私はゼオライトと呼ばれる膜材料を用いた膜分離プロセスについて研究しております。近年、地球温暖化の観点から、二酸化炭素の排出量の少ないエネルギー源として、天然ガスの需要が高まっておりますが、採掘される天然ガスの中には、二酸化炭素などの不純物が多く存在しており、この不純物の除去に関する研究が進められております。不純物の除去に向けた様々な分離方法の中でも、エネルギーコストが低いことから、膜分離法が注目されております。この膜分離において一般的に多く利用されているゼオライトとは、Si原子とAl原子からなる結晶物であり、均一でとても小さな穴がいくつも開いている、そのような膜の材料の一種です。このゼオライトを用いて、天然ガスの主成分であるメタンと不純物である二酸化炭素の混合物から、メタンよりもサイズが小さな二酸化炭素のみを透過させる、そのような研究を日々行っております。この研究の中で私は、実用性の高い膜材料の開発を目標に設定いたしました。私はここで、ゼオライトの骨格内に含まれているAl原子をTi原子に置換した新たな膜材料を開発することで、耐久性の高い膜材料ができるのではないかと考え、研究に励みました。試行錯誤の末、新たな膜材料の開発に成功し、従来のゼオライトと比較して非常に優れた耐久性を確認することができました。現在は実際に過酷な条件下でも分離性能が落ちない、そのような膜の開発に向けて取り組んでおります。以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。
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