理由は主に2つある。1つ目は、TVCMの制作現場における業務内容を体感的に学びたいからである。私は、サークル活動の一環で大学の学園祭広報を行っていた。具体的には、来場者に配布するビラや校内に設置する看板・ポスター類のデザイン制作を担当していた。祭の当日になるまで、自身が手がけた制作物の意義や効果が可視化されないため、準備期間は常に不安だった。しかし、学園祭2日目にメインステージから離れた校舎で会場整備を行っていた時のことである。1組の親子が壁に掲示されたポスターを見て「なんだろうこれ?」「留学生主催のイベントだって。面白そうだから行ってみる?」と会話する姿を偶然見かけた。彼女たちが話の種にしていたのは、出演団体と交渉を行う同サークルの他部署から依頼を受け、自身が作ったポスターだった。今思い返しても、素人作であるため、優れたデザイン性のものとは言えない。ただ、既存のイベントをより多くの潜在的な来場者に届ける過程で、その企画情報を広報物というモノへと実体化(1→10)できたことや、魅力的な形で表現することの面白さと意義を強く実感した。この体験を経て、コンテンツによって人々の意識や行動をより良く変容させたいと思うようになった。サークル活動では、専ら平面のクリエイティブのみを扱っていたのが事実だ。しかし、好きな映画や、ハマっている「クリエイターズ・ファイル」(ロバート秋山さんによる)を視聴するうちに、動きを伴う映像の力が強大であると感じた。中でもTVCMは短い尺であり、誰もが気軽に接触できることが魅力だ。また、クライアントと消費者を結びつける制作環境が、出演団体と来場者の懸け橋となる“学園祭広報”の立場と重なった。そのため、TVCMを通して「ストーリー性ある究極の広報」を実現する仕事の具体的な業務を、実体験を通して学びたいと考えた。2つ目は、1つのコンテンツを生み出す過程に求められるチームビルディングスキルを高めたいからだ。ビジネスとしてCMを制作する際には、多様な意見や価値観の共有や、各自が持ち得るスキルを総動員する必要がある。今回のインターンシップでは、10人が1グループとなり実習を行うとお聞きした。私自身は、これまでの人生においてチームの代表としての経験値があまりない。その代わり、全体への気配りやタスクのスケジュール管理、個々のメンタルサポートを担う機会が多かった。そこで、チームの皆を下支えする力を活かして、1つの目標に向かう過程をより円滑で楽しい時間にしたい。そうすることで、制作側とクライアント双方の思惑の最大公約数となるようなCMを生み出せると考えている。以上の2点が応募理由である。期待する点としては、2日間を通して社員の方との接点を作り、貴社のリアルな雰囲気を感じとりたい。仕事の遣り甲斐や、今後のCMの在り方についてもお話を伺えればと思う。加えて、周囲の学生からも刺激をもらい、自身の糧にしたい。
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