グループディスカッションのテーマ100選|大手企業44社から厳選して紹介
こんにちは。就活会議編集部の飯塚です。 グループディスカッション(GD)を控え、「何が出るかわからず対策しようがない」と感じていませんか。 本記事では、各業界の主要企業を40社以上ピックアップし、選考体験記に投稿された実際の出題テーマ約1,400件を収集。その内容を分析した結果、GDには複数の型があることや、業界ごとに問われやすいテーマの傾向が見えてきました。 今回は、実際に出題されたGDテーマ100選をタイプ別・業界別に紹介するとともに、進め方や評価のポイントも解説します。
この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
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実例から見るグループディスカッションの出題傾向
GD対策は、何から手を付ければ良いのか迷いがちです。テーマは無数にあるように見えますが、実際の出題例を分析したところ、一定の傾向が見られました。
そこで就活会議編集部では、みん就が実施した「2026年卒 新卒就職人気企業ランキング(業界別)」から各業界の人気企業上位5社を対象に、就活会議へ投稿された内定者の選考体験記を調査。GDの出題テーマ約1,400件を収集・分析しました。
今回は、GDテーマの種類や出題傾向に加え、企業ごとに見られた出題テーマの共通点も紹介します。対策の優先順位を決める際の参考にしてください。
出題テーマは7つのタイプに分類できる
約1,400件の出題例を分析した結果、実際に出題されたGDテーマは、大きく7つのタイプに分類できることがわかりました。
| タイプ | どんな議論か | 出題割合 |
|---|---|---|
| 課題解決型 | 売上向上や社会課題など、与えられた課題の解決策を議論する | 31% |
| 抽象型 | 「幸せとは何か」など、明確な答えのない問いを議論する | 12% |
| 選択型 | 複数の選択肢から一つを選び、その理由を議論する | 12% |
| 企画立案型 | 新しいサービスや施策をゼロから考えて提案する | 7% |
| 資料分析型 | 与えられた資料を読み込み、分析結果をもとに結論を出す | 2% |
| フェルミ推定型 | 市場規模や人数など、未知の数値を論理的に見積もる | 2% |
| ディベート型 | 賛成・反対に分かれて意見を主張し合う | 1% |
| 複合型・その他 | 複数のタイプが組み合わさった出題 | 33% |
※割合は今回分析した44社の選考体験記に基づく
ただし、「資料を読んだうえで選択肢から一つ案を選ぶ」のように、複数のタイプをまたぐ出題も一定数あり、そうした出題は複合型・その他としてまとめています。
7つの種類を理解しておくと、志望企業の過去の出題がどの種類に当てはまるのか判断しやすくなります。まずは、自分の志望企業で出題されそうな種類の対策を優先的に進めましょう。
出題の3割超は課題解決型に集中している
最も多かったのは課題解決型で、全体の31%を占めました。売上向上の施策や社会課題への対策など、与えられた課題を解決するテーマです。
一方、対策本でよく取り上げられるディベート型やフェルミ推定型は、合計しても3%程度にとどまりました。頻出のイメージがある割に、実際の出題はごく限られます。
ただし業界による偏りはあります。たとえばクレジット・信販業界では、フェルミ推定型が出題の25%を占めていました。志望業界が絞れている人は、業界ごとの傾向まで確認しておくと安心です。
ここまでの数字を、対策の優先度に置き換えると次のようになります。
| 優先度 | タイプ | 判断の根拠 |
|---|---|---|
| 最優先 | 課題解決型 | 全体の31%を占め、どの業界でも出題される |
| 志望業界による | フェルミ推定型 | 全体では2%だが、クレジット・信販では25% |
| 後回しで良い | ディベート型 | 全体の1%にとどまる |
業界差はあるものの、今回の分析では「課題解決型」がどの業界でも出題の中心でした。対策に使える時間が限られているなら、まず課題解決型から手を付けましょう。出題の3割に備えられるうえ、原因を分解して絞り込むという進め方は、ほかのタイプの議論にも応用が利きます。
同じ企業は毎年似た形式で出題する傾向がある
分析していて目立ったのは、企業ごとの出題形式です。一部の企業では同じ系統のテーマが繰り返し出題されており、なかには複数年度にわたって類似のキーワードが40回以上登場する企業も見られました。
類似のテーマが出題される企業では、企業の理念や事業内容と結び付いたテーマが出題されるケースが見られます。これはつまり、企業研究がそのままGD対策になるということです。
志望企業の選考体験記を確認すれば、過去にどのようなテーマが出たかを事前に把握できます。制限時間や参加人数まで投稿されているため、当日の進め方までイメージしたうえで本番に臨めるはずです。
就活会議のES・体験記を探す【タイプ別】実際に出題されたグループディスカッションのテーマ21選|対策付き
タイプが変われば、議論の進め方も変わります。同じ30分でも、課題解決型では現状の分析に時間を使い、抽象型では言葉の意味をそろえるところから始めなければなりません。
だからこそお題一つひとつを覚えるのではなく、タイプごとの手順を身に付けておきましょう。初めて見るテーマが出ても、知っている型に引き寄せて対応しやすくなります。
ここからは、7つのタイプごとに、実際の出題例3つと進め方のポイントを紹介します。自分の志望企業で出題される可能性が高いタイプから読み進めてみてください。
課題解決型
課題解決型は、与えられた課題に対する打ち手を考えるタイプで、業界を問わず出題の中心になっています。実際に出題されたのは次のようなテーマです。
- 花屋の売上を2倍にするには
- 外国人観光客を増やすには
- 日本人の英語力を向上させるには
解決策を出す前に、現状と原因を整理しましょう。いきなりアイデアを出し合うと議論が発散し、最後に一つを選ぶ根拠がなくなります。
議論では「誰の何が問題なのか」を明確にする、原因を分解する、打ち手を出す、絞り込む、と4段階で思考を深めていくと整理しやすくなります。絞り込むときには効果と実現性の2軸で比べれば、納得感のある結論にたどり着きやすくなるでしょう。
練習は身近な題材で十分です。アルバイト先の売上やサークルの集客を題材にして、原因を3つ挙げ、それぞれに打ち手を考える作業を15分で試してみましょう。多くの案を出したチームより、選んだ理由を説明できるチームのほうが高く評価されます。
抽象型
抽象型は、明確な答えのない問いに対して、チームなりの結論を出すタイプのテーマです。実際の選考体験記では、次のような出題が確認できました。
- 本当の「幸せ」とは何か
- リモート環境のコミュニケーションにおいて重要なことは何か
- 乗って楽しい列車とは何か
抽象型では、議論を始める前に何を基準に考えるかをそろえておきましょう。たとえば「本当の『幸せ』とは何か」というお題なら、個人の実感で考えるのか、社会全体の状態で考えるのかによって話す内容が変わります。
前提を置かないまま進めると、それぞれが別の話をしたまま時間だけが過ぎてしまいます。「今回は個人の生き方に絞って考える」と範囲を決めてから議論すれば、短い時間でも結論までたどり着けるはずです。
日ごろの練習としては、「成長」「豊かさ」「良いサービス」といった日常語を、自分の言葉で30秒で説明してみるのがおすすめです。反対の意味を持つ言葉を並べて考えると、定義が具体的になります。答えのない問いだからこそ、そこへ至る筋道が評価の対象になります。
選択型
選択型は、複数の選択肢から一つを選び、選んだ理由を説明するタイプです。実際の出題例としては、以下のようなものが挙げられます。
- リーダーにふさわしいのは2人のうちどちらか
- 新しいチェーン店をオープンするならA地・B地・C地のどこが良いか
- どちらの案を選ぶべきか(顧客との接点強化かデジタル化の推進か)
このタイプでは、どれを選んだかよりも、選ぶ基準をどう作ったかが評価されます。たとえば「収益性か、実現性か」のように、比較に入る前に基準を2〜3個決めておけば、途中で違う意見が出てきても判断がぶれません。
この進め方は、就活の企業選びでそのまま練習できます。志望企業を比べるときに使っている基準を書き出し、優先順位を付けておきましょう。選ばなかった候補を外した理由まで言えると、結論の説得力が増します。
企画立案型
企画立案型は、決まった課題がない状態から、新しいサービスや施策を考えて提案するタイプです。たとえば次のようなテーマが実際に出題されています。
- 地方ローカル線の無人駅の活用方法を考える
- 新しい税を考える
- 地方のIターン施策を立案する
このタイプでは、自由度が高い分、誰に向けた企画なのかを先に決めると議論が安定します。ターゲットが決まれば、出てきたアイデアの良し悪しも判断しやすくなります。
議論のときには、ターゲットを決める、その人が困っていることを挙げる、それを解決する企画を出す、の順で進めましょう。具体的な困りごとから出発すれば、思いつきに見えない企画になります。
自分が使っているサービスを一つ取り上げ、「誰のどんな困りごとを解決しているのか」を言葉にしてみてください。この見方に慣れておくと、企画の中身に加えて、なぜその企画が必要なのかまで説明できるようになります。
ディベート型
ディベート型は、賛成・反対の立場に分かれて意見を主張し合うタイプです。出題例を見ると、身近な話題が選ばれやすいことがわかります。
- 車を持つべきか、持たないべきか
- 鉄道は24時間営業にすべきか
- 初任給は「自分のために使う」か「両親にプレゼントする」か
ディベートの際には立場が割り当てられるため、ときには自分の本心と違う側を担当することもあります。感情的な言い合いは避け、反論されても動じずに切り返せるよう、議論に入る前に相手側の主張を予想しておきましょう。
練習としては、一つのお題について賛成と反対の理由を3つずつ書き出す方法が効果的です。両方の立場から考えた経験は、面接で意見を求められたときにも役に立ちます。担当者が見ているのは相手を言い負かす強さではなく、主張を認めたうえで根拠を重ねる姿勢です。
フェルミ推定型
フェルミ推定型は、正確な数値がわからないものを論理的に見積もるタイプです。名前から数学の試験を連想して身構える人もいますが、実際に見られているのは計算力ではありません。投稿された出題例を見てみましょう。
- 現在テレビを見ている人の数を推定する
- 出版業界の市場規模を定量的に算出し、売上施策を考える
- ペットショップの売上向上施策を考え、効果を定量的に評価する
本番で慌てないためには、普段から「今この電車には何人乗っているか」のように数字を見積もってみる練習から始めると良いでしょう。日本の人口や年代別の人口構成といった基本の数字を頭に入れておくと、見当を付ける速さが変わります。
議論では、「対象となる人の数×その行動を取る割合×回数」に置き換えるのが基本の形です。この形を覚えておけば、初めて見るお題でも迷わずに考えを深められます。
フェルミ推定では、数字の精度よりも、要素をどう分解したかが評価されます。置いた前提は必ず口に出して共有し、計算役と記録役を早めに分けておけば、制限時間内に結論までたどり着けるでしょう。
資料分析型
資料分析型は、配布された資料を読み込み、そこから結論を導くタイプです。議論の進め方だけでなく、時間内に資料を読み切る段取りも試されます。実際の出題例としては以下のようなものがありました。
- 資料を読んだうえで商業施設の建設地を選択肢から選ぶ
- 顧客から届いた感想文を読み込み、送った意図を分析する
- 参考資料のなかから最適なソリューションを提案する
全員が資料を最初から最後まで読むと、それだけで議論の時間がなくなります。冒頭で担当ページを分担し、それぞれが要点だけを持ち寄れば、効率的に進められるでしょう。
自分の担当分を読むときは、資料に書かれている事実と、そこから考えたことを分けてメモしてください。持ち寄った要点を発言するときに「資料の◯ページによると」と根拠を添えれば、チーム全員が同じ情報をもとに判断できます。
【業界別】実際に出題されたグループディスカッションのテーマ79選|対策付き
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コンサルティング業界
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IT業界(情報処理・ソフトウェア)
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交通業界(航空・鉄道)
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不動産・デベロッパー業界
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クレジット・信販業界
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インターネット・Webサービス業界
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広告業界
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教育業界
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通信業界
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ホテル・旅行業界
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レジャー・テーマパーク業界
同じGDでも、出題されるテーマは業界によって大きく変わります。たとえばコンサルティング業界では社会課題への施策が並ぶ一方、不動産業界では出店地の選定が繰り返し出題されていました。
なぜ違うのかといえば、業界ごとに学生に確かめたい力が違うからです。事業内容に近いお題でその仕事への適性を見る業界もあれば、あえて学生の価値観そのものを問う業界もあります。
志望業界の過去の出題がわかれば、その業界が何を求めているかまで見えてくるはず。ここからは、主要な11業界の実例をまとめています。志望業界で何を問われるのかを確かめる材料にしてください。
※出題例が十分に集まった業界のみを掲載しています。
コンサルティング業界
コンサルティング業界では、食品ロスやオーバーツーリズムのような社会課題から、自動運転が業界に与える影響まで、幅広いテーマが出題されています。実際の出題例を見てみましょう。
- 東京都の学校給食における食品ロスをなくすには
- 交通渋滞を減らすには
- カロリーベースの食料自給率を2倍にするには
- 京都のオーバーツーリズムを解決するには
- 不動産業界にブロックチェーンの技術をどのように活かすか
- 自動運転が今の自動車業界に与えるインパクトを考える
- 日本でライドシェアを普及させるべきか
- ある企業が海外投資する場合、どの国が良いか
- 飲食業の事業者に対する生成AI(人工知能)の導入支援を立案する
- 10年後の日本が直面する課題を考える
- 日本の企業はSDGsのうちどれを優先すべきか。実現に向けて自社が提案する施策を考える
- 異業種の大企業がeSportsビジネスに参入する場合のシナジーとビジネスモデルを考える
コンサルティング業界のGDでは、論点を設定する力が問われます。お題の内容そのものが大きいため、「誰の何を解決するのか」まで絞る作業に時間を使いましょう。日本全体を対象にしたまま議論を始めると、解決策が一般論で止まります。
気になったニュースを一つ選び、原因と解決策を10分で書き出す練習を重ねると、前提の狭め方が速くなります。
IT業界(情報処理・ソフトウェア)
IT業界では、システムや技術そのものより、働き方や人材をお題にした出題が多く見られました。AIの普及で仕事の中身が変わり続けている業界だけあって、「AIによってSIerの仕事はどう変化するか」のように変化の先を考えさせるテーマも定番です。
- 新しいシステムを導入する際のリスクとその対策を考える
- 今後3年間で働き方はどのように変わるか
- 活躍する社会人に必要な能力とは何か
- 自分が面接官だと仮定して、学生に3つの質問をするなら何か
- 本社を国外に移転するならどこが最適か
- 少子高齢化社会で労働力を確保するには
- クライアント企業に導入するソリューションを選定する
- アジアで新しい事業を推進するなら何が良いか
- メーカー企業のDXを進めるには
- オンラインと対面の面接ではどちらが良いか
- AIによってSIerの仕事はどう変化するか
- 10年後のIT業界において必要な力は何か
IT業界のGDでは、技術に詳しくない人がいる前提で、いかに専門用語を噛みくだきながら話せるかが問われます。選定を求められるお題であれば、比較する項目をそろえてから議論に入れば、全員が同じ条件で判断しやすくなるでしょう。
ポイントは、志望企業のサービスが誰のどんな課題を解決しているのかを先に調べておくこと。事業内容がわかっていれば、働き方や人材を問うテーマでも志望企業の事業と結び付けて発言できます。
なお、IT業界の職種や将来性まで知りたい人は、以下の記事も確認してみてください。
3分でわかるIT業界|職種・将来性・向いている人など徹底解説交通業界(航空・鉄道)
交通業界では、自社の将来像や売上施策に加えて、価値観を問うお題が一定数出題されています。なかには「賃貸と持ち家のどちらが良いか」のように仕事と直接関係のないテーマも出されているため、まずは実際の例を確かめてみてください。
- 30年後の自社のあるべき姿を考える
- 自社が今後最も注力すべき事業を選ぶ
- 東京駅の商業施設の売上を増やすには
- 少子高齢化が進むなかで鉄道はどうあるべきか
- 自社の売上を伸ばすには
- 仕事・金・趣味の3つを社会人の立場で大事な順に並べ替える
- 人生を楽しむうえで大切なポイントを2つ挙げる
- AさんとBさんのどちらがカフェの次期リーダーにふさわしいか
- 10年後の社会人に必要なスキルとは何か
- 賃貸と持ち家のどちらが良いか
交通業界では、自社についての出題が多く見られます。事業内容や中期経営計画を読んでおけば、発言に厚みが出るでしょう。さらに、運賃以外にどこで収益を得ているかまで押さえておけば、売上施策のテーマでも具体的な案を出せるようになります。
価値観を問うテーマでは正解を探さず、判断の基準をそろえるところから議論を組み立てましょう。「大事な順に並べる」ようなお題では、何を基準に並べたのかを説明できれば順位そのものは問われません。
不動産・デベロッパー業界
不動産・デベロッパー業界では、出店地や建設予定地など、土地にかかわる選択型のテーマがほとんどを占めます。複数の候補から一つを選ぶ形が定番で、なかには用地の見極めというデベロッパーの仕事そのものが題材になったケースも見られます。
- 新規店舗を出店する場所をどこにするべきか
- DIYセンターの建設予定地を選定する
- ショッピングモールの隣の空き地に何の施設を建てるか
- 百貨店の旧駐車場の有効活用法を考える
- ビール会社の新規事業に適した土地はどこか
- 仮想エリアでの新規事業A・B・Cのどれを推進すべきか
- 今後の公園はどうあるべきか
- 飲食チェーンの出店戦略を考える
こういったお題では、収益性・立地・周辺環境など、比較する項目を最初に決めましょう。項目を決めずに候補地の印象を語ろうとしても、結論の根拠を示せなくなり、行き詰まってしまいます。
自分の住む街を歩きながら「この土地に何を建てると人が集まるか」を考えてみてください。選ばなかった候補を外した理由まで整理できていれば、発表で質問を受けても答えられます。
クレジット・信販業界
クレジット・信販業界は、フェルミ推定型が繰り返し出題されているという、ほかの業界にはない偏り方をしています。「愛とは何か」のような抽象型の出題も目立ち、答えそのものより考え方の筋道が一貫して問われます。投稿されていた出題は次のとおりです。
- 日本で今日魚を食べる人の人数を求める
- 10年後の小学生人気職業ランキング1位の職業は何か
- 愛とは何か。小学生にわかるように論理的に説明する
- 人間と呼ばれるための条件を考える
- カード業界に必要なこととは何か
- 社員同士のコミュニケーション不足を改善するには
- 地域創生を進めるには
数字を扱うお題では、置いた前提をメンバー全員で共有してから計算に入ります。前提が違うまま進むと、あとから数字を出し直すことになり、時間を無駄にします。
抽象的なお題でも、考え方は同じです。言葉の意味を決めてから説明する流れを踏めば、順を追って考えられる人だと伝わります。カードの審査やデータ分析など、数字をもとに判断する仕事が中心の業界だからこそ、結論より思考の過程が見られています。
インターネット・Webサービス業界
インターネット・Webサービス業界では、「どのような人材が必要か」「売上を上げるには」など、正解が一つに定まらないお題が中心です。知識で答える出題がほとんどなく、その場の考え方と言葉で勝負するものが多く見られました。
- どのような人材が今後必要か
- できる社会人に必要な要素とは何か
- 会社を多くの人に知ってもらうには
- 組織の売上を上げるには
- 人口減少が進むなかで労働力を確保するには何ができるか
- 新規事業をおこなううえで決めるべきルールを考える
こうしたテーマは、企業が掲げる価値観と重ねて語れます。事前に理念やビジョンを読み込んでおくと、人材や組織を問われたときに、その企業が求める人物像に沿った答えを出せるはずです。
議論では、抽象的な言葉のまま進めず、具体例に落として話せる人が頼りにされます。たとえば「主体性のある人材」で止めずに、どんな場面でどう動く人かまで言葉にしてください。サービスの移り変わりが速い業界だけに、決まった正解のない問いに自分の言葉で答えられるかが確かめられています。
広告業界
広告業界では、図書館や紙の新聞など、利用者が減りつつあるものを盛り返すお題が目立ちます。実在のメディアや店舗が題材になる分、日ごろの観察がそのまま議論に活きます。実際の出題例も見てみましょう。
- 図書館を盛り上げるには
- 紙の新聞を活性化させるには
- 通信販売ではなく実店舗での購入を促進するには
- 若者のドライブ離れを解消するサービスを立案する
- オンラインショッピング派か、店頭購入派か
広告業界のGDでは、いかに読者や視聴者の行動をうながす企画を立てられるかが見られます。アイデアのおもしろさだけで進めず、誰の行動をどう変えるのかを先に決めてください。年齢や生活のパターンまで想定すると、施策の中身が具体的になります。
目にした広告について「誰に何をさせたい広告か」を考えてみるのがおすすめです。狙いを読み解く経験を重ねておけば、本番でも施策の理由を短い言葉で説明できます。
教育業界
教育業界では、解決策だけでなく「どの課題を扱うか」まで学生に委ねる出題が特徴です。たとえば「日本における教育の課題を設定し、解決策を考える」のように、課題を選ぶ段階から議論が始まるものが特徴的です。
- 日本における教育の課題を設定し、解決策を考える
- 地方が抱えている課題を特定し、自社だからこそできる解決策を考える
- 教育というリソースで、地域や国の課題に対し何を成し遂げるか
- 大学広報のために、どのイベントに協賛すべきか
- 提示された4つの開発候補地のうち、どこを選べば収益の最大化につながるか
教育業界のGDでは、社会課題を教育という形で解決する視点が求められます。教育の課題は誰でも語れる分、企業の事業と結び付いているかどうかで差が付きます。一般的な解決策で終わらせず、その企業だからこそできる解決策まで踏み込みましょう。
課題設定から任されるお題では、課題を選んだ時点から評価が始まっています。選んだ理由を言えないまま進めると、どれほど良い解決策を出しても説得力が出ません。志望企業が力を入れている領域から課題を選べば、その選択自体が理由になるはずです。
通信業界
通信業界では、10年後の未来像を問うような、時間軸の長いテーマが集まりました。事業の前提が10年単位で入れ替わる業界であるため、先を見通す視点が欠かせないということでしょう。実際の出題例は次のとおりです。
- 自社が生み出す、10年後に当たり前になっているビジネスを創造する
- 10年後の自社のビジネスを考える
- 自転車屋の売上を伸ばすには
- 水族館で暮らす魚と海で自然に生きる魚、どちらが幸せか
- 将来役に立つ教科は何か
未来を語るお題では、現在の技術や社会の変化を出発点にすると、根拠のある予測になります。想像だけで話を広げず、事実を一つは置いてから先を考えましょう。
通信各社が発表している新サービスのニュースを追っておくのも有効です。実際に動き始めている事例を知っていれば、10年後を問われても話が抽象論に流れません。
ホテル・旅行業界
ホテル・旅行業界では、顧客に何を提案するかを問う、実務寄りの出題が主流です。一方で、ミジンコを長生きさせる方法のような、予想のつかないテーマも交ざっていました。
- ミジンコをできるだけ長生きさせるための方法を考える
- 旅行に行きたい20代の女性にどのようなプランを提案するか
- 顧客にとってより良い旅行プランを提案する
- 自社が求めるエリアプロフェッショナルとは何か
- 実際のイベントに対して、どの時期からどのような準備をおこなうか
提案型のお題では、顧客像をどこまで具体的に描けるかで結論の質が変わります。年齢や旅行の目的まで設定してからプランの中身に入ると、チーム内で認識がずれません。
自分が旅行先を決めるときに何を優先しているかを、一度書き出しておきましょう。顧客として選んだ経験は、提案する側に回ったときの引き出しになります。
レジャー・テーマパーク業界
レジャー・テーマパーク業界では、資料を読んで優先順位を決める出題が複数の体験記で確認できました。限られた時間や人員で何から手を付けるかという、現場運営に直結する判断が題材になっています。
- 店舗運営上の課題と優先事項を資料から考える
- 「最高のおもてなし」とは何か
- 指定されたターゲットの集客に向けた企画を提案する
- 指定された項目から働くときの優先順位を付ける
優先順位を問うお題であれば、判断の基準をチームで一つに決めてから並べ替えると良いでしょう。進める際に複数の判断基準が混ざると順位が定まらないため、あえて一つに絞るよう心掛けてみてください。
資料が配られる場合は、数字が示されている箇所に印を付けながら読みましょう。付けた印は、発表で順位の理由を説明するときの根拠になります。
グループディスカッションで評価されるコツ3選
テーマがわかっても、何を評価されるのかが見えないままでは対策の方向が定まりません。選考体験記には、選考を通過した学生が「自分はここで評価されていると感じた」というポイントを書き残しています。
投稿を読むと、役割分担や前提のすり合わせといった、結論を出す前の動きが評価されたという記述が目立ちます。当日の振る舞いから事前の調べ方まで、投稿から学べることは具体的です。
ここからは、実際に通過した学生の声をもとに、GDで見られている3つのポイントを紹介します。
①テーマの結論よりも議論への姿勢が見られている
GDで最初に知っておきたいのは、担当者が結論の質だけを見ているわけではないという点です。むしろ、そこへ向かう議論のなかでどう振る舞ったかを細かく確認されていることを覚えておきましょう。当日の様子を、次のように振り返った投稿があります。
内定者からのアドバイス(25卒・東京大学・アクセンチュア)
チーム面では、役割分担のスムーズさや、柔軟な時間管理、議論のアイデアに対して肯定と改善をうまく表現できているか、全員が発言機会を持てていたかが評価されていたように感じる。 (2025年卒 東京大学 アクセンチュア ビジネスコンサルタント職 内定)
役割分担、時間管理、発言機会の3点はいずれも、チームで働くときの動き方そのものです。鋭い意見を出す人だけが通過するわけではなく、議論を前に進めた人が評価の対象になっています。
発言が少ない人に話を振る、残り時間を伝えて議論を締めるといった行動も、立派な貢献として見られています。テーマの知識に自信がない人ほど、意識してみてください。
なお、複数人で同時に受ける選考での振る舞いについては、以下の記事で詳しく解説しているため、あわせて確認してみてください。
集団面接とは|マナー・流れ・頻出質問を内定者回答付きで解説②知らないテーマでも前提の整理から貢献できる
GDの際に詳しくない分野が出題されても、貢献する方法はあります。前提の整理で評価されたという投稿を見てみましょう。
内定者からのアドバイス(26卒・大阪大学・アクセンチュア)
グループディスカッションは初めての学生がほとんどだったので、意見出しよりもファシリに従事した。難しい内容なので、かなり意見が発散したが、ところどころで前提をすり合わせたり、意見の論理立てを行ったところが評価されたように感じる。 (2026年卒 大阪大学 アクセンチュア ソリューション・エンジニア職 内定)
この学生は、内容そのもので勝負せず、前提のすり合わせと意見の整理によって評価されています。知識量ではなく、議論を成立させる動きが見られていた例です。
「今の話は〇〇という前提で合っていますか」と確認するだけでも、止まりかけた議論は前に進みます。難しいテーマほど、整理役を引き受ける価値は大きくなるでしょう。
③志望企業の過去の出題形式は選考体験記で調べられる
GDが選考のどの段階でおこなわれるのか、どんな形式なのかは、選考体験記から事前に調べられます。実際に活用した学生の投稿を紹介します。
内定者からのアドバイス(20卒・九州大学・野村総合研究所)
就活会議の口コミでは、選考情報が書いてあるので、選考の形式や内容が知れます。
とくに野村総合研究所でユニークなのが、最終選考にグループディスカッションがあることです。これに、人の話を聞くとよい、や、他人の意見を促すとよいとかいてあったのは有益な情報でした。 (2020年卒 九州大学 野村総合研究所 エリア職システムエンジニア 内定)
この学生は、GDが最終選考にあるという情報を事前につかんだうえで対策に入っています。選考のどこにGDが置かれるかは企業ごとに異なるため、確認しておくだけで対策の順番が変わるはずです。
選考体験記には参加人数や制限時間も記されているため、本番に近い条件で練習できます。志望企業が決まっている人ほど、調べる価値のある情報です。
GDが組み込まれることの多い一次選考の対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
一次面接通過に必要な4つの対策|頻出質問8選と内定者の回答例付きグループディスカッションのテーマに関するよくある質問
最後に、GDのテーマについて多く寄せられる質問に回答します。テーマがいつ知らされるのか、知らない分野が出たらどうするのかなど、準備を進めるほど細かい疑問が出てきます。
選考体験記のデータも交えて回答するため、当日の進め方に迷ったときの参考にしてください。
Q:テーマはいつ知らされることが多い?
テーマが知らされるのは、当日その場というケースが大半です。選考体験記を確認しても、事前に知らされたという報告はごく少数でした。
ただし、事前に共有される企業もあります。
内定者からのアドバイス(20卒・東京大学・NTTドコモ)
事前にメールでテーマが与えられていて、それについて各自案を考えてくるよう指示されていた。 (2020年卒 東京大学 NTTドコモ 総合職 内定)
事前に知らされた場合にはあらかじめ内容を考えていく学生も多いと思われますが、用意した案に固執すると議論が進まなくなってしまいます。準備も大切ですが、チームの流れに合わせて調整する余地を残しておきましょう。
Q:詳しくないテーマが出たらどうする?
詳しくないテーマが出たときは、知らないことを隠さずに口へ出しましょう。知っているふりで進めると、誤った理解のまま議論が進んでしまいます。
- 「〇〇という理解で合っていますか」と自分の認識を口に出す
- 「詳しい人がいたら補足してもらえますか」と説明を引き出す
- 「今わかっている事実はここまでですね」と手元の情報をそろえる
初めて見るテーマなら、条件はほかのメンバーも同じです。事実と推測を分けて話せていれば、知識の差は問題になりません。
Q:グループディスカッションに正解はある?
グループディスカッションのテーマに、あらかじめ決められた正解はありません。特に抽象型のように答えのない問いでは、結論そのものより、そこにたどり着くまでの筋道が評価されます。
ただし、根拠のない結論が認められるわけではありません。前提を置き、判断の基準を決め、その基準に沿って選んだ結論であれば、ほかのチームと内容が違っても問題ないと言えます。
実際に出たテーマからグループディスカッション対策を始めよう
人気・大手企業で実際に出題されたテーマ100選と、タイプごとの進め方を紹介しました。
GDは、出題されるテーマの傾向を知っているだけで落ち着いて臨めます。まずは志望企業の選考体験記を開き、過去にどのタイプが出ているかを確認してみてください。出題の中心である課題解決型から練習を始めれば、限られた時間でも準備が間に合います。
テーマの中身がわからなくても、前提を整理し、時間を管理し、全員が話せる場を作る動きは今日から練習できます。実際に出たテーマを使って、本番に近い形で試してみましょう。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。

この記事の編集担当者
飯塚 千弘
横浜市立大学国際教養学部卒。新卒で介護・保育領域の人材紹介会社に入社。人材コンサルタントとして従事したのちに、経営企画部にて集客及び登録者データの分析を担当。記事のチェックや訴求内容の提案等を行う中で記事制作に関心を持ち、ライターへと転身。現在は就活会議の編集ディレクターを務めている。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める