【記者志望の挑戦】【19卒】一般社団法人共同通信社の冬インターン体験記（文系/記者職インターンシップ）No.3125（早稲田大学/男性）（2018/4/13公開）

とにかく記者志望だったことがある。新聞社や雑誌社のインターンシップへの参加経験はあったが、通信社の記者についても学びたいと考えた。時事通信社は記者職のインターンシップを募集しておらず実質一択ということもあり応募を決めた。

エントリーシートの提出があった。作文とオーソドックスな質問で構成されていた。現役記者(他紙)の方に採点してもらいながら精度を上げていった。

街だね記事の作成、模擬記事の作成

1日目にやったこと

自己紹介からの社内見学を行った。講演会のビデオ(ICANのノーベル賞演説)を見て模擬記事の作成。模擬記事に関しては名前を伏せて回し読みをして、投票を行った。その上で上位記事については講評を行った。

2日目にやったこと

前日に、「東京の春」というお題で街だね(地方面などによく載るイベントやお店紹介・人物紹介などの記事)を作成してきて、午後からだった。そこで記事用の写真と記事を名前を見たうえで講評した。加えて、社員との昼食会。

人材開発部次長・部長級

なし

「読者に伝えようとしていない、この記事は全くダメ」との言葉が印象的だった。いかに伝わりやすい記事を書くかということの難しさを痛感した。全体としてかなり厳しめの指摘が多い印象だった。

急に何か取材してきた原稿を明日の昼までに提出せよとのことで正直戸惑った。取材対象が決まっているわけではなく、自分で探す必要がある。個人的なおすすめとしては夜のうちに取材を終わらせてしまうこと。朝からだと似たり寄ったりの記事になっていた。面白い取り組みをしているなどの居酒屋の取材ができると朝が楽。

共同通信社はあくまでも通信社であり、新聞記者などとはやや性質の差があることが良く分かった。あくまでもつうんしゃは速報メインであり、県版がないため比較的遺憾的余裕があることなどだ。街だねの取材と模擬記事の作成などかなり実践的な内容で勉強することができたのでその点がとてもよかった。

通信社の役割等をある程度理解しておくとよいと思う。また、街だね取材は毎年あるようなので取材先のあたりをあらかじめつけておくといいと思う。

参加した時期がちょうど平昌オリンピックとかぶっていた。使用した会議室の横に特別班が設置されており声が漏れ聞こえてきて雰囲気が良く感じ取れたためだ。突然「終わったぁ～～」と叫び声が聞こえるなど職場の感じがつかみやすかったと思う。また、社内見学など会社の様子をよく見ることができた。

大学生にとってなかなか理解することが難しいのが通信社という会社だと思う。自社の媒体を持たず役割などを知ることがとても難しい。結果として速報記事がやりたいとの志望動機になることが多いようだ。インターンシップに参加したことで月並みな志望動機は避けることができるので有利だと思う。

志望度が下がった理由はあくまでも速報記事の会社だということを痛感させられたためだ。私は調査報道が最終的にやりたい。時間的な余裕がある一方でなかなか集中的に調査報道ができないと感じた。共同通信社はICIJにも加盟して、力を入れていないわけではないのだが、人数も少ない上年次も高い。

先述した通りインターンシップからの本選考ルートが用意されている。ただし、接する社員も少なく人事が気に入るかどうかといったあいまいな視点のようだ。なので、運任せの要素は捨てきれない。

基本的にマスコミ業界、記者志望であった。だが、マスコミ、特に記者職での就職は難関業界であることもあって抑え的な意味で複数の業界を考えていた。具体的には、放送(民放キー局・NHK)・新聞(在京6紙)・出版(経済雑誌)の記者職。加えて、社会問題解決という意味でコンサルティング業界、旅行が好きなために旅行業界も見ていた。

記者志望であるという点にはまったくもって変化がなかった。ただし、全体として通信社に対する志望の優先度が下がった。あくまでも最終目標とする調査報道をやりたいと考えた場合には適切と言えるか微妙だと感じたためだ・その理由は主に2つある。一つは速報記事優先の会社であるということ。もう一つは自社媒体を持たないためキャンペーン報道を行いにくい点だ。