CREATED ON 2025.06.20 | UPDATED ON 2025.11.28

三菱商事就職ガイド｜内定者が実践した選考通過のコツ3選

こんにちは。就活会議の望月です。 5大商社の中でも、最大の売上を誇る三菱商事。生活に根差した事業から、宇宙に関連するビジネスモデルの創出まで、幅広い分野で事業展開しています。海外展開にも積極的なため、いろいろな事業に挑戦したい学生や海外志向のある人から根強い人気があり、人並みの対策では合格ができない難易度の高さです。 この記事では、口コミサービス「就活会議」の口コミ・統計データをもとに、三菱商事合格のコツを探ります。三菱商事が第一志望という人や、商社業界が気になっている人は必見です。

3分でわかる「三菱商事」

三菱商事の選考対策に入る前に、最低限知っておくべき基本情報をまとめました。三菱商事のことをよく知らない人はもちろん、きちんと調べ上げている人もおさらいの意味も込めて確認しておきましょう。

まずは、三菱商事の基本事項、就活会議のデータを元にした就職難易度について解説します。

三菱商事での働き方や選考対策については、就活会議のYouTubeチャンネルでも解説しています。気になる人は「【動画解説】三菱商事の働き方や選考対策をチェック」から動画を見てみましょう。

三菱商事とは

三菱商事とは、日本の大手総合商社の一つです。国内だけでなく海外にも事業を展開し、資源の供給や事業への投資をおこなっています。

1954年に創立された三菱商事を支えるのは、「三綱領」という企業理念。社員の行動規範となり、仕事への取り組み方や人材育成の側面など一人ひとりに深く浸透しています。事業もこの理念に基づいているのが特徴です。

どのように浸透しているのか、言葉の意味をしっかり把握していくことがまずは重要な対策となります。OB・OG訪問などでも社員一人ひとりが考える「三綱領」について質問してみると良いでしょう。

三綱領のそれぞれの意味は以下の通りです。

また、三菱商事では2024年度から現在の8つの営業グループ体制を取るようになりました。「営業」というとセールスのイメージがありますが、実際の役割ははるかに広範です。各事業をおこなう「事業部」のようなイメージを持てば良いでしょう。

8つの営業グループとその仕事内容は、以下の通りです。

• ①地球環境エネルギー
  カーボンニュートラル社会への貢献を目指す社会貢献性の高い事業となり、同社で2番目の純利益を誇ります。化石燃料などのエネルギー事業から再生可能エネルギーへの展開といった事業環境の変化に対応するため、2050年に「温室効果ガスの排出量実質ゼロ」を目指すなど、注力度の高い事業の一つです。
  
  
• ②マテリアルソリューション
  素材産業の競争力を上げると同時に、脱炭素化の推進もおこなっています。これまでの知見を活かし、各領域の強化を目指しながら安定的な収益を稼ぐポートフォリオの実現を目指しているため、同社が今後より一層注力したい事業と言えるでしょう。
  
  
• ③金属資源
  原料炭や銅などの金属資源のトレーディング、資源投資、事業開発を豪州、北米、南米を中心にグローバルに展開。世界的にも高水準のポートフォリオを保有していることから、同社で1番の利益率を誇っています。必要な場に必要な資源が届くよう、引き続き資源の安定供給をするという使命を果たしている事業です。
  
  
• ④社会インフラ
  国内外問わずの都市開発、不動産、船舶、宇宙航空機などの多岐にわたるインフラ事業に取り組んでいます。現時点での利益率はほかの事業と比べて少ないですが、既成概念にとらわれない「解」がない課題において、他グループの知見も取り入れながら成長を図っている、「まさに未来を切り拓く」事業領域です。
  
  
• ⑤モビリティ
  ASEAN地域を中心に、自動運転を中心としたCASE産業の推進をグローバルに展開している事業です。エネルギー、 データを組み合わせ、モビリティの観点から環境に配慮したエネルギー社会の実現にも寄与することを目標にしています。
  
  
• ⑥食品産業
  食にかかわる事業を展開し、持続可能な食料資源の生産や供給にグローバルな視点で取り組む食品産業。近年は、海洋環境の悪化による天然水産資源の減少から、養殖業や、漁業における持続可能性に注力しています。それだけでなく、食品原料や畜産の安定供給の面からも社会問題の解決を図っています。
  
  
• ⑦S.L.C
  Smart-Life Creationの略で、生活者の「より良いくらし（Smart-Life）」の創造のため、小売りやアパレル、ヘルスケアなどのさまざまな角度から事業に取り組んでいます。8つのグループの中では3番目の利益率を誇る中核事業であり、金融やデジタルなどのBtoB事業を通じて、人々の生活を支え、新たな価値創造を目指しています。
  
  
• ⑧電力ソリューション
  再生可能エネルギーを「つくる」「整える」「届ける」といった電力バリューチェーン事業を通じて顧客ニーズに答えています。現時点で純利益率は低いものの、資源を活用したバリューチェーンの創出など、収益化を目指した取り組みをしているため、今後の成長に期待ができる事業の一つです。
  
  

これらの内容に共通するのが「持続可能性」「脱炭素化」「グローバル展開」といった視点です。「持続可能な社会を創造すべく、環境に優しい取り組みを世界規模でおこなう」という取り組みが一貫してなされているように感じられます。

次に、2024年度の純利益比率を見てみましょう。

三菱商事2024年度の純利益比率

参考までに、2023年度の純利益比率も確認してみましょう。

三菱商事2023年度の純利益比率

2023年度の純利益と比較すると、金属資源や地球環境エネルギーの分野が、環境問題や国内市況の低迷などからマイナス影響も多く受けているように見受けられます。しかし、食品産業やS.L.Cの分野は積極的な海外展開や子会社化により、プラスに働いていることもわかるでしょう。

やはりここからも、海外事業展開に注力し、世界的な環境を整えるとともに業績向上を目指していく様子が見て取れます。

5大商事との比較

企業研究をするうえで欠かせないのが競合他社との比較。

三菱商事は「5大商事」の一つであるため、比較したときにどのような立ち位置なのか気になる人もいるでしょう。

そのような人は、ここで解説する内容を、三菱商事なりの強みやポイントを理解する手助けにしてください。

売上比較

今後の事業における将来性を確かめるためにも、各企業の売上比較は必須です。

商社は、多くの商材を扱い、世界中の国とかかわったうえで売上を作り出す業界です。売上高が大きいと、そのぶん世界へのネットワークが広いということにもつながり、企業の安定性の担保はもちろん、新たなビジネスチャンスの創出にも役立ちます。

企業によって売上にどの程度差があるのか、ここで確認しましょう。

5大商事の売上高比較（2024年度）

三菱商事の売上はおよそ19兆円です。2番目に高い伊藤忠商事と比較しても5兆円程の差があるため、圧倒的な売り上げを誇っており、安定性がある企業だということがわかります。

それでは、各企業の純利益はどのようになっているのでしょうか。

5大商事の純利益比較（2024年度）

三菱商事の純利益は三井物産に次いで2番目に高いことがわかります。グローバル展開をしている企業であるからこそ、資源や通貨の価格変動などによって利益の増減はありますが、三菱商事の売上のおよそ5％程の利益を生み出しているため、高水準でキープできていると言えるでしょう。

強みとしている事業内容

面接時の深掘りに対応したり、ほかの学生と差別化したりするには、競合との違いを明らかにすることが重要です。

しかし、「商社の事業内容はどこも似通っていてよくわからない」という人もいるでしょう。そのような人はこの表から、大まかな事業内容を確認してください。

決まった領域で強みを発揮している企業が多いなかで、三菱商事は、広い領域に対して強みが発揮できる基盤が整っています。圧倒的な売上高が、広範囲での活躍を可能としているのかもしれません。

今後の動向

三菱商事ならではの取り組みや、展望についての理解をぐっと深めるためにも、各企業の今後の動向についての理解は必須です。

とくに商社は、「トレーディング事業」から「各商社が主体となり営業をする事業」をおこなうようになったり、海外志向が強まったりと、十数年の間でビジネススタイルが大きく変更しています。そのようななかで、「今後も商社業界には変化が見られるのではないか」と気になる人もいるでしょう。

ここでは、各企業の今後の動向について解説するため、商社の今後の動向が気になる人は押さえておきましょう。

5大商社の今後の動向は以下のようになっています。

• 三菱商事
  ・AIの活用や経営パートナーとの協業から、物資の安定供給や収益力向上を目指す
  ・「脱炭素社会」を目指すべく、環境に配慮した事業展開をしていく
  
  
• 三井物産
  ・「持続可能な未来」をキーワードに、エネルギーや人類の健康課題などの解決を図る
  ・総合商社ならではのノウハウを活かし、グローバル的・産業横断的に解決策を生み出す
  
  
• 伊藤忠商事
  ・経営者・営業・職能人材を現場派遣（ハンズオン経営）させ、業務における効率化と、基礎収益の向上を最優先
  ・経営改革における事業領域の拡大
  
  
• 住友商事
  ・メディア事業や不動産などの、住友商事ならではの強みを持つ分野を徹底的にブラッシュアップする
  ・デジタル技術（DX）と環境問題解決事業（GX）を積極的に各事業へ活用する
  
  
• 丸紅
  ・少子高齢化やデジタル化といった、大きな社会の流れを捉えた事業展開をする。
  ・顧客の潜在的ニーズに対しての事業拡大、投資をおこなう。
  
  

どの商社も、既存事業を活かしながら社会課題の解決に向かって動いていることがわかります。そのなかでも三菱商事は、持続可能な社会を目指すべく、環境に配慮した燃料や、産業跡地の活用などを活発におこなうことを明らかにしています。

環境問題の解決に強く関心を抱いていたり、学びを得たりした経験がある人は、三菱商事の今後の展望を交えて自分の経験を話すと、他者との差別化になるかもしれません。

就職難易度

事業領域の広さや、グローバル展開、安定した企業実績から、三菱商事を魅力的に思う学生も多いでしょう。そのようななかで気になるのは「入社がどれほど難しいのか」ということ。一体、三菱商事の就職難易度はどのようになっているのでしょうか。

就活会議に登録されている学生の出身大学や、エントリー総数などを元に、独自で算出した「就職難易度（5点満点）」や採用倍率を解説します。必ずしも合否を決定づけるものではありませんが、気になる人は参考要素の一つとして活用してください。

三菱商事の選考難易度は5点満点中4.9点で、就活会議に登録されているおよそ2万の商社・卸業界の選考難易度と比べても1.3点程高いです。

また、採用倍率は16.8倍であり、選考に参加した学生のうちのおよそ6％しか内定獲得できないというデータが明らかになっています。

これらの情報から、三菱商事への就職は非常に難しく、内定獲得のためにはしっかりと対策が必要となることが予測できるでしょう。

三菱商事の選考フロー

三菱商事の選考に関する基本情報がわかったところで、本格的に選考対策に目を向けていきましょう。

どのような流れで選考をおこなうのか、2026年卒対象の選考フローをもとに解説します。これまでの記事を読んで「三菱商事の選考に参加したい」と感じた人はぜひ押さえておきましょう。

3月選考は以下の通りです。

6月選考は以下のようになっています。

三菱商事では、「3月選考」と「6月選考」の2度、選考の機会が設けられています。年によって日程は異なりますが、基本的には上記のようなスケジュールとなるでしょう。

また、6月選考といっても、エントリーやESの提出期限は3月選考と大差ありません。「気が付いたら提出期限が過ぎていた」ということがないように注意しましょう。

選考で注意したいのが、最終面接の倍率が非常に高いということ。内定者からは以下のような声がありました。

最終まで行けたからといって油断せず、最後の最後まで「なぜ三菱商事なのか」をさまざまな視点から分析することが大切です。どのように分析、対策をしていけば良いかはこの記事の続きを確認してみてください。

内定者の声から分析！ 三菱商事の志望動機に入れたい3つの要素

三菱商事の概要がわかったところで、いよいよ志望動機の作成に移りましょう。ここでは、就活会議に投稿された内定者の志望動機を元に、三菱商事の志望動機作成において必要な要素は何かを解説します。

多くの企業の選考で必要となるのが志望動機。志望動機では「入社への熱意」や「企業と自分のマッチ度」をアピールすることが重要です。

しかし、三菱商事は就職難易度が高いのが事実。東洋経済オンライン編集部が25卒の学生を対象におこなった就活生1.5万人が選ぶ｢人気企業300社ランキング」では、8位にランクインするほどの人気企業です。

そのため、志望動機がありきたりなものになってしまうと、「志望度が高くないのでは」と判断されてしまいかねません。内定に近づきたいと考える人は、ここで解説するポイントを押さえて、面接官をあっと言わせるものを作成しましょう。

過去にどのような経験をしたか

オリジナリティあふれる志望動機を作成し、面接官の目を惹くためにも、あなた自身が過去にどのような経験をしたのかを振り返り、そのことを提示しましょう。

単に志望理由を話すだけでは、ほかの人に埋もれてしまいます。しかし、経験をベースに志望動機を考えられると、自然とあなたならではの志望動機を作成することができるでしょう。

過去にどのような経験をしたのかを思い出す方法としては、自分史やモチベーショングラフを用いるのがおすすめです。

• 自分史
  過去から現在の自分を、そのときの感情や考えをベースに振り返る方法
  
  
• モチベーショングラフ
  人生におけるモチベーションの浮き沈みを、時系列に沿ってグラフ化したもの
  

経験の内容はどのようなものでも良いですが、後に「三菱商事を志望するきっかけ」と結びつけることを頭に入れておいてください。

経験が三菱商事とどのように結びつくか

あなたの経験と、三菱商事の事業内容がどのように結びつくかの接点を見つけることが、入社意欲を伝えるポイントになります。

内定者のESを見ると、自分の経験と三菱商事の事業や文化の結びつきをうまく提示している例が見られました。その一部を見てみましょう。

大学での学びが、具体的に三菱商事のどの事業内容に一致しているかを提示できています。自分の価値観ややりがいが、三菱商事の文化とどのように一致するのかをうまく伝えられている良い例です。

こうすることで、企業研究の十分さや、唯一無二の経験を伝えられるため、目を惹く志望動機になります。だからこそ、三菱商事の志望動機に入れたい要素なのです。

自分が三菱商事に参画することにより何を成し遂げたいか

あなたの入社熱意を伝えるためにも、志望動機の締めは、三菱商事に入社したら成し遂げたいことを提示しましょう。

実際に、内定者の実際のESにも、今後の展望が書かれていたものがあります。

三菱商事に共感した点を踏まえて、どのようなことをしたいかを自分の言葉で書かれています。こうすることで、面接官は、学生が入社した後の活躍イメージが湧きやすくなるでしょう。

自分が三菱商事においてどのように貢献できるのか、事業内容や取り組みを参考にしながら考えてみてください。

三菱商事のES頻出質問

就活会議のデータによると、三菱商事のES通過率は78％と、比較的高めです。しかし油断は禁物。人気企業である三菱商事の選考には、ハイレベルな学生や、熱心に対策してきた学生が多く集まります。そのなかで確実に選考通過を目指すには、事前の対策が欠かせません。

今後、質問内容が変更される可能性もありますが、三菱商事の採用ページによると、「高い志」「構想力」「実行力」「高い倫理観」、これらの能力のために自己研磨し続けられる人材が求められているようです。引き続きこれらに紐づく質問がされるとも考えられるため、ES対策の参考にしてください。

①難易度の高い目標達成のために粘り強く取り組んだ経験について

仕事において、目標を設定するのはよくあること。達成のためにどのような行動を取ったかや、目標に至るまでの過程が評価につながることも考えられます。

そのため、この質問では、入社後も「目標に向けて努力できるか」「自ら行動を起こせるか」という点を見られている可能性が高いです。

実際に内定者は、この質問に対して以下のような回答をしていました。

この例文の良い点は、生徒に合った学習法を考え出して結果が出せたことが伝わる点です。一般的な対処法でなく、個人に合った方法を打ち出していることから、どのような目標や課題に対しても、より良い方法を考えて実践してくれる様子が伝わります。入社後も、高い目標に対して、現状の課題をきちんと分析し、成果が出るまで粘り強く対策をしてくれることでしょう。

単に「目標を達成したかどうか」ではなく、「目標達成を目指してどのように取り組んだか」や、「たとえ失敗しても前向きに努力した経験」を思い出して伝えられると良いでしょう。

②変化を起こすために周囲を巻き込んで行動した経験について

社会や市場を取り巻く環境は常に変化するものです。とくに三菱商事はグローバルに事業を展開しているため、社会の変化に柔軟に対応しなければならない場面も多くなります。そうした「大きな変化」に対応するためにも、仕事のやり方や環境などの日々の業務における「小さな変化」はつきものであり、常にアップデートしていく姿勢は欠かせません。

何か変化を起こすべきタイミングが来た場合、たった一人で動きだすのは難しいでしょう。ときには目上の人や他社の人などを巻き込んでも、結果を出さねばならないこともあります。そのようなときに問われるのが「他者を巻き込みながら主体的に行動できるか」という点なのです。

内定者がどのようにこの質問に対し回答をしたのか、例文を見てみましょう。

「同じ職場で働く人々の不満を減らす」という変化のために、周囲と協力した様子がわかります。この例文の良い点は「多国籍スタッフ」「責任者たち」「上層部」と異なる立場の人にアプローチができていることが伝わる点です。どのような人に対しても調査や提案がおこなえることから、いかなる変化にもさまざまな人を巻き込み、十分に対応してくれることが期待できるでしょう。

いきなり「どのような変化に向けて動いたか」と考えると難しいかもしれません。まずは、「誰かを巻き込んで行動したこと」を思い出し、そのときは何か変化が求められている状況ではなかったかを考えてみましょう。

③三菱商事で手掛けてみたいビジネスや仕事を通して得たい経験について

この質問は、これまでとは少し毛色が異なり、「手掛けてみたいビジネスや仕事を通して得たい経験」といった、あなたの未来について聞かれているものになります。

「三菱商事に対してどのくらい志望度が高いのか」「現段階からどれほど社会人としてのマインドが備わっているのか」という企業に対する理解度や、社会人としての心構えが図られていると言えるでしょう。

内定者がどのように自分の未来について語ったか、例文を紹介します。

この学生ならではの強みと、三菱商事ならではの環境を結び付けることで、数ある商社のなかでも三菱商事であるべき理由が伝わる例文です。さらに「決断力のある人間になりたい」という意思があることから、三菱商事でこの力を養えれば、すぐにでも活躍してくれそうな様子が期待できます。

志望動機ともつながる項目のため、一貫性を持った回答ができるよう準備するのがポイントです。

④あなたらしさが表れている写真について

この質問では、学生の人となりを見ていると言えます。「どのような瞬間に活き活きと輝けるのか」「どのような性格の持ち主なのか」という点が表れている写真を選ぶと、あなたの性格がよく伝わるでしょう。

ここで押さえたいのが、「選んだ写真に基づくエピソードも合わせて記載する必要がある」ということです。「写真を選ぶだけ」と油断せずに、ほかの質問との一貫性が出るようなものをエピソードとともに選択するようにしましょう。

実際に内定者がどのようなエピソードを語ったのか、例を紹介します。

伝えるべきなのは「どんな場面の写真なのか」「そのときの自分の気持ちや学び」です。100文字以下と文字数制限がある場合があるため、それぞれを端的に伝えましょう。

ポイントは、いろいろな要素を入れ込まず、ひとつの視点に焦点を絞り伝えること。さまざまな事柄を伝えたくなる気持ちはわかりますが、ひとつの感情や学びの内容を掘り下げて伝えることで、あなたの人となりが伝わりやすくなるでしょう。

書類選考に通過する人の特徴

それでは一体、三菱商事の選考で通過できるESはどのような特徴があるのでしょうか。就活会議に寄せられた内定者の口コミを分析すると、ある傾向が見えてきました。

それは、「自分なりの経験を話せている」「経験を働くうえでどう活かすかを提示できている」「ES内容に一貫性がある」、この3点を押さえられているということです。

これらの内容について詳しく確認しましょう。

自分なりの経験を過程を交えて具体的に話せる人

企業は面接において、入社後にどれほど活躍してくれるかを見ています。そのため、経験のなかから「働くにあたって活きる能力を具体的に提示できる人」は、ESに通過しやすいと言えます。実際に三菱商事のESでも同じ傾向が見られました。

内定者のES内容を「経験」に焦点を絞ってみると、その内容はサークルやアルバイト、大学受験などと多岐にわたっています。

エピソード内容の粒度もさまざまであり、「受賞すること」「大会出場」というわかりやすい目標に対して突き進むケースもあれば、「部の結束強化」「組織の不平不満の解決」など、日常的な悩みを具体的な工夫で解決したり、取り組んだりするケースが見られました。

ここで、実際のES内容を一つ見てみましょう。

言語力や単語力向上のために勉強したことについて詳しく書かれています。当時の思いや取り組みの結果についても書かれているため、情景が思い浮かべやすいです。

経験を選ぶ際に覚えていてほしいのは、エピソードの「大きさ」は求められていないということ。経験のなかで「自分なりにどう取り組み、どのように結果を出したか」「何を学んだか」ということをきちんと提示できていれば十分な評価につながるため、最低限この2点を押さえておきましょう。

自分の経験を働くうえでどのように活かすかを想像できている人

新卒採用では、働くにあたってのポテンシャルを重視される傾向にあります。そのなかで自分の経験を仕事内容に結び付けられる人は「成長のイメージをできている」とみなされるでしょう。三菱商事のESでも、自身の成長イメージを印象付けられている学生は、選考に通過している傾向にあります。

選考通過者のESを見ると、「経験からどのような強みを得たのか」「経験をどのように仕事に活かせるか」を明示できているものが多いことがわかりました。

地域活性化のために、自分たちでできることを模索して結果を出したことが伝わります。この経験を、将来的にチームマネジメントをする際に活かせるという述べていることで、現在だけでなく将来どのように活躍できるかのイメージも湧きやすいです。

だからこそ、自分の経験をどのように活かすかを想像できると内定に近づきやすいのです。

エントリーシートの内容に一貫性がある人

内容だけでなく、ES全体の一貫性があることも高評価の対象です。特に、三菱商事のESでは、この質問の前に「これまでに挙げた実績や経験を教えてください」という質問があり、この回答を基にしたうえで後4つの質問に答える流れになります。

始めに実績や経験の概要を簡単に聞かれているため、この時点で一貫性が無いと、後の回答に矛盾が生じ、面接官が違和感を抱いてしまうかもしれません。

設問一つひとつを区切って考えるのではなく、「すべての質問が連続している」と捉えたほうが、内容に一貫性を持たせることができます。面接官にも「軸がしっかりしている」と感じてもらいやすくなるでしょう。

三菱商事の面接頻出質問｜面接段階別で解説

ES内容が展開できたら、いよいよ面接について内容を確認していきましょう。

三菱商事の面接は一次〜最終面接の3段階あり、それぞれの段階において形式が若干異なります。

就活会議に寄せられた面接での質問内容を見てみると、どの段階の面接においても一貫して「ESの深掘り」が重要なことがわかりました。

どのようなことが聞かれるのか、詳しく確認していきましょう。

一次面接｜エントリーシートの深掘り

三菱商事の一次面接でよく聞かれるのは、ESを深掘りした内容です。

一般的に一次面接は、学生のコミュニケーション能力を見たり、人柄を理解したりする役割があります。

就活会議の口コミ内容から、三菱商事の一次面接でも、通常の一次面接と目的はおおむね同じで、学生の人柄や過去の取り組みを見られていることがわかりました。たとえば、下記のような質問をされることがあります。

• あなた自身の強みと弱みは何ですか
• 学生時代にがんばったことは何ですか
• 今までチームで何かに取り組んだ経験を教えてください
• 変化を起こすために周囲を巻き込んで行動した経験について教えてください
• 高校のころにさまざまな科目を勉強しておいて良かったことは何ですか
• 大学院で取り組んできた研究について教えてください

ES内容をもとに「どのような人物なのか」を深掘りしていく形式であり、質問内容は人により異なっていました。

また、参加者からは、「一つひとつの質問が鋭い角度から飛んでくる」といった感想も多数寄せられています。そのため、いろいろな深掘り内容を想定しておかないと、うまく答えられずに悔いが残るかもしれません。上記の質問内容に対する回答をあらかじめ考えておき、そこから自分で「なぜ」を問いかけられると、深掘り質問にも対応しやすくなるでしょう。

二次面接｜ケース面接

一般的な二次面接では、志望度や企業とのマッチ度が見られることが多いです。一方で、三菱商事の二次面接は基本的にケース面接であることが就活会議の口コミよりわかりました。

• ケース面接とは
  面接官から提示された話題に関して、限られた時間内で考え解決策を提案する形の面接

実際に出題されたケース面接のテーマも確認してみましょう。

• ケース面接のテーマ
  ・廃棄食材を活用した新規事業を立案してください
  ・学習塾を対象とした新しい事業・サービスを提案してください
  ・現在の物流の課題を解決するための提案をしてください
  ・シェアサイクル事業と他事業を掛け合わせたビジネスを考えてください
  ・トラックを使った新しいビジネスを考えてください
  ・スーパーマーケットとシナジーのある事業を考えてください
  ・SNSと既存事業を掛け合わせた新規事業を考えてください
  ・駐車場とシナジー効果のあるビジネスを考えてください
  ・新聞配達と既存事業を組み合わせたビジネスを提案してください
  

ケース面接だけでなく、ES内容についても聞かれることがあるため、事前に内容をしっかり振り返っておくのも重要です。

ケース面接の質問に関しては、その年や状況により質問が異なります。そのため、上記で紹介した過去のテーマについて、模擬ケース面接をおこなってみるのが良いでしょう。論理的に物事を考えたり、短い時間で自分の考えをまとめたりする練習になるため、「ケース面接」というもの自体に慣れておくことをおすすめします。

最終面接｜エントリーシートの深掘りと三菱商事への志望意思の確認

就活会議の口コミによると、三菱商事の最終面接では、ES内容を元に意思確認や企業とのマッチ度を見られる機会が多いようです。それだけでなく、三菱商事の社員として働く覚悟や展望を聞かれることもあります。

最終面接ということもあり、回答に対する説得力や一貫性が求められるでしょう。最後まで気を抜かないように志望動機やESの内容を振り返り、自分の言葉で話せるように準備することが重要です。

面接に通過する人の特徴｜面接段階別で解説

面接でどのようなことが聞かれるかがわかったところで、通過するのがどのような人なのか気になる人もいるでしょう。

就活会議の口コミを見ると、三菱商事の面接に通過する人は「自己理解ができている人」「それを元に入社後のイメージを深められている人」ということがわかりました。

面接の各段階についてこれらの特徴がどのように活きるのかを解説します。「面接が苦手だからあらかじめ内容を知って練習したい」人は特に注意深くこの項目を見てみてください。

一次面接｜自己分析がしっかりとできている人

三菱商事の一次面接では、ES内容の深掘りが基本です。どのような質問にもテンポよく答えられるよう、自己分析がしっかりとできているかが重要になるでしょう。

就活会議の口コミを見ると、「経験を通じて良かったと思うことは何か」「経験を三菱商事でどのように活かせるのか」というような鋭い質問が飛んできます。

ES内容に関してあらかじめ考え、自分の言葉で説明できるようにしないと、面接中に回答に詰まってしまうかもしれません。そのため、ESに対し「なぜ」が深掘りできている人が通過しやすくなるのです。

反対に、深掘りの段階で「ガクチカは何か」「サークルで何をしたのか」という表面的な質問しか引き出せなかったケースでは、不合格になっている様子も見られました。

面接官から深い質問を引き出すために、ESの作成段階で魅力的な内容を盛り込めているかも重要になるでしょう。

二次面接｜企業理解や業界の展望を論理的に話せる人

三菱商事の二次面接は、基本的にケース面接が中心であり、企業や業界に対する理解力や、それに対し論理的に話せる力も求められます。

就活会議に寄せられたテーマ内容を見ると、必ずしも三菱商事の事業に直結するものだけでなく、一見関係のなさそうなことを聞かれているケースもあるようです。しかし、まったく事業に関係ないわけではなく、業界では注目されている事業や、三菱商事が将来的に参入したい事業に関して聞いているように見受けられます。

そのため、どのようなテーマに対しても油断せずに回答できる人は、面接官から「企業や業界について深く理解できている」と評価されやすい傾向が見られました。

だからこそ、どのようなテーマにおいても、企業を取り巻く環境や業界の動向、将来の展望という視点を持ち、論理的に話を展開することが大切です。より深く対策をしたい場合は、模擬ケース面接以外にも、業界に関連したニュースを確認しておくことをおすすめします。

最終面接｜三菱商事で社会人としての第一歩を踏み出すイメージが湧いている人

三菱商事の最終面接ではES内容の深掘りに加え、三菱商事で社会人としての第一歩を踏み出すイメージを持てているかが確認事項になります。

就活会議の口コミによると、「入社後どのような場面で力を発揮できると考えるか」という入社後の活躍イメージや、「経営人材になりたいと言っていたが、経営人材に必要な要素は何だと思うか」というキャリアに対する意識を問われる場もあるようです。

そのため、「なぜ三菱商事に入社したいのか」はもちろん、「社会人として三菱商事でどのように活躍し、成長したいのか」という「三菱商事で働く姿」をイメージできるようにしておくのが面接突破のカギです。

三菱商事で働くイメージを付けるには、生の声を積極的に集めることをおすすめします。OB・OG訪問を重ねて三菱商事で働く人の解像度を深めたり、一次、二次面接の逆質問で、活躍している人の特徴などを聞いてみたりすると良いでしょう。

三菱商事の選考を受ける前に準備すべき3つのこと

これまで三菱商事のESや面接の対策法を解説してきました。

これらの内容を総合的に見ると、三菱商事の選考通過には「自己理解力」「企業理解力」「対応力」の3点を磨く必要がありそうです。

それでは、この3点を磨くためにどのようなことをおこなえば良いのでしょうか。今からできる具体的な対策法について解説します。

①エントリーシート内容に対して自問自答を繰り返す

三菱商事の選考は一次〜最終面接のどの段階でも、ESの内容が重要視されます。さらに、必ずと言っても良いほど深掘りがされるため、どのような質問に対しても回答できるようにしておかないと選考通過が難しくなるのです。

そのため、どのような深掘り内容が飛んできても良いように、自分のなかでES内容の深掘りをして、想定質問を用意しておきましょう。

• ES内容の深掘り例
  ・なぜこの点を強みだと思うのか
  ・なぜこのエピソードを話すのか
  ・なぜこのエピソードに関する取り組みをしようと思ったのか
  ・このエピソードから何を学び、仕事にどのように活かせるのか
  ・実際にこのようなエピソードを活かして別方面で活躍できたことはあるか
  

このように、さまざまな方向から「なぜ」を深掘りし、「自己理解力」を上げてみてください。そうすることで、予想外の質問にも対応しやすくなります。

②企業と業界の今後に対する理解を深める

三菱商事の面接では、選考が進むごとに企業理解を問われる場面が増えてきます。企業の展望や業界の未来に関しても聞かれることがあるため、企業や業界に対する理解を深めることが大切です。

しかし、企業ホームページの内容や、四季報の情報だけでは上辺だけの情報収集しかできません。一歩踏み込んだ分析ができなければ、ほかの学生に差を付けられたり、面接官から「企業理解が足りない」と思われてしまうでしょう。

• 一歩踏み込んだ企業・業界研究をする方法
  ・IR情報の「業績予想」を見る
  ・ニュースから業界の流れを汲み取る
  ・OB・OG訪問をして今後の展望について聞く
  

このようにして「企業理解力」を高めてみましょう。そのうえで、企業や業界の今後について自分なりの意見を持ち、説明できるようになると、「企業や業界への理解力が深い」とみなされやすくなります。

③鋭い質問に対しても答えられる対応力を磨く

鋭い質問に対しても、動揺せずにどっしりと構え、対応できる力を磨けると、自信を持って面接に挑むことができます。

就活会議の口コミによると、三菱商事の選考では、どの段階においても「鋭い角度から質問が飛んでくる」との声が多くありました。

どんなに想定質問に対する練習はしていても、想定外の質問に対して言葉に詰まってしまうと、面接官から「準備不足」だと思われかねません。そのため、「対応力」を磨き、どのような質問が飛んできても堂々と答えられるようにすることが面接通過の重要な要素になります。

自分自身の対し「なぜ」を問いかけるだけでは、対応力を磨ききれないかもしれません。模擬面接を重ね、面接官役の人にさまざまな角度から突っ込んで質問をしてもらうことにより、自分では補いきれない点まで対応力を磨くことができるでしょう。

三菱商事への選考のコツをつかみ内定獲得へ一歩近づけよう

この記事では、三菱商事の選考にあたっての基本事項や、コツについて解説しました。

三菱商事の選考の選考において押さえてほしいのが、「ESの深掘り質問対策をすること」「企業・業界について多角的な視点で考察すること」の重要性です。

これらができていることで、ほかの学生にはない、あなたなりの強みを打ち出すことができます。この記事を参考に選考のコツをつかみ、内定へ一歩近づけましょう。

【動画解説】三菱商事の働き方や選考対策をチェック

就活会議のYouTubeチャンネルでは、三菱商事の内定者や選考経験者、実際に働いていた社会人にインタビューしています。

働き方や福利厚生、選考突破の秘訣などを動画でわかりやすく解説しているため、気になる人はチェックしてみてください。