケアの独占販売期間満了に加え、日本における複数の医薬品の販売契約終了などを受け、売上収益の減少となってしまいました。
売上収益
対処すべき課題
アステラス製薬の有価証券報告書では、対処すべき課題として①持続的な成長に向けた組み、②株主還元方針、③新型コロナウイルス感染症拡大に対する取り組みの3つを挙げています。中でも①について、「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」というビジョンの元、患者さんに「価値」をもたらす医療ソリューションの継続的な創出をしていくとしています。また、この実現に向けて、アステラス製薬は「経営計画2021」において4つの戦略目標を掲げています。
1) 患者さんのより良いアウトカムの実現 中長期的な成長を牽引するXTANDI及び重点戦略製品について、計画しているスケジュールから遅滞のない承認申請やグローバル展開までの期間短縮、洗練された発売計画を実行していくことなどによって、「価値」最大化を図ります。 2) 科学の進歩を確かな「価値」へ 研究開発戦略上のPrimary Focusに優先的に経営資源を投下し、パイプライン価値を高めます。バイオ医薬品における最先端のイノベーションを効果的に探索し、革新的な医薬品を創出するためのFocus Areaアプローチの実行を新たな次元へ進めます。 3) Rx+ビジネスの進展 Rx+ビジネスは、「経営計画2021」において事業創成に向けた取り組みが実を結ぶステージに入ります。科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを引き続き追求します。糖尿病を対象としたデジタルセラピューティクスであるBlueStarの日本展開や、腹部及び骨盤内手術時に尿管を可視化する蛍光造影剤であるASP5354の上市など、本経営計画期間中に複数のプロジェクトで事業化を予定しています。 4) 持続可能性(サステナビリティ)向上の取り組みを強化 当社は患者さんに貢献するコアビジネスにおいて、社会に「価値」を提供し続けています。さらに、今後はサステナビリティ向上への取り組みの重要性を認識し、社会及び当社の持続可能性向上に努めます。特に、「保健医療へのアクセス向上」と「環境(気候変動対策)」を重点テーマとし、ステークホルダーからの信頼獲得を目指します。
引用元:https://data.swcms.net/file/sw4503/dam/jcr:954dee92-b277-4471-a327-15848fe8b008/S100LIQN.pdf この戦略目標の元、XTANDI、ゾスパタ、PADCEV の適応拡大や新薬の上市の申請予定の調整、細胞医療プラットフォームの有機的活用などを実践していくとしています。アステラス製薬の特徴としてもあげられるRx+プログラムにおいても複数のプロジェクトの事業化を予定しており、今後の動きに注目が集まりそうです。
先輩たちが行った企業研究とそのポイント
アステラス製薬の企業研究は、「イベントやインターンシップに参加する」と良い、という口コミがありました。選考では「なぜアステラス製薬でなければならないのか」という他社比較が深掘りされ、重要なポイントになりますので、他社のインターンシップにも参加しておくとそれぞれの特徴や強みを把握できます。ニュースやネットの情報から企業研究を進めたという口コミもありました。アステラス製薬の最近のニュースは確認しておくといいかもしれません。 また、先輩の口コミでは、2022年卒のインターンシップは新型コロナウイルスの影響があり、思うように企業研究を進められなかったようです。人事以外の社員から直接話を聞くことは難しいかもしれませんが、説明会やインターンシップは、自分で企業研究を進めるよりもわかりやすく、かつ内容の濃い説明を聞くことができます。インターン参加者だけの特別選考ルートもあるようですので、迷っている方は参加をおすすめします。
実際に選考通過した回答
アステラス製薬だけでなく、可能な限り同業他社や競合他社の説明会・インターンシップに参加することで、アステラス製薬への理解を深めることができたと感じています。例年と違い、コロナの影響で、インターンシップでもMR同行ができず、また製薬企業はコンプライアンスが厳しく、気軽に社員の方々に接触することができないため、企業研究はかなり難しかったです。企業の採用HPを読んだり、ネットに投稿されている企業研究のサイトなどを読むことで理解を深めていました。また同学年で、薬学部に進学した学生から客観的な企業イメージを聞いたり、身内が製薬企業に勤めている友人にアプローチし、企業イメージを聞いたりしていました。企業が開催していたイベントには、ほぼ全て参加しました。
実際に選考通過した回答
製薬企業の中で「なぜアステラス製薬を選んだのか」「アステラス製薬でこそ実現できる自分のやりたいことは何か」という1番の理由を持つことが最も大切だと思います。特に入社してからやりたいこと、実現したいことに関しては、かなり具体的に話せるように準備をしておく必要があると感じました。それは、実現したいことを話した後、「どうしてそれを実現したいのか」「なんでアステラスでしかできないと思ったのか?」「実現するための壁は何か」などかなり突っ込んだ質問をされ、ふかぼりされるため用意が必要だと思います。 また、自分の今までやってきたことの中で役割をもってどのような結果になり、何を学んだのかという学生時代の質問が多かったと感じた。そのため、学生時代を振り返り、具体的かつ積極的、主体的に取り組んだことを自己分析で見つけ、面接官に伝えられるようにした方がいいと思います。企業の理念などにもありますが「主体的に取り組むこと」や「ひとつ上のMRを目指す」など自分から行動することを求められているため、できるだけ自分で目標を掲げ、達成することのできたエピソードがあるといいと思います。
実際に選考通過した回答
まずは製薬業界の課題などについて学ぶため、ニュースを欠かさず読みました。実際に面接では、製薬業界の課題にどのように解決していくか自分の考えを話すことのできる場面があったため役に立ったと感じます。製薬業界自体について学ぶことは、新薬メーカーを志望する理由やその中でもアステラスを志望する理由を考える上でも役に立ちます。次に、新薬メーカーと言っても数多くあるためにそれぞれの特徴を調べました。会社の方針は、ネット上で公開している情報からある程度わかりますし、ここ数年間のニュースからもどこに力を入れているかある程度把握できました。具体的には組織編成や、海外展開、新しいモダリティ、他社との関わり方など把握でき良かったと思いました。
この記事を書いた人: 就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録 すれば見放題! YouTubeチャンネル も配信中です!