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就活会議
CREATED ON 2025.08.13 | UPDATED ON 2025.11.28

最終面接で聞かれること21選|内定者の回答例文と受け答えのコツ

面接対策
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「どんなことが聞かれる?」 最終面接で 聞かれること 内定者の回答を参考にしよう

こんにちは。就活会議編集部の望月です。 最終面接を目前にすると「どんなことを聞かれるのだろう」「一次や二次面接よりも鋭い質問をされそう」「ここで内定を逃したらどうしよう」と不安に思う人も多いはず。私も最終面接の前は不安でしたが、あらかじめ聞かれることの傾向をつかみ、十分に対策することで内定を勝ち取ることができました。 この記事では、就活会議に寄せられた内定者の選考体験記を参考に、最終面接での頻出質問を紹介します。内定者の実回答や考え方のコツなども解説するので、対策を万全にして最終面接に臨みましょう。

この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。

最終面接と一次・二次との違いを押さえよう

「最終面接はほかの面接と何が違うのだろう」と疑問に思う人に向けて、最終面接と一次・二次面接との違いを解説します。

最終面接に特化した選考対策をするために、ここでの内容をきちんと押さえておきましょう。

始めに最終面接の頻出質問を押さえたいという人は、「内定者に聞いた! 最終面接で聞かれること21選」を見てみてください。

項目 一次面接 二次面接 最終面接
評価ポイントの違い 志望動機・基本的な質問・人柄の確認が多い 一次面接の質問をさらに深掘りされることが多い 価値観のマッチ度・入社意欲の高さ・企業との相性を確認される
面接官の役職 若手〜中堅の人事・現場社員が多い 部長・マネージャークラスが多い 役員・社長など経営層が多い
時間 20〜30分 30〜45分 30〜60分
形式 個別または集団面接 個別面接が中心 個別面接が多い

各面接の違いと併せて、最終面接に参加した学生が感じた雰囲気の違いも見てみましょう。

最終面接参加者の声

前回の面接ほど柔らかい雰囲気ではなかったが、話しやすい雰囲気だった。

質問数がとても多く、受け答えを見られていました。 (2022年卒 奈良女子大学 Sky エンジニア 内定)

最終面接参加者の声

最終面接は割と落ちそうな雰囲気を感じました。

なぜなら、あまりにも重厚感のある雰囲気で鋭い質問が飛んでくるので、回答に臆してしまう人が一定数いると思うからです。 (2024年卒 早稲田大学 ファーストリテイリング グローバルリーダー候補 内定)

最終面接参加者の声

これまでの面接とは打って変わって、非常に厳粛。笑いはほとんど起こらなかった。

ただ圧迫感はなく、緊張することはなかった。 (2025年卒 早稲田大学 サントリーホールディングス ビジネス部門 内定)

各面接の違いや学生の感想からもわかるように、たとえこれまでの選考が和やかなものであっても、最終面接は緊張感のある雰囲気で進むことが多いようです。

「最終面接まで来れば内定獲得できるだろう」と思う人もいるかもしれませんが、油断は禁物。一次・二次面接を通過してきた優秀な学生が集まる場なので、聞かれることへの質問対策を万全にしておくことが重要です。次の章を参考に、最終面接で聞かれる質問の傾向を押さえましょう。

なお、一次面接通過のコツについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認してみてください。

一次面接通過に必要な4つの対策|頻出質問8選と内定者の回答例付き

口コミから分析! 最終面接で聞かれる質問

採用後のミスマッチを防いだり、入社後も長く働いてくれる人材かどうかを見極めたりできる最後の機会が最終面接です。「なぜこの企業なのか」「入社後どう活躍したいか」など、志望度や価値観に関する質問が増える傾向にあります。

その企業に合う人材だと面接官にアピールし、内定を勝ち取るためにも、最終面接でよく聞かれる質問を徹底的に対策しておくことが最重要。ここからは、最終面接で聞かれる質問に対し、就活会議編集部が内定者の口コミを確認し、同様の口コミをカテゴリごとに分けたうえで頻出順に並べたものを紹介します。内定獲得に向けて質問の傾向を事前に把握しておきましょう。

志望業界・企業への熱意を確かめる質問

内定者の選考体験記を分析すると最終面接では「なぜこの企業なのか」を何度も聞かれたという声が多く、面接官が学生に対し、企業への熱意を徹底的に確認していることがわかりました。

逆質問の時間が設けられたり、他社の選考状況も詳しく聞かれたりする傾向があることから、学生の志望度の高さを改めて判断しているとも言えます。具体的にどのような質問をされるのか、次のリストで確認してみましょう。

※就活会議編集部が分析したうえで、特に聞かれる頻度が高い質問には「★」マークを付けています

志望業界・企業への熱意に関する質問対策をするなら、改めて企業独自の強みや特徴をリサーチして「なぜその企業でなければならないのか」をきちんと説明できるようにすることが大切です

簡単な企業研究では答えられない質問もあるので、企業の将来性や自分なりの考えも整理しておくと良いでしょう。

なお、面接の志望動機の伝え方は以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認してみてください。

面接の志望動機の答え方とコツ4選|内定者回答10選付き

強みや弱みなどの人柄を見極める質問

最終面接まで残った学生は一定以上の能力はあるので、最後は「一緒に働きたいと思えるか」「長期的に活躍してくれそうか」などの人間性が判断基準となります

たとえば、以下のような質問をされる機会があるため、あらかじめ対策をしておきましょう。

※就活会議編集部が分析したうえで、特に聞かれる頻度が高い質問には「★」マークを付けています

人柄をアピールするためには、具体的なエピソードを交えながら受け答えできるように練習しておく必要があります。

困難な状況にどう対処してきたか、リーダーシップを発揮した経験はあるかなど、過去の経験を今一度振り返り、棚卸ししておきましょう。

配属後のキャリアプランに関する質問

一次・二次面接で自己PRなどの基本的な質問は確認済みのため、最終面接では学生が入社した後を見据えて、入社後にどのようなキャリアを描いているかの質問も多く聞かれます。

最終面接に通過した内定者の口コミからも、以下のようなキャリアビジョンや将来に関する質問をされているので、対策しておきましょう。

※就活会議編集部が分析したうえで、特に聞かれる頻度が高い質問には「★」マークを付けています

対策として、事業内容を把握して志望職種でどのように貢献できるか話せるようにしておくのがおすすめです

「入社後3年目までに、営業職として営業成績トップを目指します。そして、強みのリーダーシップを活かして5年目までに新人教育に携わることで、チームや会社の売上にも貢献できる人材になります」のように、具体的にアピールするのがコツです。

最終面接では学生の適性がある程度わかっているため、学生自身のキャリアビジョンに付随して、希望と異なる配属になった場合の対応も質問されることもあります。配属の可能性がある部署を今一度確認して、それぞれのキャリアに対する理想のプランや最終的なゴールを用意しておくと良いでしょう。

内定者に聞いた! 最終面接で聞かれること21選

最終面接の傾向がわかったら、ここで紹介する内定者が聞かれた最終面接での頻出質問21個を元に、よく聞かれる質問の対策をしましょう。

最終面接で聞かれることを念入りに対策したい人は、21個すべての質問に対して回答を準備し、最終面接まで時間がない人は、志望度の確認や最終面接ならではの質問⑪〜㉑までを優先的に対策するのがおすすめです。

①自己紹介をしてください

最終面接はそこで初めて顔を合わせる経営層が担当することが多いため、改めて自己紹介が求められることがあります。

面接のはじまりのアイスブレイクとしての役割もあるため、限られた時間の中で魅力を伝えられるように準備しておきましょう。

実際に内定者がどのように自己紹介をしたのか、その一例を紹介します。

内定者の回答

日々研究活動を行っています。有機化学を用いて0から1へのモノ作りを行っています。資源の枯渇という課題に対する研究テーマであり、しっかりとした意義を持って研究活動に取り組んでいます。日々の研究活動は大変なものがありますが、成果が出た時の喜びなど、楽しさもすごくあります。

学校生活以外では、居酒屋でアルバイトをしており、お客様の笑顔を作り出すことと、お店の活気作りに取り組んでいます。

趣味は読書と旅行です。新しい書物に出会い、その人の考えを知ることで自分の価値観を広げるように意識しています。旅行も同様で、新しい場所を訪れることで、その場での新しいことを学んだり、その場で出会う人々と交流することでこれまでの自分にはなかった視野を醸成するように意識しています。 (2020年卒 東京工業大学大学院 ニトリ 総合職 内定)

内定者の回答

私は高校で水泳部、大学ではラグビー部のマネージャーを務めました。そのため人のために行動することの楽しさを知っていることが自分自身の強みだと感じています。

部員の行動や感じていることを予測し、相手にとって何が必要になるかを考える癖がついているため、入社後もその強みを生かしてお客様のために行動する営業を行いたいです。

スポーツにまつわる部活を続けているので、趣味はスポーツ観戦です。夏の時期は甲子園に高校野球を観戦しに行くのが毎年の恒例になっていましたが、コロナウイルスの影響で観戦に行けないのも残念で、今年出場できなかった高校生がたくさんいるのは悲しいなと感じています。

就職後もスポーツ観戦を息抜きの趣味として続けたいと思います。 (2022年卒 関西学院大学 住友生命保険 総合営業職 内定)

ほかの内定者の自己紹介も分析したところ、多くの人が強みや興味を惹く内容を伝えていました。面接で自分をアピールできるのは最終面接が最後なので、自信を持って話せるエピソードや、ほかの学生よりも印象に残る内容を盛り込むようにしてください

はじめの段階で面接官の興味を引きつけられれば、その後の選考を有利に進められるでしょう。

②あなたの強み・長所は何ですか

一次や二次面接でも強みや自己PRは聞かれますが、最終面接では最終的に内定を出す経営層が「会社に貢献できるのか」「弊社に合う人柄なのか」などを判断するために、強みや長所を再度聞かれるケースがあります。

最終面接という大事な局面で、内定者はどのように強みや長所を伝えたのか、実際の回答を確認してみましょう。

内定者の回答

自分自身で目標を定め挑戦を始めたことは、レベルが向上し成果が出るまで毎日コツコツと努力し続ける向上心と意思の強さを持っています。

私は大学生活中に様々な接客業のアルバイトに取り組んできました。アパレル販売の接客業では、”一年間で30人の顧客様をつくる”という目標を立て、お客様のニーズに合った商品をご提案するために様々な知識やスキルを高めながらオンリーワンの接客術を見つけ出し、三年目にようやく目標達成をすることができました。

この経験を通して、徹底した顧客志向でお客様に満足していただくことが、企業の利益につながるということを強く実感しました。

大学生活を通して培った向上心と意思の強さを御社でも活かして生きたいです。 (2020年卒 東洋大学 住友生命保険 総合営業職 内定)

内定者は、企業が求める価値観や人物像に合った強みを選び、入社後の活かし方まで具体的に伝えているとわかります。

まずは、志望企業の事業戦略や経営方針から、強みを活かしてどう貢献できるか考えてみてください。さらに強みが企業の利益や課題解決にどうつながるかも伝えられると、経営層にも納得してもらえる回答ができるでしょう。

こちらの記事では、ESで自己PRを書く方法について解説しています。気になる人はあわせて確認してみてください。

ESの自己PRの書き方|強み・職種・文字数別に通過ES回答を紹介

③周囲からどんな人だと言われますか

あなたの人柄を客観的な質問から判断するために、「周囲からどんな人だと言われますか」と聞かれるケースが多いです。どのような人間性なのか、今までの選考でアピールした自己PRなどの強みが嘘ではないのかなども併せて見られています。

内定者がどのように周りからの評判を伝えたのか、実回答を確認しましょう。

内定者の回答

私は、よく言われる性格が2つあります。一つ目は、かなりの負けず嫌いだということです。学生生活のほぼ全ての時間をバスケットボール部での活動に費やしてきて、中学以降は競争が激しい強豪チームに所属していたため、競争心がかなり強い性格になったのだと思います。

二つ目は、よく冷静に周りのことを見ているということです。これは、バスケットボールという競技の特性上、組織として動くことが必要になるため、チームではバランサーの役割をすることも多々あったためだと思います。チームキャプテンとしてやるべきことを考えるのが癖になっているので、周囲のことはよく見るようになったのではないかと思います。

私は、思い立ったことを実現する行動力と、全体のバランスを冷静に見るバランスが半分ずつあると思っています。 (2018年卒 日本大学 ファーストリテイリング グローバルリーダー候補 内定)

内定者の回答

私は周囲からまじめな人だとよく言われます。私は、そのまじめという意味は2つの観点から言われていると分析しています。

1つ目はストイックという点でまじめだと言われる点です。私は学生時代に年間100冊本を読むなど、自らにハードルを課していました。それをみた友人からお前はまじめだなとよく言われたことがあります。

そして、もう1つは継続的に一つのことを続けられるという意味でまじめといわれます。私は今までに13年間陸上競技を、11年間ピアノを、8年間水泳を続けてきました。1つのことを10年以上続けることは、あまり見かけないので10年近く継続して努力し続けることができることに、お前はまじめだねと言われることがしばしばあります。 (2018年卒 早稲田大学 三菱UFJ銀行 総合職 内定)

内定者の回答から、周囲の評価を具体的なエピソードで裏付けして、再現性のある強みだとアピールすることで評価されるとわかります。

最終面接では一次や二次面接よりも「現場で活躍できる人材か」「今までの面接でのアピールに嘘はないか」などが見られています。そのため、自己PRやガクチカでアピールしてきた内容と、周囲からの評価が一貫していると伝えるのがポイントです。

また、志望職種での活かし方も伝えられると、最後のひと押しとして熱意の高さをアピールできます。ほかの学生との差別化になり、最終面接を通過できる要因になる可能性も高まるでしょう。

④学生時代に力を入れたことは何ですか

最終面接でも学生時代に力を入れたことを質問されるのは、経営層が直接、学生が入社後にどのように活躍してくれるかを確認するためです。

これまでの選考で話したこととの一貫性はもちろん、経験からどのようなことを学んだか、その学びは働くうえでどのように活きるのかを提示し、働いている姿を面接官に想像させやすくしましょう

内定者の回答

外国人向け〇〇ツアーの制作でチームの関係構築に励み、その成功に貢献したことです。

チームは学年学部が異なる学生で構成されており当初は関係が築けていなかったことから、私は意見発信が容易にできる環境作りに励みました。そこでまずは自らがメンバーに心を開き、後輩でも立場に関わらず素直に頼ることで信頼関係の構築を図りました。すると徐々にメンバーも意見や些細な悩みを打ち明けてくださり、意見交換とサポートが円滑に進むようになりました。

その結果、各々の強みを活かしツアーでは88%の参加者から最高満足度を得ることができました。そしてこの経験から、信頼関係を構築し、周囲と協調し合える環境を作ることが組織の力を最大化することに繋がると学びました。 (2022年卒 同志社大学 住友生命保険 総合営業職 内定)

内定者の回答

学生時代に力を入れたことは、アルバイト先での接客スキルの向上である。接客業において、顧客一人ひとりのニーズに応えることが大切であると感じ、常に丁寧で細やかな対応を心がけた。

また、顧客からのフィードバックを基に改善点を見つけ、自己のスキル向上に努めた結果、店舗の売上にも貢献することができた。

さらに、後輩スタッフへの指導も行い、接客品質の底上げを図った。

この経験を通じ、相手の期待に応えようとする姿勢と、チームで成果を上げる難しさと喜びを学んだ。このような姿勢は、今後のキャリアにおいても強みになると確信している。 (2025年卒 明治大学 三菱UFJ銀行 全国コース 内定)

内定者の回答例文に共通しているのは、得た学びが仕事の場でどのように活きるかを伝えられている点です。人柄や将来の成長性をアピールできるので、最終面接でも面接官に「この学生を採用したい」と思ってもらえる可能性が高まります。

「なぜその取り組みをしようと思ったか」「志望職種でどのように再現するか」の2点から、仕事での活躍イメージを面接官が想像しやすくなるようにしましょう。

ガクチカの作り方は以下の記事で詳しく解説しています。気になる人はあわせて確認してみてください。

「学生時代に力を入れたこと」の作り方|内定者の回答例25選付き

⑤チームでの役割を教えてください

最終面接では採用が現実味を帯びてくるため、実際に入社した場合の働きぶりやチームへの貢献度を判断する質問として聞かれます。

一次や二次面接で「マネジメントに興味がある」と話した人は、マネジメントはチームメンバーをまとめたり、リーダーとして皆を率いていく力が求められるため、特に質問される可能性が高いです。そのような人は、マネジメントをしている姿を面接官に想像させるためにも、回答内容を準備しておきましょう。

実際にリーダー経験やチームをまとめた経験を問われた際に、内定者は以下のように回答していました。

内定者の回答

結論から申し上げますと、100人ほどの人数を一人でまとめあげた経験はありません。しかし、20~60人ほどの人数をまとめあげる経験は今までに何度もしてきた経験があります。

例えば、居酒屋でのバイトリーダーでは私を除く20名のシフト管理などを任されていましたし、サークル活動では60名の部員をまとめあげて文化祭に出店しました。

これらの経験からリーダーシップを発揮してチーム一丸となって協力し、一つの目標に向かってともに切磋琢磨し、目標を実現できたときに大きな喜びを感じることができるということを実感しました。まとめる人数が増えればそれだけ難易度は上がり能力を求められますが、達成できたときの喜びもまた大きいと思います。

したがって、より多くの方とともにコラボレーションすることでNTTデータに貢献したいです。 (2021年卒 上智大学大学院 NTTデータ NTTデータ 内定)

最終面接は経営者の視点で最終判断をする場なので、「内定を出しても大丈夫」と思ってもらえるだけの説得力が必要です。内定者の例文も、リーダーシップを発揮した経験を具体的に話しているため、入社後に現場で活躍できるという説得力を感じる内容になっています。

説得力を持って話の展開ができるようにするためには役職よりも、チーム内でどう行動したのか、どんな良い影響を与えたかのかをアピールしましょう。志望企業にとってメリットがあると伝われば、採用してもらえる可能性も高まります。

⑥大学時代より前のことを教えてください

最終面接では「これから長い間この学生と一緒に働きたいか」「社風に合う人材か」などを判断します。そのなかでも学生の人柄がどのように形成されてきたかを確認するために、幼少期や中学校生活に関する質問をされることがあるのです。

内定者の回答

「目立ちたがり屋」だったり「人と関わる事が好き」な性格だったと思います。

「目立ちたがり屋」に関しては、お遊戯会で一人だけみんなと違うことをしたり、授業で誰よりも積極的に手をあげたりと、そういったところに現れていたと思います。

「人と関わるのが好き」な性格に関しては、新しい習い事を始めた時にも、初対面の人にも積極的に話しかけて、すぐに友達を作って馴染んでしまうタイプだったので、そういう部分に現れていたと思います。 (2024年卒 一橋大学 富士フイルム 事務系総合職 内定)

この内定者は、一次面接でガクチカを聞かれた際にサークルの新入生勧誘で、先輩部員との交流の機会を作ったと話していました。新入生と上級生を結び付ける仲介役は、まさしくコミュニケーション能力が無いと発揮できないことでしょう。

幼いころからの「人とかかわるのが好き」な性格が、ガクチカに発揮されていることが伝わる回答です。

この学生のみならず、多くの内定者が幼少期や高校時代の経験で、自己PRやガクチカでアピールした強みと似た経験をアピールしています。だからこそ、自己PRで伝えた強みの根拠だとわかる幼少期や学生時代のエピソードを用意しておくことが重要です

⑦研究内容を教えてください

研究内容は学生時代に力を入れたことや、どのような課題に向き合ってきたかを知るために聞かれ、最終面接では一次や二次面接よりも、経営的な目線で研究内容を評価されます。特に研究職や技術職を志望するなら頻出質問です。

内定者の回答

私の研究目標は給電素子の小型化です。IoT社会の発展からセンサの需要が増え、身の回りの電力設備や配線等から漏れ出る磁界エネルギーを電気エネルギーに変換する環境磁界発電と呼ばれる新たな電源供給技術が注目されています。

この技術には回収する磁界の周波数低下につれて発電電圧が低下する特性があり、補うための装置大型化が問題でした。そこで本研究では、磁気双安定素子と呼ばれ、ある値以上の磁界が加わると一定の電圧を誘起する特性を持つことから、磁界の周波数に関わらない発電が行える素子の導入を行いました。

この素子の導入により低周波数磁界での発電を可能にすることで、給電素子の小型化に寄与できると考えています。 (2022年卒 信州大学大学院 パナソニックホールディングス 総合職 内定)

内定者の回答

社会保障法のゼミに所属し、医療や保険、介護など私たちの生活に密接に関わる事柄をテーマに学んでおります。

私は、特に生活保護の不正受給に関心があり、この事柄について深く学びたいと思ったことがきっかけで社会保障法ゼミを選択しました。まだ、私が関心を持っているテーマについては学べていませんが、来月ようやくゼミのメンバー全員でこのテーマについて研究をする予定なので楽しみにしています。

これまで取り組んだ内容としては、マタニティハラスメントや親権喪失、介護保険・要介護認定訴訟についてです。どのテーマもこれからの私たちの生活で活きる内容ばかりなので、非常に関心高く取り組むことができました。そして、私たち自身も当事者意識を持ってできることからやっていきたいと考えています。 (2022年卒 熊本大学 日本生命保険 総合職 内定)

研究内容を答えるときは、難しい専門用語をシンプルに言い換えたり、研究の目的や背景を順序立てて伝えたりすると面接官に理解してもらいやすくなります

さらに、「入社後に研究がどう役立つか」まで説明できると、現場でも通用することをアピールできるでしょう。

就活会議に寄せられた内定者の回答例文をさらに分析すると、研究内容と併せて、「課題にはどのように取り組んだか」「困難だったことは何か」などの深掘り質問をされることもあるので、回答を考えておくことをおすすめします。

⑧インターンシップの感想はありますか

受ける企業のインターンシップに参加したことがある場合に聞かれることが多い質問です。

最終面接でインターンシップの経験が改めて聞かれるのは、業務を体験したうえで「本当にこの仕事を続けられそうか」「業界や企業に合っている人材か」を、経営層が最終的に判断するためです

インターンシップに参加した目的や学びを活かして、業務へどのように取り組むかまでを考えられているかが評価対象になるため、志望動機との一貫性や、企業理解の深さが伝わるように伝えてみましょう。

内定者の回答

インターンシップでは、御社が今力を入れている分野の説明や、それを行う新たな職場環境を見学することができ、会社全体で大きなチャレンジ精神を持って、新たな研究開発を進めようとしていると感じました。

医療やAI等の分野は、他の企業も注目している分野ですが、それらと比べても御社は最も勢いがあり、人材や環境が整っている印象を受けました。

また、実際に働かれている社員の方とお話させていただいて、まじめでフラットな雰囲気の方が多く、気さくに接していただきました。最先端の研究を行っている社員の方が、自分よりももっと技術に精通している社員が多数おり、教えてもらったり意見交換する機会が多いとおっしゃっており、そのような成長意欲や高度なスキルをもった人々と一緒に仕事をしたいと思いました。 (2020年卒 京都大学大学院 富士フイルム 総合職(技術系) 内定)

内定者の回答

御社でのインターンで、実務と学問の違いを目の当たりにしました。私は学部でも、大学院でも周りにいる人たちは法律についてある程度、蓄積があったり、学びを進めている人が多かったので、話をするときや、事例等の問題を解くような場面でも、法律の理解がある人に向けてのことを前提に考えていました。

しかし実際にインターンシップでは、事業部の方からの法律相談の案件に同席させていただき、法律について、あまりわからない、どういった効果が起こるかがわからないといった方のサポートをするというものでした。

こちらで考えをまとめる分には今までと同様にやり方で問題ありませんが、他部署の方に説明するとなると話は別で、より事業ベースで考え、どういったメリット、デメリットがあるということをしっかりと精査したうえで、端的に解りやすく説明する必要があることを知り、非常に印象深かったことを覚えています。

そこから、解りやすく説明できるように、自分の頭で整理し、言語化しながら進めるように意識するようにしています。 (2021年卒 関西学院大学大学院 パナソニックホールディングス 事務系 コーポレートスタッフ 内定)

これらの内定者は、ただ感想を述べるのではなく、感想を踏まえてどのようなことを学んだか、志望度がどう上がったかまでを説明できています。

経営層は「仕事を任されたときに主体的に考え、行動できる人材か」なども見ているため、経験から得た学びとそれが企業でどう活かせるかまでも併せて説明できると良いでしょう。

⑨ストレス解消法は何ですか

働いているとストレスを感じる機会もあるはずです。そのようなときに、うまく対処できるかを経営層が判断するため、ストレス解消法がを聞かれるのです。

実際に内定者がどのようにストレス解消法について答えたのかを見ていきましょう。

内定者の回答

友人や家族ではなく、初めて会う人と話をすることです。

過去に、研究のストレスが溜まって家から出たくなくなったことがあるのですが、そこであえて太鼓教室の無料体験に参加しに行きました。その時は太鼓を叩くとストレス解消になるかな、と思って行ってみたのですが、もちろん太鼓を叩くこともストレス解消にはなったのですが、そこで初めて会う人と今している研究の話をすると、悩んでいても早く続きがしたいと思うようになりました。

あえて友人や家族ではなく、初めての人と話をしてその人からいろんな話を聞いたり、逆に自分の話をすることでエネルギーが湧いてくるように感じたのです。

それをきっかけに、行き詰まった時などは積極的に初めての出会いを求めに外出しています。 (2018年卒 大阪府立大学大学院 Sky 技術職 内定)

内定者の回答

基本的に日常生活でストレスを感じることは少ないのですが、強いて言えば自分が努力してもなかなかうまくいかない時に感じることがあります。例えば部活動でスランプに陥った時に、いくら努力しても実力が伸びないということにフラストレーションがたまります。

これは自分が「努力すればきっとできるはず」という思いを根底に持っているからこそ、できなかった時に「なぜできないのか」と強く考えてしまうことが原因にあると考えています。

私がこのようにストレスを溜めてしまった時に行うことは二つあります。

一つ目は「ひたすらに努力を続けること」です。私はうまくいかないことが悔しく、なんとしてでもやり遂げようと考え、いろいろ試行錯誤をしながら努力を続けることが多いです。

二つ目は「友人に相談する」ということです。ひとりで考えているとマイナスの思考に行きがちなので、友人と話すことで自分の考えをまとめようとしています。 (2023年卒 名古屋大学 三菱UFJ銀行 オープンコース 内定)

内定者たちは、独自の方法でストレスを解消し、気持ちの切り替えを図っていることを述べています。経営層にも、負荷がかかった状態でも適切に自分をコントロールし、対処できる人材だと理解してもらえるでしょう。

ポイントは、ただ気分転換の方法を話すのではなく、具体性を持って話すことです。具体的なイメージが伝われば、入社後も再現性高くストレスを乗り越えられると面接官も想像しやすくなるでしょう。

⑩人生で挫折した経験を教えてください

挫折経験は、精神面の強さや困難に立ち向かう力があるかどうかなどを評価するために聞かれます。また、学生が入社後に直面する困難に、どのように立ち向かい乗り越えるかを経営層が確認したいというケースもあります。

入社後に困難な状況に直面しても立ち向かえる姿をイメージしてもらえるよう、下記で紹介する内定者たちのように具体的なエピソードで説明しましょう。

内定者の回答

ダンスサークルで、初めてリーダーを務めた時になります。

1曲事に1人のリーダーが存在し、2年生になってから初めて立候補しました。最初は、メンバーとモチベーションの差に困惑し、練習をサボっているメンバーに対してきつく当たってしまうことがありました。

このままではいけないと思い、先輩に相談してみたり自分なりに考えた結果、私とメンバーで意見の交換が出来ていなかったことに気づきました。そのため、練習時にメンバーとその日の取組や目的を話す機会を設け、コミュニケーションを図りました。

その結果、練習が円滑に進み、最後には一緒に踊れて楽しかったと言ってくれました。

この経験から、チームでなにか行う時は、まずはコミュニケーションを取ることを意識しています。 (2025年卒 同志社大学 日本生命保険 法人職域ファイナンシャルコーディネーター 内定)

最終面接は今までの面接を通過してきた優秀な学生が集まります。なぜその取り組みを選んだのか、どのような工夫をしたか、何を学んで入社後どう活かせるのかをきちんと説明できると、「優秀な学生の中でもあなたを採用したい」と思ってもらえる最後の一押しになるでしょう

最終面接で初めて話を聞く面接官でも理解できるように、状況の背景を説明してから、具体的な取り組みと結果を伝える配慮も大切です。

⑪なぜこの業界を志望するのですか

企業に対しての熱意はもちろんのこと、最終面接では業界に対してどれだけ関心や熱意があるかを重視している企業も多いです。企業だけでなく、業界に対する志望理由も必ず確認し、答えられるように対策しておきましょう。

内定者の回答

私は幼い頃から母の影響で手芸などものづくりに興味があり、中学生以降には自分で服を作るなど、ファッションにも興味がありました。

私は一度興味を持ったことに対して何年も長く取り組む特徴があり、これは一つのことを始めたら中途半端な理解で終わらせず深く極めたいと思うためで、進学するにつれて服についてより学びたいと思い大学でも服飾を専攻しています。大学の友人とはファッションショーを作り上げるなど、長く続けてきたファッションが私の中で追求したいものとなっていました。

ただものづくりをするのではなく社会に影響を与える服を扱いたいと思い、卒業してからも将来にわたってファッションに関わっていきたいと考えるため、アパレル業界を志望いたしました。 (2021年卒 お茶の水女子大学 ファーストリテイリング 地域正社員 内定)

内定者の回答

私が金融を志望している理由は学生時代のエピソードが色濃く出ています。

高校一年生からマクドナルドで働いていて、ハンバーガーを販売する仕事を6年間続けてきました。ある日気づいたことは、お客様が消費を選択する時に重要視することはハンバーガーの価値に依存していると思いました。私や従業員のサービスや店内の清潔さももちろん影響はしていると思いますが、やはり最終的に買う買わないの選択を行うのは、有形商材の価値に依存していると考えています。私の検討や意思決定がそのまま商品価値につながる無形商材を扱う、金融業界に魅了を感じたのがきっかけです。

無形商材を扱う上で、お客様との信頼関係構築が何よりも大事だと考えているので私の強みである観察力でお客様との信頼を構築していきたいです。 (2021年卒 慶應義塾大学 住友生命保険 総合キャリア職 内定)

内定者の回答を分析すると、学んできたことや価値観が、どう業界の志望理由につながっているかを伝えていることがわかりました。

最終面接では経営層によって、「入社後も長く働き続ける覚悟があるか」「本当に志望度が高い学生か」を見極められるので、経験や価値観を根拠にして説明しましょう。

さらに今までの面接以上に、「なぜほかの業界や企業ではダメなのか」という厳しい深掘りもはじまります。志望業界や企業でなければ実現できないこと、入社後のキャリアビジョンまで伝えられるように準備しておくことがポイントです

⑫なぜ当社や業界に興味を持ったのですか

役員や社長などが「この学生は本当に弊社を志望していて、長期的に貢献してくれるのか」を判断するために聞かれる質問です。一次・二次面接よりも突っ込んだ質問をする企業もあるので、深掘り対策もしておきましょう

最終面接の通過者は、深掘りされた質問に対してどのように回答していたのでしょうか。

内定者の回答

事業領域の広さと扱うことができるデータの幅広さに興味を持ちました。特に、ヘルスケアの領域ではなく、食品・栄養のデータを扱った仕事をしたいと考えています。

というのも、私が所属している学部では、これまで認知科学や心理実験の講義やそれらの統計分析も扱いました。これらを生かして研究開発の方々と協力しながら人の味覚を化学的・統計的有意性を考慮した商品開発を行いたいと考えています。

私は、元々認知系に興味があり、敢えて情報系の学部の中で、文理融合の本学部を選びました。大学時代、文理の価値観が異なり、苦労もしましたが、メンバーで協力して困難を乗り越える方法を3年間かけて習得できたと感じているので、これらを生かした仕事をしたいです。 (2021年卒 同志社大学 味の素 コーポレート部門 デジタル・情報システムコース 内定)

就活会議に寄せられた口コミのなかでも、多くの内定者は、志望企業や業界の詳しい事業内容を出しながら、就活の軸や自分の思いと結びつけて説明をしていました。

最終面接では、経営層が「この学生なら自社のビジョンに共感し、体現してくれそうだ」と確信できる志望理由が求められるため、志望企業や業界の目指す方向性と自分のキャリアプランが一致していることを伝えられると、働いている姿をイメージさせやすくなるでしょう。

さらに、入社したらどう貢献できるかまで伝えられると、より熱意を感じてもらいやすくなります。

⑬なぜ他社ではなく当社を選んだのですか

この質問は、「当社のどこに魅力を感じましたか」よりもさらに踏み込んでいるのが特徴です。「競合他社の選考も受けている中で、それでも当社を選ぶ理由は何か知りたい」という思いで質問されるため、第一志望であることを同業他社との違いを踏まえて説明できるようにしておきましょう。

内定者はどのように同業他社との違いを経営陣に説明したのかを紹介します。

内定者の回答

世の中の変化に、これからも対応して行ける企業であると思ったからです。

一度、御社は、写真フイルムからの事業転換を経験しており、変化に対応するという点で他社にはない強みをもっていると感じました。また、現在も新たな価値を創造していくことを意識して、自ら変化を作り出そうとしているので、これからの時代のトップランナーでいられる企業であるとも思いました。

私も、これから、生き残っていくためには柔軟性をもち、どんなことにも対応できる社会人になるべきだと思っているので、御社のような環境に身を置くことが最適であると考えているからです。 (2021年卒 大阪府立大学大学院 富士フイルム 総合職(技術系) 内定)

例文から「志望企業特有の取り組み」を説明している点が、内定につながっているとわかります。内定者は「写真フイルムからの事業転換」など競合他社にはない技術を挙げて、その企業で身を置きたいという意思をアピールしています。

経営層は一次や二次の面接官たちよりも、シビアに「競合他社の内定を蹴ってでも当社を選ぶ理由があるか」を判断するため、第一志望だと納得してもらえる理由を伝えることが重要です

また、入社後の活躍を「確信しています」「最適だと考えます」と断言することで、熱意や覚悟の高さを伝えられます。

⑭入社後に実現したいことはありますか

最終面接でキャリアプランを聞かれるのは、企業のために貢献したいという気持ちがあるかを見極めるためです。内定を見据えた質問として、やりたいことと会社の方向性にズレがないか、入社後のミスマッチを防ぐ意図もあります。

答え方のコツとして、紹介する例文のように自分の成し遂げたいことだけではなく、企業の売上や発展に貢献できないかまで考えてみてください。

内定者の回答

海外店舗に行きたいと思っています。最初は国内の店舗配属なことは理解していますが、そこで修業を積んだ後は、海外に行って、自分の力を試したいと思っています。

特に、ユニクロは風通しも良く、若手が声を上げやすい環境だと伺いました。2年目からニューヨークに配属になった方もいらっしゃると伺いました。その方に続けるよう、頑張りたいと思います。

海外の店舗に行った後は、商品開発に携わりたいと考えています。ユニクロに入りたいと思ったきっかけは、世界中に安価で質の良い衣類を提供したいと考えたからです。それを達成することが出来るのは商品開発の部門か、経営企画の部門であると考えました。

商品開発に携わった後、総括として、経営に携われればと思います。 (2019年卒 上智大学 ファーストリテイリング グローバルリーダー候補 内定)

内定者の回答

入社後はまず店舗運営部にて、数値分析力をつけたいです。お客様と直接コミュニケーションを取ることができる唯一の部署だからこそ、数値分析でニーズにあった売場作りを行い、お客様が求めているものを得ることができるようにしたいと思っております。

次に広告宣伝部に異動し、人々が初めて商品を知るきっかけづくりの根幹に携わりたいです。その後商品部に異動し、お客様のさまざまなワクワクの形に合った商品づくりを行いたいと思っております。

魅力的な商品を作り、それを世に広め、実際にお客様の手に取ってもらうことを経験することで、人々のワクワクのきっかけづくりに貢献できると考えております。 (2025年卒 北海道教育大学 ニトリ 総合職 内定)

内定者の例文のように、最終面接では入社後に取り組みたいことや数年後に目指したい姿を、志望職種と絡めて話すのがポイントです

面接官に「この学生と一緒に会社の未来を築いていきたい」と感じてもらえるよう、 企業が今後力をいれる事業や経営方針もリサーチしたうえで、自分の描くキャリアプランが利益や成長にどうつながるかまで伝えられると、企業研究が行き届いていることのアピールになります。入社への十分な熱意が面接官に伝わるでしょう。

⑮企業選びの軸は何ですか

最終面接の段階では複数社から内定を得ている学生も多いため、本当に当社に入社してくれるのかを判断する目的で聞かれます。

企業選びの軸が志望企業の理念や事業内容とずれてしまうと、「この学生は内定を出しても入社しないのでは」と思われかねません。このあと紹介する内定者の回答から、自分の企業選びの軸と志望企業の思いがどのように結びついているかを学んでみてください。

内定者の回答

私の就職活動の軸は「技術と人々を繋げる仕事ができるか」です。

その軸の中で御社を選んだ理由は、事業に対する姿勢と目標の実現可能性が最も高いと思ったからです。OB訪問をさせて頂く中で、社員の方々はただシステムを言われた通りに作り運用するだけでなく、顧客の真の課題解決に貢献しようとする姿勢を感じました。

また、御社がプラットフォームを作る事業に注力をしており、他業種を巻き込んで社会を発展させており、それができる実現力や技術力も含めて、私の目標を実現できる可能性が高いのだと考えました。 (2022年卒 慶應義塾大学 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)

企業選びの軸と志望企業への思いをつなげられています。OB・OG訪問の経験や具体的な事業内容を出すことで、志望度の高さも伝わってくる例文です。

企業選びの軸が思いつかない場合は、まず「そう考えるようになったきっかけは何か」から考え始めてみてください。「この企業でどう実現できるのか」まで言語化できると、面接官が納得する回答を準備することができるでしょう。

⑯当社の事業に改善提案をしてください

最終面接では、製品やサービスの理解度も重要な評価基準となります。この質問はメーカーやIT企業で特に聞かれることが多く、「学生が入社後にどのような価値を発揮できるか」という実践的な面や、「サービスや製品を深く理解しているか」という企業への熱意を改めて見極めるための質問です。

内定者のなかには、「商品1つについて売れているポイントと改善点を教えてください」という質問に対し、細かな点にまで着目して改善提案をしている例が見られました。

内定者の回答

私はGUの「ヘビーウェイトビックスウェットパーカー」が売れると思います。

理由は2つあります。1つは女性客のニーズです。メンズの商品ですがパーカーは男女着るもの、さらにオーバーサイズという流行もあるのでGUのメインターゲット層、女性にも購入を期待できます。

2つ目はフードの立ち上がりです。高いパーカーはフードの立ち上がりが綺麗、この当たり前を低価格で実現することで同じ物なら安い方を選ぶお客様は増えます。

私なら2つの変更をし、この商品の売り上げを2倍にします。1つは裏起毛から裏毛にすることです。GU顧客を狙います。暑がりのお客様は裏起毛を買わなくても、裏毛だから買わないお客様は少ないと思います。また裏毛なら秋、冬、春と販売シーズンも長く出来ます。

2つ目はサイドにスリットを入れることです。他社パーカーとの差別化、トレンドのレイヤードを取り入れ新規顧客を獲得します。 (2021年卒 中央大学 ファーストリテイリング グローバルリーダー候補 内定)

ただ自分の意見を述べるだけでなく、志望企業の現状や流行を理解したうえで、実践的な改善のための提案ができています。

ポイントは、消費者視点ではなく、企業の一員として企業の価値を高める視点。改善案を伝えて終わりではなく、なぜその改善が必要か、新たに顧客を獲得できるか、競合との優位性はあるかなども話せると評価が高まります

最終面接は、あなたの魅力をアピールできる最後のチャンスなので、アイデアやビジネス的な視点があることを積極的に伝えましょう。

⑰あなたは当社の社風に合う人材ですか

最終面接で「社風に合うと思いますか」と聞かれるケースは少ないですが、似た質問をされる場合があります。この質問を聞かれる理由は、最終面接では実際に一緒に働くことを前提に、会社の価値観や社風に合うかを経営層が重視しているためです

似たような質問だと、下記のようなものが挙げられます。

内定者のなかにも、社風に合うかどうかが内定のカギだと話している人が見受けられました。

内定者からのアドバイス

特に社風に合うかどうかは重視されるため、社風と絡めて自分のガクチカや自己PRを作成するとアピールできると思います。 (2024年卒 Sky 開発職 内定)

内定者からのアドバイス

社風に合うかどうかが重要だと感じる。

雰囲気が明るく、チームワークを大切にしたい人が集まっている印象なので、その経験があることをアピールできるかどうかがとても大切だと感じる。 (2025年卒 三井住友海上 総合コース エリアコース 内定)

アドバイスにもあるように、社風と絡めて自身の性格や経験を言語化できるようにしておくと、「社風に合っている人材だ」と感じてもらいやすいことがわかるでしょう。

社員と話した印象やインターンでの雰囲気から「こういう人が活躍している」と分析したり、ホームページでの社員インタビューを読んだりすることで社風をつかみやすくなり、最終面接でも説得力のあるアピールになります。

⑱他社の選考状況を教えてください

内定辞退が起きると、採用計画が変わったり追加の採用コストが発生したりするため、確実に入社してくれる人材を求めるべく、最終面接で入社の意思を確認されます。他社の選考状況に正直に答えて、志望企業への熱意も忘れずにアピールしましょう。

一見答えづらい質問ですが、内定者たちはどのようにこの質問に回答したのでしょうか。

内定者の回答

私は、保険系を中心に就職活動をしていました。現在面接を受けているのは、明治安田生命、第一生命、ジブラルタ生命などです。

ほとんどの企業のインターンシップに参加させていただきましたが、それを踏まえて御社が第一志望です。御社の社員の皆さんの私に対する真摯な姿勢を見て、お客様にもきっとこのように真摯で誠実な姿勢なのだろうと感動いたしました。

それぞれの企業で色が違って、中でも自分に合っていると感じたのが御社です。尊敬できる皆さんとともに働かせていただきたいと強く感じております。

もし、御社で内定をいただけたら他社の選考をお断りしたいと考えています。ぜひ御社で働かせていただきたいです。よろしくお願いいたします。 (2021年卒 富山大学 日本生命保険 営業総合職 内定)

内定者の例文から、他社の選考状況を正直に伝えつつも、志望企業がどの点で競合と異なっているかを説明する必要があるとわかります。他社にはない志望企業の魅力や独自性を挙げて、第一志望である理由を伝えましょう。

また、志望業界や職種が違いすぎると、面接官は「この会社を本当に志望しているのだろうか」などの疑問を感じます。そのため、志望業界や職種が一貫していることを伝えるのがポイントです。競合他社との違いも説明できれば熱意が伝わり、採用リスクを懸念している経営層も納得してくれるでしょう

⑲希望の配属先でなかったらどうしますか

最終面接では、希望の配属先ではなかった場合の考えや対処法を質問されます。入社後に希望とは違う部署に配属されても、不満を抱えずに前向きに業務に取り組み、成果を出せる人材かどうかを判断するためです。

「希望する部署に配属されたい」という思いがあるのは良いですが、どの部署に配属されても前向きに仕事に向き合えることを伝えましょう。

内定者の回答

私は今まで様々な壁にぶつかり、いつもの挑戦をして乗り越えてきた。挑戦の先に成長があることを実感してきた。よって、配転教育制度でもし自分が希望している部署ではないところに配属されても、自分が新たに挑戦して成長するための必要な経験であると考え、一生懸命取り組みたいと考えている。

また、自分の希望していない部署に行けることは配転教育のメリットでもあり、自分の新たな可能性を発見し、視野を広げるチャンスになると考える。最終的に目指している部署を目指して、様々な部署で経験を積み、広い視野で物事を考えられるような人材になりたいので、配転教育でどんな部署に配属されても頑張りたい。

自分が目標としてるスペシャリストに一歩一歩近づきたい。 (2022年卒 関西学院大学 ニトリ 総合職 内定)

この学生は、「希望職種に就けなくても、前向きに働ける」ことをアピールできている点が内定につながっているとわかります。配属の希望が叶わなくても、企業理念やビジョンに共感している学生なら、主体的に会社に貢献してくれると判断できるでしょう。

入社意欲を伝えるには、就活の軸があるからこそ希望部署でなくても取り組める姿勢を伝えたり、どんな部署でも貢献できることを説明できたりすると評価につながります。過去の経験で置かれた環境で努力した話などを根拠に、あなたの意欲を伝えましょう。

⑳最後に何か伝えたいことはありますか

最終面接は最後の面接の機会になるので、学生が伝えきれていない強みや熱意など、言い洩らしたことがないように確認するため、この質問をされることがあります。

自己PRや志望度の高さをアピールする最後のチャンスなので、「伝えたいことはありません」で終えるのはもったいないです。あなたの思いを存分にアピールする機会にしましょう。

内定者の回答

本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

私は、現在内定を保持している状態ですが、貴行が第一志望のため本日は面接を受けにきました。

私自身口下手で、話が少々長くなってしまったところもありましたが、この少ない時間で私の魅力であったり、貴行への熱意が伝わっていれば幸いだと考えています。

将来的に私の憧れである貴行の社員様たちとレベルの高い仕事ができることが叶えばいいなと思っています。

改めまして本日は貴重なお時間をそして私の話を親身に聞いてくださりありがとうございました。 (2025年卒 東京都立大学大学院 三菱UFJ銀行 システム・デジタルコース 内定)

他社の内定がある場合でも第一志望であること、入社後の目標を伝えれば「他社と比較したうえで当社を選んでくれた」と納得してもらえるでしょう。また、ここで面接の感想と入社後の意欲を伝えられると、「何としてでも入社したい」という熱意も伝わります。

最終的な合否の判断のときに、面接官は「この学生と一緒に働きたいか」「入社意欲は高いか」を重視するため、最終面接の最後にもう一度志望度の高さをアピールすることが大切です。

㉑最後に何か質問はありますか

最終面接では、必ずといって良い程「何か質問はありますか」と聞かれます。働くうえでの疑問を解消する目的もありますが、最後に改めて入社意欲や企業への関心度を判断する意図もあります。

「質問はありません」と答えてしまうと熱意が伝わらないので、最低でも5個程度は逆質問を用意しておきましょう

内定者が実際にどのような質問をしたのかも、ここで紹介します。

内定者の回答

生産技術職は自分の周囲にも知り合いがおらず、キャリアプランがまだ漠然としている部分があるため、その説明をお願いしたいです。 (2020年卒 京都大学大学院 花王 技術系 生産技術職 内定)

この逆質問は、興味ある事業や商品に触れて、それに関連するキャリアを聞くことで、長期的に会社に貢献したい熱意が伝わる点が良いポイントです。ほかにも、経営目線で事業課題や戦略について質問したり、入社後の働き方などを質問したりすることで、入社意欲が伝わりやすくなるでしょう。

注意点として、「現在の事業内容を教えてください」のように、企業HPを見ればわかる情報を質問するのは、企業に対する理解度が低いと思われてしまうため避けたほうが無難です。

「学生時代にマーケティングと英語を学んでいたので、御社の海外展開事業に携わりたいです。今後の展望を教えていただけますか」など、自分の経験を絡めて具体的な質問をする準備をしておきましょう。

最終面接で聞かれること|内定者の回答の共通点5選

最終面接で聞かれること

最終面接まで進んだからといって油断は禁物。頻出質問を対策するだけでは、内定獲得は難しいでしょう。

就活会議の口コミを分析すると、内定者たちはただ最終面接の回答の対策をしているだけでなく、5つの点を意識できていることがわかりました。ここからは、内定を獲得した先輩たちの回答の共通点を解説します。

共通点を理解できれば、最終面接で経営層が求める人材像がわかるため、どんなことを聞かれても評価につながる回答ができます。

最終面接当日まで時間がない人は、「⑤面接官とのコミュニケーションを意識している」の項目だけでも対策しておくのがおすすめです。

①入社意欲を改めてアピールしている

最終面接まで進む学生は既に基本的な能力や適性は認められているため、最終的な合否を分けるのは「志望度の高さをどれだけ伝えられるか」です。

採用にはコストがかかるため、企業は「入社するか分からない学生」に時間や費用をかけたくありません。だからこそ、志望度が高く、確実に入社してくれそうな学生を見極めたいと考えています。

最終面接でも改めて入社意欲を伝えることで、内定につながる可能性は高くなります。以下の内定者の実際の回答を参考にしながら、自分の言葉で入社意欲をしっかりと伝えられるよう準備しておきましょう。

内定者の回答

本日は貴重な機会を頂きましてありがとうございました。面接を通じての私の熱意や「挑戦と縁」を大切にしている姿勢が少しでも伝わっていれば嬉しいです。

この私の熱意は中学時代に経験した○○からきていて、それ以降、どんなことに対しても常に上を向いて全力で取り組んできました。

これから富士フイルムさんにご縁があって入社することになっても「どんな職種でもどんな仕事でも自分で目標を決めて頑張っていける」と思っています。「できるか・できないかではなく、やるか・やらないか」だと思っていますし、不器用なので沢山迷惑をかけると思うのですが、必ず結果で恩返しします。

もしよろしければ僕にチャンスをください!本日はありがとうございました! (2022年卒 明治大学 富士フイルム 事務系総合職 内定)

この例文は、「最後に言いたいことはありますか」と聞かれた際の実回答です。自身の性格を改めてアピールしており、いかなる状況でも業務をやり切ってくれそうな姿勢や、並々ならぬ熱意が感じられます。

最終面接まで選考が進んでいれば、一次や二次面接を通して見えてきた企業の雰囲気や、選考の中で感じた企業への熱意を入社意欲の中に入れ込みやすくなるため、これまでの選考内容を思い返して、そこで感じたあなたなりの思いを存分に伝えてみてください

②具体的なエピソードを交えて弱み・強みを話している

最終面接では一緒に働く姿をイメージしてもらうことが大切なため、具体的なエピソードを交えながら強みや弱みを展開できる学生が内定を獲得できています。

以下のように、どのような場面でその強みを発揮できるのかや、苦手なことでも改善に向けた努力をしていることをアピールしましょう。

内定者の回答

強みである「行動力」と「周囲を巻き込む力」を活かして、アルバイトや部活動の経験のように、積極的に社内の技術の方々や、取引先と密にコミュニケーションをとることで、関係者のことを深く理解して、協力関係を構築して足並みを揃えていきたいと考えています。

反対意見に対しても、なぜ受け入れてもらえないのか、根本的に理解して一つ一つ解決策を導いて納得のいく交渉を実現したいです。

調達はいろいろな人と関わるため、相手の立場を把握して相手のことをしっかり理解することが大事だと考えています。そのうえで相手が理解しやすいように端的に明確にはっきり伝えることができると考えています。 (2022年卒 千葉大学大学院 ソニーグループ 調達 内定)

内定者の回答

私の弱みは少し慎重すぎるところがある点です。学部時代に行ったチーム開発においても、自身がリーダーを務め、テーマに対してしっかりと物事を進めたいという考えから慎重になってしまい、一歩目を踏み出すのが少し遅くなってしまい、プロジェクトの進行に支障をきたしてしまった時期がありました。

このような状況を打破すべく、私はゴールから逆算をしたのちに、現在からいつまでにどういう状況になり、何を結果として出さなければならないのかを俯瞰して考え、期限と成果を明らかにしたうえで行動に移すことによって短所を克服するように心がけています。 (2025年卒 東京理科大学大学院 Sky 開発職 内定)

内定者は、強みを発揮した経験を具体的に説明して、仕事の際にもその強みを活かして働けることをアピールしています。また、弱みに関してもその弱みを努力して克服しようとしている方法を示しているため、学生の弱みが出てしまいそうな状況でも乗り越えられる人材だということが伝わる文章です。

強みや弱みは一次や二次面接でも聞かれる質問ですが、最終面接では入社後を見据えて、経営層の視点から「その強みを活かして働けるか」「弱みを克服して仕事に臨めるか」が評価されます。だからこそ具体的なエピソードを展開し、説得力を持って強みや弱みを面接官に伝えるようにしましょう。

③入社後の貢献方法を具体的に説明している

最終面接では、学生を採用してコストに見合うリターンがあるかという視点でも評価しているため、過去の経験を志望企業や職種でどう発揮するか、企業にとってどんなメリットがあるかを説明できる学生が内定を獲得しやすいと言えます

実際にSkyの内定者は、入社後にやりたいことを聞かれた際に以下のように具体性を持って回答していました。

内定者の回答

ICTソリューション事業で開発職に就き、自社パッケージに関わりたいです。理由は2つあります。

1つ目は、自分たちで企画・設計を行い、エンドユーザーから直接反応を貰うことが出来るため、商品を伸ばせる点に興味を持っているからです。また、今後、自社パッケージを様々な市場に展開していくとお伺いしたため、自分の考えが形になり、広がっていく姿を見れる機会が貴社にはあると考えたからです。

2つ目は、大学時代学んだことを形に出来ると考えたからです。例えば、貴社の「Sky Menu」は、教員の負担軽減や子供たちの学力向上などの教育課題の解決をしています。私は、大学時代、社会課題について学んできたため、その知識を生かせるのではと考えました。 (2022年卒 法政大学 Sky エンジニア 内定)

この学生は、興味を持っている分野にかかわりたいという意思のみならず、大学時代の学びを活かしてどう貢献できるかを、企業のサービス内容と結び付けて伝えられています。たとえ大学で学んだことが事業に関係ないことだとしても、自分の活かせる領域はないかを模索し、提案できている点が評価につながったのでしょう。

最終面接では、今までの選考よりも「入社後にどのような価値を発揮できるか」が重視されます。「この企業で活躍できる人材だ」と自信を持って伝えるためにも、あなた自身の経歴を具体的に、かつわかりやすく説明できるように準備しておきましょう。

④課題解決能力の高さをアピールしている

最終面接では「この学生は課題に直面しても、乗り越えて成果を出してくれるか」ということを経営層の視点で評価しているため、課題に直面したときに、どのように考えてどう行動したかを説明できる人が、会社に貢献できる人材として評価してもらいやすくなります

たとえば、以下のような受け答えをすれば課題解決能力をアピールできます。

内定者の回答

陸上部の部長として活動し、リレー種目で地方インカレ入賞まで導いた経験がある。

入部当初から感じていた課題として、同じ練習メニューに取り組んでも、伸びる選手と伸び悩む選手が混在していた。この原因について、短距離特化型と長距離特化型といった身体特性の異なる選手が同一の練習を行っていることに着目した。

解決策として、部長という立場を活かし、各メンバーの記録や身体的特性を理解し、個々に合わせた練習メニューを作成した。さらに、練習後にはメンバーとの意見交換の時間を設け、彼らからのフィードバックを受けながら練習ノートに反映させた。

これにより練習メニューを随時最適化させた。結果として、自分から新メニューの提案をする程意欲が高い選手が増え、選手の記録も伸びた。 (2025年卒 東北大学大学院 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)

例文のように、課題解決のために起こした行動を具体的に説明できれば、「仕事でもこのように課題解決をしてくれるだろう」という仕事への向き合い方が伝わり、納得感のある回答ができます。

入社後の働きぶりを知りたい経営層の意図を汲み取り、課題を解決した経験を志望職種や企業の特徴と結びつけてアピールしてみましょう。

⑤面接官とのコミュニケーションを意識している

最終面接では強みやスキルのほかにも、「一緒に働きたいと思える人柄か」「社内外で良好な人間関係を築けそうか」などの人間性も、経営層が重視しているポイントです

内定者からのアドバイスでもわかるように、話し方や受け答えの姿勢も評価対象になります。質問に詰まらずに回答できるか、声の大きさや面接官のことを考えた行動などを意識できる人が内定獲得につながっていると言えるでしょう。

内定者からのアドバイス

事前に準備したエピソードや回答の文章をそのまま読み上げるとすぐに相手にはわかってしまうので注意した方がよい。

コミュニケーション能力も評価ポイントであるため、その時の質問に的確に答え、またそれが自分らしい表現の仕方であることが大切だ。 (2022年卒 国際基督教大学 ソニーグループ セールス&マーケティング 内定)

内定者からのアドバイス

面接は普通に厳しいと思うので、全力で臨んだ方がいい。また、ポジティブギャップをいかに生み出すかが重要になってくる。

面接会場に入った時の声の声量や、相手のことを考えて、行動しつつ自分の良さもアピールすること。これが、一番の内定への近道ではないのかなと思う。 (2022年卒 横浜国立大学 味の素 総合職 内定)

内定者のアドバイスからもわかるように、「面接官に話を聞いてもらっている」ということを考えたうえでコミュニケーションをすることが大事です。最終面接だからこそ自分のことを余すことなくアピールしたかったり、役員を前に緊張してしまったりする気持ちもありますが、あくまで「会話」という意識を持って臨みましょう。

まずは無料で手軽にできる対策として、大学内で開催されている模擬面接に参加して、本番に近い環境で練習を重ねることがおすすめです。

最終面接で聞かれることの回答準備方法

「最終面接で絶対に落ちたくない」と考えている人は、ここで解説する回答をブラッシュアップする方法を読み込んでみましょう。

優秀な学生が集まる最終面接では、経営層に「この学生と一緒に働きたい」と思ってもらえることが最重要。最終面接の通過率をさらに上げるべく、効果的な方法を押さえましょう。

回答内容に一貫性があるか確認しておく

最終面接の面接官は一次・二次面接の評価シートや録画を事前に確認していることがあるので、内容に一貫性がないと信頼性が下がってしまいます。

たとえば、一次面接で「海外事業に興味があります」と話していたのに、最終面接では「全国転勤は望まないです」と答えてしまうと、回答の軸がブレている印象を持たれるでしょう。

そう思われないためにも、志望業界や職種、企業選びの軸など、すべての質問で一貫性を保つようにしましょう。特に、自己PRやキャリアビジョンはほかの企業でも使いまわしている人が多いので、最終面接でずれが出ないように注意が必要です。

回答の一貫性を保つためには、その企業に提出するESのコピーを取ったり、選考前に回答のメモを作成して見返すことをおすすめします。

最低5個は逆質問を用意しておく

最終面接では高頻度で「最後に何か質問はありますか」と聞かれます。最終面接でほかの学生と差をつけたいなら、逆質問の質を高めることを意識しましょう。

気になっていたことが面接の会話の流れで解決してしまうことも考えられるため、逆質問は、最低でも5個程度用意しておくと安心です。どのようなものを準備すれば良いのかは、以下の表を参考にしてください。

逆質問の種類 質問例
経営層の視点に立つ質問 〇〇事業では、変化に柔軟な思考やスピード感が求められると考えています。そうした中で、経営層として期待している新入社員の特徴を教えてください。
入社後の貢献意欲や熱意を伝える質問 〇〇の分野では、〇〇の施策が重要になると考えています。そこに貢献するために、入社までに身に付けておくべきことはありますか。
面接官個人の経験を聞く質問 私も〇〇様と同じ職種を志望しています。入社後の参考にしたいので、今まででやりがいを感じた瞬間を教えていただきたいです。
面接官の役職に応じた質問 (役員への質問)御社で活躍するにはリーダーシップ力が重要だと考えています。経営層として、これからの新卒社員に最も期待していることはありますか。

ほかの学生よりも質の高い逆質問をするコツは、質問の意図がわかりやすいことと、仮説を立てて質問することです

たとえば、入社までにやっておくべき対策を知りたいときに、「入社までに準備しておくべきことはありますか」と質問するよりも、「マーケティングの分野では、数値から傾向を読み解く力が重要になると考えています。そこに貢献するために、入社までにすべきことはありますか」と聞くほうが入社意欲が伝わり、ほかの学生より質の高い逆質問になります。

社長や役員の情報・企業理念を改めてリサーチしておく

最終面接では社長や役員が面接官を務めることが多いので、一次・二次面接よりも深く企業への理解が求められます。

たとえば、社長が「社員の挑戦する気持ちを大切にしている」と発言していれば、挑戦した経験を自己PRすると良い評価をしてもらえるかもしれません。また、志望職種の経験がある役員が面接担当者なら、逆質問で業務に関する質問をして、熱意の高さをアピールできるでしょう。

ホームページの「社長メッセージ」はもちろん、社長や役員のインタビュー記事や書籍などを確認し、入念に調べ上げないとわからない深層の部分を理解できるようにしてみてください

どのような役職の人が最終面接を担当するのか事前にわからない場合は、人事に問い合わせたり、経営陣全体について調べたりしておけば、どの面接官でも対応できるでしょう。

OB・OG訪問をおこない社風や働き方を深く理解しておく

最終面接では、入社後のミスマッチが起きないように、学生が社風や働き方をどれほど理解しているか、大切にしている価値観と学生の思いがどのくらいマッチしているかなども評価されます。

そのため、OB・OG訪問をして、社風や働き方を自分の目で理解しておくことが大切です。社員に仕事のやりがい・厳しさを聞いたり、入社理由とそのギャップを教えてもらったりすれば社風や働き方の理解が深まるでしょう。

OB・OG訪問で学んだことを、「OB訪問で◯◯さんにお話を伺った際、御社では、チームで協力しながら助け合う文化を大切にしていると伺いました。私の強みである協調性を発揮して働けると感じたため、御社を強く志望します」などというように伝えられれば、十分なアピールになります。

OB・OG訪問をすれば、実際に働いている社員の様子から、企業や業務の雰囲気を知ることができます。これらは、OB・OG訪問をしたからこそ引き出せたことです。これらの内容を選考で活かせれば、「ほかの学生よりも十分に企業研究ができており、熱意が伝わる」と、面接官に評価してもらえるでしょう

最終面接で聞かれることを押さえて内定への最後の関門を突破しよう

この記事では、最終面接でよく聞かれる質問や通過率を高めるための回答のブラッシュアップ方法を解説しました。

最終面接は、経営層が「この学生を採用して問題ないか」を最終判断する場。ほかの学生よりも志望度が高いこと、志望企業とのマッチ度が高いことをアピールできるように準備することが何よりも大切なのです。

内定者の回答例文を参考にしながら、最終面接で聞かれる質問の受け答えをあらかじめ用意して、一歩でも内定に近づきましょう。

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この記事の編集担当者

望月 晨生

新卒で寝具・家具メーカーに入社後、大手ECサイトの販売を担当。寝具や家具にまつわるオウンドメディアの立ち上げに携わる。自分で何かを作り上げることに魅力を感じ、ライター職に転職。現職では就活会議のコラム立ち上げに携わり、ライター・編集ディレクターを担当。

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編集責任者

江副 裕斗

大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める

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