21卒 インターンES
総合職(編集)
21卒 | 早稲田大学 | 女性
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Q.
出版社に就職したらやりたいこと
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A.
書籍の中でも特に上製本の文芸編集を行いたい。その理由は,独自のプロモーション手法である装丁を最大限に活かし,読者が魅力的な物語作品に更なる付加価値や多角的な味わい方を発見する機会を幅広く提供したいからである。これは装丁家である奥定泰之さんの講義を受講した経験に起因する。私はそれまで装丁は本にとって見栄えの誇張材であると捉えていた。しかし講義を通じて,それが単なるアートにとどまらないことを知った。また,著者・編集者・装丁家各々の思惑の共通領域が洗練された実体を伴った存在になるべくして製本に至るまでの過程に,思いを形にする面白味や遣り甲斐を見い出せると強く感じた。以上のことから,編集者の立場から作品の内容と装丁が最大限に引き立て合い,両者の最大公約数を体現できる書籍づくりに邁進したいと考える。加えて,飽和状態にある他の出版物との差別化を図るため,本を介した人間同士の出会いの場も形成したい。 続きを読む
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Q.
扶桑社の商品で好きなコンテンツとその理由
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A.
貴社のコンテンツで好きなのは,石井好子監修『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる レシピ版』(2004)である。その理由としては,書籍全体の温かみ,著者の料理観や人付き合いを追体験できる構成,本作にとどまらない読書体験の可能性提供が挙げられる。私自身は,好きな作家である恩田陸が本家の『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(暮らしの手帖社,1963)を推薦していたため,興味を持った。本家の装丁をオマージュしたかのようなジャケット,内部の色彩や文字組み等から家庭的な安心感を覚えた。また,メニュー撮影に使用された味のある食器類が,実は好子さんがご厚意で貸してくれた品々であるというエピソードも胸に沁みた。つまり,文化人兼エッセイストである著者・石井好子の人間性や料理を通じた周囲との交流を読者が後追いでき,監修者の他の作品や料理本自体への興味を掻き立てる点において,本作は優れていると言えるだろう。 続きを読む
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Q.
「自分がいなくなったら困ること」をテーマに、オリジナルのタイトルを付けて、600文字から800文字の作文をお書きください。
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A.
アノヒ,アノ時,あの場所で。 サンジュウビョウマエニシタハズノタメイキヲ,マタツイタキミ。ジブンジシンニアキアキシナガラモ,ヒタスラマエヲムキ,アルキツヅケネバナラヌノガ,コノジダイニウマレタモノノ性トイウモノナノカモシレナイ。焦燥ト諦観ノイリマジッタキモチヲ,ムシスルノハ,ホトンドフカノウニチカカッタ。恋ニオチタオトコホド,テニオエナイモノハナイ。マサニ,フガイナイキミハ,ショウテンノアワナイ目ヲ,マドノソトニムケ,ソラヲミタ。テニシタショウセツノ,ゴサツニイッサツハ,カナラズビョウシャスルヨウナ,テンケイテキナ飛行機雲ガイッチョクセンニ,テンクウノ海ヲキリサイテユク。ナゼ,アノトキ,ナニモデキナカッタノカ。瞼ノウラデ,ヒタスラリピートサレル,彼女ノフシギソウナヒョウジョウ。ナニカデキタ,シカシ,アノトキノ行動ガ,ジブンニデキルサイダイゲンノ工夫ダッタト,自分ヲドウニカナットクサセヨウトスル。ソンナ君ヲミテイルト,我々ハイヨイヨ,タンナル形式的ナ道具ニスギナイノダト,痛感セザルヲエナイ。ソウダロウ,ヴィンセント?納得スル,マンネー・フィッツ。人間というイキモノハ,我々ノコトヲ,便箋と万年筆,ソウ言ウラシイね。街中でスレ違イ,一目見テ,恋にオチタアノ子ニ,一言デモ声ヲかけられたなら。口は開いても,そこから出てくるのは吸った後の空気ダケ。本当に必要なアレは,ドコカへ消え去ってしまったヨウダ。彼ノ熱烈な視線に気がつき,怯えた目をこちらに向けた彼女は足早に雑踏の中へと消えていった。ソノ姿を見失った彼の悲痛な表情といったら。わずかな痕跡を探すかのように,周辺を見回す彼の足元ニハ長方形の厚紙があった。そこに記載してある住所に,思いの丈を記した文書を届けようと彼は考えた。しかし,悲しいかな,握りしめた万年筆と彼の言語野は一向に動く気配を見せない。ソウ,ワタシハ,文字という名のコトバ。 続きを読む