3分でわかるIT業界|職種・将来性・向いている人など徹底解説
こんにちは。就活会議の望月です。 業務効率化や新規事業創出など、あらゆる業界で導入されているIT。将来性の高さから就活生にも人気がある業界ですが、「職種が多くて理解できない」「どのような仕事内容なのかわからない」という人もいるでしょう。 IT業界に興味を抱くあなたへ、この記事では、口コミメディア「就活会議」の口コミ・統計データの情報をもとに、業界の全体像から選考対策までを解説しますこの記事からIT業界がどのようなものかをつかみ、次の行動のためのヒントにしてください。
3分で全体像を理解しよう! IT業界の基礎知識
まずはじめに、IT業界の基礎知識をまとめました。「IT業界について詳しく知らない」という人はここの項目だけでも読んでみてください。IT関連のニュースや気になる企業の情報が入ってきやすくなり、今よりもIT業界に興味を持てるかもしれません。
すでに知識がある人も、改めて頭のなかを整理するため、IT業界がどのような業界か学んでみましょう。
| IT業界とは | デジタルの側面から人々の生活を豊かにするために働きかける事業 |
|---|---|
| 将来性 | 事業領域拡大に向けて進化を続けていることから、今後も成長が見込まれる |
| 市場規模 | およそ16兆円(2025年度予測値) |
| 年収 | およそ383万円(2024年度 20~69歳の平均値) |
IT業界とは
ITとは、「Information Technology(情報技術)」の略称です。スマートフォンやパソコンはもちろん、交通系ICカードやインターネットもITと言えます。また、インフラ整備のためにもITが使用されており、生活の日常的な場面から生活の根幹となる部分までを支える存在です。
IT業界は、そのようなITを駆使して仕事をおこないます。システムの開発やネットワークの構築、AI(人工知能)の活用など、人々の生活を豊かにするためにデジタルの側面から支えている事業といっても良いでしょう。
将来性
ITは世界的に広がっており、社会のあらゆる場面に浸透しています。さらに、新たな分野への事業領域拡大に向けて進化を続けていることから、今後も成長が見込まれる業界であると言えるでしょう。
その裏には「Internet of Things(IoT)」という、さまざまなものとインターネットをつなぐ仕組みが大きくかかわっています。たとえば、家電に話しかけるだけでその通りの動きをしたり、遠隔操作ができたりすることがIoTにあたります。
IoTを活用すると、暮らしをより豊かにするのはもちろん、仕事面においても労働コストの削減や効率化が期待できるため、ますますITの広まりは重要となるのです。
2021年には「デジタル庁」が発足したこともあり、日本としても今後より一層デジタル化に力を入れていきたいことがうかがえます。IoTだけでなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)や、AI技術も駆使しながら、ますます発展していくことが予測できるでしょう。
市場規模
矢野製作所が2024年におこなった「国内企業のIT投資に関する調査」によると、国内のIT市場規模は年々上昇している傾向がみられます。
IT業界の市場規模と予測値
実数値が出ている2022年から2023年には8,900億円もの数値のプラスが見られました。この間にはChatGPTやDXの普及があり、これらを活用した取り組みはますます拡大していくことでしょう。予測値も上昇が見られることから、市場規模はより拡大していくと予測できます。
年収
ますますの市場規模の拡大が予測されるIT業界。それに伴い年収の推移も気になることでしょう。
厚生労働省が提示している賃金構造基本統計調査に基づき、「情報・通信業」の2019〜2024年の賃金の推移をまとめると、以下のようになりました。
年代別平均賃金の推移
年代によってばらつきがありますが、ゆるやかに賃金の上昇傾向が見られています。これは、あらゆる仕事でデジタル化が進むなか、デジタル化に対応できる人材の需要が高まっていることに加え、十分な人材確保ができていない状況のためです。
今後も市場規模拡大が見込まれ、ますます人手が必要になるため、賃金の上昇が期待できるでしょう。
IT業界のおもな5つの業種

IT業界の基本事項がわかったところで、「どのような業種があるのだろう」と気になった人もいるはず。業種の理解が進むと、自分がどのようにITにかかわっていきたいのか、一つの指針になるでしょう。
IT業界にはおもに「ソフトウェア」「ハードウェア」「通信インフラ」「インターネット・Web」「情報処理サービス(SI)」の5つの業界があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①ソフトウェア業界
ソフトウェアとは、パソコンやスマホなどを動かすためのプログラムで、身の回りの物だけでなく、社会インフラも機能するように働きかけています。そのようなソフトウェアの開発や提供をおこなうのがソフトウェア業界です。仕事内容は、下記のように多岐にわたります。
- 顧客のニーズを汲んだソフトウェアの企画・開発
- ソフトウェアがきちんと機能するかのテスト
- 自社で開発したソフトウェアの営業
IoTやAIなどの最先端の技術を駆使して業務をおこなうため、常に新しい知識や技術に触れる機会があるのが特徴。日々の勉強や技術の習得は必要不可欠ですが、その分専門性を高められるという魅力があります。
変化のスピードが速いIT業界で、変化を受け入れながらスキルを磨く姿勢のある人にはぴったりの環境といえるでしょう。手に職を付けられるため、将来的なキャリアも広げられます。
②ハードウェア業界
ハードウェアとは、パソコンやスマホ、ネットワーク機器などの「目に見える」機械や装置を指します。そのようなハードウェアの設計、製造、販売などをおこなうのがハードウェア業界です。具体的な仕事内容を見てみましょう。
- ハードウェアの構築(電子回路や製品の内部の機構)
- 開発したハードウェアの動作テスト
- ハードウェア製品の営業活動
この業界の最大の魅力は「ものづくり」の面白さを十分に味わえること。自分の手がけた製品が、街中に流通していることが目に見えてわかるのがやりがいにつながります。「自分が人々の暮らしや生活を支えている」という実感も湧きやすいでしょう。
一つのものを作り上げるには、困難がつきもの。そのような環境でも、設計から製造まで、粘り強く作業をおこなえる力や、うまくいかないことに対しても冷静に問題を解決しようとする姿勢が求められます。
③通信インフラ業界
通信インフラとは、インターネットや電話などの通信サービスを使用するために必要な回線や設備のことを指します。そのような通信インフラの構築や運用、保守をするのが通信インフラ業界です。仕事内容は以下の通りになります。
- 顧客に対する最適なネットワークの提案
- 通信機器の設計・運用
- 通信障害の対応
私たちの生活に欠かせないものとなっているインターネット。5Gなどの登場により、通信技術はますます進歩しています。通信インフラ業界は、より利便性の高い通信環境を整えるべく、技術の進歩がみられる業界です。変わりゆく情報にいち早く適応できる人は向いているといえるでしょう。
また、社会インフラを支える仕事であることから、「誰かの生活を支えたい」「世の中の役に立てる仕事がしたい」という、社会貢献の意識が高い人にもおすすめです。
④インターネット・Web業界
インターネット・Web業界は、インターネットを通じて、個人や企業にサービスを提供している業界です。具体的な仕事内容はどのようになっているのでしょうか。
- ECサイトの運営
- 動画や本のサブスクリプションサービス
- Webサイトの作成
- SNS運用
この業界では、日々新たなサービスがユーザーのニーズに合わせて取り入れられています。そのため、常に市場やユーザーの動向をいち早く察知して、革新的なアイデアを形にする力が必要不可欠。また、ユーザーの評価に合わせてリリース済のものをアップデートしていく必要もあります。環境に柔軟に対応する力や、ユーザーの声を受け入れる素直さを持ち合わせる人におすすめです。
この業界の魅力の一つは、自分のアイデアを、サービスや制作物を通して形にできること。そのアイデアがユーザーに評価されたとき、社会を便利にしたり、豊かなものにしている実感が得られるでしょう。
⑤情報処理サービス(SI)業界
情報処理サービス(SI)とは、企業の抱える課題を、ITシステムにより解決するサービスのことです。このサービスをおこなうのがSI業界であり、顧客の課題をヒアリングしたうえで要望に合うシステムを開発し、運用やトラブル対応といったアフターサービスまでをおこないます。この業界には、おもに2つのビジネスモデルが存在します。
| SIer | 課題解決の流れ全般を請け負う |
|---|---|
| SES | 課題解決のために必要な人員を派遣する |
「顧客の課題解決」が一番の目的であるこの業界。顧客の要望をきちんと汲み取るための傾聴力や、課題を発見する力が何よりも重要になります。また、顧客がITに対する知識を兼ねそろえているとは限らないため、専門的な内容をわかりやすく説明する力も不可欠です。
この業界の大きなやりがいの一つは、顧客から直接感謝の言葉を受けられること。かかわったシステムを通して顧客の課題解決ができたときに得られる達成感や喜びは、何にも代えがたいものがあるでしょう。
IT業界のおもな13の職種
IT業界の職種といっても、「どのようなものがあるかわからない」「それぞれの職種の違いがわからない」と感じる人もいるでしょう。ここでは13の職種についてどのようなものがあるか解説します。
職種がわかると、自分がどのように働きたいのか、どのような仕事内容に興味があるのかも理解しやすくなるはずです。その点をきちんと理解して次のステップに進めるためにも、しっかり確認しておきましょう。
エンジニア・開発職
エンジニア・開発職は、実際にシステムやソフトウェア、ハードウェアなどの設計や開発に携わる人たちです。そのなかでも以下の9つの職種に分かれています。
- ①システムエンジニア(SE)
- ②プログラマー
- ③Webエンジニア
- ④インフラエンジニア
- ⑤組み込みエンジニア
- ⑥アプリケーションエンジニア
- ⑦AIエンジニア
- ⑧データサイエンティスト
- ⑨QAエンジニア
これらの職種について詳しく解説するため、解説内容を、興味のある職種を見つける手がかりにしてください。
①システムエンジニア(SE)
IT業界での仕事と聞くと、SEを想像する人が多いでしょう。そんなシステムエンジニアは、ITシステムやソフトウェアの企画から保守・運用までをおこないます。具体的には、下記のような流れで仕事が進んでいくことが多いです。
- ①要求分析・要件定義
顧客から課題や要望を聞き、どのようなシステムを組むかをすり合わせます。 - ②システム設計
要件定義で決まった内容をもとにシステムの構成を決めます。システムの設計図を完成させるイメージです。 - ③プログラミング
システム設計の内容をもとに、プログラマーにプログラミングの依頼をします。時には、SE自身がプログラミングをおこなうこともあります。 - ④テスト
システムがきちんと操作するかのテストをおこない、同時にミスの発掘や、ユーザーニーズを満たしているかを検証します。品質の担保のためにも欠かせない工程です。 - ⑤導入・運用・保守
システムの運用を開始します。トラブルや改善点が無いかなどの観点から、長期的に顧客をサポートします。
顧客の課題の聞き込みをもとに仕事が進められるため、ニーズを的確に汲み取るヒアリング能力が必要不可欠。もちろん、全体像を把握したうえで実際に手を動かすため、技術力の研磨も欠かせません。
企画から導入までの一連の流れに携わることにより、顧客の喜びを間近で感じられるのが、SEの魅力でしょう。
| やりがい | 企画から運用・保守まで一連の流れに携われる |
|---|---|
| 大変なこと | 適切なスケジュール管理をする必要がある、常に学び続ける必要がある |
| 必要なスキル | ヒアリング能力、学習能力 |
| 向いている人 | 顧客の話を的確に汲める人、努力し続けられる人 |
②プログラマー
プログラマーとは、おもにシステムやアプリケーションを形にする仕事です。具体的な仕事内容も確認してみましょう。
- プログラムの制作
- プログラムの動作確認
- プログラムの不備の修正
プログラマーが開発するのは、Webサービスやスマホアプリといった私たちにとって身近なものから、金融機関の期間システムや交通インフラシステムなどの大きなものまで多岐にわたります。自分がかかわったプログラムが、社会に多大なる影響を与えている実感を得ながら幅広い業務に携われるのは、魅力の一つと言えるでしょう。
幅広い業界で活躍するためには、常に言語を学び続ける向上心が何よりも大切です。また、「どうしたら安定してうまくシステムを動かせるか」という思考力や課題解決力も必要となります。そのため、技術と探究心を持ち合わせている人におすすめです。
| やりがい | かかわったプログラムが社会に影響を与える実感を得られる |
|---|---|
| 大変なこと | システムにより使用言語が異なる、根気強くバグの対処をする必要がある |
| 必要なスキル | 思考力、課題解決力、探求心 |
| 向いている人 | 常に向上心を持って業務に取り組める人、「なぜ」を追い求められる人 |
③Webエンジニア
Webエンジニアは、インターネット上のあらゆるサービスに携わるエンジニアのことで、サイトやアプリケーションの開発から保守運用までの流れを担う仕事です。
そんなWebエンジニアには、2つの職種が存在します。
| フロントエンジニア | サイトの見た目を作る |
|---|---|
| バックエンドエンジニア | Webサイトの目に見えない内部の部分を作る |
私たちが普段何気なく見ているサイトの運用や、Webで買い物ができる仕組みの整備もWebエンジニアの仕事なのです。
現代において、Webは生活を豊かにすべく、日々進歩しています。進化のなかで、新しい技術を学ぶ意欲がある人や、Web業界の流行をいち早くキャッチアップし、柔軟に対応できる人は活躍のフィールドが広がりそうです。
そのように、人々の生活を支えられる実感があるのがWebエンジニアの大きなやりがいと言えるでしょう。また、Webサイトを見た人やサービスを利用した人の反応を直に受け取れるのも魅力の一つです。
| やりがい | 人々の生活を支えられる実感がある、Webサイトを見た人やサービスを利用した人の反応を直に受け取れる |
|---|---|
| 大変なこと | 技術の移り変わりにいち早く対応する必要がある、常に勉強し続ける必要がある |
| 必要なスキル | Web業界の流行をいち早く掴む能力、対応力 |
| 向いている人 | 流行に敏感な人、柔軟に物事をとらえられる人 |
④インフラエンジニア
「インフラ」と聞くと、道路や水道などを想起する人もいるでしょう。IT業界におけるインフラとは、「ITの基盤」という意味合いを持ち、「サーバー」「ネットワーク」「データベース」「セキュリティ」「クラウド」というように扱うものが異なります。これらのような、「ITインフラ」の設計から運用保守までを担うのがインフラエンジニアなのです。
どのような商材を扱ったとしても、「顧客の課題解決のために、最適な提案をする」というのはインフラエンジニアにとって共通認識。私たちの生活に欠かせないITインフラを守ることができるため、社会貢献度は抜群です。
また、インターネットの活用がより一層進んでいることから、ますますの需要向上が期待されます。日々新たな変化を取り入れながらも、IT業界で長く働きたい人におすすめです。
| やりがい | ITインフラを守ることで社会貢献度の高さを感じられる |
|---|---|
| 大変なこと | いつ何が起きても対応できる体制が不可欠 |
| 必要なスキル | 課題解決能力、提案能力 |
| 向いている人 | 変化を受け入れられる人、責任感がある人 |
⑤組み込みエンジニア
普段何気なく使用している電化製品。これらを正常に動かすためのソフトウェアを開発しているのが組み込みエンジニアです。たとえば、以下のような動作の開発をおこないます。
- 冷蔵庫のドアが30秒以上開いたままなら音を鳴らす
- 部屋内の温度が下がりすぎたらエアコンの稼働を停止する
- 一度の洗濯で洗浄から脱水までの流れを実行する
組み込みエンジニアの仕事は、まさしく「生活の利便性を上げる仕事」と言っても良いでしょう。そのため、「生活をより豊かにするためにはどうすべきか」というアイデアを形にするおもしろさがあります。実際に自分のアイデアが人々の生活に還元されているのを見ることは、何にも代えがたい喜びとなるでしょう。
また、組み込みエンジニアはソフトウェアを組み込む先であるハードウェアに対する知識も必須です。場合によってはハードウェアの設計図を読み解きながら仕事をすることもあるため、好奇心を持って広い範囲について勉強できる人におすすめします。
| やりがい | 自分のアイデアが生活に還元されている様子を見られる |
|---|---|
| 大変なこと | ソフトウェアのみならずハードウェアの知識も要される |
| 必要なスキル | 学習能力、発送力 |
| 向いている人 | 好奇心を持てる人、人々の生活を豊かにしたい思いが強い人 |
⑥アプリケーションエンジニア
SNSやゲームなど、日常的にスマホアプリを使用する人は多いでしょう。そのようなアプリは、アプリケーションエンジニアが開発しています。スマホアプリだけでなく、Webアプリや業務アプリなどの開発にも携わっているのです。例として、以下のような動作を作成しています。
- ゲーム上のキャラクターがどのように動くかを考え、実装する
- 勤怠管理システムの実装で個人情報の管理法を考える
生活に彩りを与えるものから、業務を効率化するものにまで、幅広く人々の生活にかかわれるのが特徴です。
そのため、「ユーザーはどのようなものを求めているか」という視点が何よりも大切になります。「ゲームを面白くするために」「業務を効率化するために」というユーザーエンドの視点を持って、人のために尽くし、考えられる人は活躍の幅が広がることでしょう。
| やりがい | 幅広く人々の生活にかかわれる |
|---|---|
| 大変なこと | ユーザーからの漠然とした依頼内容にも対応しなければならない |
| 必要なスキル | 共感力、柔軟な対応力 |
| 向いている人 | 人に尽くすことにやりがいを感じる人 |
⑦AIエンジニア
近年、AIでさまざまなことができるようになっています。音声アシスタントや医療診断などがその一例です。そんなAIの開発をしているのがAIエンジニア。具体的には「どのような場面でAIを活用するか」「どのようなデータを学習させるか」などを考えています。
AIはまだまだ発展途上の技術です。そのため、進化を遂げながら社会により広く浸透していくと考えられます。自分の開発したAIが、実際にコストの削減や労働力の削減などの形で社会の役に立つことは、何にも代えがたい達成感になることでしょう。
そんなAIエンジニアに向いているのは、数字や統計に抵抗が無い人。AIのプログラムは数学や統計学が元になっているため、数値に対しても抵抗感なく業務に臨めたり、知識を深めるために学習を続けられる人にはピッタリの職種です。
| やりがい | 自分が開発したAIを社会の役に立てられる |
|---|---|
| 大変なこと | 技術の進歩スピードについていく必要がある |
| 必要なスキル | 数値に向きあえる能力、継続力 |
| 向いている人 | 数字や統計に抵抗が無い人、AIを有効活用できる人 |
⑧データサイエンティスト
情報が溢れかえる社会において、どのように情報を活用すれば良いかわからなくなってしまうことはありませんか。企業も同様の問題を抱えているものです。そのようなときに、大量のデータを用いながら問題解決を図り、企業のサポートをするのがデータサイエンティストです。
具体的には、データを用いて売上の予測を立てたり、今後の市場動向を分析したりという業務をおこないます。仮説を立てて、検証していく作業のため、先を見越した思考力が重要です。また、仮説に対してなかなか結果が出なくても、根気強く検証を続ける姿勢も大切になります。
自分が出したデータが企業の意思決定の一助になることもあるため、大きなプロジェクトに携わっている実感を得られるのが魅力の一つ。企業の抱える課題を解決できたときの喜びや達成感は計り知れないものでしょう。
| やりがい | 大きなプロジェクトに携わっている実感を得られる |
|---|---|
| 大変なこと | 漠然とした要望をビジネスの観点から汲み取る必要がある |
| 必要なスキル | 思考力、粘り強さ |
| 向いている人 | 多くのデータを整理して活用できる人 |
⑨QAエンジニア
「オンラインバンクで必要額の引き出しができない」「クラウド上のデータが突然すべて消えてしまった」という場面に直面したら困ってしまうもの。QAとは「Quality Assurance(品質保証)」のことを指し、QAエンジニアは、その名の通り、未然に危機を防ぐ「最後の砦」のような役割を果たしているのです。
具体的には、システムやソフトウェアの開発段階で入念なテストをおこない、品質を担保するのが仕事。そんな「最後の砦」であるQAエンジニアのOKが出て、サービスは世に放たれます。安定した品質を保証したうえで、ユーザーの手にサービスが届けられることは何よりの魅力です。
高品質なシステムを世の中に提供するには、些細なミスに気づける視点がとても重要です。さらに、問題点がクリアになるまで妥協せずに品質を追い求める姿勢も求められます。そのため、注意深い観察眼を持つ人やストイックに物事をやり遂げる人にはピッタリの仕事でしょう。
| やりがい | ユーザーが安心して使える製品を世に送り出せる |
|---|---|
| 大変なこと | 自分の判断で品質の良し悪しを見極める必要がある |
| 必要なスキル | 細かい点に気が付ける能力、品質を追求できる能力 |
| 向いている人 | 注意深い観察眼を持つ人、ストイックに物事をやり遂げる人 |
営業職
営業職と言っても、顧客の課題解決のために働きかけたり、提案をしたりする側面が強いのがIT業界の営業職です。IT業界の営業職は、おもに以下の2種類があります。
「IT業界に興味があるけど、システムを開発するよりも売り込むほうが向いているかも」と感じる人は、これらの仕事内容も確認してみてください。
⑩ITコンサルタント
「社員の残業時間削減のためにITを導入したい」「すでに勤怠管理システムを導入しているけど、より簡単に管理できるシステムはないか」。そういった企業の悩みを解決するのがITコンサルタント。経営視点を持ったうえで、顧客に寄り添い、ITを用いて課題解決を図るのが力の見せどころです。
そのうえで悩みの背景や内容をしっかり聞き、最適な提案をする力が求められます。ヒアリング能力や提案力は何よりも重要になるでしょう。
また、ITコンサルタントは、依頼先である企業と二人三脚で課題解決に向けて動きます。そのため、実際に課題が解決できた際には何よりの達成感が生まれます。誰かと協力して課題に取り組んだ経験や、大きな目標を達成した経験がある人にとっては、やりがいを感じられること間違いありません。
| やりがい | 企業と二人三脚で課題解決に向かって動ける |
|---|---|
| 大変なこと | ITに関する知識だけでなく、経営の視点も持って課題解決をする必要がある |
| 必要なスキル | 傾聴力、提案力 |
| 向いている人 | 誰かと協力することにやりがいを感じる人、大きな目標に向けて行動したい人 |
⑪セールスエンジニア
セールスエンジニアは、顧客の課題解決のために、最適な自社製品を提案する仕事です。「エンジニア」とついていますが、システムを設計したり、プログラミングをおこなったりするのではなく、実際の仕事内容は営業に近いものになっています。
そんなセールスエンジニアの特徴は、ただ営業をするだけでなく、売り込みたいIT技術の特性を理解したうえで提案をする必要があること。そのため、自社製品に対して学び続けることが何よりも重要です。また、自社製品を魅力的に提案するためのプレゼンテーション能力を兼ねそろえていると、提案を受け入れてもらいやすくなるでしょう。
自分が提案した内容が顧客のビジネスを左右するセールスエンジニア。顧客の要望に適切に答えたうえで、感謝の気持ちをもらえるタイミングは大きなやりがいになるはずです。「誰かの力になっている実感を得たい」という人にとっては、夢中になれる仕事かもしれません。
| やりがい | 顧客の要望に適切に答えたうえで、感謝の気持ちをもらえる |
|---|---|
| 大変なこと | ITに関する知識のみならず、営業職としてのスキルも身に付ける必要がある |
| 必要なスキル | プレゼンテーション能力、提案力 |
| 向いている人 | 誰かの力になっている実感を得たい人 |
マネジメント職
IT業界の仕事は、「プログラムを組んだり、システムを開発したりするから、一人でおこなうものなのではないか」と思う人もいるでしょう。実際はそうではなく、チームでプロジェクトを遂行する機会も多いのです。
そのようなときにチームをまとめ上げるのかマネジメント職。「ゆくゆくはチームをまとめる存在になりたい」という人は、マネジメント職の仕事内容を確認して、チームで動くことに対する解像度を上げておきましょう。IT業界のマネジメント職には、以下の2種類があります。
⑫プロジェクトマネージャー(PM)
チームをまとめるのはもちろんのこと、顧客とも密に連絡を取りプロジェクトを進める第一人者がプロジェクトマネージャーです。プロジェクト立案から完了までの流れを責任もって進める必要があるため、仕事内容も多岐にわたります。
プロジェクトマネージャーのおもな仕事内容は、以下の通りです。
- スケジュール設計
- 予算の確定
- メンバー選定
- 顧客とのコミュニケーション
- 品質管理
- 完遂後フォロー
これらの業務をおこなう必要があることから、開発スキルだけでは業務を遂行できないのが難しい点です。チームメンバーや顧客とのコミュニケーションはもちろん、ゴールを見据えて人を動かす力や、俯瞰して物事を見る視野の広さも重要です。
求められるスキルやすべきことが多い分、やりがいもひとしお。チームメンバーの成長や、顧客からの評価、プロジェクトが完遂できた喜びなど、さまざまなところからやりがいを感じられます。
「仕事にやりがいを求める」という人は、プロジェクトマネージャーになることを将来の目標にしても良いかもしれません。
| やりがい | メンバーの成長を感じられる、顧客からの評価を得られる |
|---|---|
| 大変なこと | さまざまな人とコミュニケーションを取って業務を遂行する必要がある |
| 必要なスキル | コミュニケーション能力、リーダーシップ |
| 向いている人 | 多角的な視点で物事を見られる人、仕事にやりがいを求める人 |
⑬プロジェクトリーダー(PL)
プロジェクトマネージャーがプロジェクト全体のことを見るならば、プロジェクトリーダーは、「現場の責任者」といえます。そんなプロジェクトリーダーの最大の仕事は「プロジェクトをきちんと進める」こと。
メンバー一人ひとりのスケジュール管理や、トラブルの解決はもちろんのこと、プロジェクトの作業メンバーとしても力を発揮する必要がある存在です。
チームメンバーをまとめる統率力はもちろん、技術者として腕を磨き続けるひたむきな姿勢も重要になります。アルバイトなどでリーダーと自分の仕事をうまく両立した経験のある人は、その経験を存分に活かせそうです。
プロジェクトリーダーのやりがいも、プロジェクトが完遂できたことには変えられません。さらに、「プロジェクトをここまでまとめ上げられた」という自身の成長も、やりがいの後押しとなってくれることでしょう。
| やりがい | チームで一丸となってプロジェクトを進められる |
|---|---|
| 大変なこと | チームをまとめるのはもちろん、プレイヤーとしても力を発揮する必要がある |
| 必要なスキル | 統率力、学習意欲、コミュニケーション能力 |
| 向いている人 | チームの成長と合わせて自分も成長させたい人、俯瞰して物事を見られる人 |
IT業界に向いている人とは|「課題解決力」と「思いやり」がカギ

業種や職種の理解が深まり、ますますIT業界に興味が出てきた人もいるのではないでしょうか。そのような人向けに、就活会議に寄せられた内定者の声を参考に、IT業界に向いている人の特徴を解説します。
IT業界に向いている人の特徴とあなたの性格を照らし合わせ、良い点を伸ばしたり、足りない点を補ったりする際のヒントにしてください。
問題の本質を捉え解決できる人
IT業界は、ITの技術を用いて顧客の課題解決を図るのがおもな仕事です。しかし、単純にIT技術を提供するだけではありません。
顧客が感じている「潜在的な課題」がどこにあるのかを突き止めたうえで、最適な提案をする必要があるのです。そのため、物事の本質に向き合い、うまくとらえられる人が活躍できると言えます。
この強みを活かして、内定者は以下のような自己PRを話していました。
実際に選考通過した回答
私の強みは問題解決力と忍耐強さです。私は現在研究室でコンピューターを用いた新規医薬品の設計及び既存医薬品の機能性の向上に取り組んでおります。
そのため、日々試行錯誤を繰り返しデータを取り解析を繰り返しているのですが、新たなことを研究する際には従来の解析方法だけでは解析しきれないことがあります。そのため、自分達で新たに解析手法を考え実行する必要があります。
そこで私は新たな解析方法を実際に考えそれを実現するためのプログラムの作成を行い研究をやり遂げてきました。新たな解析手段の作成では何度もうまくいかず試行錯誤を繰り返しましたが諦めることなく最後まで研究をやり遂げてきました。
そのためこの経験をとして培ってきた最後まであきらめずにやり遂げる問題解決力と忍耐強さを生かして弊社に貢献していきたいと考えています。 (2022年卒 東芝デジタルソリューションズ 総合職 内定)
実際に選考通過した回答
課題に対して主体的に行動し、どんな状況下でも高い成果を発揮する事ができる。私は23年の人生に置いて常に高い結果を出し続けてきた。
高校の剣道部では、部員30名中半数がスポーツ推薦の選手だった。そこで、今まで培ってきた「練習量」の差を埋めるべく、推薦組に自主練メニューを聞き、その2倍のメニューを1年半継続的に行った結果、一般組から唯一レギュラーを手にする事ができた。
高校編入時には、今まで剣道しかしてこなかった事による、「知識不足」と受験まで残り1年という短い「期間」しか残されていないという課題に直面した。教員からも無理だと言われた国立大学を第一志望に設定し、中長期的な目標を立て、効率的に勉強に励んだ結果、第一志望に合格する事ができた。
この経験から社会に出ても、組織や顧客の課題を徹底的に分析し、段階的な改善計画の策定から実行を繰り返し、組織に圧倒的な成果をもたらせると確信している。 (2024年卒 金沢大学大学院 NTTドコモ オープンコース エンジニアコース 内定)
どちらの自己PRも、課題を理解するのはもちろんのこと、課題の本質がわかっていないと対策できない「どのような手を打てば良いのか」がきちんと記されています。
日頃のおこないから、「課題に対して行動を起こしたこと」を思い返すと、物事の本質をとらえられたエピソードが見つかるかもしれません。
論理的思考力が備わっている人
IT業界で仕事をするにあたって、「論理的思考力が必要だ」と言われることは多くあります。論理的思考力とは、筋道立てて物事を考える力のこと。
IT業界の仕事では、顧客の要望を整理したうえで、システムに起こす作業が重要です。筋道立ててシステム設計ができないと、要望通りにシステムを動かすのは難しくなってしまいます。
また、チーム内で同じシステムの構築をすることも多いです。システムの基盤が論理的に整理されたものでないと、認識のずれが生じたり、効率の低下につながったりします。ミスなく作業をおこない、顧客の要望に応えるためにも、論理的思考を用いてシステムの整理をすることが必要なのです。
ここで、エンジニアとして活かせる自身の強みやスキルを問われたときの回答から、論理的思考力について言及しているものを見てみましょう。
実際に選考通過した回答
私は御社のソリューションエンジニアとして、共創力と論理的思考力を活かせると考えます。
私は現在大学院において、異なる背景を持つ仲間とともにがんの新規治療法の開発に取り組んでいます。私は治療法の臨床応用に向けて画像処理ソフトを用いた研究をおこなっており、当初はAIやプログラミングの関する知識がなかったため、情報系の学生やエンジニアの方と話し合いを重ね、研究室初となる○○診断法を確立しました。
一方では自身の医療経験を提供するなど、専門性が異なるメンバーとともに足りない知識を補い合いながら研究をおこなうなかで共創力が身に付いたと感じています。また、この研究経験や学会経験から、論理的思考力も身に付きました。
この強みを活かし、ソリューションエンジニアとしてビジネスにおける課題を論理的の分析しながら、お客様と共に解決策を考えることができると思います。 (2025年卒 NTTドコモ WILLコース(WF確約型)・ソリューションエンジニア 内定)
実際にエンジニアとして論理的思考力を発揮した経験が記されているため、入社後の姿も数蔵しやすい文章になっています。
エンジニアの経験が無くても、日ごろのおこないから論理的思考力を発揮した場面は見いだせるはず。自分の考えを筋道立てて説明した経験や、予算や時間を考えたうえでスケジュール設計をした経験などを思い返すと、あなたなりの「論理的思考」が見えてくるかもしれません。
他者と協力して物事を成し遂げられる人
IT業界の仕事は、「一人でシステムに向き合う」と思われがち。実際は、チームでシステム構築をおこなったり、顧客の課題解決のために動くものです。
「システムの開発」といっても、顧客の依頼を聞く人、システムを設計する人、プログラムを組む人など、一つの案件に対し多数の人が携わります。そのため、うまく連携を取って、案件を進めていくことが成功のカギになのです。
また、他者と連携を取るうえで、「どのように伝えれば次の人が作業がしやすいか」という思いやりの視点があると、作業がよりスムーズに進むでしょう。だからこそ、他者との協力体制がある人が活躍できると言えるのです。
実際に、チームでの開発経験を聞かれた際、以下のように「チームで協力できる人物である」ということをアピールしている内定者がいました。
実際に選考通過した回答
インターンで入ったiOSチームは、自分を含めて〇人いました。自分が他人のコードレビューをすることはなく、基本的に自分のメンターにコードレビューをしてもらう形でした。
自分から提案して取り組んだ経験としては、〇〇という事業がアプリからの導線を設計するという話になった時に、その機能開発を自分にやらせて欲しいと提案したことがあります。〇〇の人と連携して連絡を取りながら進めるタスクだったので今までとは違う仕事の進め方でしたが、〇〇ということもありいい経験になりました。
また、テスターとのやり取りも自分でやる必要があったので、〇〇をするなど、自分なりに工夫してコミュニケーションをとることで生産性の向上に努めました。 (2024年卒 東京大学大学院 サイバーエージェント エンジニアコース 内定)
他者と協力する際に、学生自らのコミュニケーションの取り方を工夫して仕事を進められたことが述べられています。柔軟にコミュニケーションの方法を変えていける姿勢から、どのような人とでも仕事がスムーズに進められる人材だとわかるでしょう。
自分のなかでIT業界へ入社したイメージを湧かせるためにも、誰かと協力して物事を成し遂げ、それをどうIT業界の仕事へ活かせるのかまで考えてみてください。実際に「プログラムの開発をした」「エラーを皆で解明した」など、IT技術を用いてチームで何か成し遂げた経験を話せるとベストです。
相手の意見を聞き入れられる人
IT業界の仕事は、顧客の要望を実現すること。「どのようなことに課題を感じているのか」「どのように改善を図りたいのか」、この点をしっかりと聞き出すことで、顧客が満足いくシステム構築につながります。
一方的な提案や、エンジニア側のコストや効率性を重視したシステム構築だと、顧客は納得してくれないでしょう。顧客満足向上のためにも、意見を聞き入れるのが重要なのです。
就活会議には、アピールしたいことを問われた際に、傾聴力を発揮したエピソードを話、内定を勝ち取った学生の声が寄せられました。
実際に選考通過した回答
教えることが好きで始めた、通信教材の活用をサポートするアルバイトです。生徒と話し、教材の使い方や学習計画を提案し進捗を管理します。
初めは生徒の成績を上げられず悩みました。そこで提案内容を見直し、生徒と一から向き合いました。最初は家庭や学校生活などあまり話してもらえませんでした。まず打ち解けることが必要と思い、営業の社員さんに助言をもらって傾聴の姿勢の意識をし、雑談も交えました。さらに同僚のレッスンを見学し勉強しました。
また各生徒を深く把握しようと個人用カルテを作りました。徐々に信頼関係を構築し、より多様な情報を得て別の課題に気付くこともありました。それに伴い生徒のタイプも考慮した提案に作り直し、生徒の成績向上にも繋がりました。
ここから課題発見のために相手へ理解やそのための信頼が重要と知り、また何が最善策か考え、相手に尽くす喜びややりがいを感じました。この業務を通して提案力が身に付きました。 (2019年卒 中央大学 東京海上日動システムズ ITエンジニア 内定)
傾聴力を活かして生徒一人ひとりと向き合い、「生徒の成績向上」という成果につなげたエピソードです。さらに、ここから提案力が身に付いたと述べているため、IT業界で活かせる要素を、また一つ手にできたことのアピールにもなっています。
相手の意見を聞き入れられる強みに準ずるエピソードを話したいならば、を友人や後輩、家族など、さまざまな人の意見に耳を傾け、課題解決を図ったことを思い返してみると、強みにつながる経験が浮かびやすくなるでしょう。
積極的にコミュニケーションを取れる人
IT業界では、顧客やチームメンバーとも協力する必要があるのは前述のとおりです。「どのような要望を形にしたいのか」という顧客とのコミュニケーションはもちろん、「どこまで作業が進んでいるか」「不明点はないか」などのチームメンバーの声を聞き入れることが、プロジェクト遂行のために大切になります。
そのようななかで一人で作業を進めていては、周囲とのずれに気が付かず、結果的にプロジェクトの遅延や失敗につながりかねません。だからこそいとわずにコミュニケーションを取れる人はIT業界に向いているといえます。
内定者のなかにも、持ち前のコミュニケーション能力を活かして強みをアピールした例が見られました。
実際に選考通過した回答
私は年齢や立場にとらわれない、積極的なコミュニケーションが得意です。同時に、対話からニーズを引き出し、相手の考えを理解するための傾聴力とそれに適した提案力も持ち合わせています。
アパレルブランドのアルバイト経験では、スタッフ同士や顧客とのコミュニケーションに重点を置いており、多様な顧客との対話を通じて個々のニーズを把握し、最適な商品提案を行うことで顧客満足度を向上させています。同時に、スタッフ同士のコミュニケーションにも注力し、商品情報や気づきを共有することで知識の向上と売り場の充実に努めています。
貴社に入社後は、顧客との対話を通じて潜在的なニーズを引き出し、積極的な提案ができる社員として成長したいと考えています。また、同僚や上司との円滑なコミュニケーションを通じて、より良い成果を生み出すために主体的に取り組んでいきたいと考えています。 (2025年卒 富士通 SE 内定)
顧客とスタッフの双方とコミュニケーションを取り、成果を生み出していた点はまさしくIT業界でも活かせそうな強みです。アルバイトやインターンで、顧客とコミュニケーションを取った例を思い出すと、より実践的な強みのアピールになるかもしれません。
IT業界の選考に関する基本事項|受けるなら押さえよう

ここまでの内容を踏まえて、「IT業界の選考を受けてみよう」と思った人は必見です。IT業界を受けるにあたって、基本事項を押さえておくと次にすべきことがわかりやすくなります。
IT業界の選考の基本事項を、内定者の声と共に理解して、スムーズな選考へとつなげられるようにしましょう。
選考フロー
IT業界の選考フローは、企業にもよりますが、以下のような流れを取っていることが多いです。
- ES提出⇒WEBテスト⇒一次面接⇒二次面接⇒最終面接
企業によっては二次面接が最終面接になったり、二次面接と最終面接の間にリクルーター面談が入ったりすることもあります。例として富士通、日立製作所、Skyの選考フローを見てみましょう。
| 富士通 | 書類審査⇒マッチング面接⇒人事面接 |
|---|---|
| 日立製作所 | エントリー⇒マッチング先を決定⇒ジョブマッチング⇒ジョブマッチング面談⇒書類審査 |
| Sky | エントリー⇒ 会社説明会⇒採用担当面接・現場面接⇒最終面接 |
このように、企業によりフローはさまざまです。もし、プログラミングスキルを持っている場合は、ジョブマッチング選考を実施する企業を受けると、スキルがより活かせる環境で働けるかもしれません。反対に、ITに関する知識やスキルがほとんどない状況なら、面接が多くある企業を選び、あなたの熱意を存分に伝えると良いでしょう。
その後の対策もしやすくなるため、気になる企業があればあらかじめ選考フローを調べておくことをおすすめします。
テスト対策
IT業界におけるテストの形式には「SPI」や「玉手箱」と言った耳なじみのあるものから、「CAB」「GAB」「ATPP」と言ったSEやプログラマーの適性を図るテスト形式が実施されることもあります。
就活会議に寄せられた投稿によると、代表的なIT企業では、実際に以下のようなWEBテストがおこなわれていることがわかりました。
- 東京海上日動システムズ:SPI、玉手箱、GAB(時期によって違いあり)
- オージス総研:SPI
- NTTドコモ:SPI
- 富士通:CAB、玉手箱(時期によって違いあり)
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング:SPI
- NTT東日本:玉手箱
実施年や実施時期、志望職種によってWEBテストの内容が異なることもあるため、あくまで対策の参考としてください。
ここで、あまり耳なじみのない「CAB」「GAB」「ATPP」それぞれの特性を確認していきましょう。
| CAB | デジタル人材のポテンシャルを推進する適性検査。 「暗算」「命令表」「法則性」「暗号」「性格検査」からなる。 |
|---|---|
| GAB | 「知的能力」と「パーソナリティ」の両面から受験者の総合的な適性を図る。「言語」「計数」「英語」からなるテスト。 |
| ATPP | 数値を使った問題から、IT業界における適性を図る。 「数列」「算数」「様々な文字を含んだ5×5のマトリクス」からなる。 |
これらは、単なる能力検査ではなく、IT業界で活躍できる人材かを見ているテストです。「繰り返して例題を解く」「スピード感を重視して問題を解く」などして、問題に慣れておくと、本番も焦らずに解けるようになるでしょう。
ESや面接でよく聞かれること
IT業界のESや面接では、多岐にわたる質問がされますが、基本的に聞かれる内容はほかの業界とあまり変わりありません。
ESや面接でよく聞かれることは以下の通りです。
- 学生時代に力を入れたこと
- 志望動機
- なぜこの業種を志望するのか
- 自己PR
- 今後どのようにキャリアを積みたいか
- ほかの企業と比較た志望企業の強み
- 入社してから成し遂げたいこと
面接のなかで「ITにかかわる研究をしていた」「プログラミングを自主的に学んでいた」というような、IT業界にまつわることを話すと、そこから深掘りされることは多いです。実際の深掘り質問を確認していきましょう。
- なぜITに携わりたいと思ったのか(東京海上日動システムズ)
- チーム内においてどのような役割だったか(オージス総研)
- チーム内で意見の衝突があったらどのように対処するか(楽天グループ)
「なぜその行動をしたのか」「なぜそう考えたのか」ということが深掘り質問では多く聞かれます。そのため、対策には「なぜ」を突き詰めるのが有効です。
自分が成し遂げたことや、学びを活かした今後の展望、今後の業界に対する予測などに対し自分の意見を持ったうえで、「なぜ」を問いかけてみてください。そうすることで、予想外の深掘り質問にも落ち着いて答えられるでしょう。
IT業界のことを理解して次のステップへの指標にしよう
この記事では、IT業界がどのような業界なのか、どのような人が向いているのかという、IT業界の全体像を解説しました。
「黙々と作業をする仕事かと思っていたけれど違った」「業種が多くてよくわからなかったけど、内容が整理できた」など、少しでもプラスのイメージを持てた人もいるのではないでしょうか。
この記事を読んで少しでも「IT業界に興味が湧いてきた」と感じたら、あなたの望む職種や環境をより深く追求してみてください。そして、次にすべきことを理解したうえで、内定への第一歩にできるよう行動を起こしてみましょう。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。

この記事の編集担当者
望月 晨生
新卒で寝具・家具メーカーに入社後、大手ECサイトの販売を担当。寝具や家具にまつわるオウンドメディアの立ち上げに携わる。自分で何かを作り上げることに魅力を感じ、ライター職に転職。現職では就活会議のコラム立ち上げに携わり、ライター・編集ディレクターを担当。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める