キャリアビジョン例12選|大手内定者の回答を6タイプに分類して紹介
こんにちは。就活会議編集部の飯塚です。 面接で「キャリアビジョンを教えてください」と聞かれて、将来の姿なんて想像できないと思ったことがあるかもしれません。しかし、就活会議に投稿された大手内定者・選考通過者91人の回答を分析したところ、キャリアビジョンは大きく6つのタイプに分類でき、それぞれに評価されやすい回答の共通点が見えてきました。 この記事では6タイプ別の内定者例文12選と回答の作り方を紹介します。回答例を参考にしながら、自分の言葉で語れるキャリアビジョンを用意しましょう。
この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
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キャリアビジョンとは? キャリアプランや将来像との違い
まずは「キャリアビジョン」や、それとよく似た言葉の意味から確かめておきましょう。
キャリアビジョンとは、仕事を通じて到達したい姿のことです。似た言葉にキャリアプランや将来像がありますが、それぞれ聞かれている内容は少しずつ異なります。
| 用語 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|
| キャリアビジョン | 仕事を通じて到達したい姿 | プロジェクトマネージャーとしてチームを率いる存在になる |
| キャリアプラン | 到達点に至るまでの道筋 | 1〜3年目で開発の基礎を身に付け、その後上流工程を経験し、10年目でPMになる |
| 将来像・10年後の姿 | 到達点を別の言葉で聞いたもの | 10年後には、チームから頼られるPMになっていたい |
ビジョンが「どこに行きたいか」、プランが「どうやって行くか」という関係です。将来像や「10年後の自分」は、到達点を時期の切り口で聞き直した質問と考えて問題ありません。
ただし実際の選考では、多くの場合これらの言葉が厳密に区別されないままで使われます。今回分析した選考の実例でも、キャリアビジョンを聞かれてプランまで答えた内定者が多数派でした。
したがって、言葉の違いに神経質になる必要はありません。ビジョン・プラン・将来像のどの言葉で聞かれても困らないように、自分のなかの軸をしっかり固めることを意識しておきましょう。
選考では「どんな社会人になりたいか」という質問をされることもあります。以下の記事で内定者の回答を紹介しているので、併せて確認してみましょう。
「どんな社会人になりたいか」の例文16選|26卒内定者の実例付きで解説「キャリアビジョン」選考通過した91人分の実例から見えてきた6つの傾向
回答を考える前に、実際の選考でどんなキャリアビジョンが語られたのかを確認します。就活会議に投稿された選考体験記から「キャリアビジョン」を実際に問われた91人分(内定者55人・選考通過者36人)の回答を分析しました。
回答の到達点を読み分けると、次の6タイプに分類できます。
| タイプ | 到達点の例 | 向いている人 |
|---|---|---|
| マネジメント型 | プロジェクトマネージャーや管理職としてチームを率いる | 部活やアルバイトでまとめ役を担った経験がある人 |
| 専門性追求型 | 特定の分野で頼られる専門家・技術者になる | 研究や技術など一つのことに打ち込んできた人 |
| 事業創造型 | 新規事業を立ち上げ、会社の柱となる事業を創る | 自分のアイデアを形にすることに意欲がある人 |
| 社会・顧客貢献型 | 社会課題の解決や顧客への価値提供を実現する | 誰かの役に立てた経験が原動力になる人 |
| グローバル活躍型 | 海外駐在や海外事業を通じて世界を舞台に働く | 留学や語学など海外との接点を持ってきた人 |
| 理想の人物像型 | 「この人に任せたいと言われる存在」など理想の姿を目指す | 役職や事業より「どうありたいか」が明確な人 |
まずは、自分がどのタイプに近いかを考えながら見てみてください。
なお、今回紹介した6つのタイプはあくまで「違い」であり、そこに優劣はありません。後半の例文もこのタイプ別に紹介するため、このなかで自分がピンときたタイプを覚えておきましょう。
面接官がキャリアビジョンを質問する3つの意図
キャリアビジョンは、正解のない質問だからこそ「何のために聞くのか」「何を見られているのか」が気になる人も多いでしょう。相手の意図を理解できれば、回答に入れるべき要素も自然と決まります。
ここからは、面接官がこの質問をする3つの意図を解説します。
①自社で実現できるビジョンかを確認するため
面接官が最初に見ているのは、そのビジョンが自社で実現できる内容かどうかです。どれほど立派な到達点でも、その会社の事業や制度で実現できなければ「他社のほうが合っているのでは」と判断される恐れがあります。
たとえば海外駐在を目指すビジョンを語る場合、志望企業に海外拠点や駐在制度がなければ話がかみ合いません。逆に、志望企業の事業内容や人事制度と重なるビジョンを語ることができれば、入社への本気度と企業理解の深さを同時に示せます。
キャリアビジョンと志望動機は、どちらも企業理解が問われる質問です。2つの内容に矛盾がないかを事前に確認しておきましょう。
②働くことをどこまで具体的に考えているかを見るため
「キャリアビジョン」の質問では、その学生が入社後の姿をどこまで具体的に描いているかも見られています。入社がゴールになっている学生と、入社後の成長まで見すえている学生とでは、キャリアビジョンの解像度に大きな差が出てきます。
具体的に考えられている回答には、職種名やポジション、身に付けたいスキルといったその企業固有の言葉が自然と入ってくるでしょう。「成長したい」「活躍したい」で終わるような漠然とした回答との差は歴然です。
もちろん、就活の時点で完璧な計画を述べる必要はありません。計画の精度よりも、自分なりに調べて考えた形跡が伝わるかどうかが評価の分かれ目です。
③深掘りを通じて回答の一貫性を確かめるため
キャリアビジョンは、面接のなかでも深掘りされやすい質問です。多くの面接官は「なぜそれを目指すのか」「そのために何をするのか」と掘り下げることで、回答に一貫性があるかを確かめようとするのです。
自分の経験をもとに芯のあるビジョンを持っていれば、さまざまな角度から深掘りをされてもぶれずに答えられます。逆に、なんとなく作った回答は深掘りの段階で矛盾が出やすく、かえって一貫性のなさを印象付ける結果につながります。
回答を作ったら「なぜそう考えたのか」を自分に問い返し、理由まで言葉にできる状態で面接に臨みましょう。
キャリアビジョンの回答を作る4ステップ
いざ回答を作るとなると、何から書き始めれば良いのか迷うところです。しかし、難しく考える必要はありません。内定者の回答に共通する構造を意識しながら、4つのステップに分けて組み立てていけば完成します。
①から順に、自分の回答を思い浮かべながら進めてみてください。
①キャリアの到達点を一文で言い切る
最初に決めるのは、キャリアの到達点です。「プロジェクトマネージャーとしてチームを率いていきたい」「食という分野で人の役に立つ商品を生み出したい」のように、目指す姿を一文で言い切ります。
ここは回答全体の結論にあたる最も大切な要素ですが、長すぎると後に続く理由や道筋までぼやけてしまいます。そのため6つのタイプを参考にしながら、一文ではっきりと言い切ることを心掛けましょう。
好印象を残そうとして無理に気取った表現を探す必要はありません。自分が素直に「なりたい」と思える姿を選ぶことを優先してください。
②そのビジョンを持つ理由を経験とつなげる
到達点を言い切ったら、次はその姿を目指すようになった理由を振り返ってみましょう。「途上国を訪れてインフラの課題を実感した」「研究で一つの分野を掘り下げるおもしろさを知った」のように、理由が実体験に根差しているほど、ビジョンには説得力が生まれます。
反対に、経験の裏付けがない到達点は、「なぜそれを目指すのか」と深掘りされたときに言葉に詰まります。自分の過去から語れるかどうかで、その場しのぎの回答かどうかも見抜かれるのです。
なお、ここで挙げる経験がガクチカや自己PRと重なるのはよくあることです。同じ経験が軸になっていれば、質問をまたいだ回答の一貫性はむしろ高まります。
③「まず→その後→将来的に」の段階に分ける
理由まで固まったら、到達点までの道のりを「まず→その後→将来的に」の3段階に分けてみましょう。内定者の回答でも、評価されたものは「まず1〜3年目で基礎を身に付け、その後上流工程を経験し、最終的にPMを目指す」のように、段階を踏んで語られていたことがわかっています。
こうして段階に分けるだけでも、遠い目標が具体的な計画に変わってくるはずです。到達点だけを語る学生と、そこまでの過程まで描けている学生とでは、働くことへの理解度がまるで違って見えてきます。
年数は「若手のうちは」「その後」程度のおおまかな区切りでも伝わります。細かい数字より、3段階の流れが見えることのほうが重要です。
④志望企業の事業や制度と結び付ける
段階まで描けたら、最後の仕上げとして、その道のりを志望企業の事業や制度と結び付けます。今回の分析でも、トヨタ自動車の「Woven City」や味の素の調味料事業のように、その会社でしか語れない要素を段階のなかに組み込んだ回答が目立ちました。
ここまでの①〜③だけでは、正直なところ他社でも使い回せる内容です。しかし固有名詞が一つ入るだけで、「この会社だからこそ実現したいビジョン」として志望動機とつながった回答に変わります。
4つのステップは、スマートフォンのメモなどに書き出しながら進めるのがおすすめです。頭のなかだけで組み立てるより、段階の抜けに気付きやすくなるでしょう。
なお、関連する質問として「入社後にしたいこと」を聞かれるケースも多くあります。以下の記事で内定者の回答例40選を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「入社後にしたいこと」の例文40選|内定者回答を業界・職種別に紹介キャリアビジョンの内定者例文12選
ここからは、6タイプ別に内定者の例文を2つずつ紹介します。すべて就活会議に投稿された、内定者の実際の回答です。
到達点の置き方と、そこまでの段階の切り方に注目して読んでみてください。
マネジメント型の回答2選
マネジメント型は、PMや管理職としてチームを率いる姿を到達点に置くタイプです。まとめ役の経験がある人は、実際の内定者の例を見てみましょう。
内定者の回答(25卒・東北大学大学院・野村総合研究所)
私が御社に入社することができた場合、ITの力を活かして現存する様々な課題解決へと自分の力を活かしていきたいと考えています。具体的には、PMを任されるような人材へと成長していきたいと考えています。
そのための具体的なキャリアビジョンとして、まず入社して1~3年目までは開発の下流を経験し、システムやITについての知見をより深めていきたいと思います。その後、上流へと移りシステム開発全体について知見を深め、最終的に8~10年目にはPMを任されるような人材へと成長したいと思っています。 (2025年卒 東北大学大学院 野村総合研究所 アプリケーションエンジニア 内定)
内定者の回答(25卒・東京工業大学大学院・ソニーグループ)
5年後には、自分の専門領域である技術やプロジェクト管理のスキルをさらに深化させ、リーダーシップの役割を果たすポジションを目指している。そのために、部門やプロジェクトの中心的存在として、チームを引っ張る力を身につけたい。
また、ソニーは常に技術革新を追求している。5年後には、新たな技術やイノベーションに関わるプロジェクトに参加し、次世代の製品やサービスの開発に貢献したい。特に、インフラなどの分野に関心があり、その領域での成果を出したいと考えている。 (2025年卒 東京工業大学大学院 ソニーグループ ソフトウェアエンジニア 内定)
2つに共通しているのは、役職名を目標に置くだけでなく、そこに至る過程を年次で具体化している点です。「1〜3年目は下流、8〜10年目でPM」「5年後にリーダーのポジション」と時間軸を切ることで、到達点に現実味が生まれています。
このように、マネジメント型で答えるなら、何年目に何を経験するかまで描いてみましょう。
専門性追求型の回答2選
専門性追求型は、特定の分野で頼られる専門家になることを目指すタイプです。研究や学びの積み重ねがある人はその延長線上で語れるため、比較的使いやすいタイプだと言えます。
内定者の回答(24卒・東京工業大学大学院・アクセンチュア)
携わることになったIndustryの専門家になることで、どんな顧客に対してもお客様の期待を上回って、信頼を積み重ねられる人になりたい。20代ではアナリスト、コンサルタントとして、基礎的なコンサルティングスキルや専門知識を身につけたいと思います。
そのために、幅広い業界の案件に携わるなど業務を通してはもちろん、業務外でも御社のeラーニングなどを通じて自己研鑽する事に努めたいです。
その後の30代では、マネージャー、シニアコンサルタントとして、プロジェクト全体を俯瞰しながら、チームをまとめ上げ、且つ後輩の指導もしっかりおこなっていきたいと思います。 (2024年卒 東京工業大学大学院 アクセンチュア ビジネスコンサルタント職 内定)
内定者の回答(26卒・味の素)
キャリアビジョンといたしましては、国内にて商品開発の経験を積んで、将来的には海外事業にも積極的にチャレンジしたいと考えています。
私は、食への興味を活かして学問や研究を行ってきましたが、まだ味づくりという開発の基本を行ったことがありません。そこで、まずは貴社のメイン事業である調味料事業においてお客様が求める味を体現できる開発者として成長したいと考えています。
そして将来的には国内のみならず、海外事業に挑戦し、地域での嗜好の違いを商品として具現化できる開発者になりたいと考えています。 (2026年卒 味の素 R&Dコース研究開発職 内定)
どちらの回答も、「自分の専門性を何のために磨くのか」まで述べている点が印象的です。「顧客の期待を上回って信頼を積み重ねる」「地域での嗜好の違いを商品として具現化する」と、専門性の先にある価値提供が見えてくる回答になっています。
専門性を軸にする場合には、スキルの習得自体を到達点にせず、その専門性で何を実現するかまで踏み込んでみてください。
事業創造型の回答2選
事業創造型は、新規事業や会社の柱となる事業を生み出すことを到達点に置くタイプです。スケールの大きい目標こそ、段階の切り方が問われると言えます。
内定者の回答(24卒・京都大学大学院・三菱UFJ銀行)
やりたいことを2段階で考えている。
まず自分がRMとして成長し、日本の希望になるような企業をつくりたい。中堅中小企業、スタートアップ、大企業のRMを経験する。中堅中小企業RMで培ったバンカーの基礎、スタートアップの最先端の知見と急速にスケールするノウハウ、大企業の優秀な人材や資金で、世界で活躍する日本企業を増やしたい。
次に、ビジネス、ヒトの両面から組織の総力を高めることで社会により大きなインパクトを与えたい。 (2024年卒 京都大学大学院 三菱UFJ銀行 総合職 内定)
内定者の回答(23卒・NTTデータ)
私が将来成し遂げたいことは、医療機関を連携させることで、データの共有をおこない医療の質を高めていくことです。そのために私が歩みたいキャリアビジョンは3段階あります。まず、1年目から3年目でSE職として、システムに関する知識を身に着けて営業に向けて力をつけたいです。
4年目以降はSE職で得たプログラミングなどの専門知識を活かして、営業職として、医療領域を変革できるシステムを普及させていきたいです。
それ以降は2つ考えていまして、医療分野に残って新規事業企画を行うことで、医療業界にまだある課題を解消して、新しい価値を提供していくか違う分野で自分が一番課題に感じたことに取り組んでいこうと考えています。 (2023年卒 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)
「日本の希望になる企業をつくる」「医療の質を高める」と、到達点のスケールはどちらも大きめです。それでも絵空事に聞こえないのは、ステップや年次で段階を明示し、各段階で身に付けるものを具体的に語っているからです。大きな目標を掲げるときほど、そこまでの道のりを細かく刻んでみましょう。
社会・顧客貢献型の回答2選
社会・顧客貢献型は、社会課題の解決や顧客への価値提供を到達点に置くタイプです。「誰かの役に立てた」という原体験がある人であれば、そこからビジョンを立ち上げやすいでしょう。
内定者の回答(25卒・神戸大学・丸紅)
将来は周りの様々な人を巻き込み、ビジネスを通して特に発展途上国の様々な社会課題を解決できる人材になりたい。
旅行や留学等で多くの途上国を訪れた際に、インフラが未整備なために自分自身が不便な思いをしたと同時に、商社がそれらの問題を解決する場面を目の当たりにし、収益性だけでなく社会貢献性も高い点に感銘を受け、自らもそれに携わりたいと強く思った。
途上国と関わる中で対応力を磨き、自分自身も成長し続けたい。 (2025年卒 神戸大学 丸紅 総合職(グローバルコース) 内定)
内定者の回答(26卒・慶應義塾大学・トヨタ自動車)
私はまずEV・電動化事業に携わりたいと考えています。ゼミで新興国の市場を調査する中で、インフラやエネルギー事情に応じた最適な導入モデルの必要性を痛感しました。
現場で学びながら、充電インフラ整備や地域特性に応じた普及戦略に取り組み、国内外の持続可能な移動基盤を築きたいです。将来的にはその経験を活かし、Woven Cityのようなモビリティと生活を融合させた新しい社会モデルの構築にも携わりたいと考えています。
人々の移動を支えるだけでなく、移動が心を動かし社会を前進させる未来を実現することが私のキャリアビジョンです。 (2026年卒 慶應義塾大学 トヨタ自動車 事務職 内定)
1人目は旅行や留学で目にした途上国の現状から、2人目はゼミでの新興国調査から、それぞれのビジョンへつなげています。いずれも社会課題という大きなテーマですが、自分が出会った場面から語ることで、実感のこもった回答になっています。
貢献型で答えるのであれば、課題が「自分ごと」に変わった瞬間のエピソードを添えてみてください。
グローバル活躍型の回答2選
グローバル活躍型は、海外駐在や海外事業を通じて世界を舞台に働くことを目指すタイプです。海外との接点を持ってきた人はもちろん、事業展開への関心からも述べやすいテーマです。
内定者の回答(25卒・ニトリホールディングス)
まずは、店舗で商品や事業、お客様について知り、商品部でニーズに応える商品の開発を学び、この体験をもとにして、グローバル本部や貿易改革室などで海外と日本をつなぐ仕事や海外へも必要とされる商品の展開に力を入れたいです。
身近な製品の提供を通して、国内外問わず、人の役に立てる、日常の小さな幸せや安らぎを提供したいです。また、実際に海外に行ったことで、生活スタイルや気候、文化が全く違い、求められるものも全然違うんだと感じたため、それぞれのニーズに応えたいです。 (2025年卒 ニトリホールディングス 総合職 内定)
内定者の回答(25卒・JAL)
将来のキャリアビジョンは、JALでの経験を通じて、グローバルな視野を持ったホスピタリティのプロフェッショナルになることです。
まずは現場でお客様と直接関わる業務を経験し、実際のサービス提供を通じて学びたいと考えています。その後、国際業務やマネジメント職に挑戦し、JALのグローバル展開に貢献する人材になりたいです。具体的には、異文化理解や言語スキルを磨き、海外のお客様にも日本のホスピタリティを伝えられるような存在になりたいと思っています。
JALの発展に寄与しながら、自身も成長していく道を歩みたいと考えています。 (2025年卒 日本航空(JAL) 業務企画職 内定)
この2つの回答の共通点は、「海外で働きたい」という個人的な憧れで止まっていないという点です。店舗から商品部、グローバル本部へという道筋、現場から国際業務へという道筋は、その会社のキャリアパスを調べていなければ書けない内容だと言えます。
グローバル型は憧れだけで語りやすいからこそ、企業内での具体的なキャリアパスまで示して裏付けましょう。
理想の人物像型の回答2選
理想の人物像型は、役職や事業ではなく「どうありたいか」を到達点に置くタイプです。人柄で語っても選考を通過できることがわかる2つを紹介します。
内定者の回答(26卒・早稲田大学・丸紅)
若手のうちは現場に近い立場で経験を積み、まずは一つの事業や地域について誰よりも理解している存在になりたい。その上で、将来的には複数の関係者をつなぎながら、新しい事業や仕組みを形にできる人材になりたい。
商社パーソンとして何でもできる人ではなく、この人に任せたいと言われる分野やテーマを持ち、現地やパートナーから信頼される存在になることが目標だ。御社のフィールドの広さを活かしながら、自分なりの専門性を育てていきたいと思っている。 (2026年卒 早稲田大学 丸紅 総合職(グローバルコース) 内定)
内定者の回答(24卒・NTTデータ)
仕事を楽しい、と胸を張って言える大人になりたいと思っています。
通勤電車では目に光がない社会人の方も多いなと思っており、社会で働くというのは本当に大変なことなんだというマイナスの印象を持っていました。しかし、OG・OB訪問をおこなうなかで、大学生よりも社会人はもっと楽しい、と仕事のやりがいを話してくださる方とお会いすることができました。
自分自身がOG・OB訪問を受けた際に、自分の仕事や企業を胸を張って話せるような大人でありたいと思っています。 (2024年卒 NTTデータ SE・コンサル・営業コース 内定)
「この人に任せたいと言われる存在」「仕事を楽しいと胸を張って言える大人」と、どちらも人物像を軸にした回答です。それでも評価されたのは、若手のうちの過ごし方やOG・OB訪問での気付きなど、その姿を目指す根拠と仕事への接続があるからだと考えられます。
人物像で語る場合も、なぜそうありたいのかを経験で裏付けることを忘れないよう心掛けましょう。
キャリアビジョンの深掘り質問への答え方
キャリアビジョンは、答えたあとの深掘りまでが本番だと言っても過言ではない質問のひとつです。 今回分析した選考体験記にも、ビジョンを起点にした深掘りのやり取りが数多く残されていました。
ここからは、実例をもとに、面接でキャリアビジョンについて深掘りされたときへの備え方を2つ解説します。自分ならどう答えるかをイメージしながら目を通してみてください。
深掘りで実際に聞かれた質問を知っておく
深掘り対策は、実際に聞かれた質問を知ることから始まります。実際の内定者の体験談によると、キャリアビジョンを答えた学生が追加で聞かれた質問としては以下のようなものが挙げられました。
- 自分が目指しているポジションの役割を説明できますか?
- 達成のためにどんなスキルを磨きますか?
- 将来希望の部署で働くために今努力していることはありますか?
- なぜそれをやりたいのですか?
これらの質問に共通しているのは、到達点に対して「なぜ・どうやって・今何を」をたずねている点です。この3つの要素について答えを用意しておけば、質問で掘り下げられても戸惑うことなく答えられるでしょう。
一人でイメージしきれないときは、友人や家族に深掘り役を頼み、自分では思いつかない質問に触れておくのもおすすめです。
ビジョンを固めすぎず柔軟に語れる余白を残しておく
深掘り対策のもう一つのポイントは、ビジョンを固めすぎないことです。就活会議に寄せられた選考体験の中には、ビジョンを固めすぎたことで、深掘りに柔軟に対応できなかったという声もありました。
実際に選考通過した人の口コミ(26卒・NTTドコモ)
反省点として、「柔軟性に欠けていた」ということを自覚している。
チャレンジエピソードから派生し、ドコモでのキャリアビジョンを軽く聞かれたのだが、自分は明確なキャリアビジョンを固めすぎていて、面接官からの深掘りに柔軟に対応出来なかった。頭が固かったと感じる。 (2026年卒 NTTドコモ オープンコース 選考通過)
一言一句を暗記しようとすると、想定外の角度から聞かれた瞬間に崩れてしまいます。だからこそ、守るべきは到達点という軸だけにしておき、細部については柔軟に語れる状態を保つことが重要です。
「入社後に考えが変わる可能性はありますか」と聞かれたら、変わり得ることを認めたうえで軸は変わらないと答えれば問題ありません。
キャリアビジョンが思いつかないときの見つけ方
ここまで例文を読んでも、自分のキャリアビジョンが浮かばない人もいるでしょう。インターンシップで訪れた企業でもない限り、その企業の実際の様子はわかりません。したがって、入社後の姿を具体的に描けないのも、本来であれば自然なことです。
しかし、キャリアビジョンを聞かれる可能性がある以上、答えられるようにしておいたほうが安心できるはず。ここからは、ゼロからビジョンを見つける方法を、3つに分けて紹介します。
①過去の経験から「やりがいを感じた瞬間」を振り返る
一つ目の方法は、過去の経験から「やりがいを感じた瞬間」を振り返ることです。未来を直接考えるのではなく、過去の充実した瞬間から「働くうえで大切にしたいこと」を抽出します。
部活で後輩の成長を支えたことにやりがいを感じたならマネジメント型や理想の人物像型、研究に没頭した時間が充実していたなら専門性追求型と、過去の経験はそのままビジョンのタイプに読み替えられます。ガクチカとして取り上げているエピソードから連想してみると、比較的見つけやすいかもしれません。
振り返りの進め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。併せて確認してみてください。
「学生時代に力を入れたこと」の作り方|内定者の回答例25選付き②志望企業の社員をモデルにしながら考える
二つ目の方法は、志望先の企業で働いている社員をモデルにすることです。実在する社員のキャリアを参考にすれば、その会社で実現可能なビジョンを描きやすくなります。
今回分析した内定者たちのデータのなかにも、社員から聞いた話や企業の資料をビジョンに変換した回答がありました。
内定者の回答(25卒・アビームコンサルティング)
海外でプロジェクトを担当したいという気持ちがあります。御社の他の社員様とお話しさせていただいたときに、その方が30歳になる前に海外で働いていたというお話を聞いていたので、私も30歳になる前のタイミングで海外での仕事に携わりたいと考えています。
また、30歳という年齢は御社で働かれている方だとマネージャーになる方が多い年齢だということも伺っております。30歳までの時期に海外での仕事経験を積むことによって、より幅広いスキルやノウハウ、経験を持ったマネージャーになりたいと考えています。 (2025年卒 アビームコンサルティング コンサルタント職 内定)
これは社員訪問で聞いた「30歳前に海外」という実例を、自分自身の目標として設定し直した回答例です。
OB・OG訪問で直接聞けなかったとしても、企業のWebサイトやパンフレットに参考になる話が掲載されているかもしれません。企業研究の際に併せてチェックしておくと良いでしょう。
③例文の6タイプから自分に近い到達点を探す
三つ目の方法は、この記事の6タイプを活用することです。例文を読み比べて、最も共感できたタイプから自分の到達点を考えてみてください。
どんなタイプに対して「自分もこうなりたい」と感じるかは一人ひとりの価値観に基づいており、それも立派な個性です。ビジョンに共感した理由を言葉にするだけで、それがそのままビジョンを持つ理由として使えます。
ゼロから発想するより、すでにあるタイプに自分を重ねるほうが早く形になります。まずはタイプ別の例文を読み返してみてください。
「6つのタイプ以外にも、そもそもどのような価値観があるか知りたい」という人は、こちらの記事にも目を通してみましょう。選考で「大切にしている価値観」を聞かれた際の回答一覧や、内定者の回答を紹介しています。
「大切にしている価値観」回答一覧30選|大手内定者の例文付きで解説キャリアビジョンのNG回答3パターン
どんなキャリアビジョンを描くかは人それぞれで、そこに明確な正解があるわけではありません。しかし実際には、「就活」という場面にふさわしくないとされる回答も存在します。
ここからは、面接では避けるべき回答のパターンを3種類紹介します。自分の回答が当てはまってしまわないか、必ずチェックしておきましょう。
①プライベートの目標だけを答えてしまう
就活中にキャリアビジョンを聞かれたときには、仕事を通じた到達点を答えるのが基本です。ここでプライベートの目標だけを答えてしまうと、質問の意図からは外れた回答になってしまいます。
私のキャリアビジョンは、30歳までに結婚してマイホームを持ち、家族との時間を大切にしながら安定した生活を送ることです。そのために、長く働き続けられる環境で仕事をしたいと考えています。
面接官が知りたいのは、仕事でどこを目指すのかです。この回答では、働く姿があまり見えず、企業側は入社後の活躍をイメージできません。あくまで「入社後にどんな仕事をどう頑張りたいか」を主軸に答えを作るよう意識しましょう。
②どの企業でも言える内容にとどまっている
抽象論や一般論など、どんな企業にでも当てはまる内容を答えてしまうのも避けたいところです。
私のキャリアビジョンは、社会人として大きく成長し、周囲から信頼される人材になることです。まずは目の前の仕事に全力で取り組み、経験を積みながらスキルアップし、将来的には会社に貢献できる存在になりたいと考えています。
成長・信頼・貢献というふわっとした言葉だけでは、何の仕事でどう成長するのかが伝わりません。仮にそんなつもりはなかったとしても、相手には「別にうちの会社じゃなくてもかまわないのでは」と思われてしまいます。
この状態を避けるためには、入念な企業研究が欠かせません。「自分はきちんと理解している」とはっきり伝えるために、回答のなかにはその企業ならではのキーワードを盛り込めればベストです。
③到達点だけ述べて道筋に触れていない
いかに立派な到達点を語っても、そこまでの道筋が見えない回答では「本気で実現しようとしているのか」と疑われてしまいます。
私のキャリアビジョンは、新規事業を立ち上げて会社の柱となる事業を創ることです。
学生時代にビジネスコンテストで入賞した経験があり、アイデアを形にすることには自信があります。入社後はできるだけ早く新規事業に挑戦し、いずれは会社を代表する事業に育てたいと考えています。
この回答には到達点と意欲は書かれているものの、入社後にどうやってそのポジションを目指そうと考えているのかが読み取れません。
実際のルートを考えているのであれば回答にも盛り込むべきですし、考えていなかったのであれば今からでも用意しておくべきです。「なぜその企業で新規事業をやりたいのか、そのためにどの部署でどのようなスキルを身に付けたいのか」まで具体的に盛り込みましょう。
キャリアビジョンに関するよくある質問
最後に、キャリアビジョンの質問に関して就活生からよく挙がる疑問に答えます。回答を作る際に迷う場面があったら、ぜひ参考にしてみてください。
Q:キャリアプランを聞かれたら答えを変えるべき?
キャリアプランを聞かれた場合でも、回答の到達点まで変える必要はありません。ビジョンが「到達したい姿」、プランが「そこに至る道筋」という関係なので、同じ内容のまま道筋を厚めに語れば対応できます。
実際の選考での聞かれ方は、キャリアプラン・入社後にやりたいこと・将来像などさまざまです。どの聞かれ方でも「到達点+そこまでの段階」の形で答えられるようにしておけば、質問の言い回しに惑わされずに済みます。
面接でのキャリアプランの答え方については、こちらの記事で詳しく解説しているため、併せて確認してみてください。
面接でのキャリアプランの答え方|業界・職種別の内定者例文26選Q:何年後までのビジョンを語れば良い?
5年後・10年後を目安にするのがおすすめです。内定者たちの口コミでも、「5年後にリーダー」「8〜10年目にPM」のように、10年以内の区切りで語られた回答が大半でした。
なかには「5年後のキャリアビジョンは」と年数を指定して聞かれるケースもありますが、事前に5年後・10年後それぞれの姿を用意しておけば、指定の有無にかかわらず対応できます。
逆に、遠すぎる未来を語ろうとするとかえって回答がぼやけてしまうため、20年後・30年後まで語る必要はありません。
Q:プライベートの夢を話しても良い?
仕事のビジョンに接続できるのであれば、プライベートの夢を回答に含めても問題ありません。「家族との時間を大切にしたいから、生産性高く働けるプロフェッショナルになりたい」のように、私生活の価値観が仕事の到達点につながっていれば、むしろ人柄が伝わる回答になります。
ただし、仕事の話が出てこない回答は避けなければなりません。プライベートの夢を話す場合は、必ず「だから仕事ではこうありたい」まで言い切るようにしてください。
内定者の例文を参考にしてキャリアビジョンを明確にしよう
この記事ではキャリアビジョンの考え方と作り方を紹介しました。内定者の多くは、部活やゼミ、アルバイトといった身近な経験から自分なりの到達点を導き出しています。つまり、特別な経験がなくても、評価されるキャリアビジョンは作れるということです。
まずは6タイプの例文のなかから「自分もこうなりたい」と思えるものを一つ選んでみてください。到達点さえ決まれば、理由も道のりも後から自然についてきます。迷ったときは回答作りの4ステップに戻り、一つずつ組み立て直せば問題ありません。
内定者の例文を手掛かりに、自分の言葉で語れるキャリアビジョンを用意しましょう。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。
この記事の編集担当者
飯塚 千弘
横浜市立大学国際教養学部卒。新卒で介護・保育領域の人材紹介会社に入社。人材コンサルタントとして従事したのちに、経営企画部にて集客及び登録者データの分析を担当。記事のチェックや訴求内容の提案等を行う中で記事制作に関心を持ち、ライターへと転身。現在は就活会議の編集ディレクターを務めている。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める