現在大学院で、光エネルギーを利用して硫化水素の分解及び水素生成が可能な新規光触媒開発の研究を行っています。石油プラントや地熱発電所で発生する硫化水素は、高濃度の場合人体に有害であり、その低濃度化が必要です。現在一般的に用いられる熱や強塩基を用いた処理法はコストや環境負荷が大きいため、この処理を安価でクリーンに行う方法として「光触媒を用いて硫化水素を分解、無害化しさらに水素を生成させる技術」が注目されています。太陽光をエネルギー源とすることで、硫化水素の処理に必要なコストは大幅に削減され、また、硫化水素から水素を産み出すことができれば新エネルギーの創出も可能です。本研究では、実用化を念頭に安全・安価な材料のもと光触媒を合成し、その性能向上を目指しています。これまでの研究で多孔質構造を有する物質の内部に光触媒を形成することで、光触媒活性が向上し水素生成量が最大14倍増加することを見出し、現在は光触媒材料に変化を加えてさらなる性能向上を目指し研究を行っています。私は本研究で光触媒以外の材料にも着目したことで成果を得られた経験から、視野を広げ様々なことを学ぶことの大切さを感じました。
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