【学生の人数】1人【面接官の人数】2人【面接官の肩書】不明【面接の雰囲気】前回同様、緊張感のある雰囲気ではあったが、初めに雑談を挟んでくれたりと、話しやすい環境を作ろうという意図は感じられた。【大学生の間に特に熱心に取り組んだこと】野球を客観的に分析することに取り組んだ。野球観戦が趣味の私は、選手ではないからこそできる野球の見方がしたいと考え、データを基に論理的に野球を分析する取り組みをしている。なかでも犠打は固定化されたイメージで語られることが多いと感じ、犠打の価値を客観的に示すという目標を立てた。犠打についての議論は、「犠打で堅実に攻めるべきか強行策をとるべきか」の議論として語られる。私の所属する野球観戦サークルでも同様の議論が交わされていたが、堅実か強行かというのは先の展開次第である部分が多く、結果論にいきついてしまう。これでは私の目指す犠打の価値の客観的な提示とはいえない。そこで私は、この議論から離れ、個々のプレーについて「点を取る」という目的に照らし考察することにした。すると、多くの場合、犠打の前後で得点確率が減少することがわかった。つまり、常識とされていた「犠打は堅実だ」というのは間違いであり、堅実か強行かという議題設定自体に問題があったのだ。【学部の勉強においての取り組みで印象に残っているもの】強姦罪の適用範囲について研究した。現行の強姦罪は男性が女性を姦淫した場合のみに適用される真正身分犯で、女性が暴行や脅迫を用いて男性を姦淫した場合や同性の者が強姦した場合は強姦罪よりも軽い強制わいせつ罪に問われるに過ぎない。このことが法の下の平等を定める憲法14条に違反するとの指摘がなされており、国際的にも改正が求められる問題である。私がこの問題に関心を持ったのは、不適切かつ曖昧な軸の下で議論されることが多いと感じたからである。法律という規範について論じる以上、こうした問題についても合理的であるかどうかで議論すべきである。しかしながら、実際には必要かどうかという議論になっている部分も少なくない。そこで、この問題について理論的側面から取り組もうと考えた。実際に取り組むにあたっては、男女間に身体的な差異があるという事実、また性犯罪の多くは男性によるものだという事実と、法律において男女で差別化を図るという規範の問題を分離して考え、事実を規範に結びつける論理関係が正確かどうかを考察の対象とした。また、条文の「姦淫」の定義について・強姦罪の主体について・客体についてというふうに問題を分解して考えた。現状では「姦淫」を緩やかに解せば必然に客体は拡大されるため一体として議論されがちだが、規範を考える上ではそれぞれを分解するべきだと考えたためである。こうしてそれぞれの問題について適切なステップを踏むことで、恣意的ではない最適な答えが導ける。例えば同じ「男性が男性に強姦された場合にも同様に強姦罪を適用すべきだ」という主張をするにしても、男性が強姦される事例が多く対策が必要だという政策的な立法論に終始するのではなく、個別の論理を整理したうえで結論付けるということを意識した。強姦罪の内容の不均衡性については近時問題視されており、問題点を論理的に明らかにしてくことで改正が見込まれる。実際、私がこの問題に取り組んだ直後に強姦罪を含む性犯罪の改正についての諮問が行われており、改正要綱には強姦罪の適用範囲拡大が盛り込まれた。この改正が実現されることでより良い法の支配が実現し社会の正義に貢献することは勿論、性という感情的な議論になりがちな領域においても論理性を徹底することでより生きやすい社会を実現していきたい。【評価されたと感じたポイントや注意したこと】一次面接ではみずほ総研についてどの程度理解しているかということを聞かれたが、一転して学生自身の経験を複数問問われ虚を突かれた形となった。
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