【交通業界の魅力を体感】【20卒】北海道中央バスの夏インターン体験記（文系/総合職）No.5049（小樽商科大学/男性）（2019/4/12公開）

初めてのインターンということで、通学で時折使っていて親しみがある上、趣味の延長線上にある交通業界がどのような職種なのかを知りたくて応募した。大学側で斡旋している特殊なインターンだったため、同業他社の候補はなかった。

採用枠がわずか１名であるため、書類選考には少なからず神経を使った。一項目２００字程度ではあったが、志望動機などをしっかりとしたものにすべく、自社ホームページなどから情報収集して、それなりに事前知識を頭に入れておいた。

施設訪問の感想、当社の今後の課題等をまとめたレポート作成

1週目にやったこと

初日は顔合わせおよび事業内容についての説明、最後に実務経験として高速バスの乗車人員集計業務や回数券整理業務のお手伝いをさせていただいた。
２日目は業務体験に加え、小樽市内の３営業所に所長の車で同行し、路線や車両など様々な視点からお話を伺った。
３・４日目は施設見学ということで、小樽・札幌市内のバスと無関係の関連子会社に社員同行の下伺い、現場担当者の話を聞いた。
５日目は上記に加え、たまたま某音楽フェスタ開催初日だったため、シャトルバスによる地下鉄駅から会場までのピストン輸送の観察・お手伝いをさせていただいた。

2週目にやったこと

お盆真っ只中ということもあり、バスターミナルで社員に混ざって乗客対応を２日ほどした。
８・９日目は添乗報告ということで、自らバスに乗りまくって自分で設定した目的地に向かい、乗車途中の運転や接客態度について覆面調査を行わせて頂いた。
最終日はレポート作成と発表（提出）を行い、最後は懇親会が開かれ終了。

なし

メンターとして奇しくも新卒１年目の男性社員がついてくださったため、いささか気が楽になった。とにかく私のことを褒めちぎってくださり、どんな些細なことであっても懇切丁寧に教えて下さったことが印象深い。
また、事業所自体に事務職員が数名しかいなかったため、次長や主任、所長など、多くの方とお話する機会があり、どの方も相当好意的に接してくださったことも嬉しかった。

インターン生ながら、ご丁寧にも事業所内に私専用のデスクが用意されており、しかも社員の皆様が仕事をしているまさにその空間の中にあったため、完全に新入社員になったような気がして非常に緊張した。
また、実家のある札幌から毎日8:30には小樽に到着せねばならず、早起きしてバス通勤という面でも非常に苦労した。

本当に「包み隠さず全てをさらけ出してくださった」こと。
一般人として絶対に立ち入れない場所に入れたり、見れないものを見たり、業務のお手伝いをさせていただいたり、趣味的視点で見るとこの上ないほど貴重で有益な経験の連続だった。
インターンとして見ても、通常ならばインターン生に絶対教えないであろう会社の悪い点を（無意識なのかも知れないが）耳打ちしてくださったり、私自身が見聞したりと、社会の厳しさを垣間見せてくださったことが印象的であった。

10日間にも渡る長期インターンということは、当たり前であるがそれだけの間社会人の方々と接するということである。ビジネスマナーや上座下座など、社会人として最低限の礼節を理解しておくべきだった。

実際に事業所に配属となった場合の詳細な業務についての説明があったほか、実際に何種類かは何日にも渡って業務体験させていただいたし、そして何より同じ屋根の下で何日も仕事風景を見ていると、否が応でもどのような業務を日々行っているか理解できたため。

なかなかこの業界に対して興味がある人自体が少ない中、趣味の一つだと公言してインターンに参加していたこともあり、周囲からも期待を裏切らない知識と行動力があると絶賛されたから。
レポート発表後は、次長から直々に「是非当社に来てください、人事に伝えておくので」とまで言われたため、かなり自信はついた。

皮肉にも「全てをさらけ出してくださった」ことがマイナスに働いた。
何を仕事に求めるか、軸なんて全くない時期に参加したが、休日の少なさと残業の多さに辟易してワークライフバランスの大切さに気づかされたり、あちこちに見受けられた社内の風遠しの悪さや古い慣習を目の当たりにしていくうちに、志望度は自ずと下がっていった。

私の偏見がかなり入っているかもしれないが、就活生全体のやる気が本州に比べて著しく低い北海道で、就活解禁の半年以上前の夏休み中に、わざわざ10日間もの長期間、たった一人のインターンをしたという時点で、どう考えても本選考にプラスに影響すると確信していた。
事実、先述の通り最終日に本選考で有利になることを仄めかされたこともあり、間違いなく有利に働くと思う。

趣味を仕事に出来れば、嫌なことがあってもそう簡単にへこたれることもないだろうし、趣味人としては見れない裏側の部分まで見れて面白いのではないかという安直な考えから、交通系事業者を中心にぼんやりと考えていた。
ただ、私も「やる気のない３年生」の一人だったため、半年以上先の就活のことなど殆ど考えておらず、企業研究なども全くしていなかった。

実際に当社で働いている多くの方々(奇しくもOBが過半だった)とお話をさせていただいたが、大抵の人が「社会的現実を知って幻滅してしまうから、趣味を仕事にしない方がいい」と仰っていたこと、そして10日間を通じて私自身がそのことを薄々実感したため、インターン参加後は心機一転して交通事業者は一切候補に入らなくなった。