【弱者に寄り添う記者の挑戦】【19卒】岩手日報社の冬インターン体験記（文系/編集職コース）No.3676（北海道大学/男性）（2018/9/28公開）

夏のインターンシップでは大手の全国紙だけ応募していたが、自己分析を重ねた結果、「弱者に寄り添う」が私の就活におけるキーワードだとわかった。そして、弱者に寄り添うためにより「人」との距離が近いのは地方紙だと考え応募したのが岩手日報社だった。

国会図書館に行くなどして事前に岩手日報を読むなどすることによって、何に特化した新聞社なのかを知るように努めた。

記者に必要な文章力を上げる

1日目にやったこと

最初簡単に自己紹介を行い、その後新聞業界の説明が行われた。続いて、岩手日報の読者投稿欄のコラムを執筆し提出した。その後場所を移動し、近くの歴史資料館で学芸員の方のお話を聞き、その話をも元に記事を執筆した。

2日目にやったこと

内勤の記者の体験として、記事に見出しをつける作業を体験した。続いて、ベテラン記者の東日本大震災の震災時の話を聞き質疑応答。次に作文のテーマが３つほど発表され、そのテーマで作文を書き、論説委員の社員さんに添削してもらった。最後に1日目に書いたコラムの講評をしてもらえた。

なし

作文の添削の時に、論説委員の方が「読んで面白い作文が読みたい。文章の上手さよりもそこを磨いて欲しい」と言っていたのが印象的だった。新聞社側は入社試験時の作文に面白さを求めているのだなと気づくことができた。

２日間にコンテンツを詰め込み過ぎていて、1つ1つに割ける時間が短くて非常に大変だった。文章力をアップさせるということで、「書く」ことに特化していたこともあるが、記事の執筆が時間がなくて、宿題になり、さらに自由提出になるなど、適当だなと思う機会が何度かあった。

岩手日報の読者投稿欄のコラムに自分の執筆したコラムを優先的に掲載して頂けたのは非常にうれしかった。新聞社のコラムに記事が掲載される機会は意外と少ないので良い経験だなと思えた。自分が書いたものが新聞紙に載るという経験を経て、改めて記者になりたいと思うようになった。

作文の練習を積んでから挑むべきだった。実際に入社試験の採点をしている人に添削してもらえる機会などほとんどないので、ある程度実力をつけてから腕試しのつもりで挑むのが良いと思った。

地方紙の利点である地域に密着した報道を体現しているなと感じたからです。東日本大震災の当時の話を聞いたり、当時の紙面を見せてもらう中で、非常時においても社員が一丸となって危機を乗り越えようとする姿勢に深く共感し、自分の地域に貢献できる新聞記者という目標に合致した。

あくまで仕事体験のインターンシップという形をとっていたようで、インターンシップに参加したからといって何か選考に有利に働くというわけではなかった。新聞社のインターンシップは選考に関係がある場合とない場合があり、そこの見極めをしてインターンシップに参加する必要があると感じた。

地方紙の魅力について社員の話や、業務体験を通して知ることができて非常に有意義な2日間を過ごすことができた。また企業が向いている方向と自分が目指す方向が同じかどうか確かめることができ、選考を受ける前に企業と自分との相性を主観的ではあるが判断する材料にすることができた。

インターンシップに参加することが企業と自分の将来目指す方向性が同じか判断できるという意味では有利に働くとは思う。ただ、特にインターンシップに参加したからといって、本選考の優遇措置があるわけではないから、有利と思うか否かは参加者次第である。

新聞記者になりたいという夢があり、その夢の実現のため本選考では新聞社とテレビ局に絞ってエントリーしようと決めていた。ただ、夏インターンに関しては志望業界を絞ることなく、興味があった金融、旅行、人材業界などのインターンシップ応募・参加し視野を広く持つ努力は怠らなかった。ただ冬インターンに関しては新聞社を中心にエントリーシートを提出するようにした。

冬インターンが終わるまで、全国紙を志望していたが、岩手日報のインターンシップに参加することによって地方紙の使命と仕事の魅力について知ることができ、視野が広がった。今まで、会社の規模だけを見て記者として働く場所を選んでいた気がするので、その考えを改める良いきっかけになったのではないかと思う。全国紙とブロック紙合わせて記者の採用は300人程度である。全国紙だけ受けて玉砕する人が多い中、地方紙という選択肢があったのは本選考でアドバンテージだった。