金融業界の志望動機の書き方|大手内定者の実例を業種別・理由別に紹介
こんにちは。就活会議編集部の飯塚です。 「金融業界の志望動機の書き方がわからない」と悩む人は多いでしょう。私自身も就活生時代、志望動機の書き方に悩み何時間もネットで情報収集していたのを覚えています。 就活会議に寄せられた選考体験記を分析すると、金融業界内定者の多くが業界の理解の深さ、価値観や経験にもとづく説得力のある志望理由などを伝えているとわかりました。 この記事では、金融業界の志望動機の書き方や作成前の準備を解説します。志望動機の15例文も紹介するので、書き方で迷うことはなくなるでしょう。
この記事は、就活会議の会員が投稿した体験記にもとづいて作成・編集をしています。就活会議の会員は現役の学生であることを確認しています。
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どこから読み始めますか?
・金融業界のビジネスモデルを知りたい
・志望動機を作る前に準備すべきことを知りたい
・金融業界の志望動機の書き方を知りたい
・【理由別】内定者が伝えた金融業界の志望動機を見たい
・【業種別】内定者が伝えた金融業界の志望動機を見たい
・企業に刺さる志望動機にするコツを知りたい
【業種別】金融業界のビジネスモデルを解説
金融業界は業種によってビジネスモデルや業務内容、顧客層などが異なるため、志望動機を作成する前にそれぞれの特徴を理解することが重要です。
ビジネスモデルを理解することで各業種の違いがわかり、志望動機に盛り込む内容も明確になります。さらに、業種の特性にもとづいた志望理由をアピールすれば、説得力のある志望動機が作成できます。
就活会議に寄せられた選考体験記を分析しても、金融業界のビジネスモデルを理解している学生ほど説得力のある志望動機を書けている傾向がありました。まずは、金融業界の主要な業種のビジネスモデルの違いを理解することからはじめましょう。
なお、以下の記事では業界研究の正しい進め方や注意点について詳しく解説しています。効果的に準備を進めたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
業界研究のやり方|主要8業界の研究方法や注意点を徹底解説①メガバンク
メガバンクのビジネスモデルは、個人や法人、政府機関から預金を集め、その資金を必要とする企業や個人に融資することで金利差を得る仕組みです。預金者は利子を受け取り、借り手は利息を支払う形で、銀行を介してお金が循環していると考えるとイメージしやすいでしょう。
そんなメガバンクのビジネスモデルを支えているのが、下記で解説する預金業務、融資業務、為替業務の3つの業務です。
- 預金業務:普通預金、定期預金、企業や個人事業主の銀行口座を管理する仕事
- 融資業務:預かったお金を、資金を必要としている企業や個人に貸し付ける仕事
- 為替業務:国内での振込や会社間の振込決済、外貨両替や海外送金などの仕事
多くの顧客から少しずつ預金を集めることで、個人では用意できない大きな資金を企業などに貸し出しています。銀行が専門的な審査やリスク管理をすることで、資金を預ける側も借りる側も安心して取引できる仕組みが特徴です。
ビジネスモデルを理解しておけば、「メガバンクがどのように経済を支え、どんな業務を担っているのか」という視点から、説得力のある金融業界の志望動機を書きやすくなるでしょう。
②証券
証券会社のビジネスモデルは、株式や債券などの有価証券を通じて「お金を増やしたい投資家」と「事業資金が欲しい企業」をつなぐ仕組みです。
たとえば、株式や債券など有価証券の売買を仲介して手数料を得たり、企業の新規株式公開(IPO)や債券の発行を引き受けたりすることで収益を上げています。顧客は個人投資家や機関投資家、企業などがメインです。
証券会社のビジネスモデルが成り立つ理由は、投資家は投資判断に専門知識を必要とし、企業も株式や債券をどの条件や価格で発行すべきか判断が難しいためです。証券会社が両者の間に立ち、情報や専門性を提供して対価として仲介手数料などを得ています。
ビジネスモデルの理解を深めるためにも、証券会社のおもな業務も知っておきましょう。
- リテール業務:個人投資家や中小企業に株式・投資信託・債券を販売し、資産形成を支援する仕事
- リサーチ業務:経済・企業・市場を分析し、投資判断に役立つ情報を提供する仕事
- インベストメントバンキング業務:企業のIPOや増資、M&Aの助言をして、資金調達や経営戦略をサポートする仕事
③生命保険
生命保険会社のビジネスモデルは、保険料収入と運用収益の2つで成り立っています。
契約者が支払う保険料は会社にとって安定した収益源となり、同時に万が一の際に高額な保険金を支払うための資金にもなります。保険料は契約期間中であれば継続的に入ってくるため、ほかの金融業界と比べて収入の予測が立てやすいビジネスモデルです。
生命保険会社が得た収益の一部は、株式・債券・不動産などで運用されます。得た運用益は、将来の保険金支払いの資金にもなり、会社の利益にもなります。運用収益が低下した場合でも保険料収入で安定性を保ち、逆に市場が好調なときは運用収益で収益を拡大できる仕組みです。
生命保険会社には、おもに以下のような業務があります。
- 保険商品の販売:営業職員や代理店などが、個人や法人に生命保険を提供する仕事
- 保険金の支払い:病気・事故・死亡などの際に、契約者に保険金を支払う仕事
- 資産運用:契約者から集めた保険料を株式・債券・不動産などで運用し、保険金支払いや会社の収益につなげる仕事
なお、以下の記事では大手生命保険4社の業績や強み、社風などの違いを徹底解説しています。生命保険業界の理解をさらに深めたい人は必見です。
【大手生命保険会社を比較】日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命の違い|業績ランキング・強み・社風を徹底解説④損害保険
※本図では一般個人向けの来店型店舗を「保険ショップ」、おもに訪問型(自動車ディーラーや企業代理店など)を「代理店」として区別しています。
損害保険会社のビジネスモデルは、保険料収入から支払った保険金や、事業で発生したコストを差し引いた差額で収益を上げる仕組みです。契約者は保険料を支払い、事故や災害が発生した場合のみ保険金を受け取ります。損害保険は基本的に掛け捨ての商品が多いため、事故が起きなければ保険料は戻ってきません。
損害保険会社も、集めた保険料の一部を株式や債券などで運用しています。しかし、長期の積立が前提となる生命保険と異なり、損害保険は掛け捨て型が中心のため、運用額は比較的小規模です。
損害保険は、自動車事故や火災、自然災害、盗難、賠償責任など、私たちの日常や仕事にかかわるリスクを幅広くカバーしています。たとえば、以下のような業務があります。
- 保険商品の引受・販売:保険商品を設計・販売し、契約を管理する仕事
- 保険金支払業務:事故や災害が発生した際に損害を調査・査定し、保険金を支払う仕事
- リスクマネジメント業務:顧客に対して事故防止などのアドバイスをして、被害を未然に防ぐ仕事
なお、以下の記事では損保大手4社を業績や年収、社風などさまざまな観点から徹底比較しています。業界への理解を深めるうえで、ぜひ参考にしてみてください。
【損保大手4社を比較】東京海上・損保ジャパン・三井住友海上・あいおいの違い|業績比較・年収・社風・選考難易度まで解説⑤クレジットカード
クレジットカード会社のビジネスモデルは、カード利用者、加盟店、カード会社がかかわっています。カード会社は、加盟店からの加盟店手数料や、会員からの年会費、分割・リボ払いの手数料などを収益源としています。
クレジットカード会社のビジネスモデルは、信用で成り立っているのも特徴です。カード会社が利用者の支払い能力を審査し、利用者の代わりに代金を立て替えることで、利用者は現金を持たずに買い物ができ、加盟店は売上を安定的に回収できます。対価としてカード会社が手数料を得て、三者にとってメリットのある仕組みが成立しています。
ビジネスモデルの理解を深めるためにも、おもな業務を理解しておきましょう。
- カード発行(イシュイング):利用者にカードを発行し、利用状況や与信を管理する仕事
- 加盟店開拓(アクワイアリング):店舗やECサイトを加盟店として獲得し、カード決済を普及させる仕事
- 決済処理(プロセシング):会員の利用や加盟店の売上を処理し、スムーズな決済をサポートする仕事
金融業界の志望動機を作る前に準備すべき3つのこと
「金融業界に興味はあるけど、志望動機に何を書けば良いかわからない……」と悩む学生は少なくありません。志望動機は経験や価値観と結び付けて考える必要があるため、書き慣れていなければ戸惑うのも当然です。
就活会議に寄せられた金融業界内定者の体験記を分析すると、多くの学生が志望動機を作る前に、業界の動向や志望先企業の特徴を理解したり、価値観や経験を棚卸ししたりしていることがわかりました。
ここからは、説得力ある金融業界の志望動機を考えやすくするためにも、志望動機を書く前に押さえておきたい3つの準備を解説します。
①金融業界の動向を探る
金融業界は金利変動や政府の規制、デジタル技術の進化、社会情勢などの影響を受けやすいため、業界の動向を把握することが大切です。業界の変化を理解したうえで志望動機を作成すれば、説得力のあるアピールができます。
金融業界の動向の調べ方の例は、以下のとおりです。
- 日本銀行・金融庁の公式発表で、金融政策や業界規制の動向を調べる
- 日経新聞、ロイター、週刊金融財政事情などを読む
- 各金融機関のIR資料や中期経営計画で、志望企業の今後の戦略を確認する
- コンサルティング会社や証券会社が発表する業界分析レポートを読む
金融業界の動向を理解していれば、「日本銀行が金利を引き上げたため、銀行が預金者に支払う利息と融資で受け取る利息の差が広がり、銀行の利益が増えている」「新NISA制度によって、証券会社が個人の資産形成に注力している」「キャッシュレス決済の普及でクレジットカード業界が変革期を迎えている」などの動向をつかめます。
調べた金融業界の動向から、「デジタル化や金利の変化などで変革期を迎えている金融業界で、新しいサービスを通じて社会に貢献したい」などと志望動機を考えやすくなるでしょう。また、資産形成のニーズの高まりを知っていれば、「人々の生活を金融の力で長期的に支えていきたい」などと志望動機にもつなげられます。
②志望企業の強みや特徴を調べる
志望企業の志望理由につなげられるようにするためにも、業界のみならず、企業の強みや特徴も調べておきましょう。就活会議に寄せられた金融業界の選考体験記を分析しても、「なぜ他社ではなく弊社なのか」という質問が高い頻度で出題されているとわかりました。
企業の強みや特徴の調べ方は、以下のような方法があります。
- 内定者の志望動機を読む:競合他社との違いに触れている志望動機を参考にする
- 公式情報を確認する:中期経営計画などでビジネスモデルや最新の取り組みを把握する
- サービスを体験する:実際に店舗やアプリを利用して他社との違いを体感する
- 口コミを収集する:業界レポートやOB・OG訪問で志望企業の情報を聞く
収益源、今後の成長戦略、主要顧客、サービス内容、競合他社との差別化ポイントを押さえると、志望企業の強みや特徴が見えやすくなります。たとえば、メガバンクなら「海外展開に注力している」「法人営業に強い」、生命保険なら「商品開発力が高い」「販売チャネルが広い」などの強みや特徴を把握しておきましょう。
③金融業界で活かせる価値観や経験を探す
企業はビジネスとして利益を出し続ける必要があり、そのために成果を出せる人材を求めています。「自分の価値観や経験が金融業界でどう役立つか」を理解し、面接官にアピールするためにも、金融業界で活かせる価値観や経験を棚卸ししておきましょう。
私自身の就活経験を振り返っても、志望企業で活かせる経験を話した際に、面接官の表情が明るくなり、前のめりで質問してくれたことを覚えています。下記の例を参考に、金融業界で活かせそうな価値観や経験がないかを思い返してみてください。
- アルバイトで売上を分析し課題を見つけた経験:金融商品の営業や顧客ニーズの分析に活かせる
- サークルの全員でイベントを成功させた経験:金融業界で顧客との信頼関係を築く力として活かせる
- ゼミの研究でデータ処理をした経験:大切な資産を扱う金融業界で、ミスの許されない業務への責任感として活かせる
- 新しい分野の勉強に取り組んだ経験:法改正や新商品が次々と生まれる金融業界で、常に学び続ける姿勢として活かせる
金融業界の志望動機の書き方|内定者の実例付き
ここまでで、金融業界の動向、志望企業の特徴、自分の価値観や経験が整理できたのではないでしょうか。しかし、いざ金融業界の志望動機を書くとなると、「どんな流れで何を伝えれば良いかわからない」と悩むかもしれません。
そこで、就活会議に寄せられた金融業界内定者の志望動機を分析してわかった、おすすめの書き方を解説します。実際に内定者が回答した志望動機も紹介するので、参考にしながら説得力のある内容を考えてみましょう。
なお、以下の記事では志望動機の基本となる「400字」のまとめ方やおすすめの構成について解説しています。自信を持って伝えられる回答を準備するために、ぜひチェックしてみてください。
400字の志望動機のまとめ方|内定者ES28選を業界・職種・エピソード別に紹介志望動機の基本の構成|大手内定者が実際に伝えた志望動機も紹介①金融業界を志望した理由を説明する
まずなぜ金融業界を志望するのか説明しましょう。就活会議に寄せられた選考体験記を分析すると、「なぜ金融業界なのかを深掘りされることが多い」と回答している学生が多くいました。「業界→業種や企業の志望理由」の流れで段階的に伝えることで、説得力が高まる効果もあります。
内定者はどのように金融業界の志望理由を答えているか、回答例を見てみましょう。
貢献性です。
学生コーチや同窓会幹事など、周囲の意見に寄り添いながら取りまとめてきた経験から、誰かに貢献できる仕事に就きたいと考え、生活に欠かせない金融業界に携わりたいと思うようになりました。
加えて、金融業界の特性として無形商材であることも理由の一つです。自分自身の一挙手一投足が相手の心を動かし、それがビジネスやサービス購入につながると考え、自分自身を商品のひとつのように扱える金融業界に惹かれました。 (2024年卒 慶應義塾大学 明治安田生命保険 総合職(全国型)career S 内定)
この志望動機では、結論を一言で伝えているため業界の志望理由が理解しやすくなっています。そのあとに、学生コーチや同窓会幹事の経験、金融業界の特性を説明し結論に至った理由を説明することで、論理的な流れになっているのもポイントです。
金融業界の志望動機を書くときは、まず価値観や経験を振り返り、それが金融業界のどんな特性と結び付くのかを整理することからはじめてみましょう。
回答例のように、無形商材であること、お金を通じた課題解決ができる、顧客との長期的な関係構築が必要など、金融業界ならではの理由を含めると説得力のある志望動機になります。
②業種や企業を志望した理由を説明する
金融業界には銀行、証券、保険、クレジットカードなどあらゆる業種があるため、なぜその業種や企業を選んだのかを説明する必要があります。
内定者が回答した業種や企業の志望理由を参考に考えてみましょう。
1つ目に、自分が携わったもので人々の生活に根ざした仕組みを作りたいと感じました。なぜなら私は個別指導塾のアルバイトをしており、その中でも生徒の勉強環境を改善することにやりがいを感じたからです。
2つ目に、私は日頃からキャッシュレスに取り組んでいるのですが周りの知り合いに勧めてもクレジットカードは怖いと言われバッドキャッシュレスという雰囲気があると感じました。これらの常識を覆す仕事ができればどれだけやりがいを感じるのだろうかと考えたからです。
その中でも貴社はI.D.など様々なことでパイオニアであり、挑戦的であると感じたので私のやりたいことを最も叶えることができると思い貴社を志望しました。 (2020年卒 大阪大学 三井住友カード 基幹職 内定)
業種と企業の志望理由を伝えている回答例です。個別指導塾のアルバイト経験から培った「人々の生活に根ざした仕組みを作りたい」という価値観を伝え、それを実現できるのがクレジットカード業界だと説明しています。また、クレジットカード業界での仕事の魅力を伝えることで、業種の志望理由に説得力が生まれています。
業種や企業の志望理由を書くときは、ビジネスモデルを理解しましょう。そのうえで、回答例のように価値観や経験がどのように業種と結び付くかや、志望企業ならではの強みに触れられるとベストです。
③志望企業で活躍できる理由を伝える
業種や企業の志望理由を伝えたあとは、志望企業で自分がどう活躍できるのかを説明しましょう。金融業界では似たサービスやシステムなどが多く、面接官が「本当に弊社を志望しているか」を判断しています。就活会議に寄せられた選考体験記を見ても、業界の志望理由と併せて「なぜ弊社を志望するのですか」と質問された学生が大勢いました。
内定者が実際に回答した内容を見てみましょう。
私は、多くの業界と関われるため、金融業界を志望し、社風や企業の掲げる理念と働き方が私の価値観や人生の中での経験と一致すると感じ、SMBC日興証券を志望しました。
まず、私は就職活動を通して全業界の企業の話を聞き、いずれにも興味を持ちました。そこで、これら全ての業界に携われ、根幹にあるのが金融業界であると考えました。さらに、サービスや商品を提供することに加え、自分自身をそれらの付加価値とすることができる業界である金融業界を志望しました。
また、日興証券が掲げる日本トップの証券会社を目指すという目標に向かって社員の方々が努力しているというお話を聞き、自分もこれまで目標に向かって努力をし、それを達成することでやりがいを感じていました。これらのことからも、自分が入社後に齟齬なく働けると感じ、証券業界かつ日興証券を志望しました。 (2018年卒 神戸大学 SMBC日興証券 プロフェッショナル社員 クラスII Aコース 総合部門 内定)
内定者の志望動機では、社員の目標に臨む態度と、自身のやりがいを感じるまでのプロセスが一致することを志望企業で活躍できることの裏付けとしています。
志望企業で活躍できる理由を考えるコツは、業務内容や自分の強みを活かせる場面はどこかをイメージすることです。銀行では企業の経営者と信頼関係を築きながら融資を提案したり、保険では顧客のライフプランに合う保障を提供したりする業務があります。
「提案力を活かし、◯◯さんにライフプランを相談して良かったと思ってもらえる営業として貢献します」と断言することで、面接官に志望度の高さを感じてもらえます。
【志望理由別】金融業界の大手内定者の志望動機10選
①無形商材を扱う業界を志望しているため
②人とのつながりや人間力を活かしたいため
③顧客からの感謝を身近に感じられるため
④顧客のあらゆるニーズに対応できるため
⑤専門性を活かせると考えたため
⑥人や企業の成長をサポートしたいため
⑦幅広い業務に携われるため
⑧ライフイベントと仕事を両立しやすいため
⑨顧客の人生のパートナーになれるため
⑩切磋琢磨できる環境があるため
志望動機の書き方は理解できても、「自分の志望理由の場合は、どんな伝え方をすれば良いかわからない」と悩んでいる人もいるでしょう。
ここからは、就活会議に寄せられた金融業界内定者の志望動機を、志望理由別で紹介します。併せて、なぜ評価されたかの理由も解説するので、金融業界の志望動機を考えるヒントにしてみてください。説得力のある金融業界の志望理由の表現方法や、自分の価値観と金融業界を結び付けるコツがつかめるはずです。
①無形商材を扱う業界を志望しているため
私が金融業界を志望する理由は具体的な商材を扱わず、個人の人間力で戦えるフィールドがあると思っているためです。金融商品自体の差別化を図ることが難しい中、やはり行員一人一人の人間力を活かす機会がたくさんあることに魅力を感じました。その中でも人々の成長と挑戦を後押しする銀行業務に興味を持っています。
また、日本の国益に直結するような大規模な案件に携わることができるメガバンク、その中でも海外でのプレゼンスが随一な三菱UFJ銀行を志望しております。具体的には、もともと国際開発に興味があり、三菱UFJの海外関連機関においてマイクロファイナンス関連の業務に携わったり、プロジェクトファイナンス を通じて途上国のインフラ整備に携わりたいと考えているために、御行を志望しております。 (2022年卒 東京大学 三菱UFJ銀行 グローバルコース 内定)
無形商材を扱う金融業界では、人間力が大切だと理解していることが伝わる志望動機です。金融業界ならではの特性をとらえている点が評価されたといえます。
また、入社後にやりたい業務をアピールしている点もポイントです。国際開発への興味をどんな業務で実現できるかまで踏み込んで伝えられているため、面接官に企業研究の深さを理解してもらえます。
なお、以下の記事では「三菱UFJ銀行への就職はすごいの?」という就活生の疑問に答えています。就職難易度から選考対策まで紹介しているので、志望している人はぜひ参考にしてみてください。
三菱UFJ銀行への就職はすごい? 難易度・採用大学・年収・選考対策まで徹底解説!②人とのつながりや人間力を活かしたいため
理系だと就職先と言えば、研究職であったり開発職が一般的であり、院に進学する人も少なくありません。しかし私はアルバイトでの接客の経験や、元々人としゃべること、対人コミュニケーションが得意であったため、人とのつながりや人間力というものを活かしながら働きたいと考えるようになりました。
その中でも金融業界はメーカーと違って、有形のモノを売るということではなく、無形の金融商品を扱うために、より人とのつながりや人間力というものを発揮しながら働けるフィールドであると考えため金融業界を志望しております。
また金融業界は関わるお客様や携わる業務などに多様性があり、社会の基盤を支えている業界というところに大変魅力を感じました。 (2023年卒 東京理科大学大学院 SMBC日興証券 総合コース 内定)
回答例では、理系の一般的なキャリアパスとは異なる選択をした理由を説明できています。コミュニケーションの得意さから、人とのつながりや人間力を活かすために金融業界を志望した背景が伝わります。
金融業界が無形商品を扱うという特性に触れ、メーカーとの違いを明確にしている点もポイントです。「なぜ金融業界なのか」が説得力を持って伝えられているため評価につながったと考えられます。
金融業界を志望する理由を考えるときは、回答例のように自分の経験と結び付けて説明してみましょう。
③顧客からの感謝を身近に感じられるため
「社会の血液」と呼ばれるお金を通して、人間力で勝負出来る金融業界を志望致します。私には「人を支えたい」という想いがあります。大好きなサッカーでは自分の存在が不可欠であると仲間に評価され、嬉しい気持ちとやりがいを感じました。この経験から、感謝を身近に感じられる仕事がしたいと考えています。
貴行は、幅広い業務に携わりながら、お客様に寄り添い、ニーズに合わせた解決策を提供出来ます。多数の説明会や座談会を通して、自分の仕事について生き生きと語る方が多い印象を受けました。
さらに少数精鋭のため、行員1人当たりの収益率の高さから1人1人の与えられる役割が大きいとお聞きしました。若手でも活躍できる環境が整っているため、責任ある仕事に挑戦し続けることで自分が最も成長できる環境であると考えました。
また、人を大切にしている点に加えて、行員のマグマのような仕事に対する熱い思いに惹かれたため、強く志望致します。 (2018年卒 青山学院大学 三井住友銀行 総合職 内定)
金融業界では、融資によって企業の成長を支えたり、資産運用で顧客の将来設計をサポートしたりと、顧客の人生や事業に深くかかわります。内定者の志望動機では、「人を支えたい」「顧客からの感謝を身近に感じられる仕事がしたい」という思いから、金融業界でなければならない理由が伝わったと言えます。
金融業界の役割を「社会の血液」とわかりやすく表現している点も秀逸です。より面接官の印象に残る志望動機にするために、「経済の潤滑油」「社会を支える縁の下の力持ち」などと、金融業界の特徴を自分の言葉で表現できないか考えてみてください。
なお、以下の記事では、若手・中堅社員が三井住友銀行の「年収」についてリアルな実態を語っています。気になる人はぜひチェックしてみましょう。
三井住友銀行の年収はいくら? 平均年収や1,000万に届くタイミングを社員が明かす④顧客のあらゆるニーズに対応できるため
お金や情報といった無形商材を扱うため、自分の力次第でどのようなニーズに対しても対応できる、可能性が無限大にあるところに魅力を感じました。
私が大学時代大切にしていた言葉の一つに「すべては勝つために」というものがあって、答えのない問題に対して何度も試行錯誤を行い、結果を残してきました。大学時代の経験から、ほかの業界と比べて、自分の個性や頑張りが最も影響を与える金融業界を志望いたします。
銀行を志望する理由として二つあり、一つ目は多様な金融商品の中から本当にお客様に合った商品を提案することができる点です。二つ目は、経営者の方が持っている「社会をより良くしたい」というビジョンを共有し、高い視座で仕事ができ、自分の提案によってたくさんの人と喜びを共有できる点に魅力を感じました。
私自身体育会ボート部でシーズン初戦の大きな大会で日本代表も乗っている実業団に勝ち、長年支えてくださったOBの方たちが「泣いて喜んでいたよ」とマネージャーから聞いたとき、勝った瞬間以上にうれしく思いました。そのような喜びを多くの方達と共有できる銀行の仕事に魅力を感じています。
メガバンクの持っているグローバルネットワークやグループ力を活かして、お客様の本質のニーズにこたえることができる提案をしたいからです。私自身体育会ボート部で、勝つためにいいと思ったことはすべて徹底的にし、試行錯誤をすることで自分自身成長し、結果を残してきました。そのような経験からもメガバンクを志望しています。 (2018年卒 同志社大学 三井住友銀行 総合職 内定)
ボート部で試行錯誤をして結果を出した経験を交えて、金融業界や銀行を志望する理由を伝えている回答例です。実体験にもとづいているため、説得力のある志望動機になり評価されたと言えます。
また、この経験から金融業界でも同じように顧客の課題に柔軟に対応し、成果を出せる人材だと伝わります。金融業界は、顧客の金融に関する悩みを解決するビジネスモデルのため、周囲のために行動できる人材が評価されたと考えられるでしょう。
金融業界の志望動機に説得力を持たせるために、誰かのために試行錯誤した経験、周囲と協力して成果を出した経験などがないか振り返ってみてください。
⑤専門性を活かせると考えたため
金融業界を志望している理由は2つあります。
1つ目に、私は大学で経済学部に所属しており、ゼミでは計量経済学を専攻して勉強しています。そのため、数字を用いた分析、とりわけお金や経済に関しての分析をした経験が多く、そういった経験を活かすことのできる業界なのではないかと考えたためです。経済に関しての関心もとても強く、お金に携わるビジネスをしたいとも思っています。
2つ目の理由として、私は自身に専門性を身につけることができる環境に身を置きたいと考えており、金融業界でならそうした専門性がしっかりと身につけられると感じました。金融に関しての専門性をしっかりと身につけるのはもちろんのこと、お客様とのコミュニケーションや課題解決といった分野に関してもプロフェッショナルとなりたいです。 (2021年卒 慶應義塾大学 三井住友銀行 総合職 内定)
金融業界では、経済学、統計分析などの専門知識を活かして顧客に提案をする力が求められます。内定者の回答例では、計量経済学の専攻と金融業界の業務を結び付け、専門性を活かせる人材だとアピールすることで、入社後すぐに活かせる専門性が評価されたと考えられます。
私自身が就活をしていたときも、「大学で学んだ知識を活かせます」などのアピールは面接官からの納得を得やすいと感じました。
経済学部や商学部での学び、簿記やFPの資格取得経験、データ分析のスキルなどがないか、振り返ってみましょう。
⑥人や企業の成長をサポートしたいため
私は、人や企業の成長を持続的にサポートしたいために金融業界を志望しています。
私は、450人ほどの法律系サークルの副責任者をやっていました。そこでは私含め役員31人が主導となって、司法試験の受ける会員のためにオリジナルの対策を作成したり、授業のサポートが必要な会員のために試験対策を行ったりと、会員のニーズに応えるために協働して運営を行いました。
そこで私は、チームとして人の成長や挑戦をサポートすることにやりがいを感じ、お客さまと長期的に信頼関係を築き、多様なニーズに応えることのできる金融業界に興味を持ち、志望しております。
その中でも幅広い業界の人と関わることのできるネットワークが構築されている銀行業界で自分自身を成長させたいと考えています。 (2022年卒 慶應義塾大学 三井住友銀行 総合職 内定)
金融業界では顧客に寄り添う姿勢が求められるため、顧客志向や責任感、思いやりなどが評価される傾向にあります。内定者の志望動機では、サークルの副責任者として会員のニーズに応えた経験から、人の成長をサポートするやりがいを感じたことを伝えられています。
金融業界の理解を深める対策として、企業の説明会やOB・OG訪問で、どのように顧客とかかわっているのか事例を聞いてみるのがおすすめです。就活会議に寄せられた選考体験記でも、「実際に面接で◯◯さんから話を伺ったと伝えた結果、説得力が上がり評価につながった」という声がありました。
⑦幅広い業務に携われるため
昨年の夏ごろから就職活動をはじめ、幅広い業界、幅広い企業のインターンシップに参加させていただきました。その中で、メーカーなどは事務系職種のお仕事が営業や経理、調達などに限られており、技術系職種がメインであるという印象を抱いておりましたが、金融業界では、事務系職種であっても自分自身が一から商品開発などに携わることができることを伺い、幅広い事業に携わることができると思い、志望しております。
その中でも生命保険業界を志望した理由としては、個人的な原体験になりますが、私の祖父が他界した際に、私の学費や一人暮らし費用として生命保険をかけており、生命保険にはご遺族の方の経済面をサポートするだけではなく、思いを伝える役割があることを認識しました。私自身もそのようなお手伝いがしたいと考え生保業界を志望しております。 (2022年卒 一橋大学 明治安田生命保険 総合職CareerV 内定)
内定者の志望動機では、他業界では事務職が商品開発に携われないことに触れています。事務職でも商品開発に携われるという金融業界の強みを押さえているのは、業界理解が深いことの裏付けになるでしょう。
また、実体験を伝えているのもポイントです。この学生にしか伝えられない志望動機になることで、説得力が増し面接官の印象にも残りやすくなります。
⑧ライフイベントと仕事を両立しやすいため
一つ目に、金融業界を志望した理由は、形のない無形商材を扱う業界であり、決まりきった商品ではなく自らの考えたことやコミュニケーションの成果がそのまま商品となる点にやりがいを感じたからです。また、女性が多く活躍している業界でもあり、結婚や出産といったライフイベントと仕事を両立できる点が魅力であると感じました。
二つ目に、損害保険業界を志望した理由は、仕事を通してさまざまな業界と関わることができる点に魅力を感じたからです。例えば企業保険なら世の中にあるあらゆる業種の会社と保険を通して関わることができ、社会人としての視野が広がると思いました。
三つ目に、複数ある損害保険会社の中でも貴社を志望した理由は、チャレンジ精神を大切にする社風であり、堅いと思われがちな金融業界の中でもクリエイティブで面白い仕事ができると考え、その点が魅力であると感じ、貴社を志望いたします。 (2020年卒 早稲田大学 損害保険ジャパン 総合職 地域限定 内定)
キャリアとライフイベントの両立を見据えた志望動機となっており、長期的に会社に貢献したい思いが伝わる内容です。金融の仕事は顧客と信頼関係を築いたり、人生設計にかかわったりするため、長く働きたい意欲が伝わり評価を得たと考えられます。
ライフイベントとの両立について触れる際は、単に「両立しやすい環境だから」で終わらせず、「長く働き続けることで、会社や顧客にどう貢献したいか」という意欲までセットで伝えることが重要です。「ライフイベントを経ても、培った経験や専門性を活かして長期的に活躍したい」といったビジョンを示すことで、企業側への説得力が高まります。
⑨顧客の人生のパートナーになれるため
私は、ある一場面における支援やサービスの提供で終わるのではなく、お客様の人生のパートナーとして、長期的な信頼関係が築ける金融業界に惹かれました。
金融業界の中でも銀行は幅広い業界のお客様と関わり、提案することで、間接的に社会全体に貢献することができると考えております。そして、私の夢である世の中の需要と供給の不一致をなくすということもメガバンクで日本企業の海外進出を支えたりすることで叶えられると感じます。
また、数多くある銀行の中でも御行を志望している理由はインターンシップなどを通して社員の方々が皆上昇志向であると感じた点、世界全国のお客様に提案営業できる環境が整っている点を特に魅力的だと感じたからです。 (2021年卒 早稲田大学 三菱UFJ銀行 グローバルオープンコース 内定)
金融業界は、住宅ローンや保険、融資など、顧客の人生や事業の重要な局面に長期的にかかわる仕事です。
この回答例では、継続的に顧客を支えたい思いを伝えていることで、金融業界で長期的に活躍できる人材だとアピールできています。
⑩切磋琢磨できる環境があるため
2点あります。
1点目は、自分の名前、魅力で勝負できる点です。私は、サッカーにおいて、中学・高校と試合に出られない時期を経験し、自分に向き合い、努力し、最終的には試合に出場することができました。諦めずに努力することができたのは自分の結果や成果にこだわり続ける向上心があります。
金融商品は無形商材であり、自分が商品の一部となる中で、お客様のために幅広いソリューションから自分のアイデアで様々な形にすることができる点でお客様のため、自社のために結果にこだわり、継続し続けることができると考えています。
2点目は、常に高い環境があるという点です。私は、今までの人生で自分が1番である環境に身を置くことを避けてきました。それは、自分よりも優れた人と切磋琢磨する中で成長したいと考えてしてきたからです。
金融業界では、経営者や社長の方と若い年次から担当として対等にお話しさせていただけるというのは自分にとって成長する種がたくさんある環境といえます。 (2025年卒 ジェーシービー(JCB) 総合職群(G職) 内定)
金融業界は、若手のうちから企業の経営者や富裕層などと接する機会が多い業界です。そこに着目し、金融業界でこそ得られる環境を志望理由にしている点が評価されたと考えられます。
また、「自分よりも優れた人と切磋琢磨するなかで成長したい」という姿勢から、高い目標を持ち続ける向上心が伝わる志望動機です。金融業界では市場動向、法律など知識の習得が常に必要になるため、入社後も学び続けられる人材だと印象付けられるでしょう。
【業種別】金融業界の大手内定者の志望動機5選
ここからは、業種別で金融業界内定者の志望動機回答と、各業種に合わせた志望理由の伝え方やアドバイスを解説します。
志望業種が決まっている人は、まずその業種の志望動機を参考にしてみましょう。そのうえで、ほかの業種の志望動機にも目を通しておくと、評価される金融業界の志望動機の共通点が見えてきます。
また、業種ごとの特色を理解することで、面接で「なぜほかの業種ではなく、この業種を選んだのか」という深掘り質問にも答えやすくなるのでおすすめです。
①メガバンク
私はより多くの人の幸せに貢献したいです。他人の喜ぶ姿を見て、私は幸せを感じます。
幼い頃からボーイスカウトで、人の気持ちを思いやることや仲間と協力することの大切さを刷り込まれてきました。中学高校もカトリックの学校に通い、他人のために生きることが当たり前でした。
他人、ひいては社会のために身を尽くしていきたい。生活に欠かせないお金を扱う銀行でならば、より多くの人の幸せに貢献できると考えています。
業務の幅が広く、相手となる企業も様々な銀行でならば、より多くの企業の支援も可能です。銀行の中でも御行は、若いうちからチャレンジが可能で、大きな仕事も任されると伺っています。
若手もどんどん活躍できる土壌があるなかで、私は戦力への階段を駆け上がり、早い段階から御行を支える人材を目指す。
私の強みである異文化理解力を活かし、担当する人や企業に最も寄り添う存在になります。相手のニーズに最適な提案をして幸せに貢献したく、御行を志望しています。 (2018年卒 早稲田大学 三井住友銀行 総合職 内定)
金融業界のなかでも、メガバンクは個人向けのリテール業務から法人向けの融資など、幅広いサービスを顧客に提供できる環境があります。内定者の志望動機では、「より多くの人の幸せに貢献したい」という価値観と、金融業界・業種の特徴が結び付いている点が評価されたと言えます。
また、他人のために生きる価値観を持つきっかけを説明することで、金融業界で活躍できる特性が伝わるのもポイントです。
②証券
自身が付加価値となり、人の挑戦を成功させたいという就職活動の軸があります。
私は今までに部活動や大学受験など挑戦をしてまいりました。これらの挑戦の成功の背景には周囲の支えがあったため、人を支えることに意義を感じております。また、実際に塾講師の経験において、生徒の挑戦を支えることでやりがいを感じたことから、人の挑戦を支えられる職を強く志望しております。
中でも社会的意義と将来性の観点から証券業界を志望しております。証券業界の中でも御社を特に志望しております。御社は銀証連携による幅広い提案力、金融のプロになることができる環境が揃っており、人の挑戦を成功させられると確信しております。
御社の環境の中で、自身の強みである周囲を巻き込む主体性を活かし、法人から個人まで幅広いお客様の挑戦を私ならではの提案で成功させます。 (2023年卒 同志社大学 SMBC日興証券 総合コース 内定)
証券は、株式や債券の発行、売買によって企業の資金調達や個人の資産形成を支援する業種です。「人の挑戦を支えたい」という自身の軸と、証券の役割を結び付けて伝えられている点が評価できます。
就活会議に寄せられた選考体験記を分析しても、「どのようなビジネスモデルか、なぜその証券会社に入りたいのかを説明できるようにすることが大切」と回答している内定者が多くいました。
この内定者のように、自身の価値観と業界の役割を紐付けたうえで、さらに「なぜ銀行や保険ではなく証券なのか」という違いを自分の言葉で具体的に説明できると、志望動機の説得力がより高まります。
③生命保険
私はお客さんから感謝をされた時にやりがいを感じる性格です。そのためお客様から感謝をされる瞬間がどれだけ多いのかという観点で金融業界を比較してきました。その結果、生命保険が一番なのではないかと感じ、強く志望しています。
金融業界というと銀行、証券、保険と大きく3分類されます。銀行に関して言えば法人営業が主になるとお伺いしました。また証券ではリテール営業がメインになるとお伺いしました。
両者とも社会的意義の大きい仕事だとは思いますが、お客さんは経営者や富裕層に限られ、またお客さんと接する時間も限定的なことに懸念を感じました。対して、保険はどんな層のお客様にも必要とされています。さらに生命保険はお客様と一生の付き合いになることもあるため、魅力を感じました。 (2019年卒 大阪大学 住友生命保険 総合職 内定)
金融業界のなかでも生命保険は、万が一のリスクに備えて自分や家族の生活を保障する業種です。
この内定者の志望動機では、まず「顧客に感謝される機会を得て、仕事にやりがいを見出したい」という金融業界でなければならない理由を伝えています。さらに、生命保険なら、さまざまな顧客に寄り添い、多くの感謝をもらえる機会があることを考察し、他業種ではダメな理由に説得力を持たせています。
④損害保険
「社会貢献性の高さ」に魅力を感じ、損害保険業界を志望しています。
この考えを持ったきっかけとして、長年のサッカー経験があります。私は○○として、チームを最後方から見渡して、時には選手やチーム全体に声を掛け、ピンチを防ぐことでチームを縁の下から支えてきました。この経験から、組織や社会を根底から支えることができる業界で働きたいと考えるようになりました。
中でも損害保険業界は、企業や組織など顧客の抱えるリスクを引き受けて安心を提供することで、挑戦へのハードルを下げる役割を担っています。何か変化を起こそうと挑戦する際にはリスクが必ず付随してきますが、そのリスクを肩代わりすることで、様々な業界の顧客を後押しし、その先の人々に安心を提供するという社会貢献性の高さに魅力を感じ、志望しています。
中でも御社を志望する理由は、御社の先進性や挑戦する姿勢に魅力を感じたからです。御社は、CSV×DXを活用したテレマティクス自動車保険やペットに対する保険を始めとして、社会に暮らす人々のニーズや価値観の変化をいち早く捉え、そこに対して最適な保険の提供を実践しています。
私自身、これまでの人生において、高校のサッカー部の経験や現在のアルバイトにおいて、挑戦することを通じて成長してきたため、そうした挑戦する姿勢を持つ御社に魅力を感じると同時に、御社であればいち社会人としてより成長できると考えました。 (2026年卒 法政大学 あいおいニッセイ同和損害保険 基幹社員「転居可」コース 内定)
損害保険は、自動車事故や火災、企業の賠償責任などのトラブルから顧客を守る仕事です。
この内定者は、損害保険業界を志望する理由として「社会貢献性の高さ」を挙げています。この点だけだとほかの業種にも当てはまりますが、「リスクを肩代わりすることで挑戦を後押しする」と自分なりの言葉でかみ砕くことで、他者との差別化と業界への深い理解度を同時に示せているのがポイントです。
⑤クレジットカード
経済にインパクトを与えたいという思いがあり金融業界を志望しています。私は元来貯金志向で、消費に積極的ではありませんでした。しかし学部2年生の授業において経済を回すことの重要性を授業で学び、金融業界に所属することで自分が日本の経済にインパクトを与えたいという夢を持つに至りました。
また、キャッシュレスに関しては決済方法の8割を占める現金マーケットにある市場開拓の可能性を知り、新しい挑戦を好み粘り強く努力出来る私に最適であると感じたためです。留学した際にキャッシュレス決済の浸透が消費の活性化を生む現状を目の当たりにし、日本にもこれを浸透させ経済の活性化に貢献したいと思い、キャッシュレス業界を志望しています。
私は最終的には新しいキャッシュレスの形を提案したいと考えています。最初はコールセンターでお客様視点を学び、迅速な対応力やニーズを読み取る力をつけたいです。次に加盟店営業で加盟店視点を身につけ、プレゼン力を磨きたいと考えています。お客様視点、加盟店視点の双方を身につけた上でカステラアナリティクスの分野でマーケティング、コンサルティングをやりたいです。
そして最終的に、お客様視点、企業視点、コンサルスキルを学んだ上で、商品企画で新しいキャッシュレスを提案したいと考えています。商品企画においては、生体認証などの新しい決済の形を生み出し、御社がキャッシュレスのパイオニアとしてキャッシュレス社会を牽引するための一助となりたいと考えています。 (2021年卒 早稲田大学 三井住友カード 基幹職 内定)
経済にインパクトを与えたいという思いが伝わる、金融業界ならではの志望動機です。銀行や証券と異なり、クレジットカードは決済という形で消費をうながし、経済の活性化に貢献できる点を理解していることもわかります。
また、留学経験で得た気付きから、金融業界の課題を説明できている点も評価されたと言えます。クレジットカード業界への志望度の高さが伝わるでしょう。
内定者も実践した! 金融業界に刺さる志望動機にするコツ
金融業界の志望動機を作成しても、「本当にこの内容で評価されるのかわからない」「ほかの就活生と差別化できているか不安」と感じる人も多いのではないでしょうか。私自身も就活生時代、志望動機の内容に自信が持てず、何度も書き直した記憶があります。
ここからは、内定者の回答から分析した志望動機のコツを4つ紹介します。これらを意識することで、採用担当者に「この学生は金融業界をよく理解している」「金融業界や弊社への志望度が高い」と思ってもらえる志望動機に仕上げられるでしょう。
金融業界で大切な「信用獲得」への意識の高さを示す
金融業界の志望動機では、信用獲得の重要性を理解している人材が評価される傾向にあります。金融業界では顧客のお金や資産を預かったり、融資や投資の提案をしたりするため、ほかの業界以上に信用が重視されるためです。
たとえば、志望動機の終わりで以下のようにアピールできないか考えてみてください。
金融業界ではお金を扱う特徴があるため、担当者への信頼が何よりも重要だと考えています。
大学のサークルで後輩から「◯◯さんなら悩みを相談しやすい」と打ち明けてもらった経験から、小さな気遣いの積み重ねが信頼につながることを学びました。
目の前の顧客を大切にすることで信頼される存在になりたいと考え、金融業界を志望いたします。
金融業界は無形商材のため、商品よりも担当者への信頼が契約の決め手になります。信用の重要性を理解していれば、顧客にも誠実に向き合える人材だと評価されるでしょう。なぜ金融業界では信用が重要なのか、自分の信頼性が伝わるエピソードなどがないか振り返ってみてください。
ITによる金融業界の変化に対する理解を示す
金融業界ではIT技術の発展により、ビジネスモデルが大きく変わってきています。金融業界の変化を理解していることを伝えられると、業界理解の深さや熱意が伝わるでしょう。
就活会議に寄せられた金融業界の選考体験記を読んでいても、以下のような内容を含んだ志望動機は、評価を得ている傾向にあります。
①金融業界の変化を説明する:
金融業界では、AIやビッグデータを活用した新しいサービスが生まれています②企業の取り組みに触れる:貴社が競合他社よりも早く、QRコード決済やAIを活用した与信審査の効率化に注力していることから、時代の波に乗る姿勢に魅力を感じました
③どう貢献したいかを説明する:◯◯の分野ではアナログの部分が残っていると知りました。デジタル化によって顧客の生活の利便性向上に貢献したいです
金融業界の変化への理解を伝えたうえで企業の取り組みに触れているため、志望動機に説得力が生まれています。業界の課題を指摘し、自分がどう貢献したいかまで熱意をアピールしてみましょう。
人や地域を支えることへの思いを盛り込む
金融業界は地域住民の生活や経済、企業の事業を支える役割を担っています。志望動機では人や地域を支える視点があるだけで内容が具体的になり、金融業界への熱意を理解してもらいやすくなります。
たとえば、以下の内定者の志望動機がわかりやすい例です。
私は市民生活を変えることから社会に変革を与えていきたいと考えています。融資事務のアルバイトをした際に、自分の携わった仕事がお客様の生活を変え、またお金に色がないことから、お客さまの生活の変化の上で社会も変えていけると考えました。
また、私は学生時代◯◯や△△に注力しました。その中で、自らが持つリソースを利用して自分が発見した課題や、チームとしての課題を解決する上で、それらの集合体である社会課題の解決にむけた取り組みをしてきました。この点からも、三井住友フィナンシャルグループのリソースをフル活用することで、自らの強みを活かした上で活躍できると考えました。
特に、カード業界は今後のキャッシュレスの伸び代に加え、市民生活に密に関わっていることから、自分を成長させながらも社会を変えていけると考えて志望しております。 (2023年卒 関西学院大学 三井住友カード 基幹職 内定)
市民生活を変える、社会課題の解決など、人や地域を支える視点から志望動機を伝えられています。内定者の志望動機を参考に、「地元の中小企業を融資で支えたい」「お金でチャレンジを断念する人を減らしたい」などと、誰にどんなサポートをしたいか考えてみましょう。
その企業の金融商品ならではの強みに触れる
金融業界は法律や規制の影響で商品内容が似やすく、企業間の差別化が難しい業界です。だからこそ、志望動機で企業ならではの強みを理解して伝えることが大切です。
特に人気企業は学生のエントリー数が多いため、ありきたりな志望動機では埋もれてしまいます。企業の強みまで調べることができていれば、志望度が高いと判断してもらえるでしょう。以下の例を参考に、金融業界の志望動機を考えてみてください。
貴社が提供する◯◯(サービス名)は、他社にはないメリットが多く、キャッシュレス化の拡大に大きく貢献できるサービスだと考えています。
私は金融業界で人々の生活を便利にし、経済を活性化させたいという思いがあります。貴社の商品なら目標を実現できると考え志望しました。
企業の金融商品ならではの強みを調べるときは、企業の公式HPを読む、実際に商品を使ってみる、ニュースリリースでリサーチするなどの方法があります。説明会やOB・OG訪問で実際に働く社員から商品の特徴を聞くことで、より理解を深められるでしょう。
たとえば、証券なら企業ごとの商品やサービスの品揃え、利用者層の違い、生命保険ならデジタル化に注力している、地域住民に寄り添っているなどの特徴がないか探してみてください。
内定者の回答を参考に魅力的な金融業界の志望動機を作成しよう
この記事では金融業界の志望動機を作成する前の準備、書き方、志望理由や業種別の回答などを解説しました。
就活会議に寄せられた選考体験記を見ても、金融業界のエントリーシート(ES)や面接では志望動機を深掘りされる機会が多いため、面接官が納得できる志望理由を準備しておくことが重要です。
内定者を分析してわかったビジネスモデルの理解、企業の特徴を踏まえた志望理由など、評価が高まりやすいポイントを志望動機に盛り込みましょう。また、金融業界で大切な信用獲得への意識の高さや、金融業界の変化への理解を示すことも大切です。
内定者の回答を参考にしながら、説得力のある金融業界の志望動機を作成しましょう。
就活会議編集部
就活会議の編集チームです。就活生の皆さんの役に立つ「企業と面接のリアルな情報」を発信しています。体験記・ESは 会員登録すれば見放題! YouTubeチャンネルも配信中です!編集部についての詳細は 記事コンテンツの制作方針をご確認ください。

この記事の編集担当者
飯塚 千弘
横浜市立大学国際教養学部卒。新卒で介護・保育領域の人材紹介会社に入社。人材コンサルタントとして従事したのちに、経営企画部にて集客及び登録者データの分析を担当。記事のチェックや訴求内容の提案等を行う中で記事制作に関心を持ち、ライターへと転身。現在は就活会議の編集ディレクターを務めている。
大学卒業後、2018年にパーソルキャリアに入社。中途人材紹介事業において、4,000名以上の求職者と100社以上の企業を支援。2022年に就活会議のグループ会社であるポートに入社。キャリアアドバイザーとして学生の就活支援に従事し、新規事業である就活会議エージェントの立ち上げにも参画。現在は約100名規模となるキャリアアドバイザーグループの責任者を務める