
21卒 本選考ES
編集・ビジネス

-
Q.
入社志望理由(なぜ文春かがわかるように)
-
A.
未来を憂慮しがちな私は、貴社の小説群から数々の勇気をもらった。高校生の頃、医師や弁護士を目指す周囲の友人たちが大学受験の準備に取り掛かる中、私には確固たる目標がまだ無かった。自信を喪失していた時に手に取ったのが『インシテミル』。こんなにも興奮してページをめくる手が止まらなくなる作品があるのか!と感激し、誰かの心を動かす面白い仕事がしたいという自分なりの道筋が見え始めた。大学2年の時は、教室で目にするスーツ姿の上級生の顔が一様に疲れ切っていることに気がつき、就活に対する不安が膨らみ始めた。それを前向きなモチベーションへと転換してくれたのは『シューカツ!』だった。今度は私が、文芸の歴史とWebへの積極的な姿勢を併せ持つ貴社で、誰かの心をポジティブに刺激する作品を生み出したい。 続きを読む
-
Q.
入社後にやりたい仕事
-
A.
①文芸小説。タイポグラフィやアートを題材とした物語で、文字デザインやクリエイターの魅力を発信したい。具体例:(1)装幀家がモデルのクリエイティブ奮闘劇(デザイナーに当て書き)、(2)フォントを擬人化したミステリー(恩田陸先生×正木香子先生)、(3)リアルタイムに観に行けるアート作品とタイアップしたラブストーリー集(アンソロジー)。他ジャンルでは、(4)学祭運営委員(朝井リョウ先生)や、(5)マイナースポーツに打ち込むトランスジェンダーの若手アスリートが主人公の青春劇を生み出し、若者の素顔を世に届けたい。②『CREA』。特集「ライフロングな本とオシャレ」で、文芸×ラグジュアリーの魅力発信や、サステイナブルな生活へと読者を誘う。SDGsとコラボした17カラーリングコーデも紹介。他には、「装いとお酒」「きらめく伊豆旅」「あのひとの、○○。(ごはん、おうち等)」などを特集したい。 続きを読む
-
Q.
ここ数年のあなたの生活
-
A.
①学業:認知神経心理学ゼミに所属。卒論では、「共感覚」の症例を分析し、“文字を見たときに色を感じる”共感覚者の認知メカニズムを解明する予定。また、人々の文化享受の裏側の仕組みに興味があり、博物館学芸員や図書館司書の資格に関する講座を受講。②サークル:学園祭実行委員として、祭の広報に携わった。公式パンフレットやイベントのPRポスターのデザインを制作。祭当日は、道案内などの来場者対応や屋外ステージ周辺での会場整備に従事。③学外:上野公園でのアートボランティア活動「とびらプロジェクト」に参画。東京都美術館での建築ツアーや、親子向けの鑑賞イベントをサポートした。④アルバイト:恵比寿駅構内の雑貨店で2年半、接客スキルを磨いた。 続きを読む
-
Q.
当社以外の就職希望先、その理由
-
A.
①出版取次…新規事業部などで、医療・食・交通に関係する空間を出版コンテンツでリプロデュースしたいから。例えば、仏発の「Short Edition」を活用し、QRで読める短編配信機を街中に設置。人々が言葉と偶発的に出会う機会を創出する。そうすることで、焦りや苛立ちを感じやすい場所をいつもよりほんの少しリラックスできる環境へと変容させる。病院、スーパー、鉄道駅、空港など。②広告業界…SDGsとエンタメをコラボさせた広告やPRを通して、「コンテンツ×エコツーリズム」「サステイナブル×ライフスタイル」といったムーブメントを加速させたいから。特にAG世代や子ども達に、共存の意識や社会課題解決へのアクションを自然な形で促したい。 続きを読む
-
Q.
最も感銘を受けたコンテンツについて
-
A.
本:『まほろ駅前』シリーズ,三浦しをん先生 便利軒でのツンデレな日常会話に癒され、日頃の悩みが吹き飛ぶ爽快感。一方で、ほんの些細なすれ違いがきっかけで、事件という名のドミノが加速する過程に引き込まれ、上昇する心拍数。傍観者でありながら、キャラクターの置かれた状況に心底共感できるヒューマンドラマな部分が、私を優しい気持ちにさせてくれる。一見呑気に見えて実はナイーブな行天と自分が重なり合い、親子関係や夫婦関係における喪失と出会いの循環の必然性を実感し、支えられた経験がある。 映像作品: 映画『あん』 「人生最初からやり直せればな…」と腐っていた高2の頃。樹木希林さんと市原悦子さんの演技を見て、冷え固まった心が雑巾のように絞られ、じんわりと温まる感覚を味わった。うまくいっていなくても懸命に生きようと、もがき続ける人。うまくいくように願っていても、社会の風潮や暗黙の了解として引かれた境界線に立ち向かうことが許されない人。そんな現実を看過してきた自身の姿勢を恥じると共に、「生きていくこと」に真正面から向き合おうと思えた。 続きを読む
-
Q.
今,一番会いたい人とその理由
-
A.
お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次氏 YouTubeチャンネル『クリエイターズ・ファイル(以下、CF)』での迫真の演技に魅せられたから。他人になりきるという極意を、俳優とは異なる切り口から体現している点に興味がある。デジタルメディアでの記事化を前提に、「奇想天外なクリエイター達はどこから来たのか」「リュージは何者か」「お笑いはどこへ行くのか」の3部構成でインタビュー。①『CF』のイノベーション性②クリエイターへの愛や審美眼、観察眼の泉③コントとSDGsの相性 などについて質問してみたい。 続きを読む
-
Q.
出版業界への提言
-
A.
①見計らい配本の是非について、業界と親和性の高い周辺産業も含め、全体協議を重ねる必要があるように思う。ヘイト本を始めとする社会の分断を加速させるコンテンツが、書店の要望に沿うことなく届けられている現状を改善するため。②雑誌に関して。週刊、月刊などのスパンに縛られることなく、高品質なものを不定期で刊行する流れに一部移行しても良いのではないか。薄利多売の中で苦戦し続けるより、量より質を重んじた方が読者も嬉しいはず…。 続きを読む
-
Q.
「私の失敗」というお題で,600~800字の作文
-
A.
「あなたに握手してほしいんですけど!」 眼前に迫る男の口元には、カレー粉らしきものがビッシリとこびりついていた。 (このサークル入ったの失敗だった…?) 今から三年前。新歓での運命の出会いを経て、六〇〇人規模の学祭実行委員会に入った私。膨大な数のデザイン制作依頼と、二十一コマの講義を両立する怒涛の日々。週三回の会合は大抵夜遅くまで伸び、翌朝の雑貨店バイトのことすら頭から吹っ飛びそうになる。 そんなこんなで無事に迎えた祭当日。メインの出入口で声を張り上げ、公式パンフレットを来場者に手渡していた時のこと。 「折角来たからお願いできませんか!!」 ふと、変な妄想が脳内を駆け巡った。 (まさか、この人の手のひらにはヒリヒリするような毒薬が塗ってあったりして…) 懇願の目線を近くにいた男子たちに送るが、忙しさゆえ誰も気がつく気配がない。 これからの人生と彼への真心、どちらが大事か。勇気を振り絞って差し出した私の右手を、彼は意外にも普通に握り返してきた。 「いい思い出が作れて本当に良かった!」 聞けば、学祭オタクの彼は会場の混雑状況を鑑みて、巡回を諦めたらしい。その帰り際、法被を着て活動する若者のキラキラ感と生命力に心惹かれ、思わず声をかけたという。 楽しそうな足取りで帰っていった背中に、(こちらが感謝したいくらいです。失敗ではなかったと教えてもらえたから…)と呟いた。 サークル内のポジションは平社員。そんな私だけれど、初対面の相手を思いやる気持ちは自覚しているよりも強かった。自身の咄嗟の振る舞いを時たま思い出しては小躍りした。 バイト先の同僚には、「あんな人どうして相手にするの?」とよく不思議がられる。灰汁の強い人が大勢訪れる駅ナカ雑貨店での心がけによって、学園祭でのハプニングをハッピーに解決できたことを後から自覚した。 続きを読む