大学4年次の卒業研究です。所属先の研究室はクロロフィルを用いた人工光合成を扱っていました。 私の研究内容は、効率的に二酸化炭素をメタノールやギ酸に還元できる触媒の開発でした。二酸 化炭素を化学エネルギーへと変換することは、持続可能な社会の実現のために大変重要であると 感じ、私もこの研究に携わりたいと強く思いました。 この研究により、私は体系的な問題解決の手法を身に付けました。 当初、私の研究は思うように進んでいませんでした。しかし、隣の先輩は着々と進めていきます。 私は先輩の実験時間が極端に少ない事に気づきました。先輩は理論立てなどの準備や解析に趣を 置き、失敗をしてもそこから道すじを立て、目標に近づけていきます。私は闇雲に実験をしていた ため、失敗から学ぶ事が出来ず、全く目標が見えていませんでした。 そこで、私は研究に対する意識を変えました。まず、目標を決め、それを達成するために綿密な 計画を立てます。そして、それをもとに実行し、目的の化合物が出来ているかを様々な分析機器を 用いて評価します。その後、目的物ができていなければ、教授や先輩から助言をもらい、原因を 分析し、再度実行していきます。目標に対する現在位置が把握できているため、適切な行動が素 早く取れるようになりました。 私は先輩から学んだ手法を常に意識し、愚直に研究を続けていきました。その甲斐あって、最終 的に目標を達成し、国際学会で研究成果を発表する事が出来ました。 この経験より、目標に向けて計画を立て、それを実行し、生じた問題を解決する手法を身につけ る事が出来ました。これは汎用性が高く、多くのビジネスの場で活用できるスキルだと思います。
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