私は国際交流事業を通じて、国内外の人々の世界観や視野を広げ、相互理解を促進することに貢献したいと考え、貴基金を志望しています。相互理解をすることによって、少しでも先入観から生じる誤解や差別、そして偏見をなくし、お互いが対等な関係を築くことに繋げていきたいと思うからです。そのためには、人と人が実際に交流することや、文化の一側面だけでなく、多様な側面について伝え、受け入れる必要があると思います。貴基金は、交流プログラムを企画・運営し、その「人」に近く関わることができ、かつ文化芸術交流、海外における日本語教育、日本研究・知的交流といった多様なフィールドからアプローチをすることができる点で、真の相互理解を達成できると感じました。
私が視野を広げることになったきっかけも、国際交流でした。高校生の時、友人が「外国人の多くはがさつだし、マナーがなっていないから、嫌いだ」と言われたことで、ショックを受け、自分のルーツの一部が外国にあるということを、なかなか友人に言うことができませんでした。しかし大学に入り、国際交流カフェのスタッフとして活動してから、日本人学生と留学生が仲良くなるのが早い姿を見て、先入観は、実際に交流することで簡単になくなり、対等な関係を築くことができると実感しました。また、日本の包括的な文化イメージが、まだ伝わり切っていないと感じた経験は2回ありました。1回目は、KAKEHASHI projectに参加し、現地の高校生へプレゼンを行ったときです。私たちの予想に反して、彼らはアニメにそれほど興味がなく、書道や浴衣に関心を持っていました。2回目は、大学の実習TAとして今年の3月にスロベニアのリュブリャナ大学を訪れたときです。そこでは学生の9割がアニメや漫画がきっかけで日本語を専攻していました。同じ日本語を勉強していても、そのきっかけとなる興味関心が全く異なり、海外において日本文化の様々な側面を知る機会の少なさを感じました。
以上の経験から、私は貴基金において、お互いの文化や価値観に触れる機会を作り出すことで、日本と海外の人双方の視野を広げ、対等な関係を築く場や機会の提供をしたいと思い、志望いたします。その中で、日本の文化の多様な側面を伝えるために、あるひとつのフィールドに新たな視点を加えていける職員を目指します。
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