私は大学一年生の頃から、塾講師のアルバイトをしています。最初に受け持ったクラスは学級崩壊を起こしていました。誰も先生の言うことを聞こうとせず、物を投げあったり取っ組み合いを始めたりは日常茶飯事で、偏差値が一桁の生徒までいました。私は毎週憂鬱になりながらも、一度引き受けた以上は途中で投げ出すのは無責任だと感じ、何とか授業を成り立たせる術を探ることにしました。塾の授業にはカリキュラムがあり、その通りに進めなくてはなりません。当初、私は生徒たちを強制的に着席させ、強引にカリキュラムをこなすことばかり考えていました。しかしそれでは、反発が返ってくるばかりです。そこで私は、生徒ときちんと向き合うことにしました。彼らが理解していること、していないことを正確に把握し、あえて簡単な発問をすることで生徒の発言回数を増やしました。他にも、生徒ごとに宿題を変えるなど、カリキュラムに囚われずに、双方向的な授業を意識しました。結果、生徒たちは徐々に私の話を聞くようになり、無事彼らが卒業した暁には、社員の方から「あのクラスを最後までやりきったあなたなら、どんなクラスでも任せられる」という言葉を頂きました。
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