認知神経心理学のゼミに所属しています。心理学の一分野で、文字通り認知心理学と神経心理学が統合した学問分野です。前者の認知心理学は、人間のこころの動きを情報の流れとして捉えます。見たり聞いたりした情報が、私達の五感に取り入れられた後の処理プロセスや反応行動に着目します。この一連の流れを情報処理の経路として仮定し、その正誤を実験を通して検証します。後者の神経心理学は、失語症や認知症などに代表される脳損傷事例を扱うものです。該当する患者の方々の症状を基に、その原因となる脳部位を類推します。つまり、認知神経心理学は脳に何らかの損傷を受けた人間の言動に対し、健常な人の外界認知・処理プロセスの分析結果を応用することで、その障害のメカニズムを解明しようと試みる学問です。自身の卒論では、線画の認知を取り上げます。立方体を描いた単なる白黒の線画と、それに陰影情報が付け加えられた線画を実験参加者に提示します。線画の表面には2点のドットを示し、どちらの点が手前もしくは後方にあると感じるかという奥行き判断を行ってもらう予定です。収集したデータをもとに、線画の奥行き知覚に輪郭線と陰影情報が及ぼす影響を検証します。
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