【学生の人数】1人【面接官の人数】3人【面接官の肩書】人事、研究マネージャー【面接の雰囲気】非常に落ち着いた面接だった。入室するやいなや、面接官が非常ににっこりと笑っていたことに驚いたことを覚えている。雑談から話を膨らませるなど、緊張をほぐしてくれた。内容はどうでもよく、完全に人柄を見ていたと思う。【研究概要をお話しください。】私は植物X抽出物及びその成分であるYを用い、神経細胞死の予防効果及びその機序解明を目的に研究を行っております。研究を行った背景には現代の日本で神経変性疾患の患者数が増加していることが挙げられます。神経変性疾患に対しては有効な治療薬が存在せず、医療技術が著しく進歩した現在もなお新たな治療薬の創出が望まれています。私は特に神経変性疾患の要因である酸化ストレスと小胞体ストレスに着目いたしました。酸化ストレスは生体内で過剰に生じた障害性因子である活性酸素種(ROS)により生じます。小胞体ストレスはタンパク質を正しく折りたたむ役割を担う小胞体内で不完全に折り畳まれたタンパク質が存在し、小胞体に負荷がかかることで生じます。これらを抑制することで神経変性疾患の進行を遅延させることができると考えられております。そこで私の研究では、X及びYの酸化及び小胞体ストレスの抑制効果の検討を目的として行いました。研究の結果、X及びYは酸化及び小胞体ストレス負荷に伴う神経細胞生存活性の低下を抑制し、死細胞率の上昇を抑制しました。その機序について検討を行ったところ、活性酸素種の産生を抑制することで酸化ストレスを抑制することが分かりました。また、小胞体ストレス誘発時に活性化し細胞死を誘導する因子の活性化を抑制したことが小胞体ストレスの抑制機序であると示唆されました。この結果は学会発表し、現在論文執筆中ですが、今後はマウス神経変性モデルを用いて効果を検討する予定です。この研究には小胞体ストレスという未だ研究が不十分な分野が関与しているため、検討項目の設定に悩みました。そこで関係する論文を20報以上読み、専門の先生の話を聞くことでヒントを得て研究を進め、上記の結果が得られました。また、論文を作成することで研究のロジックを学ぶことができました。【実験をやめろと言われたとき、どのように対応したか。】まずはなぜ教授と折り合いが合わないのかについて考えた。それに加え、他の研究室の先輩などメンバーになぜ先生はそのようなことを言うのかと議論し、自分の意見と客観的な意見療法を持つようにした。そのなかで、普段自分から先生にアプローチすることが少なく、実験内容を正しく理解してもらえていないのではないか、つまりは先生からの信頼度がまだまだ低いのではないか、ということに気づきました。そこで私は、まず先生と接する機会を増やすことで自分を認識してもらおうと試みました。お昼の時間にはできるだけ先生と一緒に過ごし、また実験に関しても何をやっているのか、何が目的なのかを自分でも確認しながら逐一報告するようになりました。すると、少しのデータが出た時に実験継続の許可が下り、さらには企業と直接やり取りをさせていただけるようになりました。この経験から学んだ、信頼づくりと実践直は必ず研究者となった際に生きると確信しています。【評価されたと感じたポイントや注意したこと】ほぼほぼ人間性を見た面接だったと思うので、はきはきしゃべることができるか、聞かれたことに対して正確に答えられているかが大きなポイントだと思う。
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