私は局所投与用の医用材料としての応用を目指し、「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」というテーマに取り組んでいます。
局所投与法は、患部にのみ薬物を投与する手法であり、薬物が全身を循環する静脈投与などと比較して、治療効果の向上や副作用の低減に有効です。局所投与の手法の一つに体内留置がありますが、体内留置型の材料には、生体組織に長期間留置できる組織接着性や、生体組織に炎症を引き起こさない生体適合性という性質が求められます。この二つの性質を有する材料形態の一つとしてシートがありますが、薬物を少しずつ効果的に放出することが課題とされています。
本研究ではシートの素材として、生体由来の高分子である〇〇〇〇〇に着目しました。〇〇〇〇〇は生体適合性が高く、生体組織に接着する〇〇〇〇〇で修飾することによって、生体適合性と組織接着性を兼ね備えたシートを作製できます。さらに、薬物を内包し、徐々に放出できる構造体である〇〇〇〇〇をシートに複合化することで、課題とされていた薬物徐放性を獲得できます。これらの材料から、生体組織に接着する〇〇〇〇〇と〇〇〇〇〇を複合化した接着・薬物放出機能を持つ層と、〇〇〇〇〇の保護層からなる二層シートを作製できます。接着・薬物放出層は名前の通り患部に接着して薬物を放出し、保護層によって薬物の放出面を制御することで患部志向性の向上に加え、接着層と幹部以外との癒着を回避できます。
このようにして、患部に直接貼り付き、高い治療効果を発揮する医療用のシートの開発を目指しています。
現在までに一層シートの作製およびSEMを用いた膜厚の評価、接着活性を有する〇〇〇〇〇の材料である〇〇〇〇〇の合成を検討しました。
実験結果から、スピンコーターを用いて一層の〇〇〇〇〇シートを作製した際、スピンコーターの回転速度や回転時間がシートの膜厚に及ぼす影響は小さいということがわかりました。また、〇〇〇〇〇の合成では、得られた化合物が難溶性の〇〇〇〇〇とは異なり水溶性を示したことや、NMR測定の結果、化合物に〇〇〇〇〇のシグナルが観察されたことから〇〇〇〇〇に〇〇〇〇〇を導入できたと考えられます。
今後は接着性を示す〇〇〇〇〇と今回得られた〇〇〇〇〇を反応させることで、接着性を有する〇〇〇〇〇を合成します。その後、抗菌剤や抗がん剤などのさまざまな薬物を保持した二層シートを作製し、薬物の放出挙動、シートの生体接着性の評価に取り組む予定です。
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