18卒 本選考ES
ディレクター職
18卒 | 京都大学 | 男性
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Q.
志望理由・やってみたい仕事
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A.
NHKの番組に感銘を受け、人の心に残るような番組を作りたいと思うようになった。3年前に観た『映像の世紀』の衝撃は今でも忘れない。映像で歴史を追体験することで、教科書からは得られない、歴史に対する新たな視座を得た。この作品を観て、社会関心が高まり、専攻を変えるきっかけとなった。NHKは公共性を見据えているからこそ、視聴率やエンターテイメント性にとらわれず、社会と真摯に向き合った番組作りができると思う。その姿勢を大切にして、ディレクターとして働きたい。 国内外の社会問題を扱った報道番組の制作に関心がある。『Nスペ』や『クロ現』のように、専門家の解説や現場の声を交えて問題をわかりやすく噛み砕き、視聴者も一緒になって考えるような番組を作りたい。また、地域に密着した紀行番組にも興味がある。『シルクロード』のように、様々な地域に根ざした暮らしや文化、歴史を掘り起こし、その土地の美しさを伝えたい。 続きを読む
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Q.
NHKのニュース、番組について
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A.
父の仕事の都合でシンガポールに3年間滞在している時、家族でNHKの番組を観ることがよくあった。中でも『ダーウィンが来た!』が強く印象に残っている。小学校高学年だった当時、私はテレビに呑み込まれるように、画面に映る生き物の世界に見とれていた。自分の知らない地域で、こんなにも多様な生き物が存在することに感銘を受けた。NHKの番組は、ただ勉強になるだけではなく、好奇心がかき立てられたり、番組のテーマに関して深く考えさせられたりする趣向が凝らされている。学校では教わらないことを、面白く、そして奥深く番組にしてしまうところに、NHKならではの良さがある。その考え方は、今も昔も変わらない。 続きを読む
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Q.
学生時代に取り組んだこと、あなた自身について
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A.
幼い頃にイギリスで2年間、シンガポールで3年間暮らした経験を生かすべく、大学では国際交流に力を注いだ。初めに取り組んだのは、大学1、2年生の時に行っていたボランティアの通訳だ。私が所属していた学生団体は、「人と出逢う旅」を理念に、日本の文化体験を通じて外国人観光客と地元の人々をつなぐ機会を提供していた。通訳としてその両者の間に立った私は、様々な国籍の方に出会った。彼らから母国の話を聞くにつれ、再び海外へ出向き、現地の事情を肌で感じたいと思うようになった。また、自国の伝統文化を顧みた経験が、異文化への関心を高めた。以後、ボランティアでケニアへ赴き、大学派遣の渡米プログラムに参加し、オランダへ留学に行き、ヒッチハイクで世界30カ国を巡るなど、それまで知ることのなかった地域に足を踏み入れた。これらの経験から、グローバル化が進む今日、日本人としての自覚を持って社会に寄与することの大切さを学んだ。 続きを読む
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Q.
関心を持った社会的な出来事や疑問
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A.
私が関心を抱くのは、欧州の同時多発テロ事件だ。調べたところ、犯行の多くが移民、あるいはその子孫によるものである。罪なき市民を無差別に殺傷するのは許し難いが、彼らの残虐性だけに着眼していては、全体像は見えてこない。過激派の言動からはそれ以上の意味が汲み取れると思う。 ドイツに住む友人の紹介で、パキスタンからの移民2世である女性と知り合った。由緒あるモスクで働く彼女の両親は、服装、食事、恋愛と全てイスラム教典に則した生き方を重んじる。一方で、生粋のドイツ人に混じった環境で育った彼女は、ドイツ人寄りの性格の持ち主だ。ある日、彼女にドイツ人の恋人がいることが親に知れ渡ったことをきっかけに親と口論になり、家族か恋人の選択を強いられたという。ドイツ人として生きることを決めた彼女は、家族との離別を余儀なくされた。 社会に溶け込むか、母国の価値観を貫くか。移民には重い選択が突き付けられる。前者をとれば、彼女のように母国のアイデンティティが失われ、後者をとれば、社会で疎外感を抱える。移民として生きるのは大変だ。その狭間に生きる移民が起こした犯行だと考えると、移民社会が抱える過激化問題は根深い。 続きを読む
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Q.
壁を乗り越えた体験
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A.
海外で異文化の壁を最も強く感じたのは、ケニアへボランティアに行った時のことだ。ケニア人は親切で人懐っこい反面、細かいことを気にしない。待ち合わせに数時間平気で遅れて来て、約束もあまり守らない。日本では考えられない現実に嫌気が差すこともあったが、現地の人と距離を置いてしまう自分にも疑問を抱いた。ケニア人の友だちに相談すると、彼はこう答える。「ケニア人は細かいことを気にしないが、それ以上に、家族や友人、隣人など、人間として大事なものを重宝する。それがケニアの文化だ。」言われてみればそうだ。友だちの友人、スラムの住民、道で行き交う人々、みんな初対面の私を笑顔で迎えてくれる。「人」を大切にする文化がそこにはある。それまで自身の価値観を通して彼らを見ていたことに、初めて気がついた。 生い立ちから、習慣、価値観まで全く異なるケニア人を自らの常識に当てはめていては、相手を十分に理解できない。大切なのは、相手の文化や価値観をそのままの形で受け入れることだ。不慣れな言動に戸惑うことはもちろんあるが、それでも、柔軟に構えて寛容になる。こう姿勢を改めることで、ケニア人に対する壁が次第に氷解していった。 続きを読む
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Q.
自由記述欄
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A.
大学生活で最も印象に残ったのは、欧州27カ国をヒッチハイクで巡った経験だ。見知らぬ運転手を信用するヒッチハイクは、常に危険が伴う。さらに、数時間道端で待ったり、外でテントを張って寝たり、時として身体的にも精神的にも疲労が溜まる。1万3千キロメートルの道中で、何が起きても不思議ではなかった。それでも私がヒッチハイクにこだわったのには理由がある。予期せぬ出会いを追い求めるためだ。旅を通して国柄や老若男女を問わず様々な方と巡り合い、時には家に招かれて地元の暮らしぶりを垣間見ることもあった。自分の知らない世界で、こんなにも多様で豊かな人間社会が存在していたことに心を打たれた。人との出会いを通して、その土地の暮らしや文化、歴史を探る。この姿勢を大切にして、世に深く知られていない現実を伝えていきたい。 続きを読む