20卒 本選考ES
総合職
20卒 | 東京大学大学院 | 女性
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Q.
趣味・特技・スポーツ
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A.
趣味は棒針編みで手袋やマフラーを制作することです。自分で編み込み模様をデザインしたり、海外の編み図を訳して編んでいます。また、最近はかぎ針編みのワークショップに参加し、新しい技法にも挑戦しています。 同時に、私にとっての編み物は単にマフラーなどを「つくる」だけではなく人との関係を「つくる」ツールでもあります。編み物は、自分では編み物をしないという人ともお話しするきっかけになるためです。例えば、研究室で編み物を広げていると「何を編んでるの?」など、学生や先生方との会話の糸口になります。人見知りをしがちな私にとって、編み物は大変貴重なコミュニケーションツールです。 続きを読む
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Q.
あなたがTOYOKUNIを志望する理由を教えてください。
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A.
私は、「ものづくり」を通じて様々な価値観を伝える仕事がしたいと考えています。私が大学で専攻した美術史では、ある一つの作品が「何を」「どのように」「誰によって」表現しているのか考察する方法を学びます。学部・院を通じて、こうした考察で解き明かした「作者がどのように世界を見ていたのか」を、展覧会のキャプションやリーフレット制作によって様々な方に伝えることを実践してきました。その中で、自分の作った制作物で展覧会来場者の価値観に変化をもたらせることに喜びを感じ、印刷物の制作に携わりたいと思うようになりました。 貴社の事業の中でも、特に翻訳事業で日本の作品の魅力を海外の読者に向けて届けることができる業務に貢献したいと考えています。翻訳に興味をもったきっかけは、修士1年の夏、IT系企業にて開発中ソフトのGUIの英語から日本語への下訳を校正するアルバイトとして4か月間勤務したことです。この業務では細かな「てをには」や語順など、1字単位での校正作業によって「最小限の文字数で最大限の情報量を伝えること」が求められました。業務を教えてくださった社員の方の、多くのエンドユーザーのために簡潔かつ正確な表現を目指す姿勢が大変印象に残ったため、翻訳に自分も携わりたいと思うようになりました。 以上のような私自身の印刷物制作・翻訳に携わりたいという思いを、印刷会社であるとともに翻訳事業を展開されている貴社で活かしたいと考えています。同時に、貴社は海外向けコンテンツの制作に取り組まれているとのお話を説明会で伺い、私のモットーである「新しい環境に挑戦する」ことを活かして貴社でぜひグローバルな業務に携わりたいと考え、今回志望いたしました。 続きを読む
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Q.
あなたの好きな出版物を教えてください。その作品を人に紹介するためのレビューをお書きください (出版物は書籍、コミックなどジャンルは問いません)。
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A.
多和田葉子氏の小説『献灯使』(2014,講談社)です。この小説は「鎖国した近未来の日本」という舞台で、2018年11月にマーガレット満谷氏による英訳版”The Emissary”が全米図書賞の翻訳部門を受賞しました。私が日本語版を読んだ時には、日本語とドイツ語の二か国語を使って創作活動を行う多和田氏が、普段よりも更に言葉を自由に変形し、二重三重の意味を仕込んでいくという点が大変魅力的な作品だと感じました。しかし一方で、こうした日本語と外来語が奇妙に溶け合った世界観を他言語に翻訳することは至難の業だろうと思いました。今回、翻訳者の満谷氏が多和田氏の文体を英語に翻訳するためにほどこした工夫などを受賞後のインタビュー記事で読んだ際は、その手腕の鮮やかさに心打たれました。 同時に、一度英訳されたことで、双方の作品が双方の工夫を凝らした言語や文体の特徴を鏡のように映し出しているように感じ、翻訳の奥深さを改めて感じました。そして、こうした世界を垣間見せてくれる、異なる言語が異なる文化をつなぐ現場に携わりたいという思いが一層強くなりました。 続きを読む
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Q.
休日はどのようにお過ごしですか?
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A.
休日は、美術館の展覧会に行くことが多いです。最近見に行った展覧会で印象に残っているのは、今年2月から3月に東京都美術館で開催された『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』展です。美術史家・辻惟雄が提唱した「奇想の画家」と呼ばれる型破りな作風を特徴とする画家8人の作品を一度に観ることができ、大変貴重な鑑賞体験でした。特に長沢芦雪の「白象黒牛図屏風」は、巨大な画面いっぱいに描かれた白象と黒牛の迫力と、同時に白象の体に止まるカラス、黒牛によりそう白い子犬など大/小、黒/白という二つの対立を作品の中に収めた計算された構図に圧倒されました。 また、時には上京してきた学部時代の友人を家に泊め、一緒に美術館に行くこともあります。特に、学部時代の同期の友人とは、日本美術の展覧会を見に行くことが多いです。彼女は技法に詳しいため、一緒に観ている時に様々な知識を教えてもらったり、逆に私が詳しい分野の場合は解説することもあり、一人で観る時とはまた違った発見ができる機会となっています。美術館を訪れることの魅力の一つは、こうした新しい世界の見方を知ることができることだと考えています。 続きを読む
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Q.
今までに一番打ち込んだことはどんなことですか。そこから何を学びましたか?
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A.
学生時代に最も打ち込んだことは、フランス・○○市の市役所広報課でのインターンシップです。私の業務は、○○市のFacebookで週1回記事を作成して、フランスと日本の文化、双方の魅力を発見し、発信することでした。 その中で最も困難だったのは、日本とフランスとの違いを意識して言語化することでした。ですが、欧米諸国から集まったインターン生仲間にもそれぞれの国のことを聞き、日仏の二か国だけでなく多くの国を比較することで、徐々に日本文化の特徴を自分なりに表現できるようになりました。 以上のような、異文化との交流で感じたことを外国語で言語化するという経験は、自分のアイデンティティを客観視する機会となるとともに、「どのようにして自分の文化の魅力を異なる文化圏の人々に伝えるか」という視点を培うことに役立ちました。 また、フランス滞在中、インターン生仲間に「日本のことで何か知っていることはある?」と聞くと、ほぼ日本の少年漫画のタイトルが出たため、日本の漫画が海外で受容されていることを実感し、後年翻訳に携わりたいと考えた際に、特に漫画の翻訳に興味をもつきっかけとなりました。 続きを読む
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Q.
あなたにとって「つくる」とは何ですか?
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A.
「つくる」とは、人間が行わずにはいられない行為だと思っています。 私はもともと美術に興味を持っており、美術を専門に学べる高校へ入学しました。高校では油画、大学では美術史、大学院では博物館学と専攻を変えています。どの時期も一貫して美術を学びたいという軸をもって、実際に作品を制作する立場、美術史を学ぶ立場、美術を展示する博物館を研究する立場へと新たな環境に挑戦していきました。特に私にとって大きなできごとだったのは、学部での美術史を専門的に学ぶ環境から、より広い視野を身につけるべく他大学の修士課程に進学したことです。現在の研究室は幅広い分野を学ぶ学生が在籍しており、そういった学生たちに自分の研究内容について意見を交換しながら実感したことは、いついかなる時代でも人間は「つく」らずにはいられないこと、そしてこの世界にあるあらゆるものが、人間が今まで「つく」ってきたものの蓄積であり、どんなものでも学問の入り口となりうるということです。以上のような大学院で学んだ視点を活かし、私も新しい価値観を「つくる」ことで社会に貢献したいと考えています。 続きを読む