私はダンスサークルで100人が参加する作品の監督を務めました。
この作品は年に1度作られ、①半年間の練習期間中に出演者のモチベーションが下がり10数名が辞退すること、②ダンスに詳しくない観客からの評価が低いことの2点が問題となっていました。私はこの原因を分析したところ、それぞれ①監督の意向に出演者が過度に左右され、出演者が求めている作風から離れていること、②芸術性を追い求めるあまり、理解されづらい作品になっていることが分かりました。
そこで私が最も注力したことが、出演者と観客がともに楽しめる作品にすることです。①出演者向けの課題、②観客向けの課題の双方を解決することで、より良い作品になると考えました。
まず出演者それぞれが満足し成長を感じられるよう、積極的にコミュニケーションを取り、踊り方の好み・過去のダンス経験・技術の習熟度などの把握に努めました。その上で、個々に合った振付を考え、各自の練習への参加頻度に応じた練習メニューを組みました。製作期間中も、出演者側の意向を知るため定期的にアンケートを実施し、適宜修正を加えました。
また、友人に話を聞くこと、インターネットで調べることなどにより、観客からの評価の高い作品が持つ特徴を研究しました。その結果、ダンスを通して「何を表現しているか」が明確であることが重要だと分かりました。そこで、演劇の要素を取り入れることで、起承転結のある作品に仕上げました。加えて、友人や先輩に製作段階での作品の動画を見せて感想を聞き、多様な意見の収集に努めました。
結果として、出演者から成長を実感したとの声を多数聞き、辞退者を出さずに本番を迎えることが出来ました。また、尊敬しているダンサーに完成した作品を褒めてもらい、とても嬉しかったことを今でも覚えています。私はこの経験を通して、相手の立場に立って物事を考えること、それにより新たな手法が得られることを学びました。
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